照明スイッチからコンセント増設!費用と方法をプロが解説

照明スイッチにコンセントを増設!プロが教える条件と注意点

こんにちは。横浜電気工事レスキューの主任電気工事士「天谷(あまたに)富士夫」です。

お部屋の模様替えをしたり、新しい家電を置いたりしたときに、「あぁ、こんなところにコンセントがあったら便利なのに…」と感じたことはありませんか?

特に、照明のスイッチまわりは、スマホの充電やスマートスピーカーの設置、小型のサーキュレーターや間接照明の電源として、まさに「一等地」だったりしますよね。

そこで多くの方が思いつくのが、今ある照明スイッチをコンセント付きのものに交換したり、横に増設したりする方法です。

ただ、実際にどうすればいいのか、費用はいくらかかるのか、そもそも自分でDIYできるものなのか、家の配線によってはできないケースもあるのか、賃貸だけど大丈夫?など、たくさんの疑問や注意点が出てくると思います。

この記事では、そんなあなたの悩みをスッキリ解決するために、電気工事のプロとして、照明スイッチからコンセントを増設する際のやり方や知っておくべきポイントを、一つひとつ丁寧に、そして詳しく解説していきますね。

記事のポイント

  • 照明スイッチからコンセントを増設できる仕組みと配線の条件
  • 無資格でのDIYが危険な理由と必要な電気工事士資格
  • 業者に依頼した場合の費用相場と工事内容
  • 工事が難しい場合の工事不要な代替案
目次

照明スイッチからコンセントを増設する仕組みと注意点

さて、まずは本題に入る前に、照明スイッチからコンセントを増設する上で絶対に知っておいてほしい、基本的な電気の仕組みや注意点についてお話ししますね。

この部分をしっかり理解しておかないと、「うちのスイッチは工事できないタイプでした…」なんてことになったり、最悪の場合、大きな事故につながる可能性もゼロではありませんから。焦らず、じっくりポイントを押さえていきましょう。

増設工事の基本的な仕組みと中性線の役割

電気配線の「行き(黒線)」と「帰り(白線・中性線)」の役割と、スイッチとコンセントの構造的な違いを解説した図解
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。

「スイッチもコンセントも壁についているし、同じ電気なんだから、線をちょこっと繋ぎ変えれば簡単にできるんじゃないの?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。実は、ここに最初の、そして最大の関門があるんです。

電気というものは、電気が流れてくる道と、流れていった電気が帰る道の2つが揃って初めて機能します。

これを専門用語で言うと、照明を点けたり消したりするスイッチには、基本的に「非接地側(電圧側)の電線が2本(電源から来る線+照明へ送る線)」が来ていることが多く、中性線(接地側)が来ていないケースがよくあります。

スイッチは、この非接地側の回路を途中で開けたり閉めたりして、照明のON/OFFを行う役割だからです。

一方で、スマートフォンや家電製品を動かすコンセントが正常に機能するためには、「非接地側(電圧側)」に加えて、電気が戻るための「中性線(接地された側の電線)」が必要になります。

なお、ここで言う「接地側(中性線)」は、設備のアース端子に接続する保護接地用のアース線(緑色のD種接地など)とは別物で、電源回路の帰路として電力会社側で接地されている側(コンセント差込口の長い穴側)を指します。

この「行き(電圧側)」と「帰り(中性線)」の両方が揃って、初めて電気がスムーズに流れ、コンセントが使えるようになります。

コンセント増設の絶対条件

壁内のスイッチボックスに中性線が来ている「増設可能」な状態と、来ていない「増設困難」な状態を比較した図
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。

コンセントを増設するには、スイッチが埋まっている壁の中のボックスに、「電圧側(黒い電線が一般的)」と「中性線(白い電線が一般的)」の2本の電線が両方とも来ている必要があります。

この「中性線」という帰りのルートが、スイッチの裏側までちゃんと来ているかどうか。これが、比較的簡単な工事でコンセントを増設できるかどうかの大きな分かれ道になる、と覚えておいてください。

配線次第では増設できないケースとは?

残念ながら、すべての照明スイッチからいとも簡単にコンセントが増設できるわけではありません。むしろ、先ほどお話しした「中性線」がスイッチボックスまで来ていないケースが、実はかなり多いんです。

特に、昔ながらの「片切りスイッチ」と呼ばれる、1つの場所で照明をON/OFFするだけのシンプルなスイッチの場合、電気の「帰り道」である中性線は、天井の照明器具側で直接接続されていることがほとんどです。

そして、壁のスイッチ部分には、電気の「行き道」を断続するための電圧側の電線しか来ていない、という配線方法が非常に一般的なんですね。

【要注意】増設が難しい配線パターン

片切りスイッチの場合、中性線が天井裏で完結しており、壁の中には降りてきていないことを示す建物の透視図
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。

ご自宅のスイッチプレートを(ブレーカーを落としてから)開けてみて、スイッチの裏側に中性線(白)が見当たらない場合は、中性線がスイッチボックスまで来ていない可能性があります。

ただし、配線の色だけで断定はできません。回路構成(片切・3路・4路など)や施工状況によっては、白が配線の便宜上別用途で使われている例や、赤黒などのケーブルが使われている例もあります。

最終判断は、回路の特定と測定(テスター等)を含めて、有資格者が行う必要があります。この状態で、知識がないまま無理に配線しようとすると、ショートして火花が出たり、最悪の場合は火災につながったりと、大変危険です。

この「中性線が来ていない」パターンの場合、コンセントを増設するためには、どこか別の場所(例えば天井裏の配線や、近くのコンセントなど)から中性線を新たに壁の中を通して引っ張ってくる、という大掛かりな追加工事が必要になります。

建物の構造、例えば壁の中がコンクリートだったり、断熱材がぎっしり詰まっていたりすると、この配線工事自体が非常に困難、あるいは不可能な場合も出てきてしまうんです。

無資格でのDIYは法律違反!必要な資格

無資格DIYによる感電・火災のリスクアイコンと、法律違反であることを警告するイメージ図

「配線の仕組みはなんとなく分かったし、動画サイトにもやり方が載ってるから自分でやってみようかな」と考える方もいるかもしれませんが、ここで一番大事なことをお伝えします。

照明スイッチからコンセントを増設する工事は、壁の中の配線を扱う作業を含むため、原則として「電気工事」に該当し、電気工事士の資格が必要になります。

例外として、経済産業省が示す「軽微な工事」に当たる範囲は資格不要ですが、壁内配線の加工や分岐を伴う増設工事は、この範囲に収まらないのが一般的です。

(参考:電気工事士等資格が不要な「軽微な工事」とは|経済産業省(PDF)

具体的には、「第二種電気工事士」以上の資格が必要です。これは電気工事士法という法律で厳しく定められており、もし無資格の人がこの工事を行うと、電気工事士法第3条(電気工事士等)の違反として、同法第14条の罰則(3万円以下の罰金)が科せられる可能性があります。

なお、「3ヶ月以下の懲役」は電気工事業法(登録業者が無資格者に工事させた場合など)の罰則であり、個人の無資格工事に対しては「罰金刑」が中心です。(参考:電気工事士法|e-Gov法令検索

もちろん、法律の問題だけではありません。不適切な工具の使用や、ほんの少しの配線ミス、ネジの締め付け不足といった些細なことが、漏電やショートによる感電、そして接触不良による発熱からの火災といった、ご自身やご家族の命に関わる重大な事故に直結します。

安全という何物にも代えがたい価値を守るためにも、絶対に無資格でのDIYは行わないでください。

どこまでの作業が資格が必要で、どこからが自分でできるのか、その境界線についてはこちらの記事でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

DIYと業者依頼のメリット・デメリット比較

「実は第二種電気工事士の資格は持っているんだけど、自分でやるかプロに頼むか迷うな…」という方のために、DIYと私たちのような専門業者に依頼した場合のメリット・デメリットを、もう少し詳しく比較してみました。

DIY(有資格者)

メリット

部品代(数千円程度)だけで済むため費用を大幅に抑えられる 自分の好きなタイミングで作業できる

デメリット
  • 感電や火災のリスクが常につきまとう
  • 必要な専門工具(検電器、圧着工具など)を全て揃える初期投資が必要
  • 配線ルートの判断ミスや施工不良のリスクがある
  • 失敗した場合の壁の補修や配線のやり直しは全て自己責任
  • 万が一火災が発生した際、原因調査の結果、施工不良が原因だと補償の可否に影響する可能性がある

業者に依頼

メリット
  • 安全かつ確実な施工が保証される
  • 専門知識と経験で、現場に最適な方法(配線ルートなど)を提案してくれる
  • 工事後の保証(PL保険加入業者なら万が一の際も補償)があり安心
  • 面倒な部材の選定や準備、作業をすべて任せられる
  • 最新の電気設備技術基準に準拠した施工を行ってくれる
デメリット

工事費用(技術料、出張費など)がかかる 業者を探し、日程を調整する手間がかかる

費用面だけを見るとDIYに強い魅力を感じるかもしれませんが、電気工事は一歩間違えれば取り返しのつかない事故につながる可能性があります。

長期的な視点で見たときの安全性、確実性、そして万が一の際の保証を考えると、やはり私たちプロの電気工事業者に安心してお任せいただくのが一番のおすすめかなと思います。

業者に依頼した場合の費用相場と内訳

プロに依頼した場合の費用相場(15,000円~)と、内訳(技術料・部材費など)を示した価格表イメージ

では、実際に私たちのような専門業者に依頼した場合、どれくらいの費用がかかるのか、気になりますよね。もちろん現場の状況によって変動しますが、一般的な目安として、既存の照明スイッチをコンセント付きスイッチに交換する工事の費用相場は以下の通りです。

【費用相場】約15,000円 ~ 30,000円(税込)

  • 基本的な内訳
    出張費、技術料(作業費)、部材費(コンセント付きスイッチなど)、既存スイッチの処分費など
  • 費用が変動する要因
    スイッチの配線状況、壁の材質(石膏ボード、コンクリート等)、工事の難易度、業者の料金体系など

この金額は、先ほどからお話ししている「中性線」がスイッチボックスまできちんと来ている場合の、比較的簡単な交換工事を想定しています。

もし、中性線を別の場所から新たに引っ張ってくる追加の配線工事が必要になった場合は、壁や天井の加工作業も伴うため、さらに10,000円〜30,000円程度の追加費用がかかることが一般的です。

なお、コンセント増設工事の具体的な費用相場や注意点については、以下の『コンセントの増やし方|DIYは可能?費用や工事の注意点を解説』の記事でも詳しく解説しています。

見積もりを取るときのチェックポイント

正確な費用は、やはり現場の状況をプロが直接確認しないと算出できません。そのため、できれば2〜3社から見積もりを取ることをおすすめします。

その際は、単純な金額の安さだけで決めるのではなく、以下の点もチェックすると、より安心して任せられる業者を選べると思います。

  • 見積書の内訳が「工事一式」ではなく、項目ごとにきちんと記載されているか
  • 追加料金が発生する可能性がある場合は、どんなケースなのか事前に説明があるか
  • 質問に対して、専門用語ばかりでなく、分かりやすく丁寧に答えてくれるか
  • 万が一の事故に備えて、PL保険(生産物賠償責任保険)に加入しているか

コンセント増設工事全体の費用感については、こちらの記事でより詳しくパターン別に解説していますので、合わせてご覧いただくと、さらにイメージが湧きやすいかもしれません。

賃貸物件で増設工事はできるのか?

賃貸マンションやアパートにお住まいの場合、壁に手を入れる工事には特に慎重になる必要があります。「スイッチプレートを交換するだけだから大丈夫だろう」と安易に考えてはいけません。

賃貸物件での工事は必ず管理会社・大家さんに事前確認を!

賃貸物件で工事をする際に必要な「管理会社の許可」「原状回復義務」などのポイントをまとめたスライド

コンセントの増設工事は、壁の内部にある配線を触ったり、場合によっては壁に穴を開けたりする「建物の現状を変更する行為」にあたります。そのため、工事を行う前には、必ず管理会社や大家さんの許可を得る必要があります。

これを怠って無断で工事をしてしまうと、賃貸借契約の違反となり、退去時に高額な原状回復費用を請求されるといった深刻なトラブルに発展する可能性があります。

まずは、「スマートスピーカーを使いたいので、照明スイッチの横にコンセントを増設したいのですが、専門の電気工事業者に依頼して工事を行うことは可能でしょうか?」といった形で、正直に理由を伝えて相談してみましょう。

許可が下りた場合でも、「退去時には必ず元の状態に戻すこと」といった条件が付くケースがほとんどです。その際の費用負担なども含め、許可の内容を書面で残しておくと、後々のトラブル防止になり、より安心ですね。

賃貸物件でのコンセント増設に関する許可取りや費用相場については、以下の『賃貸でコンセント増設は可能?許可や費用相場をプロが解説』の記事も合わせてご確認ください。

照明スイッチからコンセントを増設する具体的な方法

さて、ここからはもう少し踏み込んで、具体的な増設方法や、壁の工事が難しい場合の代替案についてご紹介していきますね。繰り返しになりますが、ここから説明する電気工事の手順は、必ず「第二種電気工事士」の資格を持った方が、安全を最優先して行ってください。

【有資格者向け】DIYの基本的な手順

ブレーカー遮断、検電器での確認、結線作業、電圧測定を行っているプロの施工風景と手順
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。

このセクションは、法律で定められた資格をお持ちの方向けの、あくまで一般的な作業手順の解説です。無資格の方は、ご自身やご家族の安全のため、絶対に真似をしないでください。電気工事は、常に危険と隣り合わせであることを忘れないでくださいね。

【最重要】安全確保:ブレーカーを遮断する

まず、作業対象となる部屋の照明回路につながっている分電盤の安全ブレーカーを必ず「切」にします。どのブレーカーか分からない場合は、家全体の電気を止める漏電ブレーカー(主幹ブレーカー)を落とすとより安全です。

なお、安全な電気工事に欠かせない分電盤の役割やトラブル事例については、以下の『頻繁にブレーカーが落ちるお悩みを解決!分電盤の重要性〜海老名市の飲食店様の電気工事例〜』の記事もぜひ参考にしてください。

【再確認】検電器で通電の有無を最終チェック

ブレーカーを落としても、万が一の配線ミスなどで電気が流れている(活線状態)可能性もゼロではありません。作業を始める前に、必ずテスターや二極式の検電器などを使い、スイッチボックス内の電線一本一本が無電圧であることを確認します。

検電ドライバーは便利ですが、環境によって誤判定もあり得るため、最終確認は測定器で行うのがより安全で確実です。

分解:スイッチプレートと器具の取り外し

まず、マイナスドライバーなどを隙間に差し込んで、外側のスイッチプレート(化粧プレート)を外します。次に、スイッチ本体を固定している金属枠(取付枠)の上下のネジをプラスドライバーで緩め、スイッチ本体を壁からゆっくりと引き出します。

配線確認:コンセント増設の要「中性線」の有無をチェック

引き出したスイッチの裏側で、配線状況をじっくり確認します。

電源からの電圧側(黒線)と、照明器具への送り線(スイッチの片側)に加えて、コンセント増設に必要な中性線(白線)がボックス内まで来ているか、あるいは通過しているかを確認します。白と黒の電線が揃っていれば、比較的簡単な増設が可能です。

接続:コンセント付きスイッチへの配線

新しいコンセント付きスイッチの裏側には、どの端子にどの色の電線を差し込むかを示す図記号や刻印があります(例:電圧側は「L」や「非接地側」、中性線は「N」や「W」、照明への送りはスイッチの絵記号など)。

その指示に従い、電線の被覆を適切な長さ(ストリップゲージに合わせる)で剥き、奥までしっかりと差し込みます。

組立:器具を元の位置に丁寧に戻す

配線が終わったら、電線を傷つけないように注意しながら、スイッチ本体を壁のボックスにゆっくりと収めます。取付枠を上下のネジで壁にしっかりと固定し、最後に化粧プレートをパチンと音がするまで押し込んではめ込みます。

最終確認:緊張の動作チェック

全ての作業が終わったら、分電盤に戻り、落としていたブレーカーを「入」にします。そして、スイッチを押して照明が正常に点灯・消灯するか、増設したコンセントはテスターで測定して電圧が正常(例:100V前後)であることを確認して、すべての作業が完了です。

DIYに必要な工具とおすすめの部材

ご自身で作業(有資格者に限ります)する場合、最低でも以下の工具を揃える必要があります。どれもホームセンターや電材店で手に入りますが、特に安全に関わる工具は信頼できるメーカーのものを選びたいですね。

  • プラスドライバー・マイナスドライバー(絶縁タイプがより安全です)
  • ペンチ・ニッパー
  • ワイヤーストリッパー(VVFケーブルの被覆を安全かつ綺麗に剥くための専用工具)
  • 圧着工具とリングスリーブ(ボックス内で電線を分岐させる場合に必要)
  • 検電器(ペンシル型やドライバー型など。安全確認の最重要アイテムです)
  • テスター(回路計)(電圧を正確に測定したり、導通を確認したりするのに使います)

おすすめの部材は?

スイッチやコンセントの部材としては、パナソニックの「コスモシリーズワイド21」が最も一般的で、デザインもシンプルでどんなお部屋にも馴染みやすいかなと思います。スイッチが大きく押しやすいのが特徴ですね。(参考:コスモシリーズ ワイド21(特長:シンプルデザイン/定番シリーズ)|パナソニック

最近では、神保電器の「NKシリーズ」のように、デザイン性にこだわったスクエアな形状のスイッチも人気があります。(参考:NK SERIE(コンセプト:シンプル/ミニマル/無彩色)|神保電器

コンセント付きのスイッチプレートには、1口コンセントのもの、2口コンセントのもの、スイッチが2つでコンセントが1つのものなど、様々なバリエーションがあるので、用途に合わせて選んでくださいね。

USBコンセント設置時のボックス深さの罠

最近は、ACアダプターを使わずに直接USBケーブルを挿してスマホなどを充電できる、USBポート付きのコンセントが非常に人気です。

これを照明スイッチの横に付けたいというご要望も、私たちプロによくいただきます。これは非常に便利なのですが、設置を検討する際には一つ、思わぬ「罠」があるので注意が必要です。

USBポート付きコンセントは奥行き(厚み)に注意!

USBコンセントの厚みにより、浅型ボックスでは壁から浮いてしまう失敗例を示した断面図
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。

USBポート付きのコンセントは、内部にAC100VをDC5Vなどに変換するための電子回路(AC-DCコンバーター)を内蔵しています。そのため、通常のコンセント器具よりも本体の奥行き(厚み)がかなり大きいのです。

壁に埋め込まれているスイッチボックスが、浅型と呼ばれるタイプ(内寸深さ約37mm前後)だと、奥行きの長いUSBコンセント本体がボックス内に収まりきらず、壁面から中途半端に浮いてしまうことがあります。

特に築年数の古いお家だと、ボックスの奥行が浅いタイプが使われていることもあります。USB付きコンセントを検討する際は、購入前に既存の器具を外して、ボックスの種類(浅型かどうか)と、取付部の奥行条件を満たせるかを確認してください。

例えばパナソニックのUSBコンセントには、施工上の注意として「浅型ボックスへの取り付けはできない」旨が明記されています。深さが足りない場合は、より深いボックスへの交換が必要になりますが、これは壁を一部壊す大掛かりな工事になる可能性があります。

(参考:埋込[充電用]USBコンセント|Panasonic

工事不要の代替案!天井から電源を取る方法

引掛シーリングにコンセントアダプターを取り付け、天井から電源コードを垂らして利用するイメージ図
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。

「賃貸で大家さんから工事の許可が下りなかった…」「家の構造上、壁の中の配線工事が難しいと業者に言われた…」そんな場合でも、諦めるのはまだ早いかもしれません。壁に一切手を加えることなく、工事不要で電源を確保できる便利な代替案があります。

それは、天井の照明器具を取り付けている「引掛シーリング」や「ローゼット」と呼ばれる接続部分から電源を取る方法です。

「引掛シーリング用コンセントアダプター」や、複数のスポットライトなどを取り付けられる「ライティングレール(ダクトレール)」といった製品を使えば、天井から手軽にコンセント電源を確保できます。

天井の引掛シーリングを安全に固定する方法や活用術については、以下の『引っ掛けシーリングを天井に固定!安全な方法をプロが解説』の記事でプロが解説しています。

メリット

  • 電気工事不要で誰でも簡単に設置できる
  • 壁を傷つけないので賃貸物件でも安心
  • 原状回復も取り外すだけなので非常に楽

デメリット

引掛シーリングから電源を取る場合、製品および変換アダプターの定格を超えない範囲で使用する必要があります。パナソニック製の丸型フル引掛シーリング(WG5015WPなど)の定格は「6A・125V」なので、一般家庭の100V環境では最大600W程度が電気容量の上限となります。

ただし、使用するコンセントアダプター製品にも個別の定格があるため、製品の取扱説明書を必ず確認してください。また、照明器具の重量が大きい場合は、ハンガー等で別途保持するなどの耐荷重対策も必要です。

そのため、ドライヤーや暖房器具などの大きな電力を使う機器は避け、スマホ充電などの低消費電力用途に限定するのが安全です。

デスクライトやスマートフォンの充電、小型のプロジェクター、間接照明といった、消費電力の少ない用途であれば、この方法は非常にスマートで便利な解決策になりますね。

露出配線(モール)を使う方法と注意点

もう一つの代替案として、壁の中に電線を通すのが難しい場合に用いられるのが、「露出配線」という方法です。これは、近くにある既存のコンセントから電源を分岐させ、壁の表面に電線を這わせて新しいコンセントを作るやり方です。

もちろん、電線がむき出しのままでは危険ですし、見た目も良くありません。そのため、配線は「モール」と呼ばれるプラスチック製の化粧カバーで綺麗に覆います。このモールは、白や茶色、木目調など様々な種類があり、お部屋の壁紙や雰囲気に合わせて選ぶことができます。

露出配線も電気工事士の資格が必須です!

この方法は壁に大きな穴を開ける必要はありませんが、元のコンセントを分解して内部の配線を触る作業が含まれるため、当然ながら電気工事士の資格が必須となります。DIYで行うことはできません。

壁内配線に比べて見た目が少し劣る点や、床近くに設置した場合は足を引っ掛けてしまうリスクはありますが、どうしても壁の中に配線を通せない場合には、安全かつ確実に電源を増設できる有効な手段の一つです。

ちなみに、コンセント不足によるタコ足配線の危険性や実際に起きた焼損トラブルについては、以下の『たこ足配線によるコンセント焼損!放置の危険性と確実な交換工事の重要性〜藤沢市鵠沼松が岡の工事例から〜』の記事もぜひ参考にしてください。

安全に照明スイッチからコンセントを増設する際の要点

照明スイッチにコンセントを増設することは、日常の「ちょっとした不便」を解消する非常に効果的な手段です。

しかし、この記事でも繰り返し触れてきた通り、電気工事には一歩間違えれば火災や感電といった重大な事故につながるリスクが常に潜んでいます。「便利さ」を追求するあまり、「安全性」がおろそかになっては本末転倒です。

最後に、あなたとご家族の大切な家を守るために、決して妥協してはいけない3つの重要なポイントを改めて心に刻んでください。

安全・確実な工事のための「3つの鉄則」

1.【遵守】資格は「技術」だけでなく「責任」の証

電気工事士の資格は、単に作業ができるという能力の証明だけではありません。「安全を担保し、万が一の際に責任を持てる」という証でもあります。

無資格でのDIYは法律違反であるだけでなく、火災などのトラブル時に火災保険が適用されない可能性があるなど、社会的・金銭的な大きなリスクも背負うことになります。法律は、あなたの命と財産を守るためにあるのです。

2.【徹底】「だろう」運転は事故の元、確認は過剰なほどに

「ブレーカーを落としたから大丈夫だろう」「スイッチを切ったから平気だろう」。この油断が最も危険です。電気は目に見えませんし、臭いもしません。必ず検電器を使用し、物理的に電気が来ていないことを確認するまで、絶対に配線に触れてはいけません。私たちプロでさえ、この確認作業には最も神経を使います。

3.【勇気】「迷い」は危険のサイン、撤退する勇気を持つ

作業中に「あれ?この配線の色は規格と違うな」「ボックスの深さがギリギリかも…」と少しでも疑問や不安を感じたら、すぐに作業を中断してください。分からないまま無理に進めるのが一番のリスクです。そこで手を止めてプロに相談することは、決して恥ずかしいことではなく、事故を未然に防ぐ賢明な判断です。

電気工事の最も恐ろしい点は、施工不良の影響が「すぐに出るとは限らない」ことです。例えば、ネジの締め付けがわずかに弱かった場合、その日は問題なく使えても、数年かけて振動や熱伸縮で徐々に緩み、ある日突然、壁の中でショートして発火するというケースも珍しくありません。

このような「時限爆弾」を作らないためにも、確かな知識と技術、そして経験に基づいたプロの仕事が必要なのです。

横浜・川崎・東京都南部エリアで業者をお探しの方へ

横浜市・川崎市周辺にお住まいで、もし照明スイッチからのコンセント増設をご検討中なら、まずは私たち「横浜電気工事レスキュー」へお気軽にご相談ください。

「我が家の配線状況で工事は可能なのか?」「具体的な費用はいくらかかるのか?」

といった疑問に対し、経験豊かな有資格者が現地調査を行い、お客様の安全を第一に考えた最適なプランをご提案いたします。

無理な営業は一切いたしませんので、まずはお見積もりだけでもご利用ください!