アース線の分岐方法を解説!タコ足配線との違いと安全な接続術

プロが教える!アース線の安全な分岐と延長ガイド

こんにちは。横浜市を拠点に活動しております、横浜電気工事レスキューの主任電気工事士「天谷(あまたに)富士夫」です。

新しい洗濯機や電子レンジ、食洗機などを設置しようとした時、「あれ?アース線の差し込み口が一つしかない…」「コンセントまでアース線が微妙に届かない…」なんて経験はありませんか?

アース線を2本や3本に分岐させたいけれど、その方法が本当に安全なのか、危険性はないのかと不安に感じてしまいますよね。

「電源コードのたこ足配線みたいに、火事の原因になったらどうしよう…」と心配になるそのお気持ち、電気を扱うプロとして非常によくわかります。

ご自身で分岐コネクタを使った接続方法などを調べて、この記事にたどり着いた方もいらっしゃるかもしれませんね。

この記事では、そんなアース線の分岐や延長に関する皆様のあらゆる疑問や不安を解消するため、国家資格を持つ電気工事のプロとして、安全な方法や絶対に知っておくべき重要な知識を、可能な限り分かりやすく、詳しく解説していきます。

この記事を読み終える頃には、アース線に対する正しい理解が深まり、ご自宅の状況に合わせて最も安全な選択ができるようになっているはずです。

さっそく、アース線の安全な取り扱いについて、一緒に確認していきましょう。

記事のポイント

  • アース線の分岐が基本的に安全と言える技術的な理由と根拠
  • 危険な電源のたこ足配線とアース線分岐の根本的な違い
  • 自分でできるDIYの範囲と資格が必要な工事の法的な境界線
  • 便利なWAGOコネクタの使い方とアース端子がない時の代替案

安全なアース線の分岐方法|DIY前の基礎知識

「アース端子が足りないから、1つの端子に複数のアース線をまとめたい」——そう考えたとき、多くの方が電源コードのアナロジーで物事を考えてしまいがちです。

しかし、それが大きな勘違いや思わぬ危険につながる可能性もゼロではありません。

まずは、アース線が一体何のために存在するのか、その本質的な役割と、分岐に関する安全性の基本原則をしっかりと押さえることから始めましょう。ここを理解することが、安全なDIYへの第一歩です。

2本や3本は大丈夫?

1つのアース端子ネジに無理やり複数の線を挟み込み、接触不良を起こしている危険な状態の図解

まず、皆様が最も気になっているであろう疑問からお答えします。結論から言うと、アース線の「複数機器での共用」自体は一般的に行われています。

ただし、1つのネジ式アース端子にアース線を2~3本まとめて噛ませる方法は、端子の構造や線の太さによっては締め付け不良(ゆるみ・抜け・接触不良)を起こしやすく、安全とは言い切れません。

確実に行うなら、端子が複数本の接続を前提としているかを確認し、前提でない場合は分岐用の端子台・分岐ターミナル・電線コネクタ等で1本にまとめてから端子へ接続してください。

「え、本当にそんな単純な話で大丈夫なの?」と、少し拍子抜けされたかもしれませんね。しかし、これはアース線が持つ「役割」を正しく理解すれば、ご納得いただけるかなと思います。

アース線は、基本的に“故障や漏電などの異常時に電気を逃がすため”の線で、通常は大きな電流が流れるものではありません。

ただし機器の構造(ノイズフィルタ等)によっては、正常時でもごく微小な電流が流れる場合があります。そのため、「普段は全く流れない」と断言できず、「通常はほとんど流れない」という理解がより正確です。

その役割が発揮されるのは、家電製品の内部で故障や劣化が起こり、本来電気が流れてはいけない部分(製品の金属ケースなど)に電気が漏れ出してしまった時。

この万が一の緊急事態が発生した際に、その漏れた電気を安全に地面(アース)へと逃がすための専用バイパス、いわば「電気の避雷針」や「保険」のような役割を担っています。

同時に複数台が漏電するケースは多くはありませんが、「絶対に起きない」とは言えません(例えば、配線側の不具合や水濡れ、接続不良など“共通原因”がある場合は同時に問題が出ることもあります)。

そのため、確率の断定よりも、「万一に備えて、接続部を確実に固定し、適切な部材で分岐する」という安全設計を優先しましょう。

電源のたこ足配線とは根本的に違う理由

電源タップにプラグを挿しすぎて過電流が発生し、コードが発熱している危険なイラスト

アース線の分岐と聞いて、多くの方が直感的に連想するのが、電源コードの「たこ足配線」の危険性ではないでしょうか。

テレビや消防署のポスターなどで、たこ足配線による火災のリスクが繰り返し注意喚起されていますから、不安に思うのも当然です。

しかし、アース線の分岐と電源のたこ足配線は、その危険性の性質が全く異なり、同列に語ることはできません。

電源のたこ足配線がなぜ危険視されるのか。それは、壁のコンセント一つが供給できる電気の総量には上限があるからです。一般的な家庭用コンセント(100V)では、15A(100V換算で約1500W)が上限の目安です。

(出典:パナソニック「知っておきたい電気の基礎知識(1つのコンセントで使えるのは1500Wまで)」 閲覧日:2026年2月15日)

テーブルタップや延長コードを使って、その上限を超えて多くの電気製品を同時に使用すると、電線に許容量以上の電流が流れる「過電流」という状態になります。

電線は電気を流すとジュール熱という熱を発生させますが、過電流になるとこの熱が異常に高まり、コードの被覆が溶けたり、接続部が発火したりして、最終的に火災へと至る深刻なリスクがあるのです。

一方で、アース線は電源線のように常時大電流が流れるものではないため、“使いすぎ(過電流)”が原因で発熱するリスクは電源線より小さいのは事実です。

ただし、接続部のゆるみ・接触不良・線の噛み込みがあると、異常時に電流が流れた際に接続部が発熱したり、アースが効かない状態になったりする恐れがあります。

だからこそ、分岐は「束ねてネジ止め」で済ませず、適合する分岐部材で確実に施工することが重要です。

【一目瞭然】電源コードとの役割の違い

この二つの違いを、身近なものに例えて整理してみましょう。

電源コードアース線
役割家電製品を動かすための電気を常に供給する漏電した電気を緊急時のみ地面に逃がす
普段の状態常に電気が流れている(通電状態)通常はほとんど電気が流れていない(待機状態)
危険性の種類過電流(使いすぎ)による発熱・発火分岐そのものが過電流で発熱するリスクは小さい
たとえるなら常に車が走っている「幹線道路」。交通量が増えすぎると大渋滞(過熱)して危険。災害時だけ開く「緊急避難経路」。普段は誰も使わないので、経路が複数あっても問題ない。

このように、両者は目的も性質も全く異なるものだとご理解いただけたでしょうか。この違いさえ分かっていれば、アース線の分岐に対する漠然とした不安も、かなり和らぐのではないかなと思います。

電源コードを常に車が通る幹線道路、アース線を緊急時のみ使う避難経路に例えた比較イラスト

感電や火災を避けるための必須知識

洗濯機、冷蔵庫、電子レンジ、温水洗浄便座などの水回り家電と水滴のイラスト

アース線は、私たちを命の危険に晒す「感電事故」から守ってくれる、非常に重要な安全装置です。

特に、洗濯機や冷蔵庫、電子レンジ、温水洗浄便座、食器洗い乾燥機といった、キッチンや洗面所など水回りや湿気の多い場所で使用する家電製品には、法律でもアース接続が強く推奨(事実上、義務付け)されています。

水回りで使う家電は、漏電時に感電リスクが高まるため、各メーカーがアース接続を「必ず取り付けてください」等として案内している機器が多いのが実情です。

例えば電子レンジについて、メーカーは漏電時の感電防止のためアース線を取り付けるよう案内しています。

(出典:日立「電子レンジにアース線は必要ですか?/アース線の接続について教えてください。」 閲覧日:2026年2月15日)

なぜ水回りの家電にアースが不可欠なのでしょうか。それは、水が電気を通しやすい性質を持つためです。もしアース線が接続されていない状態で家電が漏電すると、漏れ出た電気の逃げ道がありません。

その状態で、濡れた手で私たちが家電の金属部分に触れてしまうと、電気は最も抵抗が少ない経路を通って地面に流れようとします。

その結果、私たちの体を経路として電気が流れ、激しい感電を引き起こすのです。これは心停止に至る可能性もある、極めて危険な状況です。

(参考:経済産業省 中国経済産業局「新生活で気をつけるべき事故(アース線の取り付け注意:ガス管・水道管等は不可)」 閲覧日:2026年2月15日)

アース線が正しく接続されていさえすれば、万が一漏電が起きても、漏れた電気は電気抵抗が人体よりも遥かに小さいアース線という「専用道路」を通って、安全に地面へと流れていってくれます。

さらに、このとき重要な役割を果たすのが、多くのご家庭の分電盤に設置されている「漏電遮断器(漏電ブレーカー)」です。

漏電遮断器(漏電ブレーカー)は、回路に「行き」と「戻り」の電流差(漏れ)が生じたときにそれを検知して遮断します。

アース線は、漏れた電気の逃げ道をつくり、機器の金属部の電位上昇(触れたときの危険)を下げたり、漏れ電流を発生させて漏電遮断器が動作しやすい条件を整えたりする点で重要です。

漏電は、感電や火災に直結する非常に怖い電気トラブルの一つです。

「最近、理由もなくブレーカーがよく落ちる」「特定の家電に触れるとピリピリとした静電気を感じる」といった症状があれば、それは漏電のサインかもしれません。

放置せず、早めに私たちのような電気工事の専門家へ調査を依頼することをおすすめします。

漏電の原因や調査方法についてさらに詳しく知りたい方は、『漏電修理|費用相場と業者選びや保険適用の注意点』の記事もぜひ参考にしてみてください。

DIYは違法?電気工事士の資格が必要な作業

アース線の分岐・延長はDIY可能だが、コンセント交換やアース棒埋設はプロ(要資格)であることを示した表

さて、アース線の分岐や延長作業を自分で行うにあたって、法的な側面も理解しておく必要があります。

「どこまでが自分で安全にできて、どこからがプロの領域なのか?」という線引きは、「電気工事士法」という法律によって明確に定められています。

知らずに法律を破ってしまうと罰則の対象になる可能性もあるため、この機会にしっかりと確認しておきましょう。

ご自身で(DIYで)できる作業

資格を持っていない方でも、以下の作業はご自身で行うことが認められています。

  • 既存のアース端子への接続
    壁に既設されている接地端子に、機器の接地線(アース線)をねじ止めする程度の作業は、行政資料でも「従来から電気工事とは扱っていない」と整理されています。(出典:経済産業省(四国産業保安監督部)「電気工事業の実務と手続き」 閲覧日:2026年2月15日)
  • 分岐ターミナル等の使用
    市販されているアース線用の分岐ターミナルや、後述するWAGOコネクタなどを使って、既存のアース端子に複数のアース線をまとめる作業。
  • アース線の延長
    アース線が端子に届かない場合に、適切な接続部品(圧着スリーブやコネクタ)を用いて、安全に延長する作業。

壁の中に埋め込まれている配線に直接触れない、比較的軽微な作業はDIYの範囲内とされています。

電気工事士の資格が必要な作業

一方で、以下の作業は「電気工事」に該当するため、第二種電気工事士以上の国家資格を持つ者でなければ行うことができません。

  • アース端子がないコンセントへの端子新設
    壁に穴を開け、内部の配線に接続してアース端子を新たに取り付ける工事。
  • アース付きコンセントへの交換・増設
    既存のコンセントをアース端子付きのものに交換したり、新しい場所に増設したりする工事。
  • 分電盤内の作業
    分電盤にアース線を接続する作業。
  • 接地工事(アース棒の埋設)
    地面にアース棒(接地極)を打ち込み、そこからアース線を屋内に引き込む本格的な工事。

無資格での電気工事は、絶対にやめてください!

無資格者による電気工事は、電気工事士法で固く禁止されている違法行為です。

それ以上に、不完全な施工が原因で漏電やショートを引き起こし、火災や感電といった重大な事故に直結する極めて危険な行為です。

ご家族やご自身の安全を守るためにも、DIYで対応できる作業の範囲を正しく理解し、それを超える工事が必要な場合は、必ず私たちのような都道府県に登録された「登録電気工事業者」に依頼してください。

安全は何物にも代えがたい、ということを忘れないでくださいね。

本格的なアース工事やコンセントの増設・交換をご検討の場合は、『アース線工事の費用相場は?自分でできる方法から業者選びまで解説』のページで、工事内容や費用について詳しく解説していますので、ぜひ一度ご覧ください。

届かない時の安全な延長テク

電線をねじってビニールテープで止めただけの接続に「NG」と大きく書かれた警告画像
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。

「家電を置きたい場所とコンセントが離れていて、アース線が届かない…」これも非常によくあるケースですね。ご安心ください、アース線は適切な方法を用いれば、安全に延長することが可能です。

ただし、ここで最も重要になるのが、電線同士の接続部分の処理です。

最もやってはいけないのが、銅線を指でよじってビニールテープをぐるぐる巻きにするだけ、といった素人考えの接続方法です。このような安易な処理は、以下のようなリスクを伴います。

  • 接触不良
    接続部分の接触が不完全だと、いざ漏電した際に電気がスムーズに流れず、アースが正常に機能しない恐れがあります。
  • 断線・抜け
    時間が経つにつれてテープの粘着力が劣化したり、何かの拍子に引っ張られたりして、接続部分が外れてしまう可能性があります。気づかないうちにアースが効かない状態になっている、というのが一番怖いですね。
  • 酸化による抵抗値の増大
    銅線が空気に触れていると表面が酸化し、電気抵抗が大きくなります。これもアース性能の低下につながります。

接触不良による発熱やトラッキング現象の怖さについては、実際に起きてしまった事例を知るとより実感できるかもしれません。

たこ足配線によるコンセント焼損!放置の危険性と確実な交換』の記事では、実際の焼損トラブルと復旧の様子を紹介していますので、ぜひご覧ください。

アース線を延長する際は、必ず後ほど詳しくご紹介する「差込形コネクタ(WAGOなど)」や「圧着スリーブ」「ギボシ端子」といった、電線接続専用の部品を使用してください。

これらの部品を使い、専用の工具で正しく施工することで、電気的にも機械的にも安定した、確実で安全な接続が実現できるのです。

アース線の分岐方法と代替案

お待たせいたしました。ここからは、いよいよ実践編です。具体的なアース線の分岐方法や、アース端子がない場合の有効な代替策について、分かりやすく解説していきます。

ホームセンターやインターネットで簡単に手に入る便利なアイテムも多数紹介しますので、ご自身の状況に合った最適な方法を見つけてみてください。

WAGOコネクタなど分岐コネクタの正しい使い方

もしご自身でアース線の分岐や延長作業を行うのであれば、私が最もおすすめする方法が、WAGO(ワゴ)に代表される「差込形コネクタ」を使用する方法です。

これはもともと、住宅の壁の中などで電線同士を接続するために、私たちプロの電気工事士が日常的に使用しているプロ向けの部材です。

しかし、その圧倒的な手軽さと、誰が作業しても施工品質が安定する高い信頼性から、近年ではDIYの世界でも非常に人気が高まっています。もちろん、アース線の接続にも安心して使用できます。

WAGOコネクタのメリット

透明な差込形コネクタ(WAGO)にアース線を差し込もうとしている様子
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。
  • 工具がほぼ不要
    被覆を剥く作業は施工品質を左右するため、ワイヤーストリッパー等の適切な工具の使用を推奨します。カッターでの代用は、芯線に傷を付けて断線や抜けの原因になりやすいため、DIYでもできるだけ避けてください。
  • 作業が簡単・スピーディ
    電線の被覆を剥いて、コネクタの穴に奥まで差し込むだけ。ネジ締めも圧着も不要です。
  • 高い信頼性
    内部のバネが電線を強力に保持し、緩みや接触不良が起こりにくい構造になっています。
  • 確認が容易
    本体が透明または半透明な製品が多く、電線が奥までしっかり挿入されているかを目で見て確認できます。

コネクタを使った接続手順

被覆を剥く、差し込む、引っ張って確認するというコネクタ接続の3段階手順図

ここでは、3本のアース線(壁の端子側へ行く1本、家電Aの1本、家電Bの1本)を3穴用のコネクタでまとめる場合を例に説明します。

  1. 準備
    まず、接続したいアース線の本数に合った穴数のコネクタを用意します(今回は3穴用)。念のため、分電盤の安全ブレーカーを切っておくとより安全です。
  2. 被覆を剥く
    アース線の先端の緑色のビニール被覆(絶縁被覆)を剥いて、中の銅線を露出させます。この剥く長さが重要で、コネクタ本体の側面やパッケージに記載されたストリップゲージ(製品により9~14mm程度)に合わせてください。ワイヤーストリッパーを使うと、簡単かつ正確に作業できます。
  3. 差し込む
    準備した3本のアース線の銅線部分を、それぞれコネクタの穴に「グッ」と奥に当たるまで、しっかりと差し込みます。
  4. 確認
    最後に、差し込んだ各アース線を軽く引っ張ってみて、抜けないことを確認します。コネクタ本体が透明な場合は、銅線が奥までしっかり届いているかを目視でも確認してください。これで接続は完了です。

たったこれだけの作業で、プロと同等の品質で安全・確実に複数のアース線をまとめることができます。

工具の準備も少なく、作業の難易度も非常に低いので、DIY初心者の方には間違いなく一番おすすめの方法ですね。

ワンタッチやギボシ端子を使った接続

差込形コネクタ以外の方法としては、自動車の電装系カスタムなどでもお馴染みの「ギボシ端子」や、より確実な接続が可能な「圧着スリーブ」を用いる方法もあります。

これらの方法は、接続部分をよりコンパクトに仕上げたい場合に適しています。

ギボシ端子を使った接続

ギボシ端子はオスとメスの端子から成り、後から抜き差しできるのが最大の特徴です。アース線の場合、頻繁に抜き差しするケースは稀ですが、汎用性の高い接続方法として覚えておくと便利です。

  1. 電線の先端に、それぞれオス端子とメス端子を「電工ペンチ」という専用工具で圧着(かしめ)します。
  2. 圧着した端子に、付属の絶縁スリーブを被せます。
  3. オス端子とメス端子を「カチッ」と音がするまで差し込んで接続します。

分岐させたい場合は、二股に分岐したギボシ端子なども市販されています。

圧着スリーブを使った接続

圧着スリーブは、複数の電線を一本にまとめるための金属製の筒です。一度圧着すると外すことはできず、非常に強固で信頼性の高い接続が可能です。

  1. まとめたい複数のアース線の銅線を束ねます。
  2. 束ねた銅線に圧着スリーブを被せます。
  3. 電工ペンチや圧着工具の適合するサイズの歯で、スリーブを強く数回に分けて圧着します。
  4. 最後に、接続部分全体を絶縁テープや熱収縮チューブで覆い、絶縁処理を施して完了です。

ただし、これらのギボシ端子や圧着スリーブを使う方法は、「電工ペンチ」や「圧着工具」といった専用の工具が必須となります。

工具をお持ちでない場合は初期投資が必要になる点と、正しく確実に「かしめる」ためには少し練習とコツが必要な点が、差込形コネクタと比べた際のデメリットと言えるかもしれません。

ホームセンターや100均、ダイソーで探す

これまでにご紹介したアース線の分岐・延長に使える便利なアイテムは、一体どこで手に入るのでしょうか。主な購入先と、それぞれの特徴をまとめてみました。

ホームセンター

一番のおすすめです。電気工事資材のコーナーに行けば、WAGOの差込形コネクタはもちろん、各種サイズのギボシ端子や圧着スリーブ、電工ペンチなどの専用工具まで、必要なものはほぼ全て揃います。

品質もプロが使用するレベルのものが多く、安心して選ぶことができます。不明な点があれば、専門知識を持つ店員さんに相談できるのも大きなメリットですね。

100円ショップ(ダイソーなど)

最近ではDIY需要の高まりを受け、小分けにされたギボシ端子セットや簡単な工具類が売られていることがあります。

手軽に試せるのは魅力ですが、品揃えは店舗によって大きく異なり、品質や耐久性もプロ用とは差がある場合があります。

また、適合する電線の太さ(sq、スケア)などの仕様を、パッケージでしっかりと確認する必要があります。

ネット通販(Amazon、モノタロウなど)

種類が非常に豊富で、様々なメーカーの製品を比較検討しながら購入できるのが強みです。WAGOのコネクタなども、まとめ買いをすることでお得に入手できる場合があります。

ただし、実物を確認できないため、商品の仕様(適合電線サイズ、定格電圧・電流など)をご自身で正確に把握して選定する必要があります。

アイテムを選ぶ際に最も注意してほしいのが、使用するアース線の太さ(断面積)に適合した製品を選ぶということです。

家電製品のアース線は、一般的に1.25sq~2.0sq程度の太さのものが多いです(電子レンジ付属品で1.25sq、冷蔵庫・洗濯機などでは直径1.6mm≒2.0sq が標準的です)。

購入するコネクタや端子が、お使いのアース線の太さに対応しているか、パッケージの仕様表記を必ず確認するようにしてくださいね。サイズが合っていないと、接触不良や脱落の原因になります。

アースなし環境の救世主ビリビリガード

コンセントに差し込んで使用する漏電遮断器「ビリビリガード」の製品イラスト
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。

「そもそも、うちのコンセントにはアースの差し込み口自体がない…」というお宅も、特に築年数の古い建物ではまだまだ多いかと思います。

賃貸物件などで、勝手にコンセント交換工事をするわけにもいかない、とお困りの方もいらっしゃるでしょう。

そんな場合に、非常に有効な安全対策となるのが、「漏電保護タップ」や「ポータブル漏電遮断器」と呼ばれる製品です。有名な商品名では、テンパール社の「ビリビリガード」がよく知られていますね。

これは、壁のコンセントと、洗濯機などの家電製品の電源プラグの間に接続するだけで使える、後付けの漏電遮断器です。

その仕組みは、プラグインした機器へ「入っていく電気の量」と「戻ってくる電気の量」を常に精密に監視し、その差が一定値(一般的に15mA)を超えた場合、つまり電気がどこかへ漏れている(=漏電している)と判断すると、瞬時(0.1秒以内)に電気を遮断してくれるという優れものです。

動作時間は製品仕様によります。例えばプラグ形漏電遮断器「ビリビリガード」では、定格感度電流15mA・動作時間0.1秒以内(高速形)とされています。

(出典:テンパール「GR-XB プラグ形漏電遮断器(ビリビリガード)」 閲覧日:2026年2月15日)

アース端子のない環境でも、感電事故のリスクを大幅に低減させることができます。

特に、アース工事が難しい賃貸住宅にお住まいの方や、屋外で電動工具を使用する際などには、非常に心強い味方となってくれるでしょう。

ビリビリガードは完全な代替品ではない

ただし、ここで一つ重要な注意点があります。

ビリビリガードはあくまで「漏電を検知して、電気の流れを止める」装置であり、アースのように「漏れた電気を安全に地面へ逃がす」ものではありません。

どういうことかと言うと、漏電した機器に触れて人体に電気が流れ始めた瞬間に電気は止まりますが、その一瞬は感電のショックを受ける可能性がある、ということです。

もちろん、致命的な事故に至る前に電気は遮断されるため、安全性は飛躍的に向上します。

しかし、漏電した電気をそもそも人体に触れさせないようにするアース接続が、最も確実で根本的な安全対策であることに変わりはありません。

ビリビリガードは非常に有効な「次善の策」と位置づけていただくのが良いかなと思います。

やはり根本的な解決策としては、アース付きコンセントの増設が理想です。

費用や工事内容については『コンセントの増設は壁の中なら配線スッキリ!費用相場とDIYの境界線』のページで詳しくご紹介していますので、ぜひご検討ください。

また、実際にアース付きコンセントへの交換工事を行った現場のレポート『アース付きコンセント交換とアース工事の重要性・メリット(相模原市の施工事例)』も、工事のイメージをつかむのに役立つはずです。

漏電遮断器で安全性をさらに高める

アース線が電気を逃がし、漏電遮断器が電気を止めるという二重の安全対策を示した図解

実は、先ほどご紹介した「ビリビリガード」と同じような機能を持つ強力な安全装置が、皆さんのご家庭にある分電盤(ブレーカーが並んでいる箱)の中に、すでに備わっている場合がほとんどです。それが「漏電遮断器(漏電ブレーカー)」です。

分電盤のフタを開けてみてください。いくつか並んでいるスイッチの中で、一つだけ「テスト」と書かれた赤いボタンが付いている、少し大きめのスイッチがありませんか?それが漏電遮断器です。

これは家全体の電気回路を常時監視しており、どこかの回路で漏電が発生すると、それを瞬時に感知して家全体の電気を遮断するという、いわば「電気系統の司令塔兼ガーディアン」のような役割を担っています。

(参考:Panasonic「漏電ブレーカー|電気設備の基礎知識」 閲覧日:2026年2月15日)

ここで、アース線と漏電遮断器の関係が重要になります。この二つは、いわば二人一組で機能する、最強の安全コンビなのです。

  1. 家電製品が故障し、漏電が発生する。
  2. 漏れ出た電気が、接続されたアース線を通って安全に地面へと流れ始める。
  3. その微弱な電気の漏れ(異常な流れ)を、漏電遮断器が瞬時に検知する。
  4. 漏電遮断器が作動し、家全体の電気を遮断。感電や火災を未然に防ぐ。

このように、アース線が「異常を知らせる通報役」となり、漏電遮断器が「電気を止める実行役」となることで、二重の安全が確保されているわけです。

ですから、アース線を正しく接続しておくことが、漏電遮断器の性能を最大限に引き出すことにも繋がるのです。

月に一度程度で構いませんので、分電盤にあるテストボタンを押して、正常にブレーカーが落ちる(家全体の電気が切れる)かを確認する習慣をつけておくことを、専門家として強くお勧めします。

いざという時に作動しなければ、何の意味もありませんからね。

もし「テストボタンを押しても反応しない」「頻繁にブレーカーが落ちる」といった異常がある場合は、『頻繁なブレーカー落ちの原因と漏電調査・分電盤交換(厚木市の施工レポート)』のようなケースも考えられますので、早急にご相談ください。

最適なアース線の分岐方法で漏電対策を

コネクタ使用の推奨やNG行為などをまとめたチェックリスト画像

今回は、アース線の分岐に関する安全性から、具体的なDIYの方法、そしてアース端子がない場合の代替策まで、幅広く、そして深く掘り下げて解説してきました。

普段はあまり意識することのないアース線ですが、その重要性をご理解いただけたのではないでしょうか。

この記事の重要ポイントまとめ

  • アース線の分岐は、過電流の心配がないため、電源のたこ足配線とは違い基本的に安全である。
  • ご自身で分岐作業をするなら、工具が少なく簡単・確実な「差込形コネクタ(WAGOなど)」が最もおすすめ
  • 壁の中の配線を触ったり、アース端子を新設したりする工事は電気工事士の資格が必須。絶対に無資格で行わないこと。
  • コンセントにアース端子がない場合は、「漏電保護タップ(ビリビリガード)」が感電リスクを大幅に下げる有効な代替策になる。
  • アース線と分電盤の漏電遮断器はセットで機能することで、最高の安全性を発揮する。

アース線は、普段そのありがたみを感じることはありません。しかし、それは何事もない平穏な日常が続いている証拠でもあります。

万が一の電気トラブルが発生したその瞬間に、私たちの命や大切な財産を守ってくれる、まさに「縁の下の力持ち」なのです。

ぜひ、この記事で得た正しい知識を活かして、ご自宅の電気環境をより安全なものにしてください。

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