漏電ブレーカーを交換する際の費用相場と業者選びの完全ガイド

「最近、自宅のブレーカーの調子が気になるけれど、交換するとなると一体どのくらいの費用がかかるのだろうか」「そもそも、漏電ブレーカーの交換工事はどこに頼めば安心なのだろうか」など、漏電 ブレーカー 交換 費用に関する様々な疑問や不安をお持ちではないでしょうか。

日常生活に不可欠な電気を安全に使う上で、漏電ブレーカーは非常に重要な役割を担っています。

この記事では、そうしたお悩みを解消し、安心してブレーカー交換を進めていただくために、交換工事にかかる値段の目安や料金体系、信頼できる業者の比較ポイントから、ご自宅の状況に合わせた注意点まで、幅広く情報をお届けします。

例えば、お住まいが戸建てかマンション・アパートといった集合住宅か、あるいは木造住宅であるかといった住環境による違い、一般的な100V・200Vの電圧やご契約のアンペア(30A・40A・50A・60Aなど)、時には大型のブレーカーや高圧契約が関わる特殊な工事についても解説いたします。

さらに、落雷による故障や古いヒューズとの関連性、気になる費用の負担を少しでも抑える方法、国や自治体による補助金の可能性、東京電力のような電力会社と専門の電気工事業者はどちらに依頼するのが良いのか、そしてご自分で交換や増設を行うことの大きなリスクや、工事費用がなし・免除となるケースについても具体的に触れていきます。

この記事を通じて、漏電ブレーカー交換をどこに頼むべきか、具体的な費用感とともに、読者の皆様が安心して適切な判断を下せるような知識を得ていただくことを目指しています。

記事のポイント

  • 漏電ブレーカー交換費用の具体的な相場と変動要因
  • 住まいの状況(戸建て・集合住宅等)に応じた費用負担と注意点
  • 信頼できる依頼先の選び方と費用を賢く抑える方法
  • 安全な交換の必要性とDIYのリスク、および関連トラブル時の対処法

漏電ブレーカー交換費用の相場と詳細内訳

  • 交換費用の目安、値段・料金を業者ごとに比較
  • 100v・200v、アンペア数で費用は違う?
  • 30a・40a・50a・60a 容量別交換費用の詳細
  • 大型・高圧契約のブレーカー交換工事と費用
  • 戸建てと木造住宅での交換時の注意点と費用

交換費用の目安、値段・料金を業者ごとに比較

漏電ブレーカーの交換を考えた際、まず気になるのは費用ではないでしょうか。交換にかかる値段や料金は、依頼する業者や工事の状況によって幅があるため、一概に「いくら」と断言するのは難しいのが実情です。

ただ、一般的な住宅用漏電ブレーカーの交換であれば、多くの場合、2万円台後半から4万円程度が一つの目安となるでしょう。この金額には、ブレーカー本体の価格、技術者の作業費、出張費などが含まれていることが一般的です。

なぜ業者によって費用に違いが出るのか、その理由はいくつか考えられます。一つは、各業者が設定している料金体系の違いです。

例えば、地域密着型の電気工事店、家電量販店も兼ねる街の電気屋さん、そしてインターネットで集客を行う専門業者など、業者の形態は様々あります。

それぞれに得意とする分野や運営コストが異なるため、それが料金にも反映される傾向にあります。また、使用するブレーカーのメーカーやグレードによっても、部品代が変わってくるため、総額に影響を与えることがあります。

ここで重要なのは、単に提示された金額の安さだけで業者を選ばないことです。もちろん、費用を抑えたいというお気持ちは当然ですが、あまりにも安価な見積もりには注意が必要かもしれません。

例えば、必要な安全確認が省略されていたり、経験の浅い作業員が担当したりする可能性も否定できないからです。そのため、複数の業者から見積もりを取り、それぞれの内容を詳細に比較検討することをおすすめします。

見積もりを比較する際には、作業内容の内訳(部品代、工事費、出張費、諸経費など)が明確に記載されているか、追加料金が発生する可能性はあるのか、そして工事後の保証はどのようになっているか、といった点を確認すると良いでしょう。

このように、いくつかの業者を比較することで、ご自身の状況に合った適正な価格で、安心して任せられる業者を見つける手助けとなります。

交換費用の目安、値段・料金を業者ごとに比較
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100v・200v、アンペア数で費用は違う?

ご家庭で使用する電気の電圧には主に100V(ボルト)と200Vがあり、また電力会社との契約アンペア数も様々です。これらの違いが漏電ブレーカーの交換費用にどの程度影響するのか、気になる方もいらっしゃるでしょう。

結論から申しますと、電圧の種類や契約アンペア数の違いそのものが、交換費用を大きく変動させる直接的な要因とまでは言えませんが、間接的に影響を及ぼすことはあります。

その理由として、まず100V用と200V用のブレーカーでは、製品自体の価格が異なる場合がある点が挙げられます。

一般的に、エアコンやIHクッキングヒーターなど、より大きな電力を必要とする機器には200Vの電圧が使われることが多く、それに対応するブレーカーも特定の仕様が求められることがあります。

もっとも、住宅の分電盤内で100Vと200Vの回路が混在している場合、漏電ブレーカー自体は主幹ブレーカーとして設置されるため、個別の電圧というよりは全体の契約容量に関連して選定されます。

契約アンペア数に関しては、例えば30A(アンペア)から40Aへ、あるいはそれ以上のアンペア数へ契約を変更する場合、既存の漏電ブレーカーの容量が新しい契約アンペアに対応できなければ、交換が必要になることがあります。

このとき、より大きなアンペア数に対応するブレーカーは、一般的に部品価格が若干高くなる傾向が見られます。

ただし、アンペアブレーカー(サービスブレーカーとも呼ばれ、電力会社の所有物)の容量変更であれば、電力会社による作業となり費用は原則無料ですが、お客様ご自身の設備である漏電ブレーカーや子ブレーカーの交換は自己負担となる点を理解しておく必要があります。

もし、100Vの回路を200Vに変更するような電気工事を伴う場合は、単なるブレーカー交換以上の作業、例えば配線の変更や専用コンセントの設置などが必要となり、費用は大きく変わってきます。

このため、電圧やアンペア数に関わる工事を検討する際は、現状の設備状況や希望する変更内容を正確に業者へ伝え、詳細な見積もりを取ることが非常に重要です。

それによって、後から予期せぬ追加費用が発生するのを防ぐことができます。

30a・40a・50a・60a 容量別交換費用の詳細

漏電ブレーカーを交換する際、ご家庭の電力契約アンペア数に応じて、適切な容量のブレーカーを選ぶ必要があります。一般的に住宅用として用いられるのは、30A(アンペア)、40A、50A、60Aといった容量のものです。

そして、これらのアンペア容量によって、交換にかかる費用にも違いが出てくるのが通常です。なぜ容量によって費用が異なるのかと言いますと、主にブレーカー本体の価格差によるものです。

一般的に、対応できる電流量が大きい、つまりアンペア数の大きいブレーカーほど、内部構造が複雑になったり、使用される部品の規格が高くなったりするため、製品自体の価格が上昇する傾向にあります。

例えば、データベースに記載されている情報によれば、30Aの漏電ブレーカー交換費用が一式で24,200円(税込)であるのに対し、40Aから60Aの漏電ブレーカーの場合は28,600円(税込)といった具合に、容量に応じて価格設定が異なっている例が見受けられます。

アンペア容量の選択は、ご家庭の電気の使用状況によって決まります。

30A
比較的電力使用量の少ない単身世帯や小規模なご家庭向けです。
40Aや50A
一般的なご家庭に適しています。
60A
オール電化住宅や家族構成員が多いご家庭、あるいは多くの電気製品を同時に使用する場合に選択されることが多いです。

基本として、現在の契約アンペア数を確認し、それに見合った容量のブレーカーを選ぶことが重要です。

注意点として、もし契約アンペア数を変更する(例えば40Aから50Aへ上げるなど)場合は、電力会社への申請手続きが必要になることがありますし、それに伴い主幹ブレーカーである漏電ブレーカーも適切な容量のものに交換する必要が生じます。

この際、単純に大きな容量のブレーカーにすれば安心というわけではなく、契約アンペア数を超えた電力使用はできませんし、契約アンペア数が大きくなれば電気の基本料金も上がるのが一般的です。

したがって、将来的な電気製品の増設なども考慮しつつ、過不足のない適切な容量を選ぶことが、経済的な観点からも重要と言えるでしょう。

交換を依頼する際には、業者に現在の契約アンペアと希望する容量(もしあれば)を伝え、正確な見積もりを出してもらうようにしてください。

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大型・高圧契約のブレーカーの交換工事と費用

一般のご家庭で使用される漏電ブレーカーとは異なり、店舗や事務所、工場といった商業施設や、特殊な電力契約である高圧契約を結んでいる施設では、より大きな容量の漏電ブレーカーや、特別な仕様のブレーカーが使用されています。

これらの交換工事は、一般家庭の場合と比較していくつかの点で異なり、費用も高額になる傾向が見受けられます。

まず、なぜ費用が高くなるのかと言いますと、使用されるブレーカー本体の価格が主な要因の一つです。商業施設などでは、30Aから250Aといった非常に幅広い容量の漏電ブレーカーが用いられることがあり、当然ながら大容量になるほど製品自体の価格は上昇します。

データベースの情報によれば、100Aまでの商業施設用漏電ブレーカー交換で約44,000円程、200Aまでのものでは約88,000円程が目安として挙げられていますが、これはあくまで一例であり、設置状況やブレーカーの仕様によって費用は大きく変動することを理解しておく必要があります。

また、特に築年数が経過した施設では、かつてメインブレーカーとして大型の漏電ブレーカーが設置されていたものの、現在の製品とはサイズが合わないケースも少なくありません。

このような場合、新しいブレーカーを取り付けるために分電盤の改造が必要になることがあり、それに伴って工事費がさらにかさむ要因となります。

現在の漏電ブレーカーは小型化されているものが多いため、既存のスペースに収まらない、あるいは固定方法が異なるといった問題が生じやすいのです。

高圧契約の施設におけるブレーカー交換となると、さらに専門性が高まります。高圧電力は取り扱いに細心の注意を要するため、作業には高度な知識と技術、そして資格が不可欠です。

多くの場合、こうした設備の保守管理は専門の電気主任技術者が関わっており、ブレーカー交換も計画的に行われることが一般的でしょう。

このように、大型の漏電ブレーカーや高圧契約に関連するブレーカーの交換は、部品の価格、工事の難易度、求められる専門性の高さから、費用が嵩む傾向にあります。

もし、ご自身の施設でこれらのブレーカー交換を検討されている場合は、必ず複数の専門業者に現地調査を依頼し、詳細な見積もりを取るようにしてください。

その上で、工事内容、費用、そして安全管理体制などを総合的に比較検討することが、適切な業者選びに繋がります。

戸建てと木造住宅での交換時の注意点と費用

戸建て住宅、特に木造の家にお住まいの方が漏電ブレーカーの交換を検討される際、費用面や工事における注意点について気になることがあるかもしれません。

基本的な交換費用については、一般的な住宅用漏電ブレーカーの相場(例えば30Aで24,200円、40A~60Aで28,600円など、諸経費込み)が適用されることが多いでしょう。しかし、木造住宅という特性や建物の状態によっては、いくつか留意しておきたいポイントが存在します。

まず注意したいのは、建物の築年数とそれに伴う電気設備の老朽化です。木造住宅の中には築年数が相当経過しているものも少なくなく、そのような場合、分電盤自体が古いタイプであったり、壁の中の配線が劣化していたりする可能性が考えられます。

漏電ブレーカーを交換する際にこうした問題点が明らかになると、安全を確保するために分電盤全体の交換や、部分的な配線修理といった追加の工事を推奨される、あるいは必要となるケースが出てきます。当然、その場合は当初の見積もり以上の費用が発生することになります。

また、木造住宅は鉄筋コンクリート造のマンションなどと比較して、湿気の影響を受けやすいという側面も持っています。湿気は電気設備の絶縁性能を低下させる一因となり得るため、漏電のリスク管理はより重要です。

万が一、漏電が発生し、それに気づかないまま放置してしまうと、火災に繋がる危険性も高まります。

そのため、漏電ブレーカーの定期的な動作確認(テストボタンによるチェック)や、推奨交換時期(一般的に10年~15年)を目安とした交換を心がけることが、木造住宅の安全を維持する上で非常に大切です。

もし、長年ブレーカーを交換していない、あるいは中古で購入した木造住宅で交換履歴が不明な場合は、一度専門業者に点検を依頼することをおすすめします。

その他、分電盤の設置場所も確認しておくと良いでしょう。

例えば、押し入れの奥や天井裏など、作業スペースが極端に狭い場所に分電盤があると、作業の難易度が上がり、場合によっては追加費用を求められる可能性もゼロではありません。

このように、戸建てや木造住宅における漏電ブレーカー交換は、基本的な費用感を押さえつつも、建物の状態に応じた潜在的なリスクや追加工事の可能性を念頭に置くことが重要です。

交換を依頼する際は、信頼できる電気工事業者にしっかりと現状を調査してもらい、見積もり内容についても十分に説明を受けるようにしましょう。それが、安心して長く住まうための第一歩となります。

戸建てと木造住宅での交換時の注意点と費用
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漏電ブレーカー交換費用を賢く抑える方法と注意点

  • マンション・アパート等集合住宅の費用負担は?
  • 国の補助金は使える?費用を抑える方法
  • 交換はどこに頼む?東京電力と専門業者の違い
  • 工事費用なし・免除となるケースはあるの?
  • 自分で交換や増設は可能?そのリスクとは
  • 落雷やヒューズの破損時にブレーカー交換は必要?
  • 漏電ブレーカー交換費用の総まとめと重要ポイント

マンション・アパート等集合住宅の費用負担は?

マンションやアパートといった集合住宅にお住まいの場合、漏電ブレーカーの交換が必要になった際に「この費用は誰が負担するのだろう?」と疑問に思われるかもしれません。

この費用負担については、お住まいの住宅が賃貸物件なのか分譲物件なのか、そしてブレーカーが設置されている場所や故障の原因によって、誰が責任を持つのかが変わってくるのが一般的です。

まず賃貸マンションやアパートの場合を考えてみましょう。お部屋の中にある分電盤に設置された漏電ブレーカーが、経年劣化や自然発生的な故障により交換が必要となった場合、その費用は基本的に大家さん(貸主)または管理会社が負担するケースが多くなっています。

これは、建物の設備を維持管理する責任が貸主側にあると考えられるためです。ただし、入居者様ご自身の不注意や誤った使用方法によってブレーカーを故障させてしまった場合は、入居者様に修繕費用が求められることもあります。

重要なのは、ブレーカーの不調に気づいたら、ご自身で業者を手配する前に、まず管理会社や大家さんに連絡し指示を仰ぐことです。勝手に修理を進めてしまうと、後から費用の請求が難しくなる可能性も考えられます。

一方、分譲マンションの場合は少し状況が異なります。各住戸の室内にある漏電ブレーカーは、その部屋の所有者様の資産である「専有部分」にあたるため、交換が必要になった際の費用は、原則としてその部屋の所有者様ご自身の負担となります。

マンション全体の電気設備、例えば共用廊下の照明用分電盤や、建物全体に関わる主要な電気設備などは「共用部分」とされ、こちらはマンションの管理組合が維持管理を行い、修繕積立金などから費用が支出されるのが一般的です。

もし漏電の原因が共用部分の設備にあり、その影響でご自身の部屋のブレーカーに問題が生じたといった複雑なケースでは、管理組合や管理会社に相談し、責任の所在を明確にする必要があるでしょう。

このように、集合住宅における漏電ブレーカー交換の費用負担は、状況によって異なります。

いずれにしても、まずは契約書の内容を確認したり、管理会社や大家さんといった適切な窓口に相談したりすることが、問題をスムーズに解決し、費用負担を明確にするための第一歩と言えます。

マンション・アパート等集合住宅の費用負担は?
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国の補助金は使える?費用を抑える方法

漏電ブレーカーの交換にはある程度の費用がかかるため、「少しでも負担を減らしたい」「国の補助金などは利用できないのだろうか」とお考えになる方もいらっしゃるでしょう。

現時点では、漏電ブレーカーの交換そのものに対して国から直接的に補助金が支給されるという制度は、広く一般的には見受けられません。

しかし、全く可能性がないわけではなく、関連する住宅改修や安全対策の一環として間接的に対象となる場合や、自治体によっては独自の助成制度を設けているケースも考えられます。

例えば、近年注目されている「感震ブレーカー」の設置に関しては、一部の地方自治体で設置費用の一部を助成する制度が存在します。感震ブレーカーは、地震の揺れを感知して自動的に電気を遮断し、通電火災を防ぐための装置です。

もし、漏電ブレーカーと感震機能が一体となった製品に交換する場合、この感震ブレーカー設置部分に対する補助が受けられるかもしれません。

また、国が行っている省エネルギー化を目的とした住宅リフォーム支援事業などでは、大規模な断熱改修や高効率給湯器の導入と併せて電気設備を更新する場合、その費用の一部が補助対象に含まれる可能性も考えられます。

ただ、これらはあくまで大規模な改修が前提であり、漏電ブレーカー単体の交換が主目的の場合は対象外となることがほとんどです。

補助金制度は年度や自治体によって内容が大きく変わること、申請期間や条件が細かく定められていること、予算上限があることなど、利用する際には十分な情報収集と事前の確認が不可欠です。

補助金以外で交換費用を抑える方法としては、まず複数の専門業者から見積もりを取ることが挙げられます。いわゆる「相見積もり」です。これにより、各業者の料金設定やサービス内容を比較検討でき、ご自身の予算や要望に合った業者を選びやすくなります。

また、緊急で交換を依頼すると割高な料金が発生することがあるため、ブレーカーの耐用年数(一般的に10年~15年)を意識し、計画的に交換を検討することも費用を抑えるポイントです。

さらに、業者によっては特定のメーカーのブレーカーを推奨することがありますが、ご自宅の電力使用状況に本当に必要な機能や容量を見極め、過度に高機能で高価な製品を避けることも大切と言えるでしょう。

このように、国の補助金を直接活用するのは難しいかもしれませんが、情報収集を怠らず、複数の選択肢を比較検討することで、漏電ブレーカーの交換費用を賢く抑えることは可能です。

交換はどこに頼む?東京電力と専門業者の違い

漏電ブレーカーが故障したり、交換が必要になったりした場合、どこに依頼すればよいのか迷うことがあります。

主な依頼先としては、地域を管轄する電力会社(例えば東京電力パワーグリッドなど)と、民間の電気工事業者がありますが、それぞれ対応できる範囲やサービス内容、費用発生の仕組みに違いがあります。

まず電力会社ですが、東京電力パワーグリッドの場合、有料の「安全点検サービス」や「内線改修工事サービス」を提供しています。

安全点検サービスでは、停電時の原因調査や漏電調査、応急処置などを行っており、例えば平日日中であれば9,000円(税込)といった料金設定があります。

ただし、電力会社の電力供給設備に異常がないことの確認までは無料で行われる場合が多いです。

また、内線改修工事サービスとして漏電ブレーカーの取替も行っていますが、これはお住まいの設備状況や希望する機器によって金額が異なり、個別の見積もりが必要となります。

重要な点として、電力会社が直接工事できないケースもあり、その場合は提携している電気工事店を紹介・取次するという形になることもあります。

一方で、電力メーターの近くに設置されているアンペアブレーカー(サービスブレーカー)が故障した場合や、契約アンペアを変更する際のアンペアブレーカー交換は、電力会社の設備であるため、原則として無料で対応してもらえます。

次に、専門の電気工事業者です。これには、昔ながらの街の電気屋さん、地域に根差した電気工事店、あるいはインターネットを通じて集客を行う比較的大きな工事会社など、様々な形態があります。

これらの専門業者は、漏電ブレーカー交換を含む住宅内の電気工事全般(内線工事)を専門としており、幅広いメーカーの製品知識や多様な現場での施工経験を持っていることが期待できます。

料金設定は業者ごとに大きく異なるため、複数の業者から見積もりを取り、作業内容や費用、アフターサービスなどを比較検討することが非常に重要です。

中には、「ジモデン」のように地域ごとの登録電気工事店の料金が比較的分かりやすく提示されているウェブサイトなども存在します。

どちらに頼むべきかを選ぶポイントとしては、まず状況の切り分けが挙げられます。

例えば、家全体の電気が突然消えた(メインブレーカーが落ちた)といった緊急時には、まず電力会社に連絡して状況を説明し、電力供給側に問題がないか、あるいは応急的な対応をしてもらえるかを確認するのが一つの方法です。

その上で、宅内設備の問題と判断されれば、改めて専門の電気工事業者を探すという流れも考えられます。計画的な交換であれば、最初から複数の電気工事業者に相談し、じっくりと比較検討する時間的余裕もあるでしょう。

このように、東京電力(電力会社)と専門の電気工事業者では、得意とする範囲やサービス提供の形が異なります。ご自身の状況や緊急度、そして何を重視するか(料金、スピード、専門性など)を考慮して、最適な依頼先を選ぶようにしましょう。

工事費用なし・免除となるケースはあるの?

漏電ブレーカーの交換を検討する際、多くの方が気になるのがその費用です。

できれば負担は少なくしたいものですが、交換工事の費用が完全に「なし」、あるいは「免除」となるケースは、残念ながら限定的と言わざるを得ません。

基本的には、漏電ブレーカーはご自宅の設備の一部であり、その維持管理や交換にかかる費用は所有者の方の負担となるのが原則だからです。

ただ、いくつかの特定の状況下では、自己負担が軽減されたり、実質的に費用がかからなかったりする可能性も考えられます。

例えば、ご自宅の分電盤に設置されているブレーカーの中でも、「アンペアブレーカー」または「サービスブレーカー」と呼ばれるものは、電力会社の所有物です。

このアンペアブレーカーが故障した場合や、電力会社との契約アンペア数を変更する際に交換が必要となった場合は、原則として電力会社が無償で対応してくれます。

ただし、今回話題にしている「漏電ブレーカー」は、このアンペアブレーカーとは役割も設置場所も異なるため、混同しないよう注意が必要です。

また、賃貸住宅にお住まいの場合、お部屋の漏電ブレーカーが経年劣化や自然故障によって交換が必要になった際は、多くの場合、大家さんや管理会社が費用を負担してくれます。

これは、建物の設備を適切に維持する責任が貸主側にあるためです。入居者の方にとっては、実質的に費用負担なしで交換してもらえるケースと言えるでしょう。

さらに、比較的新しい住宅にお住まいの場合や、過去に漏電ブレーカーを交換したばかりといった状況であれば、ブレーカー本体の製品保証期間内であったり、工事を行った業者の施工保証期間内であったりする可能性もあります。これらの保証が適用されれば、無償または割引価格で交換してもらえるかもしれません。お手元に保証書などがあれば、内容を確認してみる価値はあります。

これら以外で、例えば落雷によってブレーカーが故障したといった特殊なケースでは、ご加入の火災保険の特約(電気的事故補償など)が利用できる場合もありますが、これは保険契約の内容次第であり、一般的な費用の免除とは異なります。

このように、漏電ブレーカー交換費用が免除されるのは特定の状況に限られます。ご自身の状況をよく確認し、不明な点があれば電力会社、管理会社、または専門の電気工事業者に問い合わせてみることが大切です。

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自分で交換や増設は可能?そのリスクとは

「漏電ブレーカーの交換費用を少しでも節約したい」「自分でできるなら挑戦してみたい」と考える方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、結論から申し上げますと、漏電ブレーカーの交換や増設といった電気工事は、専門の資格を持たない方がご自身で行うことは法律で固く禁じられており、また、非常に大きな危険を伴います

その主な理由として、電気工事には高度な専門知識と技術が不可欠であり、誤った作業は感電や火災といった重大な事故に直結する可能性が極めて高いからです。

電気工事士法という法律では、一般家庭などの電気設備(一般用電気工作物)の工事は、国が定めた資格である「電気工事士」の資格を持つ人でなければ行ってはならないと定められています。(詳細は経済産業省のWebサイトで確認できます)

無資格の方が作業を行うことは、この法律に違反する行為となります。

具体的にどのようなリスクがあるのかと言いますと、まず最も恐ろしいのが感電事故です。分電盤の内部やブレーカーの周辺には、人体にとって非常に危険な高電圧の電気が流れています。

作業手順を誤ったり、適切な保護具を使用しなかったりすると、触れた瞬間に感電し、重篤な傷害を負う、あるいは最悪の場合、命を落とす危険性すらあります。

次に、配線接続のミスや不適切な部品の使用は、ショート(短絡)を引き起こす可能性があります。ショートが発生すると、大きな火花が散ったり、過大な電流が流れて配線が異常に発熱し、火災の原因となったりします。

また、漏電ブレーカーを正しく取り付けられなかった場合、肝心の漏電保護機能が正常に働かず、万が一漏電が発生した際に電気を遮断できなくなる恐れもあります。

これでは、ブレーカーを交換する意味がなくなってしまうばかりか、かえって危険な状態を招くことになりかねません。

その他にも、誤った作業によってブレーカー自体や接続されている他の家電製品を故障させてしまうリスクや、もしDIYによる不適切な工事が原因で事故が発生した場合、火災保険などが適用されない可能性も考えられます。

このように、費用を抑えたいというお気持ちは理解できますが、漏電ブレーカーの交換や増設をご自身で行うことは、そのリスクを考えると決して推奨できるものではありません。

安全で確実な工事のためには、必ず信頼できる有資格の電気工事業者に依頼するようにしてください。

自分で交換や増設は可能?そのリスクとは
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落雷やヒューズの破損時にブレーカー交換は必要?

突然の落雷や、古い家屋でヒューズが切れてしまった場合、「もしかして漏電ブレーカーの交換も必要なのだろうか?」と不安に思われるかもしれません。

これらのトラブルが発生した際に、必ずしも漏電ブレーカーの交換が必須となるわけではありませんが、状況によっては点検や交換を検討すべきケースがあります。

まず落雷の場合ですが、雷が近くに落ちると、「雷サージ」と呼ばれる異常な高電圧が電線や電話線、アンテナ線などを通じて家の中に侵入し、接続されている電気製品や電気設備に大きなダメージを与えることがあります。

漏電ブレーカーも精密な電子部品を含んでいるため、この雷サージによって故障してしまう可能性は否定できません。

落雷の後に「ブレーカーが上がらない」「特定の家電製品が使えなくなった」「分電盤から焦げ臭い匂いがする」といった異常が見られた場合は、漏電ブレーカーが損傷していることも考えられます。

このような際は、安全のためにも電気の専門業者に点検を依頼し、必要に応じて交換を検討するのが賢明です。

次にヒューズの破損についてです。現在の一般的な住宅では、分電盤にネジ込み式のヒューズが使われていることは稀で、多くは「子ブレーカー(安全ブレーカーまたは配線用遮断器)」と呼ばれるスイッチ式のものが採用されています。

しかし、築年数の古い建物や一部の古い電気機器には、今でもガラス管ヒューズや糸ヒューズが使われていることがあります。

ヒューズが切れる主な原因は、電気の使いすぎ(過電流)や、電気回路のどこかでショート(短絡)が発生した場合です。単純な電気の使いすぎであれば、使用する電気製品を減らして新しいヒューズに交換すれば復旧することがほとんどでしょう。

しかし、特に原因が見当たらないのに頻繁にヒューズが切れる、あるいはヒューズを交換してもすぐにまた切れてしまうといった場合は注意が必要です。

配線の劣化や接続部分の不具合、家電製品自体の故障、あるいは漏電している可能性も考えられます。また、まれに漏電ブレーカーが正常に機能せず、過電流を感知できないために、下流にあるヒューズが先に切れてしまうというケースも想定されます。

このような場合は、安易にヒューズ交換を繰り返すのではなく、根本的な原因を特定するために専門の電気工事業者に調査を依頼することが重要です。その調査の結果、漏電ブレーカーの不具合が発見されれば、交換が必要となることもあります。

このように、落雷やヒューズの頻繁な破損は、電気設備に何らかの異常が発生しているサインかもしれません。自己判断で対処せず、まずは専門家の診断を仰ぎ、適切な対応をとることが、安全な電気使用のためには不可欠です。

落雷やヒューズの破損時にブレーカー交換は必要?
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漏電ブレーカー交換費用の総まとめと重要ポイント

  • 交換費用は業者や状況で異なり、2万円台後半から4万円程度が目安
  • 業者選定では見積もり内容・保証を比較することが肝要
  • 電圧(100V/200V)やアンペア数は費用に間接的影響を与える
  • 電力会社所有のアンペアブレーカー交換は原則無料である
  • ブレーカー容量(30A-60A)に応じて交換費用は変動する
  • 商業施設等の大型ブレーカー交換は高額で専門技術を要する
  • 戸建て木造住宅では電気設備の老朽化に特に注意が必要
  • 賃貸住宅での経年劣化による交換は主に貸主が費用負担
  • 分譲マンション専有部のブレーカー交換は所有者の自己負担
  • 国の直接補助金は稀だが感震ブレーカー等で自治体助成の可能性あり
  • 費用抑制には複数業者からの相見積もりが最も有効な手段
  • 交換依頼先は電力会社と専門業者で対応範囲や費用が異なる
  • 漏電ブレーカー交換費用の完全免除は製品保証期間内等ごく限定的
  • 電気工事士資格無きDIY交換・増設は法律違反かつ大変危険
  • 落雷や頻繁なヒューズ切れは専門家による点検が推奨される