換気扇からの異音シュルシュル!原因と自分でできる対処法

- 1. 換気扇の異音「シュルシュル」が示す原因と危険性
- 1.1. シュルシュルという音がするのはなぜ?
- 1.2. 放置してもいい?考えられるリスクとは
- 1.3. 音が次第に大きくなったのは壊れる前兆か
- 1.4. 換気扇のカラカラ音は潤滑油では直らない
- 1.5. 様々な異音の原因を解説
- 1.6. キッチンや風呂など場所による原因の違い
- 1.6.1. キッチンの換気扇
- 1.6.2. 風呂やトイレの換気扇
- 2. 換気扇の異音「シュルシュル」を止める具体的な対処法
- 2.1. 潤滑油556は有効?どこにさすべきか
- 2.1.1. 潤滑油の選び方:556は避けるべき?
- 2.1.2. 潤滑油をさす正しい場所
- 2.2. 賃貸マンションに住んでいる場合の連絡先
- 2.3. 修理と交換は業者に相談するのがおすすめ
- 2.3.1. 修理か交換かの判断基準
- 2.4. まとめ:換気扇からの異音シュルシュルは早めの対処を
換気扇からシュルシュルという異音が聞こえてきて、不安に感じていませんか。
普段は気にならないが、一度音がし始めると「音がするのはなぜか?」、「もしかして壊れる前兆なのだろうか?」と心配になりますよね。
キッチンや風呂の換気扇の音が日に日に大きくなった気がして、このまま放置してもいいのか悩む方も多いでしょう。
また、「シャリシャリ」「キーン」「ゴー」「カタカタ」「ブーン」「キュルキュル」といった他の音や、特に気になる換気扇のカラカラ音との違いも知りたいところです。
さらに、自分で修理できるのか、潤滑油の556は使えるのか、どこにさせばいいのかといったDIYの疑問から、賃貸マンションでの正しい対応、「最終的に業者に頼むべきか?」まで、この記事で詳しく解説します。
この記事でわかること
記事のポイント
- 換気扇から「シュルシュル」音がする主な原因
- 潤滑油を使った自分でできる簡単な対処法
- 異音を放置するリスクと修理・交換の判断基準
- 賃貸物件や設置場所に応じた正しい対応方法
換気扇の異音「シュルシュル」が示す原因と危険性
- シュルシュルという音がするのはなぜ?
- 放置してもいい?考えられるリスクとは
- 音が次第に大きくなったのは壊れる前兆か
- 換気扇のカラカラ音は潤滑油では直らない
- 様々な異音の原因を解説
- キッチンや風呂など場所による原因の違い
シュルシュルという音がするのはなぜ?
換気扇から聞こえる「シュルシュル」という金属が擦れるような音の主な原因は、モーターの回転部分における潤滑油の不足です。
換気扇のモーター内部には、ファンを滑らかに回転させるためにグリスなどの潤滑油が塗られています。しかし、長年の使用によって、この潤滑油が熱で乾いてしまったり、少しずつ減少したりします。
その結果、金属製のモーター回転軸と軸受けが直接こすれ合うことになり、摩擦によって「シュルシュル」や「キュルキュル」といった特有の音が発生するようになります。
これは、換気扇が「油を差してください」と伝えている初期のサインと考えることができます。
特に、毎日使用するキッチンや浴室の換気扇で発生しやすい症状です。この段階であれば、比較的簡単なメンテナンスで改善する可能性が高いですが、異音に気づいたら早めに対処することが望ましいです。

放置してもいい?考えられるリスクとは
「シュルシュル」という異音がし始めた段階で、まだ換気扇は動くからと放置してしまうのは、あまりおすすめできません。
なぜなら、潤滑が不足した状態で稼働を続けることは、機械に大きな負担をかけ、より深刻なトラブルを引き起こす可能性があるからです。
まず考えられるのは、部品の摩耗が急速に進行することです。
金属同士がこすれ合い続けることで、モーターの回転軸やベアリングといった重要な部品が削れてしまい、最終的には部品の交換が必要な本格的な故障につながります。
修理費用も、単に潤滑油を補充するより高額になってしまいます。
さらに、摩耗が進むと、モーターが異常に発熱することもあります。
実際に、製品事故の調査を行う独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)は、長年使用した換気扇の経年劣化が原因となる発火事故について、繰り返し注意を呼びかけています。
換気扇の周りにはホコリや油汚れが付着していることが多く、万が一、この熱が原因で火花などが発生した場合、引火して火災につながるという最悪のケースも理論上は考えられます。
頻繁に起こることではありませんが、そのようなリスクをゼロにするためにも、異音は軽視せず、初期段階で対応することが大切です。
(参考資料:独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)「扇風機・換気扇の火災事故」)

音が次第に大きくなったのは壊れる前兆か
もし換気扇の異音が、最初の「シュルシュル」という小さな音から、次第に「ゴー」や「カラカラ」といった大きな音に変わってきた場合、それは状態が悪化している明確なサインであり、故障の本格的な前兆である可能性が非常に高いです。
音が大きくなる、あるいは音質が変化するということは、単なる潤滑油不足の段階を越えて、部品の摩耗や変形、破損といった物理的なダメージが進行していることを示唆しています。
例えば、潤滑不足で摩耗した軸がぶれて、ファンがカバーなどの内部部品に接触し始めると「カラカラ」という音がします。
また、ファンに付着したホコリや油汚れによって回転のバランスが崩れると、「ゴー」や「ブーン」という重くうなるような音が発生します。
これらの症状は、もはや潤滑油を差すだけでは改善しません。そのまま使い続けると、モーターの焼き付きやファンの破損といった、突然の停止につながる危険性があります。
音が大きくなったと感じたら、速やかに使用を中断し、点検や修理を検討すべき段階です。

換気扇のカラカラ音は潤滑油では直らない
前述の通り、異音の中でも「カラカラ」や「カタカタ」といった、何かが当たっているような乾いた音がする場合、その原因は潤滑油不足ではないことが多いため、潤滑油だけでは改善しないケースが大半です。
したがって、潤滑油を差しても、この音が解消されることはほとんどないでしょう。
「カラカラ」音の主な原因は、機械的・物理的な不具合にあります。最も多いのは、長年の使用による経年劣化で、ファンを回転させるモーターの軸自体がわずかに歪んだり、ずれたりしてしまうケースです。
軸が正常な位置からずれると、ファンが回転するたびに、その羽根が換気扇のフレームやカバーといった周辺の部品に接触し、音を発生させます。
他にも、内部のネジが緩んで部品が脱落しかけていたり、外部から吸い込んだ小さな異物が内部で跳ねていたりすることも原因として考えられます。
いずれにしても、これは部品の変形や破損、あるいは異物の混入が問題であるため、根本的な解決には分解しての修理や部品交換が必要になります。
自分で分解するのは難しく、かえって状態を悪化させる可能性もあるため、専門の業者に点検を依頼するのが賢明です。

様々な異音の原因を解説
換気扇が発する異音は一種類ではなく、聞こえる音によってその原因は大きく異なります。音を聞き分けることで、ご自宅の換気扇がどのような状態にあるのかをある程度推測できます。
以下に、代表的な異音とその原因、基本的な対処法をまとめました。
聞こえる異音 | 主な原因 | 対処法 |
---|---|---|
キュルキュル、シュルシュル、シャリシャリ | モーター回転軸の潤滑油の不足 | 潤滑油(グリス)を補充する |
キーン、キー | モーターやベアリングの経年劣化、寿命 | 修理または本体の交換を検討 |
カラカラ、カタカタ | モーター軸のずれ、部品の変形・破損 | 専門業者による修理・交換が必要 |
ジー、ジジジジ | モーター内部のサビ、電気系統の不具合 | 専門業者による修理・交換が必要 |
ゴー、ブーン、ヴォー | ファンに付着した油汚れやホコリの蓄積 | 換気扇の分解・徹底清掃 |
バタバタ、パタパタ | 強風による屋外排気口シャッターの音 | 故障ではなく、天候によるもの |
このように、「シュルシュル」や「キュルキュル」は潤滑油で改善する可能性がありますが、「キーン」や「カラカラ」といった音は、部品の寿命や物理的な破損を示しているため、より専門的な対応が求められます。
ご自身の換気扇から聞こえる音をよく確認し、適切な判断の参考にしてください。

キッチンや風呂など場所による原因の違い
換気扇が設置されている場所によって、異音が発生する原因も変わってくることがあります。これは、それぞれの場所で換気扇が付着しやすい汚れの種類が異なるためです。
キッチンの換気扇
キッチンの換気扇は、調理中に発生する油煙を吸い込むため、油とホコリが混ざり合った、粘着質で重い汚れがファンにこびりつきやすいのが特徴です。
この汚れが不均一に付着すると、ファンの回転バランスが崩れてしまいます。その結果、モーターに余計な負荷がかかり、「ゴー」や「ブーン」といった、低くうなるような重い異音が発生しやすくなります。
この場合は、潤滑油を差すのではなく、ファンを取り外して徹底的に掃除することが最も効果的な対処法となります。
風呂やトイレの換気扇
一方、風呂やトイレの換気扇は、油汚れの心配はほとんどありません。しかし、常に湿気が多い環境にあるため、いくつかの特有の問題があります。
一つは、湿気によってモーター内部の金属部品にサビが発生しやすいことです。モーターがサビてしまうと、回転がスムーズにいかなくなり、「ジー」や「ジジジジ」といった異音が出ることがあります。
もう一つは、湿気を含んだホコリがファンや内部に固着しやすいことです。これが原因で回転不良を起こすこともあります。
このように、場所によって汚れの質が異なるため、異音の原因を考える際は、どこに設置されている換気扇なのかも考慮に入れることが大切です。

換気扇の異音「シュルシュル」を止める具体的な対処法
- 潤滑油556は有効?どこにさすべきか
- 賃貸マンションに住んでいる場合の連絡先
- 修理と交換は業者に相談するのがおすすめ
- まとめ:換気扇からの異音シュルシュルは早めの対処を
潤滑油556は有効?どこにさすべきか
「シュルシュル」という異音に対して潤滑油をさすことは有効な対処法ですが、どの製品を使うか、そしてどこに使うかが非常に重要になります。
潤滑油の選び方:556は避けるべき?
浸透潤滑剤は、換気扇の長期的なメンテナンスにはあまり適していません。
多くの方が潤滑剤として思い浮かべる「CRC 5-56」のような浸透潤滑剤は粘度が低く、換気扇モーター軸の“長期潤滑”には十分持続しない場合があります。
サビ固着部を緩める等の短期用途には有効ですが、耐熱・高粘度のスプレーグリスの方が効果が長持ちします。
大量に吹き付けると既存グリスを希薄化させて潤滑性能を落とす恐れがあるため、使用量と部位に注意が必要です。
換気扇には、熱や遠心力に強く、長期間潤滑性能を維持できる、粘度の高い「スプレーグリス」や「長期潤滑オイルスプレー」といった製品を選ぶのが正解です。ホームセンターの潤滑剤コーナーなどで探してみてください。
潤滑油をさす正しい場所
潤滑油をさす場所は、ファンを取り外した奥にある、ファンの回転軸となっている金属の棒(モーターシャフト)とその根元の部分です。
作業の際は、まず安全のために必ず換気扇の電源プラグを抜くか、ブレーカーを落としてください。その後、フィルターやカバー、ファン本体を取り外します。
中心に見えるモーターシャフトの周りの古い油やホコリをきれいに拭き取ってから、新しい潤滑油をごく少量(スプレーなら一吹き、オイルなら1〜2滴)塗布します。
付けすぎるとホコリを吸着して新たな汚れの原因になるため、くれぐれも注意しましょう。塗布後、手でファンを数回ゆっくり回して油をなじませてから、部品を元通りに組み立てます。

賃貸マンションに住んでいる場合の連絡先
賃貸マンションやアパートにお住まいの場合、換気扇から異音がしたときの対応は、持ち家の場合と大きく異なります。
最も重要なのは、ご自身で修理業者を手配したり、分解・修理を試みたりする前に、必ず物件の管理会社または大家さんに連絡するということです。
その理由は、換気扇はエアコンなどと同様に、部屋の「設備」の一部と見なされるためです。
設備の経年劣化による故障や不具合の修理・交換にかかる費用は、原則として貸主である大家さんの負担となります。
もし、連絡なしに勝手に修理や交換を行ってしまうと、その費用を自己負担しなければならなくなるだけでなく、契約違反と見なされたり、退去時に原状回復をめぐってトラブルになったりする可能性があります。
連絡する際は、「いつから、どのような音がするのか」「掃除などをしても改善しない」といった状況を具体的に伝え、指示を仰ぎましょう。
ただし、注意点もあります。
明らかに掃除を長期間怠っていたことが原因で不具合が起きたと判断された場合など、入居者の使い方に問題があった(善管注意義務違反)と見なされると、修理費用の一部または全額を入居者が負担するように求められることもあります。
日頃から簡単なお手入れを心がけておくことも大切です。

修理と交換は業者に相談するのがおすすめ
自分で掃除をしたり、潤滑油を差したりしても異音が改善しない場合や、「キーン」「カラカラ」といった明らかに潤滑油不足ではない音がする場合は、それ以上の自己判断での対処は危険です。
速やかに専門の業者に点検を依頼することをおすすめします。
モーターの分解や内部の配線に関わる作業は、専門的な知識や技術だけでなく、場合によっては電気工事士の資格がなければ行うことができません。
知識がないまま分解すると、元に戻せなくなったり、別の部品を破損させてしまったりする可能性があります。また、感電や漏電といった重大な事故につながる危険も伴います。
修理か交換かの判断基準
業者に相談した際、「修理」と「交換」のどちらを選ぶべきかという問題が出てきます。ここで大きな判断基準となるのが、換気扇の使用年数です。
一般的に、換気扇の設計上の標準使用期間(寿命)は10年〜15年とされています。
もしお使いの換気扇が設置から10年以上経過している場合、たとえ一箇所を修理しても、すぐに別の部分が経年劣化で故障する可能性が高いです。
高額なモーター交換などの修理費用を支払うよりも、最新の省エネで静音性の高いモデルに本体ごと交換してしまった方が、結果的にコストパフォーマンスが良く、安心して長く使える場合が多いです。
業者から見積もりを取る際は、修理した場合の費用と、新しいものに交換した場合の費用の両方を提示してもらい、使用年数と照らし合わせて検討すると良いでしょう。
もし横浜市やその周辺地域で信頼できる業者をお探しの場合は、私たち「横浜電気工事レスキュー」にご相談ください。
換気扇の取り付けや交換工事の実績も豊富ですので、お客様の状況に最適なご提案をさせていただきます。お見積もりは無料ですので、お気軽にお問い合わせいただければ幸いです。

まとめ:換気扇からの異音シュルシュルは早めの対処を
この記事で解説した、換気扇の異音に関する重要なポイントを以下にまとめます。
- 換気扇の「シュルシュル」という異音は主に潤滑油の不足が原因
- 潤滑油不足を放置すると部品の摩耗が進み、より深刻な故障につながる
- 異音が大きくなったり、「カラカラ」「キーン」といった音に変化した場合は危険信号
- 「カラカラ」音は部品の変形や破損が原因で、潤滑油では改善しない
- 「キーン」音はモーターなどの経年劣化や寿命を示唆している
- 「ゴー」という重い音はファンに付着した油汚れやホコリが原因
- 聞こえる音の種類によって、原因と適切な対処法は大きく異なる
- 潤滑油は浸透性の高いものではなく、粘度のあるグリスタイプを選ぶ
- 潤滑油を差す場所は、ファンを取り外した奥にあるモーターの回転軸
- 潤滑油の付けすぎは、ホコリを吸着し新たな汚れの原因になるため注意
- キッチンの換気扇は油汚れ、風呂の換気扇は湿気によるサビが異音の原因になりやすい
- 賃貸物件で異音がした場合は、自分で対処する前に必ず管理会社や大家さんに連絡する
- 使用期間が10年を超えている換気扇の場合、修理よりも交換を検討する方が賢明な場合がある
- 分解や電気系統の作業は危険なため、原因がわからない場合は無理せず専門業者に相談する
- 換気扇の異音は軽視せず、早めに対処することが大きなトラブルと出費を防ぐ鍵となる