洗濯機の漏電!原因と対策およびブレーカー確認法

- 1. 洗濯機が漏電?考えられる原因とチェック法
- 1.1. 漏電する主な原因とは?
- 1.2. 水漏れは漏電のサイン?
- 1.3. ドラム式や外置き洗濯機の注意点
- 1.4. ブレーカーで確認しよう
- 1.5. コンセント周りのチェックと注意点
- 1.6. 感電や火災の事故が起きる?
- 2. 洗濯機の漏電対策や修理および予防法
- 2.1. ブレーカーが落ちた時の直し方と再開手順
- 2.2. 勝手に直る?どこに連絡すればいい?
- 2.3. アース線(漏電遮断器)の重要性と対策
- 2.4. 防止するためにできること
- 2.5. 修理費用と買い替えの判断基準
- 2.6. 停電時や漏電後の適切な対応
- 2.7. 洗濯機の漏電に関する原因と対策の総まとめ
洗濯機の使用中に突然「ブレーカーが落ちる」経験はありませんか。あるいは、本体に触れた時にピリッと「感電」した様な違和感を覚えたり、「水漏れ」を発見して「漏電」を心配したりしている方もいらっしゃるかもしれません。
特に、湿気が多い場所に設置されがちな洗濯機は、漏電のリスクと隣り合わせです。「ドラム式」や「外置き」タイプなど、機種や設置環境によっても注意点は異なります。漏電は、最悪の場合「火災」や重大な「事故」に繋がる可能性があり、決して軽視出来ません。
「でも、漏電しているかどうかの「調べ方」が分からない…」「漏電の「原因」は何だろう?」「もし漏電していたら「直し方」はあるの?」「「勝手に直る」事はないの?」といった疑問や不安をお持ちではないでしょうか。
また、「ブレーカー再開」はどの様にすれば安全か、「停電」した場合はどうするべきか、気になる点も多いでしょう。
この記事では、「漏電 洗濯機」に関するあらゆる疑問にお答えします。漏電の主な「原因」から、ご家庭で出来る「チェック」方法、具体的な「防止」「対策」まで詳しく解説します。
アース線や漏電遮断器の重要性、コンセント周りの注意点、万が一の際の「修理費用」の相場や「買い替え」の判断基準、そして「どこに連絡すればいいですか?」といった具体的な疑問にも、分かり易くお答えしていきます。
この記事を読んで、洗濯機の漏電に関する正しい知識を身につけ、安全な毎日を送りましょう。
記事のポイント
- 洗濯機が漏電する主な原因とその仕組み
- 漏電が疑われる際の確認方法と対処手順
- 漏電によって引き起こされる感電や火災のリスク
- 日頃から実践できる漏電の予防策と安全対策
洗濯機が漏電?考えられる原因とチェック法
- 漏電する主な原因とは?
- 水漏れは漏電のサイン?
- ドラム式・外置き洗濯機の注意点
- ブレーカーで確認しよう
- コンセント周りのチェックと注意点
- 感電や火災の事故が起きる?
漏電する主な原因とは?
洗濯機からの漏電は、突然発生すると大変危険です。感電や火災といった重大な事故に繋がる可能性もある為、その原因を知っておく事は非常に重要になります。洗濯機が漏電を引き起こす主な原因は、いくつか考えられます。
まず挙げられるのは、電源コードや内部配線の劣化です。洗濯機は長年使用していると、電源コードを覆っているビニール素材が硬化したり、ひび割れたりする事があります。ビニールが破れて中の電線が露出してしまうと、そこに水滴や湿気が触れることで電気が漏れ出してしまうのです。
特に、コードを束ねていたり、家具の下敷きになっていたりすると、負担がかかり劣化が進みやすいため注意が必要でしょう。また、洗濯槽の揺れによって、目に見えない内部の配線が本体の金属部分と擦れ、被覆が剥がれて漏電に至るケースも報告されています。
次に、電気系統への浸水が考えられます。洗濯機は水を使う家電であるため、ある程度の防水加工は施されています。しかし、経年劣化によって防水性能が低下したり、予期せぬ水漏れが発生したりすると、モーターや制御基板といった電気系統に水がかかってしまうことがあります。
洗濯槽からの水漏れだけでなく、給水ホースや排水ホースの接続不良、内部部品の故障による水漏れも、浸水を引き起こし、結果として漏電の原因となりえます。
なお、家庭用分電盤に用いられる主幹漏電ブレーカー(JIS C 8211 Annex 2 適合品)の定格感度電流は30 mAが主流です。JIS では「15 mA超え30 mA以下で必ず動作する」ことが義務づけられています。

水漏れは漏電のサイン?
洗濯機周りで水漏れを発見した場合、それは単に床が濡れるという問題だけでなく、漏電という深刻な事態の前兆、あるいはすでに発生しているサインである可能性があります。
水は電気を通しやすい性質を持っているため、洗濯機の電気部品や配線に水が触れると、非常に危険な漏電を引き起こすことがあるからです。
もし洗濯機から水が漏れているのを見つけたら、まずその原因を突き止めることが大切です。水漏れが発生しやすい箇所はいくつかあります。
- 蛇口や給水ホースの接続部分
- 蛇口のナットが緩んでいたり、内部のパッキンが劣化していたりすると、水が漏れることがあります。給水ホース自体も、長年の使用で硬化したり、亀裂が入ったりすることで水漏れの原因となりえます。接続部がしっかりと締まっているか、ホースに異常はないかを目視で確認しましょう。
- 排水ホースや排水口周辺
- 排水ホースが排水口から外れていたり、ホースに穴が開いていたり、接続部分が緩んでいたりすると、排水時に水が溢れ出します。また、排水口自体に糸くずやゴミが詰まって水の流れが悪くなっている場合も、水が逆流して漏れ出す可能性があります。排水ホースの状態と、排水口の詰まり具合をチェックする必要があります。
- 洗濯機本体の底からの水漏れ
- これは、洗濯槽や内部の部品、特に排水ポンプなどに問題がある場合に起こりやすいです。
洗濯物の入れすぎや、洗濯槽のバランスが悪い状態で運転を続けると、内部に負担がかかり、水漏れにつながることがあります。本体下部からの水漏れは、内部部品の故障が疑われるため、専門的な知識が必要になることが多いでしょう。
水漏れを発見した際は、感電のリスクを避けるためにも、まず洗濯機の電源プラグを抜くことが最優先です。その際、手が濡れていたり、プラグやコンセントが濡れていたりする場合は、ゴム手袋を使用するなど細心の注意を払ってください。
次に、水道の元栓を閉めて水の供給を止めます。これらの応急処置を行った上で、水漏れの原因を慎重にチェックし、必要であれば専門業者に相談することが賢明です。
水漏れを放置することは、漏電のリスクを高めるだけでなく、床材や家財への損害を広げることにもつながります。

ドラム式や外置き洗濯機の注意点
洗濯機の種類や設置場所によっても、漏電に関する注意点は異なります。近年人気のドラム式洗濯機や、ベランダなどに設置される外置き洗濯機について、特に気をつけたいポイントを解説します。
ドラム式洗濯機は、縦型洗濯機と比較して構造が複雑なモデルが多く、乾燥機能などが付いている場合は、その分部品点数も増えます。
基本的な漏電原因(コード劣化、浸水、経年劣化など)は縦型と共通ですが、乾燥機能のヒーターユニットや、複雑な制御基板などが、新たな漏電原因となる可能性も考慮する必要があります。
また、ドラム式は重量があるため、一度設置すると動かしにくく、背面のコードやアース線の状態、コンセント周りのホコリなどを確認しにくいというデメリットがあります。
定期的な点検を意識的に行うことが大切です。長年使用すると、メーカーの部品保有期間が過ぎ、修理が困難になるケースもあるため、使用年数には注意しましょう。
一方、外置き洗濯機は、屋内設置に比べて過酷な環境にさらされるため、漏電リスクがより高まると言えます。雨風や直射日光(紫外線)は、洗濯機本体や電源コード、ホース類の劣化を早める大きな要因です。コードの被覆が早く傷んだり、本体の防水性が低下したりする可能性があります。
さらに、湿気がこもりやすいため、内部の金属部品が錆びたり、コンセント周りでトラッキング現象が発生したりするリスクも高まります。特に、台風や大雨の際には、直接水がかかったり、コンセント部分が浸水したりする危険性も無視できません。
加えて、外置きの場合は、ネズミなどの害獣が暖かい場所を求めて洗濯機内部や配線部分に入り込み、コードをかじってしまうといった被害も考えられます。コードが損傷すれば、当然漏電のリスクは格段に上がります。
これらのリスクを軽減するためには、外置き洗濯機には必ず防水・防塵カバーをかけることをお勧めします。また、コンセントは防水タイプのものを使用するか、防水カバーを取り付けるといった対策が必要です。
定期的に洗濯機周辺を清掃し、コードや本体の状態をチェックする頻度も、屋内設置の場合より高くする必要があるでしょう。もちろん、アース線の確実な接続は、外置きの場合には特に重要となります。

ブレーカーで確認しよう
「洗濯機が漏電しているかもしれない」と感じたとき、あるいは原因不明でブレーカーが落ちた場合、ご自宅の分電盤にある「漏電ブレーカー」を使って、漏電の有無や原因箇所をある程度特定することが可能です。
漏電ブレーカーは、家の中のどこかで電気が本来の回路から漏れ出していることを感知すると、自動的に電気を遮断して事故を防ぐための大切な安全装置です。
ご自身で漏電箇所を調べる手順は以下の通りです。作業を行う際は、感電の危険性を考慮し、可能であれば乾いたゴム手袋などを着用すると、より安全でしょう。
- まず、分電盤の蓋を開け、一番大きな「アンペアブレーカー」、中央付近にある「漏電ブレーカー」、そして多数並んでいる「安全ブレーカー(分岐ブレーカー)」の全てのスイッチを「切(オフ)」にします。これにより、家全体の電気が一旦遮断されます。
- 次に、「アンペアブレーカー」と「漏電ブレーカー」のスイッチのみを「入(オン)」にしてください。
- 続いて、「安全ブレーカー」のスイッチを、一つずつゆっくりと「入(オン)」にしていきます。安全ブレーカーは、各部屋やコンセント回路ごとに分かれています。
- 安全ブレーカーを順に「入」にしていきます。もし特定のブレーカーを入れた瞬間に漏電ブレーカーが落ちるなら、その回路で漏電している可能性が高いです。それが洗濯機の回路で起きた場合、洗濯機本体やその周辺が原因と推測できます。
- 漏電が疑われる回路が特定できたら、その回路の「安全ブレーカー」は「切(オフ)」にしたまま、洗濯機の電源プラグをコンセントから抜きます。
- その後、再度「漏電ブレーカー」を「入(オン)」にし、先ほどオフにした回路以外の「安全ブレーカー」を全て「入(オン)」に戻します。
この手順により、漏電箇所を切り離し、他の部屋で電気を使うことが可能になります。ただし、これはあくまで応急処置であり、漏電の原因を特定し、根本的に解決するものではありません。
漏電が確認された場合は、絶対に放置せず、速やかに専門の電気工事業者に連絡し、点検と修理を依頼してください。

コンセント周りのチェックと注意点
洗濯機の漏電を考える上で、コンセント周りの環境は非常に重要なチェックポイントです。見落としがちな場所ですが、ここが原因で漏電や火災が発生することも少なくありません。特に注意すべき点と、日頃から行いたいチェック項目をご紹介します。
まず確認したいのは、コンセントと電源プラグの間にホコリが溜まっていないか、という点です。洗濯機は脱衣所など、湿気が多く、衣類からのホコリも舞いやすい場所に設置されることが多いです。
コンセントとプラグの隙間に溜まったホコリが湿気を吸うと、「トラッキング現象」と呼ばれる放電が起こりやすくなります。
これが続くと、やがてプラグが発熱・発火し、漏電や火災の原因となるのです。これを防ぐためには、定期的にコンセント周りを清掃することが不可欠です。
清掃する際は、必ず洗濯機の電源プラグを抜き、乾いた布でホコリを優しく拭き取ってください。絶対に濡れた布は使用しないようにしましょう。
次に、アース線が正しく接続されているかを確認します。アース線は、万が一洗濯機が漏電した場合に、漏れた電気を安全に地面へ逃がすための命綱です。
洗濯機のように水と電気を同時に扱う家電には、アース線の接続が強く推奨されています。コンセントにアース端子(ネジ式やワンタッチ式の接続口)がある場合は、必ずアース線を接続してください。
接続する際は、アース線の先端の銅線部分が長すぎたり、はみ出したりしないように注意が必要です。実際に、はみ出たアース線がコンセントの差し込み口に触れてしまい、漏電の原因となったケースも報告されています。
もしコンセントにアース端子がない場合は、安易に接続しないのではなく、電気工事業者に依頼してアース端子付きコンセントの増設工事を行うことを検討しましょう。
その他にも、電源コード自体に損傷がないか、コンセントやプラグに変色や焦げ跡がないか、といった点も定期的にチェックすると良いでしょう。コンセント周りは、漏電リスクを直接的に左右する場所です。
日頃からの清掃と点検を習慣づけ、安全な環境を保つことが大切です。

感電や火災の事故が起きる?
「漏電」という言葉を聞くと、漠然と「危ない」というイメージを持つ方が多いと思いますが、具体的にどのような危険があるのでしょうか。結論から言うと、漏電は「感電」と「火災」という、人命や財産に関わる重大な事故を引き起こす可能性があります。
まず、「感電」のリスクです。漏電している電気製品に人が触れると、人体が電気の通り道となり、電流が流れてしまいます。これが感電です。洗濯機は金属部分が多く、水回りで使用するため、特に感電のリスクが高いと言えます。
感電すると、ピリッとした軽い衝撃で済む場合もありますが、電流の大きさや流れた時間、体のどの部分を流れたかによっては、筋肉の麻痺、呼吸困難、心停止などを引き起こし、重篤な後遺症が残ったり、最悪の場合は死に至ることもあるのです。
一般的に、漏電ブレーカーは30ミリアンペア(mA)程度の漏れ電流で作動しますが、人間はそれより低い20mA程度でも筋肉が収縮して動けなくなり、50mAを超えると命の危険があると言われています。
漏電ブレーカーがあるからと安心せず、漏電の可能性があれば絶対に触れないことが重要です。
次に、「火災」のリスクです。漏電は、電気火災の主要な原因の一つです。電線や電気製品の絶縁体が劣化・損傷して電気が漏れると、その部分で火花(スパーク)が発生することがあります。
この火花が、近くにあるホコリや紙、布などの可燃物に引火することで火災が発生します。前述のトラッキング現象も、コンセント部分からの発火につながる危険な現象です。
漏電による火災は、壁の内部や天井裏など、人の目につきにくい場所で発生することもあり、発見が遅れると大規模な火災に発展する恐れがあります。
このように、洗濯機の漏電は、単に洗濯機が使えなくなるという不便さだけでなく、感電や火災といった深刻な事故に直結する危険性をはらんでいます。
漏電の兆候(ビリビリ感じる、ブレーカーが落ちる、焦げ臭い匂いがするなど)に気づいたら、絶対に軽視せず、ただちに使用を中止し、コンセントからプラグを抜き、プロに相談することが、あなた自身と家族の安全を守るために不可欠です。

洗濯機の漏電対策や修理および予防法
- ブレーカーが落ちる時の直し方と再開手順
- 勝手に直る?どこに連絡すればいい?
- アース線(漏電遮断器)の重要性と対策
- 防止するためにできること
- 修理費用と買い替えの判断基準
- 停電時や漏電後の適切な対応
ブレーカーが落ちた時の直し方と再開手順
洗濯機の使用中に突然電気が消え、ブレーカーが落ちてしまった場合、慌てずに原因を特定し、適切な手順で復旧させることが大切です。分電盤には通常3種類のブレーカーがあり、どれが落ちたかによって原因と対処法が異なります。
まず、一番大きな「アンペアブレーカー」が落ちた場合は、家全体での電気の使いすぎが原因です。洗濯機と同時にドライヤーや電子レンジなど、消費電力の大きな家電を複数使っていなかったか確認しましょう。
復旧させるには、まず使用していたいくつかの家電の電源を切り、プラグを抜いてから、アンペアブレーカーのスイッチを「入」に戻します。
次に、いくつか並んでいる小さな「安全ブレーカー」のうち、特定の一つだけが落ちた場合、そのブレーカーが管理する部屋や回路での電気の使いすぎ、または接続されている家電のショートが考えられます。
該当する部屋の家電をいくつかオフにしてからスイッチを「入」に戻してみましょう。もし特定の家電を接続した瞬間に再び落ちるようであれば、その家電がショートしている可能性が高いため、使用を中止し、修理や買い替えを検討してください。
そして、「漏電ブレーカー」が落ちた場合は、家のどこかで漏電が発生しているサインです。この場合は、むやみにスイッチを「入」に戻すのは危険です。
まずは、以前にご説明した「漏電の調べ方:ブレーカーで確認しよう」の手順に従って、漏電している可能性のある回路を特定します。洗濯機が原因だと推測された場合は、洗濯機の電源プラグをコンセントから抜いてください。
その後、漏電している回路の安全ブレーカーは「切」のまま、漏電ブレーカーと他の安全ブレーカーを「入」にして電気を再開します。
どのブレーカーが落ちた場合でも、スイッチを戻す際は慎重に行い、もし何度も繰り返し落ちるようであれば、無理に使い続けず、電気工事業者などの専門家に点検を依頼することが重要です。
特に漏電ブレーカーが落ちた場合は、根本的な原因が解決されるまで、該当する回路や家電の使用は避けるべきでしょう。

勝手に直る?どこに連絡すればいい?
「洗濯機が漏電しているようだけど、しばらくしたら直るだろうか?」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、基本的に漏電は自然に、勝手に直ることはありません。
漏電の原因は、コードの損傷や部品の劣化、浸水といった物理的な問題であることがほとんどであり、これらは時間経過で解決するものではないからです。
例外として、一時的な湿気や結露が原因でごく軽微な漏電が発生した場合、乾燥すれば症状が収まることもあり得ます。しかし、それは根本的な解決ではなく、再び湿気が高まれば再発する可能性が高いでしょう。
また、一度漏電しかけた部分は、絶縁性が低下している可能性があり、より深刻な漏電につながる恐れもあります。したがって、「勝手に直る」ことを期待せず、必ず原因を特定し、適切な対処を行う必要があります。
では、洗濯機の漏電が疑われる場合、どこに連絡すれば良いのでしょうか。連絡先は、お住まいの状況や漏電の原因によって異なります。
まず、賃貸住宅にお住まいの場合は、最初に大家さんや管理会社に連絡するのが基本です。建物の設備に問題がある可能性も考えられますし、修理業者の手配などを指示してくれるでしょう。自己判断で業者を呼ぶ前に、必ず相談することが大切です。
持ち家にお住まいの場合で、漏電の原因が洗濯機本体にあるのか、それとも家の配線など建物側にあるのか不明な場合は、まず電気工事業者に相談して漏電調査を依頼するのが良いでしょう。専門家が原因を特定してくれます。
もし、明らかに洗濯機本体の故障が原因だと考えられる場合は、洗濯機を購入した販売店か、メーカーのサポートセンターに連絡します。
購入から日が浅い場合は、保証期間内で無償修理が受けられる可能性もありますので、保証書を確認してみましょう。ただし、メーカーによっては、長年使用した製品だと部品がなく、修理自体ができないケースもあります。
いずれの場合も、漏電修理は電気工事士の資格を持つ専門家でなければ行うことができません。感電や火災のリスクがあるため、絶対に自分で修理しようとせず、必ずプロに依頼してください。
業者を選ぶ際は、複数の業者から見積もりを取り、料金やサービス内容を比較検討することをお勧めします。

アース線(漏電遮断器)の重要性と対策
洗濯機の漏電対策を語る上で、絶対に欠かせないのが「アース線」と「漏電遮断器(漏電ブレーカー)」の存在です。これらは、万が一漏電が発生した際に、感電や火災といった重大な事故から私たちを守ってくれる、非常に重要な安全装置です。
アース線は、洗濯機本体から出ている緑色(または緑と黄色の縞模様)のコードのことです。この線をコンセントのアース端子に接続することで、もし洗濯機内部で電気が漏れた場合、その電気を安全に地面へと逃がす役割を果たします。
アース線が正しく接続されていれば、漏電した電気製品に触れても人体に電気が流れにくくなり、感電のリスクを大幅に低減できるのです。
特に、洗濯機のように水と電気を扱い、湿気の多い場所で使用する家電には、アース線の接続は必須と言えます。コンセントにアース端子がない場合は、電気工事業者に依頼して設置工事を行いましょう。接続する際は、銅線がはみ出たり、緩んだりしないよう、確実に取り付けることが重要です。
一方、漏電遮断器は、電気回路の漏電を検知すると自動的に電気を遮断する装置です。一般的には、分電盤に設置されている「漏電ブレーカー」がこれにあたります。漏電ブレーカーは家全体の漏電を監視し、一定以上の漏れを検知すると作動して電気を止め、感電や火災を防ぎます。
さらに、特定のコンセントや家電だけを保護するための「コンセント型漏電遮断器」(「ビリビリガード」などの名称で販売されていることもあります)もあります。
これは、コンセントに差し込むだけで手軽に設置でき、分電盤の漏電ブレーカーよりも感度が高い(わずかな漏電でも検知する)製品もあります。洗濯機専用のコンセントに設置しておけば、万が一の際に洗濯機への電気供給だけを素早く遮断できるため、より安心です。
これらの安全対策は、一つだけでなく、組み合わせて行うことで効果が高まります。アース線を必ず接続し、漏電遮断器が正しく機能しているか(分電盤のテストボタンで定期的に確認するなど)をチェックすることが、洗濯機を安全に使い続けるための重要な対策となります。
これらの対策を怠ると、漏電発生時のリスクが格段に高まることを理解しておきましょう。

防止するためにできること
洗濯機の漏電は非常に危険ですが、日頃のちょっとした心がけや定期的なメンテナンスによって、そのリスクを大幅に減らすことが可能です。事故を未然に防ぐために、ぜひ実践していただきたい予防策を以下にリストアップします。
- アース線の確実な接続
- 最も基本的かつ重要な対策です。万が一の際に電気を地面に逃がし、感電を防ぎます。
- コンセントにアース端子がある場合は、必ず取り付けましょう。
- 端子がない場合は、専門業者に相談して設置工事を行うことを強く推奨します。
- コンセント周りの清掃
- コンセントとプラグの間のホコリは、湿気を吸ってトラッキング現象(漏電や火災の原因)を引き起こす可能性があります。
- 数ヶ月に一度は必ず電源プラグを抜き、乾いた布でホコリを取り除く習慣をつけましょう。
- 水漏れ対策
- 蛇口を閉める:使用後は蛇口を閉めることで、給水ホースへの圧力を減らし、劣化や水漏れリスクを低減します。
- ホースの点検:給水ホースや排水ホースに亀裂や緩みがないか、定期的に目視でチェックしましょう。
- 水漏れストッパーの設置:万が一ホースが外れても自動で水を止める器具を取り付けるのも有効な対策です。
- 電源コードの適切な取り扱い
- コードの損傷や劣化を防ぐため、以下の点に注意しましょう。
- 無理に曲げない。
- 束ねない。
- 家具の下敷きにしない。
- 壁と洗濯機本体の間に挟まっていないか確認する。
- コードの損傷や劣化を防ぐため、以下の点に注意しましょう。
- 洗濯機本体の定期的な点検とメンテナンス
- 運転中の確認:異常な音がしないか、排水はスムーズか、といった点に注意します。
- 清掃:洗濯槽の掃除や排水フィルターの清掃は、洗濯機を良好に保ち、間接的に漏電リスクを減らします。
これらの予防策を実践することで、洗濯機の漏電リスクを著しく低減させることができます。日頃から安全意識を持つことが、何よりも重要です。

修理費用と買い替えの判断基準
洗濯機が漏電してしまい、修理が必要になった場合、その費用はどのくらいかかるのでしょうか。
また、修理するべきか、それとも新しいものに買い替えるべきか、迷う方も多いでしょう。ここでは、修理費用の相場と、買い替えを判断する際のポイントについて解説します。
洗濯機の漏電修理にかかる費用は、原因や故障箇所、依頼する業者によって大きく異なりますが、一般的な相場としては、約10,000円から50,000円程度を見込む必要があります。
これには、部品代や技術料、そして業者が訪問するための出張料などが含まれます。
もし、漏電の原因がコンセント側にあり、アース付きコンセントの増設などが必要になった場合は、別途5,000円から30,000円程度の工事費用がかかることもあります。
具体例として、日立全自動機では排水ホース交換 13,000〜16,000 円/駆動部品交換 37,000〜52,000 円、シャープ製では出張診断料 5,500 円+部品・技術料で概算 1.3〜2.2 万円(軽微症状)といった公表例があります。
見積もり時は「出張料込みかどうか」「提示は税込か税別か」を必ず確認してください。
修理費用を少しでも抑えたい場合は、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することをお勧めします。また、自宅に近い業者に依頼すれば、出張料を安く抑えられる可能性があります。
修理か買い替えかを判断する際には、いくつかのポイントを総合的に考える必要があります。
- 使用年数
- 洗濯機の平均的な寿命は7年から10年程度と言われています。もしお使いの洗濯機がこれに近い、あるいは超えている場合は、修理してもすぐに別の箇所が故障する可能性があります。この場合は、買い替えを検討する方が長期的に見て経済的かもしれません。
- 修理費用と新品価格
- 修理の見積もり額が、新しい洗濯機の購入費用に近い、あるいはそれ以上になる場合は、買い替えの方が合理的でしょう。特に、高性能な最新モデルへの買い替えを考えているなら、良い機会と捉えることもできます。
- 保証期間
- 購入して間もない洗濯機であれば、メーカー保証や販売店の延長保証が適用される可能性があります。保証期間内であれば、無償または安価で修理できることが多いので、まずは保証書を確認してみましょう。
- 部品の有無
- 古いモデルの場合、メーカーが修理用の部品を保有していないことがあります。実際に、購入から9年程度で部品がなくなり、修理不能と判断されるケースもあります。この場合は、買い替えるしかありません。
これらの点を考慮し、ご自身の状況に合わせて最適な選択をすることが大切です。すぐに判断できない場合は、まず業者に見積もりを依頼し、その金額を見てからじっくり考えるのが良いでしょう。

停電時や漏電後の適切な対応
洗濯機の使用中に停電が発生したり、漏電が確認されたりした場合、パニックにならず、安全を最優先に行動することが重要です。ここでは、それぞれの状況で取るべき適切な対応について説明します。
まず、停電が発生した場合の対応です。洗濯機が動いている最中に停電したら、まず電源プラグをコンセントから抜くことをお勧めします。
これは、電気が復旧した際に、全ての家電が一斉に動き出すことでブレーカーに大きな負担がかかったり、不安定な電流で洗濯機が故障したりするのを防ぐためです。
もし、洗濯機が注水を行っている最中に停電した場合は、水が出しっぱなしになり、水漏れや溢水の原因となる可能性があります。すぐに水道の蛇口を閉めるようにしてください。
電気が復旧したら、洗濯機の状態を確認し、問題がなければプラグを差し込み、運転を再開します。
次に、漏電が確認された、あるいは疑われる場合の対応です。これは停電時よりもさらに慎重な行動が求められます。
- 安全の確保
- まず、漏電している可能性のある洗濯機や、濡れている床などには絶対に触れないでください。感電の危険があります。
- ブレーカーの操作
- 分電盤を確認し、漏電ブレーカーが落ちている場合は、前述の手順で漏電箇所を特定します。洗濯機が原因と特定されたら、該当する安全ブレーカーは「切」のままにします。
- 電源プラグを抜く
- 安全ブレーカーが「切」になっていることを確認した上で、洗濯機の電源プラグをコンセントから抜きます。この際も、念のためゴム手袋を使用するなど、感電対策を心がけましょう。
- 専門家への連絡
- 漏電の原因を自己判断で修理しようとせず、必ず電気工事業者やメーカーのサポートセンターに連絡し、点検・修理を依頼します。賃貸の場合は、管理会社や大家さんへの連絡を優先してください。
- 原因解決まで使用しない
- 専門家による点検・修理が完了し、安全が確認されるまでは、絶対に洗濯機を使用しないでください。
停電時も漏電後も、最も大切なのは「安全第一」です。慌てて行動すると、思わぬ事故につながる可能性があります。
日頃から懐中電灯などの非常用具を備えておくとともに、万が一の際の対応手順を頭に入れておくと、いざという時に落ち着いて行動できるでしょう。
なお、湿気や結露が原因の一過性の軽微な漏電は乾燥後に症状が消える場合もありますが、被覆の絶縁性能は一度劣化すると元に戻りません。再発率が高く、放置は危険です。
症状が収まっても専門家による絶縁抵抗試験を受け、安全が確認されるまでは使用を控えてください。

洗濯機の漏電に関する原因と対策の総まとめ
- 電源コードや内部配線の劣化は漏電の原因である
- モーターや制御基板への浸水は漏電を引き起こす
- 洗濯機本体の経年劣化も漏電の要因となる
- コンセントのホコリはトラッキング現象を招く
- 洗濯機からの水漏れは漏電の危険信号である
- 水漏れ箇所(蛇口・ホース・本体底)をチェックする
- ドラム式は構造、外置きは環境による特有リスクがある
- 漏電の有無は分電盤のブレーカーで確認可能である
- コンセント周りは定期的に清掃しホコリを除去する
- 漏電は感電や火災の重大事故に直結する
- ブレーカーが落ちた際は原因特定と安全な復旧が重要である
- 漏電は自然治癒せず、専門家への連絡が必要である
- アース線は感電防止のために必ず接続すべきである
- 日々の点検と水漏れ防止策で漏電リスクは低減できる
- 修理か買い替えかは使用年数と費用を基に判断する