電気温水器のタンクに水がたまらない?原因と確認方法を解説

- 1. 電気温水器のタンクに水がたまらない時の原因
- 1.1. タンクが空になるのはなぜ?原因は何ですか?
- 1.2. 単純な「お湯切れ」との見分け方
- 1.3. タンクにお湯がたまらない症状の具体例
- 1.3.1. 全ての蛇口からお湯も水も出ない
- 1.3.2. 水は出るが、お湯だけが出ない
- 1.3.3. お湯の勢いが極端に弱い
- 1.4. 漏水・配管劣化・センサーの故障
- 1.4.1. 漏水
- 1.4.2. 配管の劣化
- 1.4.3. センサーの故障
- 1.5. エコキュートの場合に考えられる原因
- 2. 故障?電気温水器のタンクに水がたまらない時の対処法
- 2.1. まず自分で確認する方法は?
- 2.2. 正しい水の貯め方
- 2.3. タンクの満水確認と上手に貯めるには?
- 2.4. 三菱やコロナなどメーカーごとの違い
- 2.5. 修理業者に依頼する前のチェック項目
- 2.6. 電気温水器のタンクに水がたまらない時の最終確認
ある日突然、電気温水器のタンクに水がたまらない症状に見舞われると、非常に困惑するものです。「故障だろうか」「今日からお風呂に入れないのでは」と不安になるかもしれません。
この問題の背景には、単純なお湯切れやタンクが空になっているだけのケースから、専門的な対応が必要な漏水、配管の劣化、あるいはセンサーの不具合まで、様々な要因が考えられます。
この記事では、電気温水器やエコキュートでタンクにお湯がたまらないというトラブルでお困りの方へ向けて、「その原因は何ですか?」という根本的な疑問にお答えします。
「自分で確認する方法は?」といったご質問にお答えする具体的なチェック手順から、正しい電気温水器の水の貯め方、満水確認の方法までを分かりやすく解説します。
さらに、三菱やコロナといった主要メーカーごとの特徴にも触れつつ、最終的に修理業者へ依頼すべきかどうかの判断基準までを網羅的にご紹介します。
記事のポイント
- タンクに水がたまらない様々な原因がわかる
- 自分で安全にできる確認方法と応急処置がわかる
- 故障が疑われる症状と修理を依頼する目安がわかる
- エコキュートや主要メーカーごとの注意点がわかる
電気温水器のタンクに水がたまらない時の原因
- タンクが空になる主な原因は何ですか?
- 単純な「お湯切れ」との見分け方
- タンクにお湯がたまらない症状の具体例
- エコキュートの場合に考えられる原因
タンクが空になるのはなぜ?原因は何ですか?
電気温水器のタンクが空になり、お湯が使えなくなる原因は一つではありません。そのため、慌てずに状況を整理することが大切です。
考えられる要因は、非常に単純な操作ミスから、機器の物理的な故障まで多岐にわたります。
例えば、停電や落雷の影響でご家庭の分電盤にある電気温水器専用のブレーカーが落ちていると、そもそもお湯を沸かすことができません。
また、温水器本体に給水するための止水栓が、何かの拍子で閉まったままになっている可能性も考えられます。これらは故障ではなく、ご自身で対処できるケースです。
一方で、長年使用している電気温水器の場合、機器の経年劣化による内部部品の故障も視野に入れる必要があります。
いずれにしても、まずはお湯が出ないのか、水も出ないのか、家全体で発生しているのか、特定の蛇口だけの問題なのかを切り分けることが、原因を特定する第一歩となります。

単純な「お湯切れ」との見分け方
タンクにお湯がたまらないと感じた際、最初に疑うべきなのが「お湯切れ」です。
これは故障ではなく、貯湯式の電気温水器に特有の現象です。電気温水器は、電気代の安い深夜にお湯をまとめて沸かし、魔法瓶のようにタンクに貯めておく仕組みになっています。
したがって、来客などで普段よりも多くのお湯を使用した場合、タンクに貯めていたお湯を使い切ってしまい、お湯が出なくなります。これが「お湯切れ」の状態です。
お湯切れと故障を見分けるポイントは、リモコンの表示を確認することです。多くの機種では、リモコンに残っているお湯の量(残湯量)が表示されます。
この表示がゼロに近い、あるいは「湯切れ」のサインが出ている場合は、故障ではなくお湯を使い切っただけと考えられます。また、水は問題なく出るのにお湯だけが全く出ないという症状も、お湯切れの典型的な特徴です。
この場合、リモコンの「沸き増し」や「満タン」といったボタンを押して、手動でお湯を沸かすことで解決します。ただし、昼間に沸き増しをすると、深夜電力に比べて電気代が割高になる点には注意が必要です。
「沸き増し」「満タン」などの手動沸き上げ機能は、主にエコキュートや一部の高機能電気温水器に搭載されています。
リモコンのない温水器では本機能が無いので、時間帯制御(深夜運転)を待つか、ブレーカー操作で強制沸き上げを行う必要があります。

タンクにお湯がたまらない症状の具体例
「タンクにお湯がたまらない」という表現は、実はいくつかの異なる症状を指している場合があります。ご自身の状況がどれに当てはまるかを正確に把握することで、より的確な原因究明につながります。
全ての蛇口からお湯も水も出ない
このケースでは、電気温水器単体の問題ではなく、ご家庭の給水設備全体に問題がある可能性が高いです。地域的な断水や、住宅の大元となる水道の元栓が閉まっていることなどが考えられます。
まずはお住まいの地域の水道局の情報を確認しましょう。
水は出るが、お湯だけが出ない
前述の通り、これは「お湯切れ」の可能性が最も高い症状です。
しかし、沸き増しをしても状況が改善しない場合は、電気温水器本体のヒーターや制御基板など、お湯を作る機能に何らかのトラブルが発生していることも考えられます。
お湯の勢いが極端に弱い
タンクにはお湯があるはずなのに、蛇口から出てくるお湯の量が少ない、または勢いが弱いという症状です。
この場合、電気温水器の給水口にあるストレーナー(フィルター)や、蛇口側のフィルターがゴミやサビで詰まっている可能性があります。
また、減圧弁という部品が正常に作動していないことも原因として挙げられます。

漏水・配管劣化・センサーの故障
ご自身で簡単なチェックを行っても原因がわからない場合、より専門的な部品の故障が考えられます。これらのトラブルは、専門の業者による点検や修理が必要です。
漏水
貯湯タンクや、それに接続されている配管から水が漏れていると、いくら給水してもお湯がたまらない、あるいは沸かしたお湯がすぐに減ってしまうという事態になります。タンクユニットの周りが常に濡れている、水道メーターが誰も水を使っていないのに回っている、といった場合は漏水を疑う必要があります。
配管の劣化
長年の使用により、給水管や給湯管の内部にサビやスケール(水垢)が溜まって詰まり、水の流れを妨げることがあります。特に設置から10年以上経過している場合は、配管自体の劣化も考えられます。
センサーの故障
現代の電気温水器は、多くのセンサーによって制御されています。
例えば、タンク内の水温を検知する温度センサー(サーミスター)や、水位を測るセンサーが故障すると、正しくお湯を沸かせなかったり、タンクが空であることを認識できなかったりします。
リモコンに特定のエラーコードが表示される場合は、これらのセンサー類の故障を示している可能性が高いです。

エコキュートの場合に考えられる原因
エコキュートも電気でお湯を沸かす点は同じですが、電気温水器とは仕組みが異なるため、特有の原因も存在します。
電気温水器が電熱ヒーターだけでお湯を沸かすのに対し、エコキュートは空気の熱を利用する「ヒートポンプユニット」を併用して効率よくお湯を作ります。
このヒートポンプユニットが、エコキュート特有のトラブルの原因となることがあります。
例えば、冬場に外気温が極端に低いと、ヒートポンプの効率が低下し、深夜の間に設定した量のお湯を沸かしきれないことがあります。
また、エコキュートには、過去のお湯の使用量を学習し、無駄な沸き上げを自動で抑制する「おまかせモード」のような省エネ機能が搭載されています。
この学習機能により、最近お湯の使用量が少なかった家庭では、エコキュートが「あまりお湯は必要ない」と判断し、沸き上げ量を減らしていることがあります。これが、予期せぬお湯切れの原因となる場合があるのです。

故障?電気温水器のタンクに水がたまらない時の対処法
- まず自分でできる確認する方法は?
- 正しい水の貯め方
- タンクの満水確認と上手に貯めるには?
- 三菱やコロナなどメーカーごとの違い
- 修理業者に依頼する前のチェック項目
- 電気温水器のタンクに水がたまらない時の総まとめ
まず自分で確認する方法は?
専門業者に連絡する前に、ご自身で安全に確認できる点がいくつかあります。多くの場合、これらの基本的なチェックで問題が解決することもあります。
最初に、ご家庭の分電盤を確認してください。電気温水器専用のブレーカーが「切」になっていないでしょうか。
次に、キッチンや洗面所にある電気温水器のリモコンを見て、電源が「入」になっているか、何かエラーコードが表示されていないかを確認します。
エラーが表示されていなければ、電気温水器本体の設置場所へ向かい、給水管に付いている「給水止水栓」が完全に開いているかを見てください。このバルブが閉まっていると、タンクに水が供給されません。
また、意外な見落としがちなのが、お風呂の浴槽の排水栓です。お湯はりをしているのにたまらない場合、排水栓がしっかり閉まっていないだけかもしれません。
これらの基本的な項目を確認するだけでも、不要な修理依頼を避けることにつながります。

正しい水の貯め方
引っ越しで入居したばかりの物件や、長期不在後など、電気温水器のタンクが完全に空になっている場合は、正しい手順で水を入れる必要があります。手順を誤ると、機器の故障につながる可能性があるため注意が必要です。
まず、安全のため電気温水器本体の漏電遮断器(ブレーカー)が「切」になっていることを確認します。次に、タンク下部にある排水栓が固く閉まっていることも見ておきましょう。
準備ができたら、本体上部にある「逃し弁」のレバーを上げ、本体の「給水止水栓」をゆっくりと開きます。すると、タンク内に水が供給され始めます。
しばらくして、上げた逃し弁のレバーの根元から水が連続して出てきたら、タンクが満水になった合図です。満水になったら、逃し弁のレバーを元に戻し、給水止水栓は開けたままにしておきます。
最後に、室内の蛇口(お湯側)を少し開けて、水が途切れずに出てくることを確認します。
これは配管内の空気を抜くための重要な作業です。ここまで完了したら、本体の漏電遮断器を「入」にして、
お湯の沸き上げを開始します。

タンクの満水確認と上手に貯めるには?
前述の通り、電気温水器のタンクが満水になったかどうかを確認する最も確実な方法は、タンクに水を供給している状態で、逃し弁から水が出てくるのを目視することです。
また、日常的な使用においては、沸き上げ完了後にキッチンや洗面所のお湯側の蛇口をひねり、安定して水(最初は水です)が出てくれば、タンクには水が満たされていると判断できます。
お湯を上手に、そして経済的に貯めるためには、電気温水器の設定を理解することが鍵となります。
多くの場合、電気温水器は電気料金が割安になる深夜電力プランを利用して、夜間のうちにお湯を沸かします。ご家庭のライフスタイルに合わせて、リモコンで沸き上げモードや湯量を適切に設定しておきましょう。
例えば、冬場はお湯の使用量が増えるため少し多めに沸かす設定にしたり、逆に来客の予定がない週は「おまかせ節約」モードにしたりと、柔軟に設定を見直すことで、お湯切れを防ぎつつ電気代の無駄を省くことが可能です。

三菱やコロナなどメーカーごとの違い
電気温水器やエコキュートは、三菱電機やコロナ、パナソニック、ダイキンなど複数のメーカーから販売されており、それぞれに機能や操作性で特徴があります。
例えば、リモコンの表示や操作方法はメーカーによって様々です。
三菱電機は「フルオートW追いだき」など独自の機能に強みを持ち、コロナは業界でも歴史が長く堅実な製品作りに定評があります。パナソニックは省エネ技術や使いやすさを追求したモデルが多いです。
トラブル発生時に表示されるエラーコードの体系も、メーカーごとに全く異なります。
したがって、「お湯がたまらない」といった問題に直面した際は、ご自宅の電気温水器のメーカー名と型番を確認し、付属の取扱説明書やメーカーの公式ウェブサイトでエラーコードの意味を調べることが非常に大切です。
これにより、問題がご自身で対処可能なものか、専門家の点検が必要なものかを判断する手助けになります。
観点 | 三菱電機 | コロナ | パナソニック |
---|---|---|---|
特徴的な機能 | キラリユキープ、バブルおそうじ | 省エネナビ、入浴お知らせ | エコナビ、ぬくもりチャージ |
エラーコード | 主にアルファベットと数字2桁(例: P01) | 主にアルファベットと数字2桁(例: E37) | 主にアルファベットと数字2桁(例: H59) |
リモコン | デザイン性や操作性を重視 | シンプルで分かりやすい表示 | 直感的な操作が可能なインターフェース |

修理業者に依頼する前のチェック項目
様々な確認や対処を試みても状況が改善しない場合は、専門の修理業者への依頼を検討します。しかし、その前に最終確認としていくつかチェックしておきたい項目があります。
まず、リモコンに表示されているエラーコードを正確にメモしておきましょう。これは業者に状況を伝える際に最も重要な情報となります。
次に、電気温水器の設置年数を確認してください。一般的に電気温水器の寿命は10年~15年とされており、設置から10年以上経過している場合は、修理よりも交換の方が長期的に見て経済的な場合があります。
メーカー公表資料でも電気温水器・エコキュートの耐用年数はおおよそ10~15年と案内されています(例:三菱電機買い替え提案資料)。
また、トラブルの症状を具体的に説明できるように整理しておくことも大切です。「いつから」「どの蛇口で」「どのような症状が」発生しているのかを明確に伝えることで、業者はよりスムーズに原因を特定できます。
これらの情報を準備した上で、複数の業者から見積もりを取ることをお勧めします。これにより、適正な価格で信頼できる業者を選ぶことが可能になります。
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電気温水器のタンクに水がたまらない時の最終確認
この記事では、電気温水器のタンクに水がたまらないという問題について、その原因から対処法までを多角的に解説しました。最後に、トラブル解決のための重要なポイントをまとめます。
- まず慌てず、水もお湯も出ないのか、お湯だけが出ないのかを確認する
- 分電盤の電気温水器専用ブレーカーが落ちていないかチェックする
- リモコンの電源が入り、エラーコードが表示されていないか見る
- 単純なお湯切れの可能性を考え、リモコンの残湯量を確認する
- 来客などで普段より多くお湯を使った場合はお湯切れを疑う
- 電気温水器本体の給水止水栓が完全に開いているか確認する
- お風呂のお湯はりができない場合は、浴槽の排水栓が閉まっているか見る
- 長期不在後や入居直後は、タンクが空の可能性がある
- タンクへの正しい水の貯め方手順を理解しておく
- 漏水が疑われる場合は、タンク周りが濡れていないか点検する
- 設置から10年以上経過している場合は経年劣化の可能性を考慮する
- エコキュートは学習機能や外気温の影響で湯量が変動することがある
- メーカーの取扱説明書でエラーコードの意味を調べる
- 修理を依頼する際は、症状とエラーコード、設置年数を正確に伝える
- 複数の業者から見積もりを取り、サービス内容と費用を比較検討する