電気温水器の漏電遮断器をオンにできない?原因と対処法を解説

- 1. 電気温水器の漏電遮断器がオンにできない原因と症状
- 1.1. 漏電ブレーカーはどこにあるか確認
- 1.2. スイッチが上がらない主な症状
- 1.3. 入れてもすぐに落ちるのはなぜか
- 1.3.1. 漏電箇所を特定するための分電盤での簡易チェック手順
- 1.4. 何故ブレーカーはオフになるのか
- 1.5. 給湯器・エコキュートの漏電について
- 2. 電気温水器の漏電遮断器がオンにできない時の対処法
- 2.1. 故障が疑われる危険なサイン
- 2.1.1. 焦げ臭い匂いや異音
- 2.1.2. 明らかな水漏れや機器の破損
- 2.1.3. リセット操作をしても即座に落ちる
- 2.2. 漏電の主な原因と対策を知る
- 2.2.1. 1. 内部部品の経年劣化
- 2.2.2. 2. 水の侵入によるショート
- 2.2.3. 3. ホコリや虫などの異物の侵入
- 2.3. 正しいリセット方法とテストボタン
- 2.3.1. リセットの基本手順
- 2.3.2. テストボタンの重要性
- 2.4. 専門業者に頼む修理と費用の相場
- 2.4.1. 依頼先の選択肢と特徴
- 2.4.2. 修理費用の目安
- 2.5. 三菱やパナソニック、象印の対応
- 2.6. 電気温水器の漏電遮断器がオンにできない時の結論
「突然お湯が出なくなった」「電気温水器の漏電遮断器がオンにできない」といったトラブルに見舞われ、大変お困りのことと思います。
スイッチがどうしても上がらない、あるいは上げてもすぐに落ちる状態では、給湯器やエコキュートが故障したのではないかと不安になります。
漏電ブレーカーがオフになるのには必ず原因があり、その場所がどこなのかを突き止め、正しい対策を講じることが不可欠です。
この記事では、ご自身で安全に確認できるリセット方法やテストボタンの使い方から、漏電の根本的な原因、そして専門業者に修理を依頼する場合の費用まで、網羅的に解説します。
三菱やパナソニックなど主要メーカーの電気温水器をお使いの方も、この記事を読めば、失敗や後悔のない適切な対応が明確になります。
記事のポイント
- 漏電遮断器が作動する根本的な原因
- 安全に自分で行える確認手順とリセット方法
- 故障が疑われる場合の危険なサイン
- 専門業者に依頼する際の費用相場と注意点
電気温水器の漏電遮断器がオンにできない原因と症状
- 漏電ブレーカーはどこにあるか確認
- スイッチが上がらない主な症状
- 入れてもすぐに落ちるのはなぜか
- 何故ブレーカーはオフになるのか
- 給湯器・エコキュートの漏電について
漏電ブレーカーはどこにあるか確認
電気温水器の漏電遮断器が作動した場合、まず確認すべきはブレーカーの場所です。ブレーカーは、一般的に2箇所に設置されています。
一つ目は、ご家庭の分電盤です。分電盤は玄関や洗面所などに設置されていることが多く、中には複数のブレーカーが並んでいます。
一番大きな「アンペアブレーカー」、中央付近にある「漏電ブレーカー」、そして各部屋や設備につながる複数の「安全ブレーカー」です。電気温水器専用の安全ブレーカーが落ちている場合も考えられます。
二つ目は、電気温水器本体に内蔵された漏電遮断器です。エコキュートなどの貯湯タンクユニットの多くは、本体のカバー内部に専用の漏電遮断器を備えています。
通常、小さなカバーを開けるとスイッチとテストボタンが見えます。トラブルの際は、分電盤だけでなく、この本体側の遮断器の状態も確認することが大切になります。

スイッチが上がらない主な症状
漏電遮断器のスイッチ(レバー)を「入」にしようとしても、固くて上がらない、あるいは全く反応しないことがあります。
この症状は、単なる一時的な不具合ではなく、機器や電気回路に深刻な問題が発生している可能性を示唆しています。
無理に力を込めてスイッチを上げようとする行為は、非常に危険です。内部の部品をさらに破損させたり、最悪の場合は火花が散って火災につながる恐れもあります。
スイッチが物理的に上がらない状態は、安全装置が意図的に回路を遮断し続けている証拠です。これらのことから、ご自身での復旧は困難であると判断し、それ以上の操作は中止するのが賢明な判断と言えます。

入れてもすぐに落ちるのはなぜか
スイッチを「入」にすることはできても、カチッという音と共に瞬時に「切」の状態に戻ってしまうことがあります。これは「トリップ」と呼ばれる現象で、漏電遮断器が正常に機能している証拠です。
漏電遮断器は、電気回路から電気が漏れている状態を検知すると、感電や火災といった事故を防ぐために、0.1秒以下という速さで自動的に電気を遮断するように設計されています。
したがって、スイッチを入れてもすぐに落ちる場合、電気温水器本体や関連する配線のどこかで、間違いなく漏電が継続していると考えられます。
この安全機能を無視して何度もスイッチのオン・オフを繰り返すことは、機器にダメージを与え、危険な状況を招きかねないので絶対に避けるべきです。
ただし、ごくまれに「漏電ではない」のにブレーカーが落ちる原因として、雷サージ(落雷による過電流)の影響があることも知られています。
雷が近くに落ちた際、電線などを通じて家庭内の電気機器に高電圧が一瞬流れ込み、それを感知して遮断器が作動するケースです。
一見問題がないように見えても、これが原因で一時的にトリップすることもあるため、必要に応じてサージ保護機能付きブレーカー(SPD)や、感電ブレーカーの履歴確認機能のある機種への交換を検討するのも有効です。
漏電箇所を特定するための分電盤での簡易チェック手順
以下は、漏電が疑われる回路をご自身で絞り込むための簡易的な手順です。あくまで目安の確認方法であり、修理や調査は専門業者に依頼してください。
- 分電盤のすべての安全ブレーカー(子ブレーカー)を「切」にする
各部屋や設備に対応する個別ブレーカーをすべてオフにします。 - 主幹の漏電遮断器(漏電ブレーカー)を「入」に戻す
一度落ちていた漏電ブレーカーがここで上がれば、どこかの回路に異常がある可能性が高いです。 - 安全ブレーカーを1つずつ「入」にする
1回路ずつ順番にオンにしていきます。 - どのタイミングで漏電遮断器が再び落ちるかを確認する
ある回路のブレーカーを入れた瞬間に、漏電遮断器が落ちた場合、その回路に漏電の可能性があります。 - 漏電の疑いがある回路が特定できたら、操作を中止する
それ以上は触れず、電気工事士などの有資格者に調査・修理を依頼してください。

何故ブレーカーはオフになるのか
漏電ブレーカーがオフになるのは、電気の「行き」と「帰り」の量に差が生じた場合です。本来、電気は決められた回路を通って機器に流れ、同じ量が戻ってきます。
しかし、何らかの原因で電気が回路の外へ漏れてしまうと、戻ってくる電気の量がわずかに減少します。
漏電遮断器はこの微細な電流の差を精密に監視しており、一定以上の差(一般的に30mA)を検知すると、「漏電している」と判断して回路を遮断します。
これが、ブレーカーがオフになる基本的な仕組みです。多くの電気を使いすぎて落ちる「安全ブレーカー」とは役割が全く異なります。
つまり、漏電ブレーカーが落ちたということは、電気の使いすぎではなく、電気そのものが危険な状態にあるという重要な警告なのです。

給湯器・エコキュートの漏電について
給湯器やエコキュートといった電気温水器は、その製品特性上、他の家電製品と比較して漏電のリスクに注意が必要な機器です。
これらの機器は、水を加熱するために内部で高電圧の電気を使用しています。水は電気を通しやすい性質を持つため、わずかな水漏れでも漏電に直結しやすいのです。
また、多くの電気温水器は屋外に設置されています。風雨や紫外線、温度変化に常にさらされる過酷な環境は、機器本体や配線の劣化を早める一因となります。
長年の使用により、部品の隙間から雨水が侵入したり、内部で結露が発生したりすることで、電気系統に影響を及ぼす可能性があります。
このように、水と電気を扱い、厳しい環境下に置かれるという特性が、電気温水器の漏電リスクを高めているのです。

電気温水器の漏電遮断器がオンにできない時の対処法
- 故障が疑われる危険なサイン
- 漏電の主な原因と対策を知る
- 正しいリセット方法とテストボタン
- 専門業者に頼む修理と費用の相場
- 三菱やパナソニック、象印の対応
- 電気温水器の漏電遮断器がオンにできない時の結論
故障が疑われる危険なサイン
漏電遮断器が落ちた際に、以下のようなサインが見られる場合は、機器が深刻な故障状態にある可能性が極めて高いです。ご自身の安全を確保するため、直ちに全ての操作を中止し、専門業者に連絡してください。
焦げ臭い匂いや異音
機器本体や分電盤の周辺から、プラスチックが焼けるような焦げ臭い匂いがする場合、内部でショートが起きている危険性があります。
また、「ジー」という通常とは異なるうなり音が聞こえる場合も、電気的な異常を示しています。これらの兆候は火災の前兆である可能性もあるため、非常に危険です。
明らかな水漏れや機器の破損
電気温水器の本体下部や配管の接続部から水が漏れているのを発見した場合は、その水が原因で漏電していることが強く疑われます。
また、本体カバーにひび割れや変形、電源ケーブルに傷やかじられた跡がある場合も、漏電の原因となり得ます。
リセット操作をしても即座に落ちる
後述する正しい手順でリセット操作を一度だけ試みても、瞬時にブレーカーが落ちる場合は、恒久的な故障が確定したと判断できます。
この状態で何度もリセットを試みるのは危険なため、専門家の診断を仰ぐ必要があります。

漏電の主な原因と対策を知る
漏電が発生する原因は多岐にわたりますが、主なものとして以下の3点が挙げられます。これらの原因を理解し、普段から対策を意識することが、トラブルの予防につながります。
1. 内部部品の経年劣化
電気温水器の寿命は一般的に10年~15年とされています。長年使用するうちに、お湯を沸かすヒーターや、電子制御を行う基板、配線の被覆などが劣化し、絶縁性能が低下して漏電を引き起こします。
特にヒーターは常に高温の水に触れているため、劣化しやすい部品の代表格です。
対策としては、設置から10年以上経過している場合は、一度専門家による点検を受けることが推奨されます。
また、度々不具合が起こるようであれば、修理を繰り返すよりも本体の交換を検討するのが長期的に見て賢明な場合があります。
2. 水の侵入によるショート
前述の通り、電気温水器にとって水は大敵です。内部のパッキンの劣化や配管の接続部の緩みによる水漏れが、電気系統にかかることで漏電が発生します。
また、屋外設置の場合、台風のような激しい雨や、機器周辺の排水不良による冠水で内部に水が侵入することも原因となります。
普段から機器の周りに水たまりができていないか、本体から水が滴っていないかを目視で確認する習慣が大切です。
3. ホコリや虫などの異物の侵入
機器内部に侵入したホコリやゴミ、あるいは虫の死骸などが、漏電の原因となるケースも少なくありません。
これらの異物が湿気を吸うと、電気を通しやすい状態になります。そして、基板や配線に付着することで、電気が本来の道筋から外れてショートしてしまうのです。
特に、コンセントとプラグの隙間に溜まったホコリが湿気を帯びて発火する「トラッキング現象」は非常に危険です。
対策として、機器の通気口周りを清潔に保ち、コンセント周りのホコリは定期的に掃除することが有効です。

正しいリセット方法とテストボタン
ブレーカーが落ちた際、一度だけ試す価値のあるリセット操作があります。ただし、これは安全が確認できる範囲で行うものであり、異常があればすぐに中止してください。
リセットの基本手順
- まず、ご家庭の分電盤にある電気温水器専用の安全ブレーカーを「切」にします。
- 次に、電気温水器本体のカバーを開け、内蔵されている漏電遮断器のスイッチを一度完全に「切」の位置まで押し下げます。
- 30秒ほど待ってから、スイッチを「入」の位置に上げます。
- 最後に、分電盤の安全ブレーカーを「入」に戻します。
この操作で復旧すれば、一時的なノイズなどが原因だった可能性があります。しかし、復旧しない、あるいはすぐにまた落ちる場合は、前述の通り故障が確定しているため、専門家へ連絡してください。
テストボタンの重要性
漏電遮断器には、正常に作動するかを確認するための「テストボタン」が付いています。
安全のためには月に1回程度の頻度で点検することが推奨されており、例えばパナソニックも公式ページで「月1回のテスト」を目安にするよう案内しています。
年に数回ではなく、よりこまめな点検が望ましいと言えるでしょう。
この点検を定期的に行うことで、いざという時に安全装置が確実に機能することを担保できます。テスト後は、忘れずにスイッチを「入」に戻してください。

専門業者に頼む修理と費用の相場
ご自身での対処が難しい、あるいは危険と判断した場合は、速やかに専門業者へ修理を依頼する必要があります。依頼先にはいくつかの選択肢があり、それぞれに特徴が存在します。
依頼先の選択肢と特徴
依頼先 | メリット | デメリット・注意点 |
---|---|---|
メーカー | ・製品知識が豊富で安心感が高い ・純正部品による修理 | ・費用が比較的高額になる傾向 ・訪問まで数日かかる場合がある |
設置工事業者 | ・家の設置状況を把握している ・設置時の不備なら無償対応の可能性 | ・業者の技術力に差がある ・廃業している可能性もある |
給湯器専門業者 | ・対応が迅速(即日対応も) ・価格競争力があることが多い | ・信頼できる業者選びが重要 ・資格の有無や保証内容を確認する必要がある |
横浜・川崎エリアで業者をお探しの方へ
修理費用の目安
修理費用は、一般的に「出張・診断料(4,000円~7,000円程度)」+「技術料」+「部品代」で構成されます。故障箇所によって費用は大きく変動しますが、一般的な相場は以下の通りです。
- ヒーターや基板の交換: 7,000円~60,000円程度(部品・作業内容により幅あり)
- 漏電遮断器自体の交換:7,000円~30,000円程度
- 配管などからの水漏れ修理:10,000円~(症状・部品代によって変動)
使用年数が10年を超えている機器で高額な修理費用がかかる場合は、新品への交換を検討する方が経済的です。最新の機種は省エネ性能が向上しているため、月々の電気代削減によって初期費用を回収できる可能性もあります。
実際、近年の電気温水器やエコキュートは、従来機種よりも年間の消費電力量が20〜30%前後削減されるモデルもあり、家族構成によっては年間1〜2万円の節電になることも。
また、リモコンの節電モードやスマート制御機能なども進化しており、使い勝手と経済性を両立できる点も魅力です。高額修理に悩んでいるなら、省エネ性能の高い最新モデルへの買い替えも積極的に検討してみてください。

三菱やパナソニック、象印の対応
漏電トラブルが発生した場合、お使いの電気温水器のメーカーに相談するのも一つの有効な手段です。
三菱電機やパナソニックといった主要メーカーは、全国にサービス網を持っており、修理受付のコールセンターを設けています。
連絡する際は、エラーコードが表示されていればその番号を、また製品の型番を事前に確認しておくと、スムーズに話が進みます。
メーカーの修理は、純正部品を使用した質の高いサービスが期待できる一方で、訪問までに時間がかかったり、費用が割高になったりする可能性も考慮しておく必要があります。
象印は主に小型電気ポット・湯沸かし器を扱うメーカーで、家庭用大型電気温水器の現行モデルはありません。旧モデルをご使用の場合は、既にメーカーサポートが終了している可能性があります。
いずれのメーカーであっても、まずは公式サイトや取扱説明書で連絡先を確認し、現在の対応状況を問い合わせてみることが第一歩となります。

電気温水器の漏電遮断器がオンにできない時の結論
この記事では、電気温水器の漏電遮断器が作動してしまい、オンにできない状況について、その原因から具体的な対処法までを解説しました。最後に、重要なポイントをまとめます。
- 漏電遮断器が作動したら絶対に無理に「入」にしない
- まず分電盤と温水器本体のブレーカーの位置を確認する
- スイッチが上がらない、または即座に落ちる場合は故障の可能性が高い
- 漏電の原因は主に「経年劣化」「水の侵入」「ホコリや異物」に加え、落雷や誘導雷による過電流サージも無視できない
- 焦げ臭い匂いや明らかな水漏れは非常に危険なサイン
- 安全な状況下で一度だけリセットを試みるのは有効
- リセットしても復旧しない場合は専門家へ連絡する
- 漏電箇所の特定は分電盤の安全ブレーカーで確認できる
- 年に数回はテストボタンで遮断器の動作確認を行う
- 修理の依頼先はメーカー、設置業者、専門業者の3択
- 依頼先ごとにメリット・デメリットを理解して選ぶ
- 修理費用は故障箇所により15,000円から60,000円以上と幅広い
- 使用年数が10年以上の場合は新品への交換も視野に入れる
- 最新機種への交換は長期的な光熱費の削減につながる
- 業者へ連絡する際は製品の型番と症状を正確に伝える