インターホンの交換どこに頼む?費用と依頼先の選び方を解説

インターホンの交換どこに頼む?費用と依頼先の選び方を解説

インターホンの調子が悪くなり、「そろそろ交換かな?」とお考えではありませんか。チャイムが鳴らなかったり、通話音声に雑音が入ったりと、日々の生活に支障が出始めると気になりますよね。

しかし、いざ取り替えるとなると、「インターホン交換はどこに頼むのが一番良いのだろう」「取り付け工事費用料金はどれくらいかかるのか」など、次々と疑問が浮かんでくるものです。

自分で作業できるのか、それとも専門業者に依頼するべきか。

また、ケーズデンキヤマダ電機エディオンといったお馴染みの家電量販店や、ホームセンタービバホームコーナンなどでも頼めるのか、選択肢は多岐にわたります。

特に、マンションオートロックと連動するタイプや、賃貸物件における費用負担の問題は複雑で、一体どこに連絡すればよいか分からず困ってしまう方も少なくありません。

この記事では、インターホンの設置に関するあらゆる疑問に答え、あなたの状況に合わせた最適な依頼先を見つけるためのポイントを、分かりやすく解説していきます。

記事のポイント

  • インターホン交換を依頼できる業者の種類と特徴
  • DIYで交換できるケースとプロに頼むべきケースの違い
  • 交換にかかる費用・料金の具体的な相場
  • マンションや賃貸物件など状況別の注意点
目次

インターホンの交換はどこに頼む?依頼先の選択肢

  • 自分で取り替えることは可能か
  • 専門業者に依頼するメリットと注意点
  • 取り付け工事の基本的な流れ
  • 新しいインターホンの設置で知っておくべきこと
  • 交換にかかる費用と料金の相場はいくら?

自分で取り替えることは可能か

インターホンの交換は、必ずしも専門業者に依頼しなければならないわけではありません。機種によっては、ご自身で取り替えることも可能です。

DIYで交換できれば工事費用を節約できるため、魅力的な選択肢に思えるかもしれません。

しかし、DIYが可能かどうかは、「給電方式」で大きく変わります。AC100Vを直接扱う電源直結式は電気工事士の資格が必須です

一方、小型変圧器の二次側(36V以下)や乾電池等の低電圧配線は、法令上は「軽微な工事」に該当し、資格不要とされる場合があります。

ただし誤配線・防水不良は事故や故障の原因になるため、メーカーは専門業者施工を推奨しています。(参考: アイホン「取り替えガイド」

DIYで交換できるタイプ

一般的にDIY向きなのは「電源コード式」と「乾電池式」です。これらのタイプは、資格が必要な電気配線を直接触ることがないためです。

既存のインターホンがドアチャイム(呼び鈴)で、その配線(多くは30V以下の低電圧)を再利用して新しいインターホンを接続する作業も、法令上は電気工事士の資格が不要な「軽微な工事」に該当する場合があります。

しかし、配線の状態確認や適切な処理を誤ると、ショートや故障の原因となり得ます。

そのため、パナソニックやアイホンといった主要メーカーは、安全上の理由から配線を扱う作業はすべて専門業者による施工を強く推奨しており、個人での交換は推奨していません。

電源コード式は、室内親機からコンセントプラグが付いたコードが伸びており、家庭用のコンセントに差し込んで電気を供給するタイプです。一方、乾電池式は文字通り乾電池で動作します。

これらのタイプは特別な電気工事を伴わないため、ドライバーなどの基本的な工具があれば、DIYに慣れている方であれば比較的簡単に交換作業を進めることができます。(参考: パナソニック「テレビドアホンの選び方・取り替えガイド」

DIYの最大のメリットは、専門業者に支払う工事費用(基本作業で概ね5,000~20,000円程度)を大幅に節約できる点です。必要なのはインターホン本体の購入費用と、作業に必要なわずかな工具代のみとなります。

Information

基本作業の他に配線新設・高所作業・処分費などが加算されるとさらに上振れします。

ただし、作業時間や失敗のリスクといったデメリットも考慮する必要があります。

プロへの依頼が必須なタイプ

一方で、「電源直結式」のインターホンは、法律により電気工事士の資格を持つ専門業者でなければ交換・設置作業を行うことができません。

このタイプは、壁の中を通っている電気配線とインターホン本体を直接接続して電気を供給しています。

資格のない方が作業を行うと、感電や漏電、さらには火災といった重大な事故を引き起こすリスクが非常に高いため、法律で固く禁止されています。

無資格での電源直結式インターホンの工事は絶対にNGです

AC100Vを扱う直結式の配線工事は「一般用電気工作物の電気工事」に該当し、電気工事士(第二種以上)でなければ従事できません。(参考: 経済産業省「電気工事士法について」

見分け方としては、親機を壁から取り外した際に、コンセントに繋がるコードや電池ボックスが見当たらず、壁の中から直接複数の電線が出ている場合が該当します。

これは非常に危険な状態ですので、絶対に触らず速やかにプロの電気工事業者に相談しましょう。

このように、自分で取り替える選択肢はありますが、それはあくまで一部の機種に限られます。

安全性を最優先に考え、少しでも「これは自分では難しいかもしれない」と感じた場合は、無理をせず専門業者に任せるのが賢明な判断といえるでしょう。

自分で取り替えることは可能か
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専門業者に依頼するメリットと注意点

インターホン交換を専門業者に依頼することには、費用がかかる一方で、それを上回る多くのメリットが存在します。

特に、安全性や確実性を重視する方、また電源直結式のように専門知識が必須となるケースでは、プロへの依頼が最適な選択肢です。

専門業者に依頼する主なメリットは、以下の通りです。

高い安全性
電気工事士の資格を持つプロが作業するため、感電や火災のリスクなく安全に設置が完了します。
確実で美しい仕上がり
豊富な経験と知識に基づき、機器の性能を最大限に引き出す最適な施工を行ってくれます。配線の処理なども含め、見た目もきれいに仕上がります。
作業のスピード
専門家は手順に習熟しているため、目安は30分~1時間前後(内容により1~2時間)です。
保証とアフターサービス
多くの業者が工事後の保証やアフターサービスを提供しています。万が一、施工後に不具合が発生した場合でも、責任を持って対応してもらえるため安心です。

一般住宅向けは業界目安「10年」、マンション等の集合インターホンシステムは更新目安「約15年」が示されています。一度交換すれば長く使う設備だからこそ、最初の設置をプロに任せる安心感は大きいですね。

ただ、依頼する業者を慎重に選ばなければ、高額な請求をされたり、質の低い工事をされたりするリスクもあります。信頼できる業者を見極めるためには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。

信頼できる業者の選び方

資格の有無を確認する
特に電源直結式の工事には「第二種電気工事士」以上の国家資格が必須です。業者のウェブサイトなどで、有資格者が在籍しているか、また「登録電気工事業者」であるかを確認しましょう。
実績と評判を調べる
業者のウェブサイトで施工事例を確認したり、「くらしのマーケット」のような口コミサイトを参考に、過去の実績や利用者からの客観的な評価をチェックしたりすることが有効です。
複数の業者から見積もりを取る(相見積もり)
最低でも2~3社から見積もりを取り、料金とサービス内容を比較検討することが非常に重要です。これにより、地域の適正な価格相場を把握でき、不当に高額な請求を避けることができます。
見積書では総額だけでなく、「本体価格」「基本工事費」「追加工事費(配線延長など)」「出張費」「古い機器の処分費」といった費用の内訳が明確に記載されているかを確認しましょう。
内訳が「工事一式」などと曖昧な業者は注意が必要です。
保証内容を確認する
工事後の保証期間(例:1年~5年)や、どのような場合に保証が適用されるのか、アフターサービスの内容を契約前に必ず書面で確認しておきましょう。
コミュニケーションの質
問い合わせ時の対応が丁寧か、専門用語を使わずに分かりやすく説明してくれるかなど、コミュニケーションの取りやすさも信頼できる業者を見極めるための大切な指標です。

これらのポイントを踏まえ、複数の業者を比較し、ご自身が納得できる業者を選ぶことが、満足のいくインターホン交換につながります。

横浜・川崎・東京都南部エリアで業者をお探しの方へ

ちなみに、この記事を執筆している私たち横浜電気工事レスキューも、横浜市・川崎市を中心に活動する「東電登録電気工事業者(登録番号:701-1730)」です。

有資格者による確実な工事はもちろん、お客様とのコミュニケーションを大切に、分かりやすい説明を心がけておりますので、安心してご相談いただければ幸いです。

専門業者に依頼するメリットと注意点
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取り付け工事の基本的な流れ

インターホンの取り付け工事は、ご自身で行う場合も業者に依頼する場合も、基本的な手順は共通しています。

ここでは、一般的な戸建て住宅での交換作業の流れを、より詳しく解説します。安全は何よりも優先されるため、作業前には必ず関連する箇所のブレーカーを落とすことを徹底してください。

ステップ1. 養生と既存機器の取り外し

まず、作業場所の周辺が汚れたり傷ついたりしないように、床や壁をシートなどで保護(養生)します。その後、現在設置されている古いインターホンを取り外す作業に入ります。

室内親機

多くの場合、本体を下から持ち上げるようにして上にスライドさせると、壁に固定された取り付け金具から外れます。本体が外れたら、裏側に接続されている複数の配線を、端子のネジをドライバーで緩めるなどして慎重に取り外します。

玄関子機

本体の下部や側面にあるネジを緩めてカバーを外します。内部にある配線固定用のネジを緩めて配線を外し、壁から本体と取り付け枠を取り除きます。

作業前の写真撮影が非常に有効です

どの色の配線がどの端子に接続されていたかを忘れないように、取り外す前にスマートフォンのカメラなどで鮮明に撮影しておくことを強くおすすめします。この一手間が、後の接続ミスを防ぎます。

ステップ2. 新しい機器の取り付け

次に、新しいインターホンを取り付けます。製品に付属している取扱説明書をよく確認しながら進めましょう。

取り付け枠の設置

まず、新しい製品に付属している取り付け枠を、水平になるように注意しながらドライバーで壁にしっかりと固定します。

配線接続

取り外した時と逆の手順で、壁から出ている配線を新しい親機・子機の指定された端子にそれぞれ接続します。撮影した写真を見ながら、間違えないように確実に接続してください。

本体の設置と防水処理

配線が完了したら、親機・子機それぞれの本体を取り付け枠にはめ込み、ネジで固定します。

玄関子機は屋外にあるため、本体と壁の隙間から雨水が侵入しないように、コーキング材で防水処理を施すことが推奨されます。この処理を行うことで、機器の寿命を延ばすことができます。

ステップ3. 最終チェックと動作確認

全ての取り付け作業が完了したら、落としていたブレーカーを上げ、電源を入れます。
最後に、玄関子機の呼び出しボタンを押し、室内親機で以下の項目をチェックして作業は終了となります。

  • チャイムが正常に鳴るか
  • カメラ付きの場合、玄関先の映像が鮮明に映るか
  • マイクとスピーカーが機能し、スムーズに通話できるか

電源直結式の場合は、これらの工程に加えて専門的な電気配線作業が必要となるため、必ず有資格者による工事が必要です。

取り付け工事の基本的な流れ
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新しいインターホンの設置で知っておくべきこと

新しいインターホンを設置する際は、単に古いものと交換するだけでなく、この絶好の機会にご家庭のライフスタイルや将来のニーズを見据えた製品を選ぶことが、長期的な満足度を高める上で非常に重要になります。

現在のインターホンは、単なる呼び出し・通話機能にとどまらず、防犯や生活の利便性を向上させる多彩な機能を搭載しています。どのような機能が必要かを事前に家族で話し合い、優先順位をつけておきましょう。

チェックしたい主な機能とその活用シーン

機能主な特徴とメリットこんな方におすすめ
カメラ機能(テレビドアホン)訪問者の顔や姿を室内モニターで確認できる、現代のインターホンの基本機能。ドアを開ける前に相手がわかるため、防犯の第一歩となります。全てのご家庭
録画機能呼び出しに応答できなかった場合でも、訪問者を映像で記録。留守中の来客確認はもちろん、不審者の記録も残せるため、セキュリティが大幅に向上します。防犯意識の高い方、日中留守にしがちなご家庭
スマホ連携機能専用アプリを使えば、スマートフォンがインターホンの子機代わりに。外出先からでも映像で来客を確認し、通話が可能です。宅配便の再配達依頼もスムーズに行えます。共働きのご家庭、外出が多い方、荷物の受け取りが多い方
ワイヤレス機能配線工事が不要なため、設置が簡単で費用も抑えられます。室内親機がコードレスの子機タイプなら、2階や庭先など、家のどこにいても来客応対が可能です。設置費用を抑えたい方、2階建て以上のお住まいの方
広角レンズ玄関周りを広い範囲で映し出すことができます。訪問者の横に隠れている人物など、死角を減らして安全性を高めます。セキュリティを特に重視する方

また、画面の大きさやデザイン性、操作のしやすさも重要な選択基準です。

ご高齢の家族がいる場合は、ボタンが大きくシンプルで直感的に操作できるモデルを選ぶといった配慮も大切になります。

これらの機能を総合的に比較検討し、ご自身の予算と照らし合わせながら、最適な一台を見つけることが、後悔のないインターホン選びの鍵となります。

製品選択の際は、メーカーの互換性表も参考にしてください。(参考: アイホン「玄関子機互換表」

新しいインターホンの設置で知っておくべきこと
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交換にかかる費用と料金の相場はいくら?

インターホン交換を検討する上で、最も気になるのが費用ではないでしょうか。交換にかかる総額は、大きく分けて「インターホン本体の価格」「設置工事費」の2つの合計で決まります。

予算を立てるためには、この両方の相場を把握しておくことが重要です。

本体の価格相場

本体価格は、搭載されている機能によって大きく変動します。ご自身の希望する機能と予算のバランスを考えて選びましょう。

タイプ機能の目安価格帯の目安
シンプルタイプ音声通話のみ、または基本的なカメラ機能5,000円 ~ 15,000円
スタンダードタイプカラーモニター、録画機能付き15,000円 ~ 40,000円
高機能タイプ広角レンズ、スマホ連携、各種センサー連携など40,000円 ~ 100,000円以上
Information

市場価格の実勢では、シンプル~スタンダード機が1~2万円台、録画・広角・スマホ連携など高機能は概ね5~8万円程度が目安です(機能・時期で変動)。

設置工事費の相場

設置工事費は、現在のインターホンの種類や、新たな配線工事が必要かどうかによって変わってきます。

工事内容費用相場の目安備考
既存インターホンの交換(配線工事なし)8,000円 ~ 15,000円電源コード式から同タイプへの交換など、既存の配線をそのまま流用できる場合。
新規設置・交換(配線工事あり)15,000円 ~ 30,000円古いチャイムからの交換、電源直結式の設置、設置場所の変更など、配線を新設・延長する必要がある場合。

したがって、本体代と工事費を合わせると、一般的な録画機能付きモデルでは、合計でおおむね「2.5万~6万円台」に収まるケースが多いです(本体価格と工事内容で変動)。

費用を賢く抑える3つのコツ

  1. 相見積もりを取る
    前述の通り、複数の業者から見積もりを取ることで、不当に高い業者を避け、適正価格で依頼できます。
  2. 型落ちモデルを検討する
    最新機種にこだわらなければ、1~2世代前の型落ちモデルが安価に購入できることがあります。機能的には十分な場合が多いです。
  3. 施主支給を利用する
    インターネット通販などで本体を安く購入し、取り付け工事のみを業者に依頼する方法です。ただし、業者によっては対応不可であったり、保証対象外になったりする場合があるため、必ず事前に確認しましょう。
交換にかかる費用と料金の相場はいくら?
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状況別!インターホンの交換をどこに頼むか徹底比較

インターホン交換の依頼先は一つではありません。それぞれに特徴があり、ご自身の状況や何を優先するかによって最適な選択は異なります。

ここでは、主な依頼先である「家電量販店」「ホームセンター」、そして特殊なケースである「マンション」「賃貸物件」について、メリット・デメリットを詳しく比較・解説していきます。

依頼先メリットデメリット・注意点こんな人におすすめ
家電量販店・実物を見ながら選べる
・品揃えが豊富
・ポイントが使える/貯まる
・工事は提携会社施工
・工事日の調整に時間がかかることがある
商品をじっくり比較したい人、ポイントを活用したい人
ホームセンター・実物を見ながら選べる
・DIY用品も一緒に揃う
・比較的安価なモデルも多い
・工事は提携会社施工
・専門知識を持つ店員が少ない場合がある
DIYでの交換を検討している人、手軽に依頼したい人
電気工事業者・工事費が比較的安い
・専門知識が豊富で技術力が高い
・緊急時や複雑な工事にも対応可能
・店舗がなく商品を直接見られない
・業者選びに手間がかかる
費用を抑えたい人、確実・安全な工事を求める人

ケーズデンキ・ヤマダ電機・エディオンの特徴

インターホン交換の依頼先として、ケーズデンキ、ヤマダ電機、エディオンといった大手家電量販店は、その知名度と店舗数の多さから、最も身近で相談しやすい選択肢の一つです。

家電量販店に依頼する最大のメリットは、豊富な品揃えの中から、実際に操作感を試したり、画面の映り具合を確認したりしながら製品を選べる点にあります。

専門の販売員に各メーカーの機能の違いや特徴を直接質問しながら、自宅の環境やニーズに最も合ったモデルを納得して選ぶことができます。

また、多くの店舗で導入されているポイント制度を活用すれば、貯まっているポイントで割引を受けたり、購入で新たなポイントを獲得したりできるのも大きな利点といえるでしょう。

工事費は割高になる可能性と工事の質に注意

一方で、注意すべき点も存在します。家電量販店では、実際の取り付け工事を自社で行うことは稀で、提携している下請けの電気工事業者が行うケースがほとんどです。

そのため、中間マージン(紹介手数料)が発生し、地域の電気工事業者に直接依頼するよりも工事費が数千円から1万円程度割高になる傾向があります。

また、実際に工事に来る業者は選べないため、担当する職人の技術力や対応にばらつきが出る可能性があることも念頭に置く必要があります。急なトラブルへの即日対応なども難しい場合が多いです。

まとめると、家電量販店は「どの製品にするか、実物を見てじっくり選びたい」「ポイントをお得に活用したい」という方には非常に向いています。

しかし、工事費用を少しでも抑えたい場合や、より専門的な相談、迅速な対応を求める場合には、他の選択肢も併せて検討するのが賢明です。

ケーズデンキ・ヤマダ電機・エディオンの特徴
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ビバホームやコーナン等のホームセンター

ビバホームやコーナンに代表されるホームセンターも、インターホン交換の身近な依頼先です。DIY用品のイメージが強いですが、近年は住宅設備関連の販売・工事サービスにも力を入れています。

ホームセンターで依頼するメリットは、家電量販店と同様に、店舗で実際に製品を手に取って選べる手軽さです。さまざまなメーカーの製品が展示されており、価格や機能をその場で比較しやすいのが特徴といえます。

また、プライベートブランドなど比較的安価なモデルが充実していることもあり、本体価格を抑えたい場合には魅力的な選択肢となり得ます。

DIYで交換を考えている方にとっては、必要な工具やコーキング材なども同じ店舗で一度に揃えられる利便性もあります。

一方で、デメリットも家電量販店と共通する部分が多くあります。ホームセンターが受け付ける工事も、提携している外部の工事業者が行うのが一般的です。

このため、中間マージンが上乗せされることで、工事費そのものは高くなる可能性が高いです。

お店のサービスカウンターの担当者が、必ずしもインターホンの専門家とは限りません。そのため、配線の状況など、技術的な詳細の質問にはその場で明確な答えが得られないこともあるかもしれませんね。

ホームセンターは、DIYで交換可能な機種を購入する場所としては非常に便利です。

しかし、工事まで一括で依頼する場合は、提示された工事費が適正価格かを見極めるためにも、地域の電気工事業者など、他の業者からも見積もりを取って比較検討することをおすすめします。

ビバホームやコーナン等のホームセンター
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マンションでオートロックと連動している場合

マンションにお住まいの方、特にエントランスのオートロックと各住戸のインターホンが連動しているシステムの場合、交換には最大限の注意が必要です。

これは、戸建て住宅のインターホン交換とは全く異なる、特殊なケースと認識してください。

メーカーも「集合玄関機やオートロック連動の場合は個人交換不可」と明示しています。まず管理組合・管理会社に相談し、指定業者・互換機種の指示に従うのが原則です。

なぜなら、各住戸のインターホンは独立した機器ではなく、エントランスの集合玄関機や各住戸の警報機、管理室親機などと一体のシステムとして設計・配線されているからです。

システム全体でメーカーやシリーズが統一されており、一部だけ異なる機種を接続することはできません。

個人で互換性のないインターホンに交換してしまうと、以下のような深刻な事態を引き起こす可能性があります。

  • エントランスのオートドアを自室から解錠できなくなる
  • 火災報知器やガス漏れ警報器との連携が切れ、緊急時の警報が作動しなくなる
  • システム全体にエラーを引き起こし、他の居住者にも迷惑をかける
故障・交換の際は、まず管理組合・管理会社へ相談を

インターホンの調子が悪い、あるいは交換したいと感じたら、ご自身で業者を探す前に、まず最初に行うべきはマンションの管理組合または管理会社への連絡です。

インターホン設備はマンションの「共用部分」と規約で定められている場合が多く、その修理や交換は管理組合が主体となって計画的に行われます。

故障の原因によっては、費用を管理組合が負担してくれるケースもあります。交換は、マンション全体で一斉に行われることも多く、その際は対応可能な指定業者や互換性のある製品リストが提示されます。

自己判断での行動は、思わぬトラブルや損害賠償に発展しかねません。マンションのインターホンに関しては、必ず定められた手順に従って進めるようにしてください。

マンションでオートロックと連動している場合
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賃貸物件での交換と費用負担について

アパートやマンションなどの賃貸物件にお住まいの場合、インターホンの交換はご自身の判断だけで進めてはいけません。

インターホンは、エアコンや給湯器と同じく物件の「設備」の一部であり、その所有権は大家さん(貸主)にあります。

したがって、交換や修理に関するすべての判断は、まず大家さんや管理会社に委ねるのが基本ルールです。

インターホンが故障した、あるいは新しいものに交換したいと思ったら、何よりも先に大家さんか管理会社に連絡し、指示を仰ぐ必要があります。

もし無断で交換してしまった場合、契約違反と見なされ、退去時に高額な原状回復費用を請求されたり、敷金から差し引かれたりするなどの深刻なトラブルに発展する可能性があります。

費用負担は誰になる?ケース別の解説

交換にかかる費用を誰が負担するかは、その理由によって明確に異なります。

交換の理由主な費用負担者具体例
経年劣化や自然故障大家さん(貸主)「普通に使っていたのに音が鳴らなくなった」「モニターが映らない」など、入居者の過失ではない故障。
入居者の希望(自己都合)入居者(借主)「カメラ付きの最新モデルにしたい」「防犯のために録画機能が欲しい」など、機能向上を目的とした交換。

自己都合で交換する場合でも、必ず事前に大家さんの許可を書面などで得ておくことが重要です。また、その際は以下の点も確認しておきましょう。

退去時の原状回復義務を忘れずに

自己負担でインターホンを新しいものに交換した場合でも、賃貸契約には通常「原状回復義務」が定められています。これは「退去時には、入居した時の状態に戻して部屋を明け渡す」という義務です。

したがって、取り外した元のインターホンは絶対に処分せず、退去時に元に戻せるよう大切に保管しておく必要があります。

交換前に、退去時の取り扱いについて大家さんと明確に話し合っておくことが極めて重要です。

例えば、「新しいものはそのまま置いていって良いか(所有権を放棄する)」「大家さんに買い取ってもらう」「必ず元の状態に戻す」といった取り決めをします。

口約束は避け、合意内容は書面で残しておくことで、退去時のトラブルを確実に防ぐことができます。

賃貸物件での交換と費用負担について
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故障かも?どこに連絡すればよいか解説

「インターホンの音が鳴らない」「モニターが真っ暗で映らない」といった症状が出たとき、すぐに故障だと判断して業者に連絡する前に、ご自身で簡単に確認できる点がいくつかあります。

意外と簡単なことで復旧するケースも少なくありませんので、まずは落ち着いてトラブルシューティングを試してみましょう。

専門家を呼ぶ前に、以下の点を確認してみてください。

セルフチェックリスト
電源の確認
電源プラグ式の場合、プラグがコンセントにしっかり刺さっているか、抜けかかっていないか確認します。一度抜いて、数秒待ってから差し直してみるのも有効です。
ブレーカーの確認
何らかの原因で、インターホンに関連するブレーカーが落ちていないか、分電盤を確認しましょう。
乾電池の確認
乾電池式やワイヤレス子機の場合、電池切れの可能性があります。全ての電池を新しいものに交換してみてください。
設定の確認
知らないうちに室内親機の音量設定が「消音」や「最小」になっていたり、モニターの明るさ設定が最も暗くなっていたりしないか、設定メニューを確認します。
玄関子機のボタン確認
玄関子機の呼び出しボタンの隙間に、小さなゴミやホコリが挟まってボタンが押し込まれたままの状態になっていないか、爪楊枝などで優しく掃除してみてください。

これらのセルフチェックを行っても症状が改善しない場合、機器本体の故障や、壁内部での配線の断線といった専門的な問題が考えられます。その際は、状況に応じて適切な場所に連絡する必要があります。

状況別の主な連絡先

あなたの住居タイプ主な連絡先ポイント
賃貸物件(アパート・マンション)大家さん or 管理会社設備の不具合なので、まず建物の管理者に連絡するのが基本ルールです。勝手に業者を手配してはいけません。
分譲マンションマンションの管理組合 or 管理会社オートロック連動など、共用部分に関わる可能性があるため、まずは管理者に相談するのがスムーズです。
持ち家(戸建て)電気工事業者、家電量販店、ホームセンターなどご自身の判断で信頼できる業者を選んで、見積もりや修理・交換を依頼します。

特に、インターホンの寿命は一般的に10年~15年と言われています。

もしお使いのインターホンが設置から10年以上経過している場合は、修理を試みるよりも、新しい高機能なモデルに交換することを検討するのが、長期的にはコストパフォーマンスが高い選択となるでしょう。

故障かも?どこに連絡すればよいか解説
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インターホンの交換はどこに頼むのが最適かのまとめ

これまで解説してきたように、インターホン交換の依頼先はさまざまで、それぞれにメリットと注意点があります。

最終的に「どこに頼むのが自分にとってベストなのか」を判断するために、この記事の要点を改めてまとめました。ご自身の状況や何を最も優先したいかに合わせて、最適な選択をしてください。

  • インターホン交換は自分でできる場合と専門業者への依頼が必要な場合がある
  • 電源プラグ式や乾電池式で配線工事が不要な機種はDIYが可能
  • 壁内の配線を扱う電源直結式は電気工事士の国家資格が必須
  • DIYは工事費用を節約できるが失敗や事故のリスクも伴うことを理解する
  • 専門業者への依頼は安全で確実だが本体代に加えて工事費がかかる
  • 依頼先の主な選択肢は電気工事業者、家電量販店、ホームセンターなど
  • スピードを重視するなら24時間365日対応の電気工事業者がおすすめ
  • 一般的なテレビドアホンへの交換費用相場は合計で3万円前後が目安
  • 費用を抑えるには複数業者から見積もりを取る「相見積もり」が最も有効
  • 家電量販店やホームセンターは手軽に相談できるが工事費が割高になる傾向がある
  • 分譲マンションの場合はいかなる場合もまず管理組合に確認することが鉄則
  • オートロック連動型インターホンは個人での勝手な交換は原則として不可能
  • 賃貸物件では故障・交換の前に必ず大家さんや管理会社の許可を得る
  • 故障と思っても慌てず、まずは電源や電池、設定などの基本的な項目を確認する
  • 何を優先するか(費用、スピード、手軽さ、確実性)を明確にすることが最適な依頼先選びの鍵となる