ダウンライトを廊下に設置する際は間隔が命!ベストな配置をプロが解説

こんにちは。横浜市を拠点に活動しております、横浜電気工事レスキューの主任電気工事士「天谷(あまたに)富士夫」です。
ご自宅の廊下に新しくダウンライトを設置しよう、あるいはリフォームで交換しようと考えたとき、専門的で分かりにくいことが多くてお困りではないでしょうか。
「ちょうど良い間隔って何センチ?」「うちの廊下の長さだと何個くらい必要なの?」といった基本的な疑問から、「狭い廊下だから壁からの距離もシビアに考えないと…」「L字の角が暗くならないかな?」といった具体的な配置の悩みまで、考えることはたくさんありますよね。
せっかくならおしゃれでスッキリした空間にしたいけど、日中は良いけど夜になったら暗すぎたり、逆に深夜にトイレに起きたとき、煌々と照らされて目が覚めてしまうような眩しい照明は絶対に避けたい。
人感センサー付きは便利そうだけど、本当に我が家に合っているんだろうか…。
このように、次から次へと疑問や不安が湧いてきて、もし失敗したら簡単には直せないしどうしよう…と感じてしまうお気持ちもよく分かります。
この記事では、私たち電気工事のプロが数多くの現場で培ってきた知識と経験をもとに、そんな廊下のダウンライトに関するあらゆるお悩みを解決するための、具体的で実践的なポイントを、一つひとつ丁寧に、そして分かりやすく解説していきます。
この記事を最後までお読みいただければ、ダウンライト計画に対する不安が解消され、ご自宅の廊下にぴったりの、快適で美しい照明プランを自信を持って描けるようになっているはずです。
記事のポイント
- 廊下の長さや幅に合わせた最適な設置個数と具体的な計算方法
- ムラなく均等で美しく見える配置間隔と壁からの距離の黄金比
- 明るさや配光など後悔しないためのダウンライト選びのポイント
- 人感センサーや調光など暮らしを快適にする機能の選び方と注意点
- 1. 失敗しないダウンライトを廊下へ設置する際の間隔と設計
- 1.1. 90cm~120cmが「ひとつの目安」
- 1.1.1. 基本ルール
- 1.2. 3mや5mの廊下での適切な灯数の計算方法
- 1.2.1. 例1:長さ3m(300cm)の廊下の場合
- 1.2.2. 例2:長さ5m(500cm)の廊下の場合
- 1.2.3. 計算はあくまで「配置の美しさ」の目安です
- 1.3. 美しく見せる壁からの距離の黄金比
- 1.4. L字コーナーでの最適な配置とは
- 1.5. 失敗や後悔をしないために
- 1.5.1. 暗すぎ・明るすぎ問題
- 1.5.2. 天井が穴だらけに見える問題
- 1.5.3. スイッチの位置が不便な問題
- 1.6. 夜間に眩しいのはなぜ?ダウンライトの光の特性
- 1.6.1. 夜中の「眩しさ」を解消する4つの対策
- 2. 廊下に最適なダウンライトの設置間隔と機器選びの秘訣
- 2.1. 60形と100形どちら?
- 2.2. 拡散型と集光型の選び方
- 2.2.1. 拡散型(広角タイプ)
- 2.2.2. 集光型(狭角タイプ)
- 2.3. 人感センサーの位置で決まる利便性と注意点
- 2.3.1. 人感センサー導入時の注意点
- 2.4. 一体型と交換型の費用と寿命
- 2.5. 後悔しない廊下へのダウンライトの設置間隔まとめ
失敗しないダウンライトを廊下へ設置する際の間隔と設計
それでは早速、設計の基本から見ていきましょう。ダウンライトの配置で最も避けたいのは、「なんとなくこの辺かな?」と感覚だけで決めてしまうことです。
照明計画は、家の住み心地を大きく左右する重要な要素。しっかりとした基本ルールと、その理由を知っておくだけで、プロのような美しい仕上がりになり、大きな失敗は確実に避けられます。
ここでは、私たちがいつも現場で何を考え、どのように設計しているのか、その思考プロセスを具体的にお伝えします。
90cm~120cmが「ひとつの目安」

照明プランを調べていると、「ダウンライトの間隔は90cm~120cmが良い」という情報をよく目にするかもしれません。
これはあくまで拡散(広角)タイプのダウンライトを、一般的な天井高(約2.4m前後)の廊下に使う場合の配置の目安です。
実際の最適な間隔は、器具の明るさ(ルーメン値)や配光角、天井高、壁・床の色(反射率)によって変わります。
したがって、90cm~120cmは「基本」ではなく、条件次第で前後する基準値として捉えるのが失敗しないコツです。
なぜこの数値が基準とされるのか。これには、実は日本の家づくりに根差した、非常に合理的で重要な理由が隠されているんです。
多くの日本の木造住宅は、昔ながらの「尺(しゃく)モジュール」という設計単位を基準に建てられています。
これは柱と柱の中心間の距離を3尺、つまり約91cm(910mm)とする考え方です。この基準に合わせて、壁や廊下、部屋の大きさが決まっていくんですね。
そして、私たちが普段目にすることのない天井裏には、天井ボードを支えるための「野縁(のぶち)」と呼ばれる下地が、ボード寸法や工法に合わせたピッチで格子状に組まれています。
木造住宅では、代表的な目安として303mm(約30cm)や455mm(約45cm)といったピッチで組まれるケースが多いです。
(出典:石膏ボード施工マニュアル -木製下地・鋼製下地編|一般社団法人 石膏ボード工業会 閲覧日:2026年2月27日)
ただし、これは建物の仕様や施工方法で変わるため、最終的な穴あけ位置は、現地で下地位置を確認してから確定するのが安全です。
つまり、設置間隔を尺モジュール(約910mm)に近い数値で計画しておくと、下地(野縁など)の位置と整合しやすく、穴あけ位置の調整が最小限で済む可能性が高まります。
ただし、天井下地の向きやピッチ、補強材の有無は現場ごとに異なるため、「必ず干渉しない」とは限りません。最終的には下地探し等で位置を確認し、必要に応じて数cm単位で微調整して決めるのが確実です。
もし下地の真上に穴を開けようとすると、骨組みを切断する必要が出てきたり、設置位置をずらさなければならなかったりと、余計な手間やコストがかかる原因にもなります。
もちろん、これは施工上の都合だけではありません。90cm~120cmという間隔は、照明計画においても非常に理にかなっています。
一般的な拡散タイプのダウンライトの光は、天井から床に向かって円錐状に広がります。この間隔で配置することで、隣り合う光の円が床面で程よく重なり合い、明るさのムラや気になる影ができにくくなります。
結果として、廊下全体を均一で柔らかな光で満たすことができる、というわけですね。
基本ルール
90cm~120cmを基本の間隔として考えましょう。これは日本の住宅の建築単位「尺モジュール」に基づいているため、天井下地への干渉を避けやすく施工がスムーズです。
さらに、光が均一に広がり見た目のバランスも美しくなるという、設計と施工の両面から最適な間隔だからです。
3mや5mの廊下での適切な灯数の計算方法

「基本の間隔は分かったけど、じゃあ具体的に、うちの廊下には何個のダウンライトを付ければいいの?」という疑問が次に湧いてきますよね。
ご安心ください。誰でも簡単に均等で美しい配置を導き出せる、プロも使う便利な計算方法がありますので、一緒に見ていきましょう。
その計算の基本となる考え方は、「照明と照明の間だけでなく、壁と最初の照明との間の距離も均等にする」というものです。
これにより、見た目のシンメトリーが美しく、空間全体が整った印象になります。計算式は以下の通りです。
廊下の全長 ÷ (設置したいダウンライトの個数 + 1) = 照明間の距離(および壁から最初の照明までの距離)
例1:長さ3m(300cm)の廊下の場合
一般的な住宅でよく見られる3mの廊下。ここでは「均等配置の計算例」として、ダウンライトを3個にした場合で計算してみます。
実際に必要な個数は、器具の明るさ(ルーメン値)や配光角、天井高、壁・床の色によって変わるため、ここでは配置の作り方(計算方法)を理解するための例としてご覧ください。この場合の計算はこうなります。
300cm ÷ (3個 + 1) = 75cm
この「75cm」という数字が、すべての間隔になります。つまり、壁から75cmの位置に1つ目のライト、そこから75cm間隔で2つ目、3つ目を配置します。
すると、最後の3つ目のライトからもう一方の壁までの距離も、自然と75cmになるというわけです。非常にスッキリとした、無駄のない美しい配置が実現できますね。
例2:長さ5m(500cm)の廊下の場合

少し長めの5mの廊下なら、4個から5個が目安になるでしょう。ここでは仮に5個で計算してみます。
500cm ÷ (5個 + 1) = 約83.3cm
この場合、壁から約83cmの位置に1つ目を設置し、そこから約83cm間隔で5個のダウンライトを並べていくことになります。
こちらもすべての間隔が均等になり、長い廊下でも明るさにムラのない、安定した照明環境を作り出すことができます。
(出典:Panasonic 照明設計サポート P.L.A.M. 配光特性資料の見方 閲覧日:2026年2月27日)
計算はあくまで「配置の美しさ」の目安です
この計算方法は、あくまでダウンライトを均等に配置するためのものです。実際に感じる明るさは、様々な要因に左右されることを忘れないでください。
例えば、使用するダウンライト自体の明るさ(ワット数やルーメン値)、光の広がり方(配光角度)、そして天井の高さ。さらには、壁紙や床の色も重要です。
白い壁紙は光をよく反射して空間を明るく見せますが、ダーク系の壁紙は光を吸収するため、同じ照明でも暗く感じることがあります。
最終的な個数や明るさは、こうした要素を総合的に判断する必要があるため、専門の電気工事士と相談しながら決めるのが最も安心でおすすめです。
美しく見せる壁からの距離の黄金比

廊下の長手方向の間隔が決まったら、次に考えるべきは「幅方向のどこに設置するか」です。これもまた、空間の印象を決定づける重要な要素ですが、セオリーは非常にシンプルです。
それは、廊下の幅のちょうど真ん中、つまり中心線上に一列に配置すること。これが、最も美しく、機能的にも優れた「黄金比」と言えるでしょう。
例えば、尺モジュールの住宅では廊下の設計が910mm(芯々)を基準にされることが多く、壁厚などを差し引いた内法(有効幅)が約780mm前後になるケースもあります。とはいえ、廊下幅は住宅の仕様で変わります。
基本の考え方はシンプルで、廊下幅の中心線上に一列で通すのが最もバランスよく、左右の壁への当たり方も均等になりやすい配置です。
したがって、位置出しは「○cm固定」ではなく、廊下の実寸を測って中心を取るのが確実です。中心に配置することで、左右の壁への光の当たり方が均等になり、影の出方もシンメトリーで美しく見えるからです。
また、人が廊下を歩く際の視線の中心に照明が並ぶため、心理的な安定感も生まれやすくなります。
もちろん、特殊な演出として、壁際にあえて寄せて設置する「ウォールウォッシャー」という手法もあります。
これは、壁に飾ったアート作品を照らし出したり、壁面の素材感(塗り壁のテクスチャなど)を際立たせたり、陰影を作ることで空間に奥行きを感じさせたりするための高度なテクニックです。
しかし、特別な目的がない一般的な廊下においては、奇をてらわず、廊下の中心線上にまっすぐ並べるのが、最も失敗が少なく、誰が見ても美しいと感じる配置の基本だと覚えておいてください。
最後に、設計段階でのうっかりミスを防ぐための重要なチェックポイントがあります。
それは、クローゼットや収納、各部屋のドアを開けたときに、その扉が照明の光を遮って不自然な影を作ってしまわないか、という点です。
また、最近人気の天井ギリギリまである背の高いドア(ハイドア)の場合は、ダウンライトのごくわずかな枠の厚みに干渉してしまう可能性もゼロではありません。図面上で必ず確認しておきましょう。
L字コーナーでの最適な配置とは
L字型やコの字型など、途中で折れ曲がる廊下は、照明計画において少し工夫が必要な場所です。
なぜなら、直線の廊下と同じ感覚で単純に照明を配置してしまうと、どうしてもコーナー部分が暗い「光の死角」になってしまいがちだからです。
この問題で失敗しないための、シンプルかつ効果的な解決策があります。それは、コーナーの角になる天井部分に、まず1灯を基準点として追加することです。
具体的には、L字に曲がる廊下の天井の角(入隅)の部分、あるいはその角の二等分線(バイセクターライン)上を目安に、まず1灯のダウンライトを配置します。
この「コーナー灯」が、曲がり角の足元をしっかりと照らし、暗がりを解消してくれる重要な役割を果たします。
そして、このコーナーに設置した1灯を基点として、そこからそれぞれの直線廊下の端に向かって、これまで説明してきた計算方法(全長 ÷ (個数+1))を用いて、残りのダウンライトを均等に配置していきます。
こうすることで、廊下全体で明るさが途切れることなく連続し、視覚的にもスムーズで安全な動線が確保できます。
コーナー部分が暗いと、空間が狭く感じられたり、夜間に不安感を覚えたりすることもありますので、この「角に1灯」のルールはぜひ覚えておいてください。
失敗や後悔をしないために
せっかくお金と時間をかけて設置したのに、「なんだかイメージと違った…」「もっとこうすれば良かった…」なんてことになったら、本当に悲しいですよね。
ここでは、お客様からよく聞く失敗談や後悔のポイントと、それを未然に防ぐための具体的な対策をいくつかご紹介します。
暗すぎ・明るすぎ問題
これは最も多い失敗例かもしれません。「日中はちょうど良いと思ったけど、夜になったら思ったより暗かった」「廊下なのにリビングみたいに明るすぎて落ち着かない」といった声です。
原因は、前述した壁紙の色や天井高を考慮しなかったことによる、明るさ(ルーメン)や個数の計画ミスです。
この問題を回避する最も効果的な対策は、調光機能(明るさを自由に調整できる機能)付きのダウンライトを選ぶことです。
初期費用は少し上がりますが、生活シーンや時間帯に合わせて「日中は明るく」「夜間はほんのりと」といった調整が後からでも可能になるため、失敗のリスクを格段に減らすことができます。
まさに「後悔しないための保険」と言えるかもしれません。
天井が穴だらけに見える問題
「暗くなるのが心配だから」と、念のためにダウンライトの数を増やしすぎてしまうと、今度は天井がボコボコと穴だらけのように見えてしまい、落ち着きのない印象を与えてしまうことがあります。
海外ではこれを「スイスチーズ・シーリング(天井)」と揶揄することもあるくらいです。照明は多ければ良いというものではありません。計画段階で、本当にその数が必要なのか、もう一度冷静に見直してみましょう。
場合によっては、数を減らして一つひとつのダウンライトの明るさ(ルーメン値)を少し上げる、あるいはより広範囲を照らせる高効率な製品を選ぶ、といった選択肢も有効です。
ミニマルでスッキリとした天井は、空間をより広く、美しく見せてくれますよ。
スイッチの位置が不便な問題

これは意外と見落としがちなポイントです。
特に5mを超えるような長い廊下の場合、片方の端にしかスイッチがないと、反対側の部屋に行くために電気をつけ、通り抜けた先で消すことができず、また廊下を戻ってスイッチを消しに行く…なんていう、非常に面倒な事態になりかねません。
これを解決するのが、廊下の両端にスイッチを設け、どちらからでもオン・オフ操作ができる「3路(さんろ)スイッチ」です。
階段の上下にスイッチがあるのと同じ仕組みですね。さらに、廊下の途中に部屋のドアがあるような場合は、3箇所以上で操作できる「4路(よんろ)スイッチ」を組み合わせることも可能です。
日々の小さなストレスをなくすために、スイッチ計画は動線をしっかりシミュレーションして決めましょう。
夜間に眩しいのはなぜ?ダウンライトの光の特性
「夜中にトイレに起きたとき、廊下のダウンライトが目に突き刺さるように眩しい!」というお悩みも、非常によくお聞きします。
特に人感センサー付き照明で、いきなり煌々と点灯すると、寝ぼけた頭にはかなりの刺激ですよね。この「眩しさ」の原因は、ダウンライトが真下を強く照らすという光の特性にあります。
光源から放たれる光の強さ(輝度)が高く、それが直接目に入ってしまうと、人は不快な眩しさ、いわゆる「グレア」を感じてしまうのです。これを避けるためには、いくつかの効果的な方法があります。
夜中の「眩しさ」を解消する4つの対策

調光機能付きを選ぶ
最も確実な方法です。深夜の時間帯は、足元が確認できる最低限の明るさ(例えば10%の明るさなど)に設定しておくことで、眩しさを根本から解決できます。
「電球色」を選ぶ
照明の光の色には、青白い「昼光色」や白い「昼白色」、オレンジ色の温かみのある「電球色」があります。
同じ明るさでも、電球色の光は目に優しく、覚醒作用のあるブルーライト成分が少ないため、夜間の照明には最適です。
人感センサーの機能を活用する
最近の人感センサー付き照明には、深夜など設定した時間帯は100%の明るさではなく、ほんのりとした明るさで点灯する「ナイトモード」のような機能が付いた製品があります。これを活用するのも良い手ですね。
「グレアレスタイプ」のダウンライトを選ぶ
これは、眩しさ対策に特化した設計のダウンライトです。
光源であるLEDが器具の奥まった位置に設計されており、深いコーン(反射板)が直接光を遮るため、真下から見上げない限り光源が直接目に入りにくくなっています。
空間の明るさは保ちつつ、不快な眩しさだけを大幅に軽減できる優れものです。
特に小さなお子さんや、夜中に起きることの多いご高齢の方がいらっしゃるご家庭では、夜間の安全確保と快適な睡眠環境のためにも、この「眩しさ対策」は非常に重要だと、私は考えています。
廊下に最適なダウンライトの設置間隔と機器選びの秘訣
さて、ここまでで配置計画の基本はバッチリですね。次のステップは、どんな性能や特徴を持ったダウンライトを選ぶか、という「機器選び」です。
実は、どの機器を選ぶかによって、廊下の快適さや使い勝手は全く違うものになります。
ここでは、明るさや光の広がり方、そして便利な機能など、プロの視点で後悔しないための機器選びの秘訣を詳しくお伝えします。
60形と100形どちら?

ダウンライトを選ぶ際、多くの方がまず迷われるのが「明るさ」だと思います。お店に行くと「60形相当」や「100形相当」といった表記が目につきますよね。
これは、昔の白熱電球の明るさを目安にした表示で、LEDが主流となった現在では、本来は「lm(ルーメン)」という光の総量を表す単位で比較するのが基本です。
参考までに、それぞれのルーメン値の目安は以下の通りです。
- 60形相当:810 lm以上(目安)
- 100形相当:1,520 lm以上(目安)
数字だけ見ると倍近い差がありますが、では廊下にはどちらが適しているのでしょうか。
これは設置する場所の状況にもよりますが、私の豊富な経験から申し上げると、日本の一般的な住宅の廊下であれば、ほとんどの場合で「60形相当」で十分な明るさが得られます。
廊下の照明に求められる主な役割は、本を読んだり作業をしたりする部屋の照明とは異なり、「安全に歩行できること」「足元や周囲の状況がしっかり確認できること」です。
その目的を果たすには、60形相当の明るさがあれば全く問題ありません。
むしろ、天井高が2.4m程度の標準的な廊下に100形相当を設置すると、必要以上に明るすぎて落ち着かなかったり、床からの照り返しが強くて、先ほどお話しした「眩しさ」の原因になったりすることが少なくないのです。
(出典:GSユアサ ライティングサービス JIS照度基準についての技術 閲覧日:2026年2月27日)
もちろん例外もあります。
例えば、天井高が3m以上ある吹き抜けのような廊下や、壁・床・建具の色が黒や濃い茶色といった光を吸収しやすいダークトーンで統一されている空間の場合は、光が拡散しにくいため、100形相当を検討する価値はあるでしょう。
もし、どうしても明るさが不安で決めきれない、という場合は、前述した「基本は60形相当を選び、保険として調光機能付きの製品にする」という考え方が、最も失敗のない選択かなと思います。
また、「いまの廊下が暗いので、新しくダウンライトを増設したい」とお考えの場合の工事費用や相場については、以下の『マンションでダウンライトを後付けする費用は?相場と注意点』の記事でも詳しく解説しています。
一戸建ての方でも参考になる内容ですのでぜひご覧ください。
拡散型と集光型の選び方

ダウンライトの光の広がり方には、大きく分けて「拡散型(広角タイプ)」と「集光型(狭角タイプ)」という2つの種類があることをご存知でしょうか。
この違いを理解せずに選んでしまうと、全く意図しない空間になってしまうため、非常に重要なポイントです。
拡散型(広角タイプ)
その名の通り、光が広い範囲にふんわりと柔らかく広がるのが特徴です。配光角度(光が広がる角度)が60度~100度程度のものが一般的で、空間全体を均一に明るくしたい場合に適しています。
特定の影ができにくく、柔らかな光で空間を満たしてくれるため、廊下やリビング、玄関など、全体的な明るさを確保したい場所のベース照明として使用されます。
集光型(狭角タイプ)
光がビームのように一方向に絞られて、特定の場所をスポットライトのように強く照らします。
配光角度は15度~30度程度と狭く、壁に掛けた絵画や写真、お気に入りのオブジェなどをドラマチックにライトアップして際立たせる演出照明として使われます。
目的のものを照らすことには長けていますが、空間全体を明るくするのには全く向いていません。
もうお分かりかと思いますが、廊下の照明の目的は「空間全体を安全に、そして均一に明るくする」ことですから、選ぶべきは議論の余地なく「拡散型」です。
もし間違って集光型を廊下に等間隔で設置してしまうと、ライトの真下だけが円形にポツン、ポツンと明るく、その間は薄暗い…といった、まるで舞台のセットのようなまだらな状態になってしまいます。
これでは歩きにくいだけでなく、見た目も非常に悪いため、絶対に避けるべき失敗です。ダウンライトを選ぶ際は、カタログなどで必ず「拡散」あるいは「広角」と書かれていることを確認してくださいね。
人感センサーの位置で決まる利便性と注意点
スイッチに触れることなく、人が通るのを検知して自動で点灯・消灯してくれる人感センサー付きのダウンライトは、現代の住宅において非常に人気の高い便利な機能です。
両手に買い物袋を抱えて帰宅したとき、夜中にぼんやりした頭でトイレに向かうときなど、その恩恵を感じるシーンは多いでしょう。
しかし、この便利さを最大限に活かすためには、センサーをどこに設置するかが極めて重要になります。
基本的には、リビングや洗面所など他の部屋からの出入り口付近や、廊下の曲がり角など、人の動きが始まる場所に設置するのがセオリーです。
複数のダウンライトを設置する場合、全てをセンサー付きにする必要はなく、この「入口」となる部分の1~2灯を「親機」であるセンサー付きにし、残りをそれに連動する「子機」にすることで、コストを抑えつつ廊下全体の照明をコントロールできます。
ここで注意したいのが、センサーには「検知範囲」があるという点です。製品のカタログには、検知できる距離や角度が必ず記載されています。
この範囲が狭い製品を選んでしまうと、ライトの真下近くまで行かないと反応しない、といった使い勝手の悪い照明になってしまいます。
廊下の幅や長さ、天井高を考慮して、必要な範囲をカバーできる製品を選ぶことが不可欠です。
人感センサー導入時の注意点
独立したスイッチ回路にする
人感センサー付きの照明は、他の照明(例えば玄関の照明など)と同じスイッチ回路に接続しないことを強くおすすめします。
意図しないタイミングで点灯・消灯を繰り返してしまい、非常に不便に感じることがあるからです。センサーライトは単独でコントロールできる回路にするのが基本です。
ペットへの反応
床面近くを動き回る犬や猫などのペットにセンサーが反応してしまい、誰もいないのに電気がついたり消えたりを繰り返すことがあります。
最近はペットの動きには反応しにくい製品も出ていますが、可能性として考慮しておきましょう。
夏場の反応の鈍化
人感センサーは、周囲の温度と人の体温の差を検知して作動します。そのため、外気温と体温の差が少なくなる夏場は、冬場に比べてセンサーの反応が少し鈍くなることがあります。
点灯時間の調整
点灯してから消えるまでの時間(点灯保持時間)を設定できる製品がほとんどです。
短すぎると廊下を通り抜ける前に消えてしまうことも。ご自身の歩くスピードに合わせて、適切な長さに設定することが快適に使うコツです。
(出典:日本照明工業会 LED照明ナビ 内玄関・廊下の照明 事例・ノウハウ集 閲覧日:2026年2月27日)
一体型と交換型の費用と寿命

最後に、ダウンライト本体の構造の違いについてお話しします。
ダウンライトには、LED光源と照明器具が一体化していて取り外しができない「一体型」と、昔ながらの電球のように、寿命が来たらLEDランプだけを交換できる「交換型」の2種類があります。
それぞれのメリット・デメリットを理解して、ご自身のライフプランに合った方を選びましょう。
| 種類 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 一体型(主流) | ・初期費用(本体価格)が比較的安い ・デザインが豊富で、天井面がスッキリする ・薄型な製品が多く、天井裏のスペースが狭くても設置しやすい | ・LEDの寿命が来たら器具全体を交換する必要がある ・器具の交換には電気工事士の資格が必要で、工事費がかかる |
| 交換型 | ・LEDランプが切れたら、資格がなくても自分で交換できる ・気分に合わせて光の色(昼白色→電球色など)や明るさを後から変えられる | ・初期費用が一体型に比べて高い傾向にある ・デザインの種類が一体型より少ない ・ランプのソケット部分があるため、器具に一定の奥行きが必要になる |
注意点として、「一体型」のダウンライトが寿命を迎えた際や新しいものに替えたい場合は、必ず有資格者である電気工事士が器具ごと交換する工事が必要になります。
ご自身でのDIY交換は感電や火災の恐れがあり大変危険です。
「一体型か交換型かどちらを選ぶべきか」「業者に頼む場合の費用相場」についてさらに詳しく知りたい方は、以下の『埋め込みダウンライトの交換費用|DIYの可否と業者の料金』の記事もご参照ください。
どちらを選ぶか迷うかもしれませんが、近年の新築やリフォームの現場では、「一体型」が主流となっています。
その背景のひとつとして、LEDは多くの製品で定格光束維持時間(光束が一定割合まで低下するまでの時間)として40,000時間前後が目安にされることが挙げられます。
例えば1日に10時間点灯した場合、単純計算では約11年相当になります。ただし、使用環境や器具内部の温度条件によって劣化の進み方は変わるため、「何年もつか」は製品仕様と設置条件で判断するのが確実です。
とはいえ、「10年~15年後にお部屋のリフォームや壁紙の張り替えをするタイミングで、照明もその時代の最新の高機能なものに器具ごと交換する」という考え方が一般的なのは事実です。
その頃には、今よりもさらに省エネで便利な製品が登場している可能性も高いですからね。
実際に古い照明器具から最新のLED照明に取り替える際、どのような流れで工事が進むのか、費用感はどのくらいかかるのかについては、以下の『蛍光灯からLED照明へ交換した施工事例(港北区)』の記事で詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
また、廊下だけでなく、洗面所や浴室など他の水回りの照明も同時に寿命を迎えて点かなくなるケースがよくあります。
もしそういったトラブルでお悩みでしたら、以下の『洗面台照明が点かないトラブルをLED器具へ交換した施工事例(港北区)』や『浴室照明の故障に夜間対応し器具交換した施工事例』もあわせてご覧ください。
後悔しない廊下へのダウンライトの設置間隔まとめ
さて、ここまで廊下のダウンライトを計画する上での様々なポイントについて、詳しくお話ししてきました。
情報量が多かったかと思いますので、最後に失敗や後悔をしないための最終チェックリストとして、要点をまとめておきましょう。
廊下ダウンライト計画の最終チェックリスト
- 間隔の基本
90cm~120cmを基準に。「廊下の全長 ÷ (個数+1)」の式で均等割り付けを行う。 - 配置の基本
廊下の幅の中心線上に、まっすぐ一列に並べるのが最も美しい。 - 明るさの基本
一般的な廊下なら「60形相当(約810lm)」で十分。明るさが心配なら「調光機能付き」を選ぶのが賢明。 - 光の種類の基本
空間全体を柔らかく照らす「拡散型(広角タイプ)」を必ず選ぶ。 - 特殊な場所
L字コーナーには、暗がりをなくすために「角に1灯」を追加で配置する。 - 利便性の向上
長い廊下なら両端で操作できる「3路スイッチ」を。自動化したいなら動線を考慮して「人感センサー」を検討する。 - 機器の選択
将来の交換も視野に入れ、デザインや機能が豊富な「一体型」が現在の主流。
ダウンライトの配置計画は、一度天井に穴を開けてしまうと、後から「やっぱり5cmずらしたい」といった微調整は非常に困難です。だからこそ、工事前の計画が何よりも大切です。
横浜・川崎・東京都で業者をお探しの方へ
もし、この記事を読んでもご自身での判断に迷ったり、ご自宅の天井裏の構造がどうなっているか分からず不安だったりする場合は、決して無理せず、ぜひ私たち横浜電気工事レスキューのような電気工事のプロにご相談ください。
現場の状況をしっかりと確認し、お客様のライフスタイルやご希望を丁寧にお伺いした上で、ご自宅に最もふさわしい、快適で美しい照明プランをご提案させていただきます。
無理な営業等は一切ございませんので、どうぞお気軽にご相談ください。
- お見積り・ご相談は完全無料
- 横浜市や川崎市を中心にエリア密着で迅速対応
- 他社で難しいと言われた配線やスイッチ工事もご相談可能


