ガスコンロとレンジフードの交換はどこに頼む?専門家が徹底比較

こんにちは。横浜電気工事レスキューの主任電気工事士「天谷(あまたに)富士夫」です。
ガス機器設置スペシャリストとしても、日々多くのお客様のご自宅でガスコンロやレンジフードの交換工事に携わっています。
さて、「そろそろコンロの火の付きが悪いな」「レンジフードの吸い込みが弱くなったかも」と感じて交換を考え始めたとき、多くの方が「ガスコンロやレンジフードの交換って、一体どこに頼むのが一番いいんだろう?」という疑問にぶつかるのではないでしょうか。
リフォーム店や東京ガスのようなガス会社、最近ではニトリやヤマダ電機のような家電量販店、さらにはインターネットの専門業者など、選択肢が多くて迷ってしまいますよね。
特に賃貸にお住まいの方や、費用を少しでも安く抑えたいと考えている方にとっては、業者選びは非常に重要なポイントです。
また、コンロとフードを同時交換するメリットや、それぞれの業者に頼んだ場合の費用相場、注意点なども気になるところだと思います。
この記事では、そんなお悩みをお持ちのあなたのために、電気とガスの専門家である私の視点から、それぞれの依頼先の特徴、メリット・デメリット、そして気になる費用について、包み隠さず徹底的に解説していきます。
この記事を最後まで読めば、あなたにとって最適な依頼先がきっと見つかりますよ。
記事のポイント
- 依頼先ごとのメリット・デメリットがわかる
- おおよその費用相場と追加料金の仕組みがわかる
- 安全で信頼できる業者選びのポイントがわかる
- ご自身の状況に合った最適な依頼先が見つかる
- 1. ガスコンロとレンジフードの交換をどこに頼むか5つの依頼先を比較
- 1.1. リフォーム専門店の特徴と費用
- 1.1.1. 提案力と柔軟な現場対応力
- 1.1.2. 費用構造と注意点
- 1.1.3. リフォーム専門店のまとめ
- 1.2. 東京ガスなどガス会社に頼む安心感
- 1.2.1. 圧倒的な保安レベルと施工品質
- 1.2.2. 価格設定とサービスの範囲
- 1.2.3. ガス会社のまとめ
- 1.3. ニトリや家電量販店の工事費込み価格
- 1.3.1. 実機確認とパッケージ価格の魅力
- 1.3.2. 「標準工事」の範囲と施工体制の注意点
- 1.4. ネット専門業者の料金と注意点
- 1.4.1. 圧倒的な価格競争力と手軽さ
- 1.4.2. 自己責任の範囲と潜在的リスク
- 1.4.3. ネット専門業者のまとめ
- 1.5. メーカーは交換より修理が専門
- 1.5.1. メーカーの役割分担
- 1.5.2. 「補修用性能部品」の保有期間に注意
- 1.6. 賃貸物件での交換は管理会社へ
- 1.6.1. 設備は誰のもの?
- 1.6.2. 自己都合での交換は可能?
- 2. ガスコンロとレンジフードの交換をどこに頼むか決める前の注意点
- 2.1. 業者ごとの費用相場と追加料金
- 2.1.1. 基本工事費の市場相場
- 2.1.2. 見積もりを狂わせる「追加工事」の罠
- 2.1.3. 【要チェック】主な追加工事とその内容
- 2.2. DIYは危険!交換に必要な資格
- 2.2.1. 法律で定められた国家資格
- 2.2.2. 事故が起きた場合の悲惨な結末
- 2.3. 同時交換が長期的に得する理由
- 2.3.1. 最新の「コンロ・レンジフード連動機能」がすごい!
- 2.3.2. 工事の手間とコストを一度に集約
- 2.4. 見積もりで確認すべきポイント
- 2.4.1. 見積書比較で失敗しない!チェックリスト
- 2.5. ガスコンロとレンジフードの交換をどこに頼むべきかの最終結論
- 2.5.1. タイプ別依頼先診断
ガスコンロとレンジフードの交換をどこに頼むか5つの依頼先を比較

まずは、ガスコンロやレンジフードの交換を依頼できる代表的な業者を5つのタイプに分けて、それぞれの特徴を見ていきましょう。
どこに頼むかによって、費用はもちろん、サービスの質や安心感が大きく変わってきます。ご自身の希望に合わせてじっくり比較検討してみてくださいね。
それぞれに一長一短がありますから、ご自身の状況と優先順位をはっきりさせることが、満足のいく業者選びの第一歩です。
リフォーム専門店の特徴と費用
街で古くから営業している工務店さんや、キッチン・お風呂などの水回りを得意とするリフォーム専門店さんは、キッチンという「空間」全体をプロデュースするプロフェッショナルです。
単に機器を入れ替えるだけでなく、お客様のライフスタイルに合わせた提案をしてくれるのが最大の魅力と言えるでしょう。
提案力と柔軟な現場対応力
リフォーム専門店の真骨頂は、やはり現地調査に基づいた提案力にあります。
例えば、「調理スペースが狭い」「収納が足りない」といったお悩みに対して、「コンロの位置を少しずらして作業台を確保しましょう」「このデッドスペースにスパイスラックを造作できますよ」といった、専門家ならではの視点で解決策を提示してくれます。
これは、決まった商品を売るのが主目的の他業態にはない強みですね。
また、築年数が古いお住まいなど、特殊な現場への対応力も非常に高いです。
工事を始めてみたら壁の中に太い梁が通っていた、床が腐っていた、なんていう予期せぬ事態にも、大工さんや内装職人さんと連携してその場で対応してくれます。
機器の交換だけでなく、それに伴う周辺の内装工事まで一括で任せられるのは、大きな安心材料と言えるでしょう。
費用構造と注意点
一方で、その高い提案力や対応力は、コストに反映される傾向があります。特にガスコンロやレンジフードの単品交換の場合、費用は割高になりがちです。
理由としては、営業担当者や現場監督の人件費、事務所の維持費といった管理コストが価格に乗ってくること、そして実際のガス工事や電気工事は協力会社(下請け業者)に外注することが多く、そこに中間マージンが発生するためです。
そのため、「とにかく安く、機器だけを新しくしたい」というニーズには、正直なところあまり向いていないかもしれません。
見積もりを取る際は、機器の代金だけでなく、工事費の内訳や諸経費についてもしっかり確認することが重要です。中には単品工事を受けていない会社もあるので、問い合わせの際に確認しましょう。
リフォーム専門店のまとめ

- メリット
キッチン全体の動線やデザインを含めた総合的な提案力が高い。特殊な構造の住宅や予期せぬトラブルへの対応力に優れる。 - デメリット
単品交換の場合、中間マージンや管理費が上乗せされるため費用が最も高額になる傾向がある。 - おすすめな人
コンロ・レンジフード交換を機に、キッチンの使い勝手やデザインを根本から見直したいと考えている人。
東京ガスなどガス会社に頼む安心感
東京ガス、大阪ガスといった大手都市ガス事業者や、お住まいの地域のプロパンガス(LPG)を供給しているガス屋さんは、「安全と信頼」という点において右に出るものはいません。
ガスという生活に不可欠なインフラを担う企業としての責任感が、サービスの隅々にまで表れています。
圧倒的な保安レベルと施工品質
ガス会社に依頼する最大のメリットは、この「圧倒的な安心感」に尽きます。彼らの行う工事は、法律で定められた基準を上回る、さらに厳しい独自の保安基準に基づいて行われます。
例えば、ガス管の接続一つとっても、専用の工具を使い、規定のトルクで締め付け、複数の方法でガス漏れがないかを徹底的にチェックします。こうした目に見えない部分での安全対策が、他業態との大きな違いです。
また、工事を担当する作業員は、専門的な訓練を積んだ自社の社員や専属の協力会社のスタッフであることがほとんどです。
ガス機器に関する知識も豊富で、お客様からの質問にも的確に答えてくれますし、万が一のトラブル発生時にも、24時間365日の緊急対応体制が整っている点は非常に心強いですね。
価格設定とサービスの範囲
ただし、その高い安全性と信頼性は、価格にも反映されます。
機器の割引率は低く、ほぼ定価に近い価格での販売となりますし、工事費も安全管理や手厚いアフターサービス体制を維持するためのコストが含まれるため、他と比べると最も高額な部類に入ります。
また、ガス会社はあくまで「ガス機器のプロ」なので、リフォーム店のようにキッチン全体のデザイン提案をしたり、壁紙の張り替えといった内装工事に対応したりすることは基本的にはありません。
あくまでガスコンロや給湯器といった、ガス関連機器の交換がメインのサービスとなります。
「費用はかかってもいいから、とにかく絶対的な安全と、工事後の長期的な安心を手に入れたい」という方にとっては、これ以上ない最良の選択肢と言えるでしょう。
一方で、「これを機にガスから電気(オール電化)への切り替えも検討したい」という方もいらっしゃるかもしれません。特に給湯器選びは、ランニングコストにも直結する重要なポイントです。
『エコキュートで後悔?ブログに学ぶ失敗しない選び方』記事では、エコキュート選びで後悔しないためのポイントを解説していますので、比較検討の材料にしてみてください。
ガス会社のまとめ

- メリット
法令を上回る厳しい社内基準による施工で、安全性が極めて高い。24時間体制のアフターサービスも万全。 - デメリット
機器代金、工事費ともに全ての依頼先の中で最も高額になる傾向。リフォーム提案などは行わない。 - おすすめな人
費用よりも「安全・安心」を何よりも最優先したい人。高齢のご家族がいるご家庭など。
ニトリや家電量販店の工事費込み価格

近年、リフォーム業界で存在感を増しているのが、ニトリやカインズのようなホームセンター、そしてヤマダデンキやビックカメラといった大手家電量販店です。
彼らの最大の武器は、全国に広がる店舗網を活かした集客力と、「工事費込み」に代表される価格の明瞭性です。
実機確認とパッケージ価格の魅力
家電量販店やホームセンターの最大のメリットは、最新のガスコンロやレンジフードを実際にその場で見て、触って、比較検討できる点です。
天板の素材感(ガラストップ、ホーローなど)や五徳の形状、操作パネルの使い勝手などを、メーカーの垣根を越えて一度にチェックできるのは、消費者にとって大きな利点ですね。
カタログだけでは分からない部分を体感できるので、購入後の「こんなはずじゃなかった」という失敗を防ぎやすいです。
また、ニトリさんのように「ビルトインコンロ本体+標準工事費+撤去処分費=〇〇円」といった、総額が分かりやすいパッケージ価格を提示している点も魅力です。
支払い総額の見通しが立てやすく、さらに店舗独自のポイント還元やセールなどを利用すれば、お得に購入できるチャンスもあります。
「標準工事」の範囲と施工体制の注意点
一方で、注意しなければならないのが、この「標準工事費」という言葉の定義です。
これは、あくまで「既存の機器を外し、同じ場所に同じサイズの新しい機器を、何の加工もなくポンと設置できる」という、最も理想的な状況を想定した価格です。
現場の状況は一軒一軒異なりますから、以下のようなケースではほぼ確実に追加費用が発生します。
【要注意】家電量販店の「標準工事」に含まれないことが多い作業例
- コンロ下にオーブンがあり、その撤去とキャビネットの新設が必要な場合
- レンジフードの電源が直結配線で、コンセントの新設が必要な場合
- 既存の排気ダクトの位置や形状が合わず、加工作業が必要な場合
- 壁がタイルなどで、ビスを打つために特殊な下穴開けが必要な場合
また、もう一つの注意点は、販売と施工が分離している点です。店舗で接客してくれた店員さんは商品知識は豊富ですが、工事の専門家ではありません。
そして、実際に工事を行うのは、提携している地域の工事業者(下請け業者)です。このため、お客様との打ち合わせ内容が、施工担当者に正確に伝わらないというコミュニケーションロスが発生するリスクがゼロではありません。
施工品質も、正直なところ、担当する業者さんのスキルによってばらつきが出てしまう可能性がある点は、頭に入れておく必要があるでしょう。
ネット専門業者の料金と注意点
「交換できるくん」や「正直屋」さんといった、インターネットでの販売と工事受付に特化した業者は、この分野の価格競争をリードする存在です。
実店舗を持たず、営業マンも置かず、現地調査の代わりにお客様から送られてくる写真で見積もりを出すというビジネスモデルで、徹底的なコスト削減を図っています。
圧倒的な価格競争力と手軽さ
ネット専門業者の最大の魅力は、なんといっても価格の安さです。店舗運営費や人件費といった固定費を極限まで圧縮し、製品もメーカーから大量に仕入れることで、驚くような低価格を実現しています。
複数の業者を比較検討すれば、おそらく最も安い金額を提示してくるのが、このタイプの業者でしょう。
また、見積もり依頼から発注、工事日の決定まで、すべてがスマートフォンやパソコン上で完結する手軽さも人気の理由です。
忙しくて店舗に足を運ぶ時間がない方や、対面でのやり取りが苦手な方にとっては、非常に便利なサービスと言えます。
工事費も「レンジフード交換一律〇〇円」のように明瞭に設定されていることが多く、不当な追加請求の心配が少ないのも安心材料です。
自己責任の範囲と潜在的リスク
ただし、その安さと手軽さの裏返しとして、お客様自身に求められる作業(自己責任の範囲)が広いという側面があります。例えば、以下のような情報を正確に調べて業者に伝える必要があります。
- 現在使用している機器のメーカー名と正確な型番
- ガスの種類(都市ガスかプロパンガスか)
- 設置場所の寸法(コンロの幅、レンジフードの間口など)
- 設置状況がわかる鮮明な写真(コンロ全体、ガス栓の接続部、レンジフードの排気ダクトなど)
もし、この情報伝達に誤りがあると、工事当日に「持ってきた製品が設置できない」といった最悪の事態になりかねません。
また、写真だけでは判別できない壁の内部構造の問題や、マンションの管理規約による制限などが後から発覚した場合、工事が中断したり、想定外の追加費用が発生したりするリスクも、対面型の業者に比べると高いと言わざるを得ません。
ある程度ご自身で調べて対応できる、という方にとっては最高の選択肢ですが、少しでも不安がある場合は慎重に検討したほうが良いでしょう。
ネット専門業者のまとめ

- メリット
徹底したコスト削減による圧倒的な価格の安さ。オンラインで完結する手軽さとスピード感。 - デメリット
施主自身が型番調査や写真撮影を行う必要があり、情報が不正確だとトラブルの原因になる。 - おすすめな人
とにかく費用を最優先し、自分で調べて情報を提供する手間を厭わない、リテラシーの高い人。
メーカーは交換より修理が専門
リンナイ、ノーリツ、パロマ、パナソニックといった住宅設備メーカーは、一般的に修理(メンテナンス)の窓口が中心で、交換工事については販売店・施工店(ガス会社、リフォーム店、取扱店など)を案内されるケースが多いです。
メーカーの役割分担
メーカーの主な役割は、大きく分けて3つです。
- 製品の開発・製造
より安全で、高機能で、使いやすい製品を開発し、工場で製造すること。 - 販売店への卸売り
製造した製品を、ガス会社やリフォーム店、家電量販店、ネット業者といった販売・施工を行う会社に供給すること。 - アフターサービス(修理・メンテナンス)
お客様が使用している製品が故障した際に、サービスマンを派遣して修理を行うこと。
つまり、彼らは「作る」ことと「直す」ことのプロフェッショナルであり、「設置・交換する」工事は、販売店の役割と明確に線引きされているのです。
メーカーのコールセンターに交換の相談をしても、「お近くの販売店をご紹介します」という形ではなく、「お近くのガス会社様やリフォーム店様にご相談ください」と案内されるのが一般的です。
「補修用性能部品」の保有期間に注意

特に注意したいのが、古い機器の修理についてです。
各メーカーは、製品の生産終了後も、修理に必要な部品(補修用性能部品など)を一定期間保有していますが、保有期間はメーカー・製品カテゴリ・機種で異なります。
例えばメーカーFAQや取扱説明書で、テーブルコンロ/ビルトインコンロは製造終了後5年~7年など、機種ごとに案内されていることがあります。
つまり、10年以上使用している機器が故障した場合、メーカーに修理を依頼しても「部品の在庫がないため、修理できません」と断られてしまう可能性が非常に高いのです。そうなると、結局は交換するしかありません。
冬場にお湯が出なくなって慌てる給湯器と同じで、コンロやレンジフードも「壊れてから」ではなく「壊れる前」に計画的に交換を検討することが、快適な生活を維持する上でとても重要になりますね。
賃貸物件での交換は管理会社へ
これまでのお話は、主に持ち家にお住まいの方を対象としてきましたが、もしあなたが賃貸マンションやアパートにお住まいの場合、話は大きく異なります。
結論から言うと、ガスコンロやレンジフードを交換したいと思ったら、まず最初に連絡すべきは大家さんか管理会社です。絶対に、ご自身の判断で業者に連絡したり、交換工事を発注したりしないでください。
設備は誰のもの?

賃貸物件に備え付けられているガスコンロやレンジフード、エアコン、給湯器といった設備は、入居者の所有物ではなく、大家さん(物件のオーナー)の所有物です。
そのため、それらを修理・交換する責任と権限は、すべて大家さんにあります。
もし、「コンロの火がつきにくい」「レンジフードから異音がする」といった経年劣化による不具合が発生した場合は、速やかに管理会社に連絡しましょう。
通常、大家さんの費用負担で、修理または交換の手配をしてもらえます。この場合、業者の選定も大家さんや管理会社が行うため、あなた自身がどこに頼むか悩む必要はありません。
自己都合での交換は可能?
では、「まだ壊れてはいないけど、もっと魚が焼けるグリルがきれいな最新のコンロにしたい」といった、自己都合(グレードアップ)での交換は可能なのでしょうか。
これはケースバイケースですが、まずは管理会社経由で大家さんに相談し、必ず書面で許可を得る必要があります。許可が出た場合でも、費用は全額自己負担となることがほとんどです。
さらに重要なのが、退去時の取り扱いです。
「退去時には、元の古い設備に戻して出ていくこと(原状回復義務)」を条件とされることが多く、その場合は取り外した古いコンロを、退去時までご自身で保管しておく必要があります。
(参考:「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について|国土交通省)
勝手に交換して古いコンロを処分してしまうと、後で高額な弁償費用を請求されるなど、深刻なトラブルに発展しかねませんので、くれぐれもご注意ください。
ガスコンロとレンジフードの交換をどこに頼むか決める前の注意点
さて、ここまで依頼先ごとの特徴を見てきましたが、実際に業者に見積もりを依頼する前に、ぜひ知っておいていただきたい共通の注意点がいくつかあります。
これを押さえておくだけで、業者選びの精度がぐっと上がり、後悔のないリフォームにつながりますよ。
業者ごとの費用相場と追加料金
交換にかかる総額は、「機器本体の価格」+「基本工事費」+「追加工事費・諸経費」の3つで構成されます。
一番気になるのは、やはりこの費用ですよね。業者タイプによって価格設定の考え方が異なるため、総額で比較することが非常に重要です。
基本工事費の市場相場
まず、機器の交換・設置を行う「基本工事費」の一般的な市場相場観は以下の通りです。これはあくまで、追加作業が必要ない、最もシンプルな入れ替え工事を想定した金額の目安として捉えてください。
| 工事内容 | 工事費の目安 |
|---|---|
| ビルトインコンロ交換 | 2万円~3万円前後(例:ガス会社の基本工事費24,200円など) |
| レンジフード交換 | 3.5万円~6万円前後 |
上記の表は、既存機器の撤去・処分費を含んだ目安です。ネット専門業者や家電量販店は価格競争が激しいため工事費が安く、ガス会社やリフォーム店は手厚いサービスや管理費が乗るため高くなる傾向があります。
見積もりを狂わせる「追加工事」の罠

最終的な支払い金額が大きく変わる原因となるのが、この「追加工事」です。特にレンジフードの交換は、コンロに比べて追加工事が発生しやすいので注意が必要です。
現場を見ずに「工事費〇〇円!」と謳っている広告は、あくまで基本工事費のこと。あなたの家がその金額で収まるとは限りません。
【要チェック】主な追加工事とその内容
- 電源工事(約5,000円~15,000円)
古いレンジフードは電源コードが壁の配線に直接接続(直結)されていることがあります。最近の製品はコンセント式が主流なため、壁にコンセントを新設する電気工事が必要になります。これは私たちのような電気工事士の資格が必須の作業です。 - 排気ダクト加工・延長(約8,000円~20,000円)
新しいレンジフードの排気口と、既存の壁の穴(排気ダクト)の位置がずれている場合に、ダクトを延長したり、曲げたりする加工作業です。 - 幕板(まくいた)代(約5,000円~15,000円)
レンジフード本体の上部と天井との間の空間を隠す化粧板です。高さが特殊な場合、通常付属しているものでは対応できず、別売りのスライド幕板などが必要になります。 - プロペラファンからの交換(約15,000円~30,000円)
壁に直接ついている換気扇(プロペラファン)から、現代的なレンジフード(シロッコファン)に交換する場合、壁の開口部を塞ぎ、ダクトを接続するための専用部材(リニューアル部材)や大工工事が必要となり、費用が大きく上がります。 - コンロ下キャビネット設置(約20,000円~40,000円+別途キャビネット機器代)
ビルトインコンロの下にガスオーブンが設置されている場合、コンロだけを交換するにはオーブンを撤去し、その空間に専用の収納キャビネット(機器代:約3万円前後~)を設置する必要があります。
信頼できる業者は、見積もりの段階でこうした追加工事の可能性をしっかり説明し、発生した場合の費用を明示してくれます。
「うちは全部コミコミだから追加料金は一切ないですよ」という営業トークを鵜呑みにせず、どのような作業が標準工事に含まれ、どのような場合に別料金になるのかを、書面でしっかり確認することが、後のトラブルを防ぐために最も重要です。
DIYは危険!交換に必要な資格

インターネットや動画サイトを見ると、「ガスコンロ 交換 DIY」といった情報が見つかりますが、私たち専門家の立場から言わせていただくと、ガス機器やそれに伴う電気工事のDIYは、絶対にやめてください。
これは、費用を節約するというレベルの話ではなく、あなたとご家族、そしてご近所の方々の生命と財産に関わる、極めて重大な問題です。
法律で定められた国家資格
なぜDIYが危険かというと、これらの工事が法律によって有資格者しか行ってはならないと厳しく定められているからです。
ガスコンロの接続工事
都市ガスの機器接続では、ガス栓とガス機器の接続工事(強化ガスホース・金属可とう管など)を行うために、ガス可とう管接続工事監督者(講習修了)の範囲で施工・監督できるとされています。
LPガス(プロパン)では、固定式燃焼器などの接続工事について無資格者は工事できず、液化石油ガス設備士が必要と案内されています。
レンジフードの電気工事
前述の通り、レンジフードの電源がコンセントではなく、壁の中の電線に直接接続されている場合、これを切り離したり、新しい機器に接続したりする作業は「電気工事士」の国家資格がなければ行うことができません。
これも電気工事士法という法律で定められています。(参考:電気工事士法|e-Gov法令検索)
これらの法律は、過去に起きた悲惨な事故の教訓から作られています。素人判断での工事は、ガス漏れによる爆発火災や、不完全燃焼による一酸化炭素(CO)中毒といった、命を奪う事故に直結するのです。
(参考:経済産業省『ガス事業法の概要』)
事故が起きた場合の悲惨な結末
「自分は器用だから大丈夫」と思うかもしれませんが、プロの作業は、単に接続するだけではありません。
ガス漏れ検知器を使った入念なチェックや、適切な絶縁処理など、安全を確保するための手順が無数にあります。もし無資格工事が原因で火災などの事故を起こしてしまった場合、以下のような悲惨な結末が待っています。
無資格DIY工事が招くリスク
- 保険が適用されない
火災保険や賠償責任保険は、まず間違いなく適用されません。自宅の損害はもちろん、隣家への延焼被害についても、全額自己負担で賠償しなければなりません。 - メーカー保証が無効に
機器が初期不良を起こしても、無資格者が設置したという理由でメーカー保証の対象外となります。 - 法的・社会的な責任
法律違反による罰則はもちろん、重大な事故を引き起こした場合は刑事責任を問われる可能性もあります。
数万円の工事費を節約しようとした結果、人生を棒に振るような事態になりかねません。安全は何物にも代えがたい価値があります。必ず、私たちのような正規の資格を持った専門業者にご依頼ください。
プロの業者がどのような安全対策を行っているか、実際の施工事例を通して知っておくことも安心につながります。詳細な施工の流れについては、『設備工事は安全第一:ガス機器交換での安全対策と施工の流れ(事例)』の施工記事もぜひ参考にしてください。
同時交換が長期的に得する理由

「今回は予算の都合でコンロだけ交換して、レンジフードはまた今度…」と考える方も少なくないと思います。
もちろんそれも一つの選択ですが、もしコンロもレンジフードも10年近く使っているなら、私は思い切って同時に交換することを強くおすすめします。
その理由は、目先の費用を上回る、長期的なメリットがたくさんあるからです。
最新の「コンロ・レンジフード連動機能」がすごい!
最近のガスコンロとレンジフードの最も大きな進化の一つが、赤外線通信による「連動運転機能」です。
これは、コンロを点火すると、その信号をレンジフードが受信して自動的に換気を開始。
火力を強くすればファンの風量も「強」に、弱めれば「弱」に自動で切り替わり、コンロを消火すると3分ほど運転した後に自動で停止するという、非常に賢い機能です。
この機能がもたらすメリットは、想像以上に大きいですよ。
換気忘れ・消し忘れの完全防止による安全性向上
調理中の換気は、一酸化炭素中毒を防ぐ上で非常に重要ですが、意外と忘れてしまいがちです。連動機能があれば、火を使っている間は必ず換気扇が回るので、安全性が格段に向上します。
また、調理後につい消し忘れてファンが一日中回りっぱなし…なんていうこともなくなり、無駄な電気代や騒音を防ぎます。
最適な風量制御による省エネと静音化
揚げ物など油を多く使う料理では強運転、お湯を沸かすだけなら弱運転、といったように、調理内容に合わせて最適な風量で運転してくれるため、常に最大風量で回すよりも消費電力を抑えられ、運転音も静かになります。
油煙の拡散防止でお掃除がラクに
適切な換気は、油を含んだ煙(油煙)がキッチン全体に広がるのを防ぎます。
これにより、壁や天井、食器棚などが油でベタベタになるのを大幅に軽減できるんです。結果的に、年末の大掃除などの手間が格段に楽になります。
最新のレンジフードは静音性や排気効率も向上しており、快適な住環境はご近所との良好な関係にもつながります。
排気や騒音への配慮については、給湯器の施工事例になりますが、『隣家への排気が気になるときの考え方と対策(給湯器排気カバーの事例)』の記事も参考にしてみてください。
工事の手間とコストを一度に集約
機能的なメリットだけでなく、工事を一度で済ませられるというのも大きな利点です。別々に交換すると、その都度業者を手配し、工事に立ち会い、支払いをするという手間が2回かかります。
同時に交換すれば、工事は1日で完了しますし、業者によっては「同時交換割引」を適用してくれる場合もあります。
ガス機器には「設計上の標準使用期間」が設定されており、標準的な使用条件のもとでは製造から10年を目安として案内されることがあります。
片方が寿命を迎えたということは、もう一方も内部のモーターや電子部品が同じように劣化している証拠です。
「まだ使えるから」と先延ばしにしていると、いざ使いたいときに故障してしまい、数日間料理ができない…なんてことにもなりかねません。
長期的な視点で見れば、同時交換は「未来の安心と快適さを買う」賢い投資と言えるでしょう。
一見問題なさそうに見えても、設備の経年劣化は見えないところで進んでいるものです。電気設備などと同様、早めの点検と対応が大きなトラブルを防ぎます。
見積もりで確認すべきポイント
いくつかの業者に絞り込んだら、いよいよ見積もりを依頼するステップです。ここで焦って一番安い業者に飛びついてしまうと、後で「話が違う!」ということになりかねません。
複数の見積もりを並べて、総額だけでなく、その中身をじっくり比較検討することが、良い業者を見抜くための鍵となります。
私がお客様に見積もりをお出しする際に必ずご説明している、チェックすべきポイントをお伝えしますね。
見積書比較で失敗しない!チェックリスト

型番と仕様は正確か?
提案されているガスコンロやレンジフードのメーカー名、型番、色、サイズ(天板幅や間口)が、あなたの希望通りのものになっているか、まず最初に確認しましょう。
特にレンジフードは、同じように見えても機能によってグレードが細かく分かれています。不明な点があれば、遠慮なく質問してください。
「工事費」の内訳は明確か?
「工事費一式」としか書かれていない見積書は要注意です。
「基本工事費」「既存機器撤去費」「廃材処分費」など、何にいくらかかるのかが具体的に記載されているのが理想的です。これにより、その業者の価格設定が誠実かどうかが判断できます。
追加費用の項目と金額は明示されているか?
最も重要なポイントです。前のセクションで解説したような追加工事が発生する可能性について、「〇〇の場合は、追加で△△円かかります」というように、条件と金額が事前に明記されているかを確認してください。
「現場の状況によります」という曖昧な回答しかしない業者は、後で高額な請求をしてくる可能性があるので避けた方が無難です。
幕板などの部材費は含まれているか?
特にレンジフード交換で見落としがちなのが、幕板や排気ダクトを接続するための部材(アダプターなど)の費用です。
見積もりは、単なる価格比較のツールではありません。その業者がどれだけお客様の立場で考え、誠実に対応してくれるかを見極めるための「通信簿」のようなものです。
少しでも疑問に思ったことは、契約前にすべて解消しておくようにしましょう。
ガスコンロとレンジフードの交換をどこに頼むべきかの最終結論
さて、ここまで様々な角度からガスコンロとレンジフードの交換を依頼する先について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。情報が多くて、かえって混乱してしまったかもしれませんね。
最後に、これまでのお話を総括して、「結局、あなたはどこに頼むのがベストなのか」を、タイプ別に診断する形で締めくくりたいと思います。
タイプ別依頼先診断

コスト最優先!手間を惜しまない「セルフ調査型」
ネット専門業者が最適解です。
ご自身で型番を調べ、写真を撮って送るという手間はかかりますが、それをクリアできるなら総額を最も安く抑えられる可能性が高いです。
業者間の相見積もりも取りやすく、価格交渉の余地もあります。ただし、万が一の現場トラブルへの対応力には幅があるため、業者の口コミや施工実績は入念にチェックしましょう。
実物を見て決めたい!手軽さと価格のバランスを重視する「納得購入型」
家電量販店やホームセンターがおすすめです。
複数のメーカー製品を実際に比較でき、ポイント還元などのメリットも享受できます。
ただし、「標準工事」の内容は必ず事前に確認し、追加費用の可能性についてもしっかりと説明を受けておくことが重要です。特殊な設置環境でなければ、満足度の高い選択肢となるでしょう。
キッチンの悩みも一緒に解決!質の高いリフォームを望む「こだわり実現型」
リフォーム専門店や地域工務店に相談するのが間違いありません。費用は高くなりますが、プロの視点からキッチン全体の使い勝手やデザインまで含めた最適な提案が期待できます。
現地調査を通じて、あなたのお住まいに潜むリスクも事前に洗い出してくれるため、最終的な安心感は非常に高いです。お金をかけるだけの価値は見出せるはずです。
価格よりも安全第一!絶対的な信頼性を求める「安心・堅実型」
契約しているガス会社に依頼するのが一番です。
価格は最も高くなりますが、それを補って余りある最高水準の安全基準と、長期にわたる手厚いアフターサービスが手に入ります。
特に、ご高齢のご家族だけでお住まいの場合など、万が一の事態をとにかく避けたいという方にとっては、唯一無二の選択肢と言えるでしょう。
横浜・川崎・東京都南部エリアで業者をお探しの方へ
私たち「横浜電気工事レスキュー」のような、電気とガスの両方の専門資格を持つ地域密着の工事店も、有力な選択肢の一つとして覚えておいていただけると嬉しいです。
私たちは、ネット業者のような価格競争力と、地域工務店のような柔軟な対応力、そしてガス会社のような専門性を、バランス良く提供できるのが強みです。
どこに頼むか迷ってしまったら、ぜひ一度、お気軽にご相談ください。
専門家の視点から、あなたのご自宅の状況とご予算に合わせた最適なプランをご提案させていただきます。
あなたのキッチンが、より快適で安全な場所になるよう、誠心誠意お手伝いさせていただきます。


