エアコン漏電の原因とは?ブレーカー確認と対処法まで解説します

エアコン漏電の原因とは?ブレーカー確認と対処法まで解説します
目次

暑い夏や寒い冬、私たちの生活に欠かせないエアコン。しかし、ある日突然「ブレーカーが落ちる」、あるいは「スイッチを入れてもつかない」といった経験はありませんか。

急に動かなくなると、故障かと焦りますよね。もしかしたら、それはエアコンの漏電が原因かもしれません。漏電は感電や火災のリスクもあり、放置は禁物です。

エアコンが漏電する原因は一つではありません。本体の故障や経年劣化、雨風にさらされる室外機のトラブル、結露やほこりによる水漏れ、時には配管穴から侵入するゴキブリなど、様々な要因が考えられます。

特に梅雨どきは結露も多く、トラブルが多発します。

ブレーカーが落ちるけど、原因がわからない…」 「室外機から水漏れ…自分で対処できる?」 「漏電の調べる方法はある?」 「修理はどこに頼むべき?費用は?」 「メーカー保証や火災保険は?」 「アパートだけど家主負担?

この記事では、そんな疑問にお答えします。漏電ブレーカー(遮断器)が落ちる仕組みから、自分でできる調査方法、安全な対処法、修理や買い替えの費用、アース接続などの予防策まで徹底解説。

室外機の暖房時の問題や隠蔽配管、電源・電圧、モーターやヒューズ、マンションや建物の状況に応じた対策、どこに連絡すべきかまで網羅。正しい知識で、エアコンの漏電トラブルに備えましょう。

記事のポイント

  • エアコンが漏電する主な原因(経年劣化・水濡れ・虫など)
  • 漏電を自分で確認するためのブレーカー操作方法
  • 漏電が起きた際の安全な対処法と適切な連絡先
  • アース接続やコンセント確認といった効果的な予防策

エアコンの漏電、主な原因を探る

  • 経年劣化?本体や部品の故障
  • 室外機の浸水や劣化も漏電原因に
  • 配管穴からの水・ゴキブリ侵入が原因?
  • 結露や雨、ほこりによる水漏れと漏電
  • ブレーカーが落ちる!漏電との関係は?

経年劣化?本体や部品の故障

エアコンの漏電原因として非常に多いのが、長年の使用による経年劣化や、それに伴う部品の故障です。エアコンは精密な電気製品であり、多くの部品で構成されています。

これらは使用するうちに、どうしても少しずつ性能が落ちたり、傷んだりしてしまいます。

特に注意が必要なのは、電気の通り道を覆っている「絶縁体」です。絶縁体は、電気が本来流れるべきではない場所に漏れ出るのを防ぐ重要な役割を持っています。

しかし、ゴムや樹脂などでできている絶縁体は、時間とともに硬くなったり、ひび割れたりすることがあります。もし絶縁が不十分になると、そこから電気が漏れ出し、漏電を引き起こすのです。

家庭用エアコンは、メーカーが銘板で示す「設計上の標準使用期間」が10年と定められています。

もちろん、使い方や環境によって寿命は変わりますが、10年を超えて使用しているエアコンは、部品が劣化している可能性が高いと考えられます。

例えば、エアコンの心臓部である「コンプレッサー」や、ファンを回す「モーター」なども、長期間の稼働によって摩耗・劣化し、故障して漏電につながる場合があります。

また、目には見えない内部の配線の被覆が傷ついたり、接続部分が緩んだりすることも、漏電の引き金となりえます。

耐用年数を超えたエアコンは、故障のリスクが高まるだけでなく、修理しようにもメーカーが部品を保有していないケースも出てきます。

そのため、古いエアコンで漏電が起きた場合は、修理だけでなく、安全性や省エネ性能も考慮して買い替えを検討することも一つの選択肢となるでしょう。

室外機の浸水や劣化も漏電原因に

エアコンの漏電は、室内機だけでなく、屋外に設置されている室外機が原因で発生することも少なくありません。室外機は、常に雨や風、直射日光にさらされる過酷な環境に置かれています。そのため、浸水や劣化が漏電の直接的な原因となるのです。

本来、室外機は雨水などが内部に入りにくいように防水設計が施されています。しかし、長年の使用によって、金属製の外装ケースが錆びたり、部品の接合部に隙間ができたりして、防水性能が低下することがあります。

特に、台風やゲリラ豪雨などの激しい雨が降ると、想定以上の水圧がかかったり、想定外の場所から水が浸入したりする可能性が高まります。

もし室外機の内部に水が浸入すると、電気を制御する基板や配線、モーターなどの電気部品が濡れてしまいます。水は電気を通しやすいため、濡れた部分でショート(短絡)が起き、電気が漏れ出てしまうのです。

特に、室外機の中でもコンプレッサー周辺は注意が必要です。コンプレッサーは稼働時に温度変化が大きく、結露が発生しやすい部分です。

この結露水や、外部から浸入した雨水が、振動や温度変化で劣化した絶縁体に触れることで、漏電を引き起こしやすくなります。

室外機による漏電を防ぐためには、設置場所に注意することも大切です。水はけが悪く、水たまりができやすい場所に設置するのは避けましょう。

また、室外機の周りに物を置いて風通しを悪くすると、内部に湿気がこもりやすくなり、劣化を早める原因にもなります。

大雨や台風の後には、室外機に異常がないか、周りに破損物がないかなどを確認し、もし劣化や破損が見られる場合は、感電の危険もあるため、むやみに触らず専門業者に点検を依頼することをおすすめします。

室外機の浸水や劣化も漏電原因に

配管穴からの水・ゴキブリ侵入が原因?

エアコンの漏電は、意外な場所が原因となることもあります。それは、室内機と室外機をつなぐ配管を通すために壁に開けられた「配管穴」です。

この穴の処理が不十分だと、そこから雨水や虫が侵入し、漏電を引き起こす可能性があるのです。

通常、配管穴の隙間は「配管パテ」と呼ばれる粘土のようなもので塞がれています。これは、雨水や外気の侵入を防ぐための重要なものです。

しかし、このパテも経年劣化によって硬くなったり、ひび割れたり、痩せて隙間ができたりすることがあります。また、新築時やエアコン設置時の施工が丁寧でない場合、最初から隙間が残っているケースも見られます。

こうした隙間ができると、壁を伝ってきた雨水が内部に侵入し、室内機の電気部品や壁内部の配線を濡らして漏電を引き起こす恐れがあります。

さらに厄介なのが、虫の侵入です。特にゴキブリなどは、暖かく湿っていて狭い場所を好むため、エアコン内部は格好の隠れ家となります。

配管穴の隙間や、室外に伸びているドレンホース(結露水を排出するホース)の先端からエアコン内部に侵入することがあります。

虫がエアコン内部に入り込むと、基板の上を動き回ることで電気回路をショートさせたり、配線をかじって損傷させたりすることがあります。

また、虫の死骸やフンがホコリや湿気と結びついて、電気が流れる道(トラッキング現象)を作り出し、発火や漏電の原因となることも報告されています。

このようなトラブルを防ぐためには、定期的に配管穴のパテの状態を確認し、劣化が見られる場合は補修することが大切です。

また、ドレンホースの先端に防虫キャップを取り付けることも、虫の侵入防止に効果的です。

もしエアコン内部で虫を見かけたり、動作がおかしいと感じたりした場合は、漏電のリスクも考慮し、専門のクリーニング業者や修理業者に相談するのが安全です。

配管穴からの水・ゴキブリ侵入が原因?

結露や雨、ほこりによる水漏れと漏電

エアコンの運転中、特に冷房を使用している際には、内部で「結露」という現象が発生します。これは、暖かい空気がエアコン内部で急激に冷やされることで、空気中の水分が水滴となって現れるものです。

通常、この結露水は「ドレンパン」と呼ばれる受け皿に集められ、「ドレンホース」という管を通って屋外へと排出される仕組みになっています。

しかし、この水の流れ道に問題が起きると、水漏れが発生し、それが漏電へとつながる危険性があるのです。

水漏れの主な原因の一つが、ホコリや汚れによる詰まりです。エアコンは室内の空気を吸い込んで循環させるため、フィルターで取り切れなかったホコリやカビ、タバコのヤニなどが内部に少しずつ蓄積していきます。

この汚れがドレンパンやドレンホースに溜まると、水の流れを妨げてしまいます。行き場を失った結露水はドレンパンから溢れ出し、エアコン本体からポタポタと垂れてくる「水漏れ」となります。

この溢れ出した水が、もしエアコン内部にあるモーターや制御基板といった電気部品にかかってしまうと、非常に危険です。

水は電気を通す性質があるため、濡れた部分でショート(短絡)が起き、電気が本来のルートから外れて漏れ出す「漏電」を引き起こす可能性があります。

また、外部からの雨水が、前述の配管穴や、壁のひび割れ、窓の隙間などから侵入し、エアコン本体やコンセント部分を濡らすことも漏電の原因となります。

特に、コンセント周りにホコリが溜まっている状態で水がかかると、「トラッキング現象」という発火リスクの高い現象を引き起こすこともあり、注意が必要です。

こうしたトラブルを防ぐためには、定期的なフィルター清掃はもちろん、専門業者によるエアコン内部のクリーニングも効果的です。ドレンホースの先端がゴミや虫の巣で詰まっていないかを確認することも大切です。

もし水漏れを発見した場合は、感電やさらなる故障を防ぐため、すぐにエアコンの運転を停止し、コンセントを抜いた上で専門業者に点検と修理を依頼しましょう。

結露や雨、ほこりによる水漏れと漏電

ブレーカーが落ちる!漏電との関係は?

エアコンを使おうとした瞬間、あるいは使っている最中に、突然家の電気が消えて「ブレーカーが落ちた」という経験はありませんか。

このブレーカーが落ちる現象は、電気が安全に使われていないことを示す警告であり、その原因の一つとして「漏電」が考えられます。

ご家庭にある分電盤を見てみると、通常はいくつかのブレーカーが並んでいます。大きなものとして、家全体の電気契約容量を管理する「アンペアブレーカー」、そして電気の漏れを検知する「漏電ブレーカー」があります。

さらに、各部屋や大きな家電(エアコンなど)ごとに回路を分ける「安全ブレーカー(小ブレーカー)」が複数設置されています。

もし、エアコンが原因でブレーカーが落ちた場合、どのブレーカーが落ちたかによって、考えられる原因が異なります。

アンペアブレーカーが落ちる場合
エアコンと同時に他の家電を多く使い、家全体の電気使用量が契約容量を超えた「電気の使いすぎ」が原因です。
安全ブレーカーが落ちる場合
エアコン専用の安全ブレーカーが落ちるなら、エアコン本体の故障や、その回路でのショートなどが考えられます。
漏電ブレーカーが落ちる場合
これが最も注意すべきケースです。漏電ブレーカーが落ちるということは、エアコン本体や、そこにつながる配線・コンセントのどこかで電気が漏れていることを示しています。

漏電は、電気が本来通るべき道から外れて、機器の金属部分や壁、地面などに流れてしまう現象です。これは、感電事故や火災を引き起こす可能性のある、非常に危険な状態です。

エアコンの内部部品の劣化や故障、浸水、配線の損傷などが原因で漏電が発生すると、漏電ブレーカーがそれを検知し、事故を防ぐために電気の供給を強制的に遮断するのです。

したがって、エアコン使用時に漏電ブレーカーが落ちる場合は、単なる不便な出来事として片付けず、「漏電の可能性がある」という重大なサインとして受け止める必要があります。

安易にブレーカーを上げ直して使い続けることは絶対に避け、次に説明する方法で原因を確認するか、速やかに専門業者に連絡して対処することが重要です。

ブレーカーが落ちる!漏電との関係は?

エアコン漏電の原因究明と対処法

  • 漏電の調べる方法は?ブレーカーで確認
  • 漏電したらどこに連絡?業者を探す方法
  • エアコン修理と買い替え、費用の目安
  • 漏電の予防策!アースとコンセント確認
  • ブレーカーが落ちる故障、修理はどこに?
  • メーカー保証や火災保険は使える?
  • 自分でできる対処と注意点はある?
  • エアコンが漏電する多様な原因と要点まとめ

漏電の調べる方法は?ブレーカーで確認

「もしかして、うちのエアコンが漏電しているかも?」と不安に思ったとき、専門業者を呼ぶ前に、ご自身である程度原因箇所を絞り込む方法があります。

それは、分電盤にあるブレーカーを操作して確認する方法です。ただし、電気を扱う作業ですので、必ず乾いた手で行い、少しでも不安を感じたら無理せず専門家に依頼してください。

漏電箇所を特定する手順は以下の通りです。

全てのブレーカーを「切」にする

まず、安全を確保するために、分電盤にある全てのブレーカー(アンペアブレーカー、漏電ブレーカー、全ての安全ブレーカー)のスイッチを下に下げて「切」の状態にします。

STEP
1

アンペアブレーカーを「入」にする

次に、一番大きな「アンペアブレーカー」のスイッチを上げて「入」にします。

STEP
2

漏電ブレーカーを「入」にする

続いて、「漏電ブレーカー」(多くはテストボタンが付いています)のスイッチを上げて「入」にします。

この段階で漏電ブレーカーが落ちる場合は、家全体の配線に問題がある可能性が高いため、すぐに電力会社や電気工事業者に連絡してください。

STEP
3

安全ブレーカーを一つずつ「入」にする

漏電ブレーカーが落ちなければ、次に小さな「安全ブレーカー」を一つずつ、ゆっくりと「入」にしていきます。

STEP
4

漏電ブレーカーが落ちるか確認

安全ブレーカーを一つ「入」にするたびに、漏電ブレーカーが落ちないかを確認します。

もし、特定の安全ブレーカーを「入」にした瞬間に漏電ブレーカーが「切」になってしまったら、その安全ブレーカーが管理している回路(部屋や家電)で漏電が発生していると判断できます。

STEP
5

エアコン回路の確認

どの安全ブレーカーがエアコンにつながっているかを確認し、そのブレーカーを入れたときに漏電ブレーカーが落ちるかを見ます。

もしエアコンのブレーカーで落ちるなら、エアコン本体か、そのコンセントや配線が漏電の原因である可能性が非常に高いです。

STEP
6

原因箇所の特定

漏電箇所が特定できたら、その安全ブレーカーは「切」のままにしておき、他の安全ブレーカーを「入」にすれば、漏電箇所を除いて電気を復旧できます。

STEP
7

詳しい切り分け手順は 東京電力パワーグリッドの「急に電気が消えたとき」 でも写真付きで解説されていますので、併せてチェックしておくと安心です。

この方法でエアコンが原因だと推測できたとしても、ご自身で修理を行うのは大変危険です。

必ずエアコンのメーカーや、信頼できる電気工事業者、エアコン修理業者に連絡し、点検と修理を依頼するようにしましょう。

漏電したらどこに連絡?業者を探す方法

エアコンが漏電していると判明した場合、感電や火災のリスクがあるため、ご自身で修理しようとせず、必ず専門家に連絡する必要があります。

しかし、「どこに連絡すればいいの?」と迷ってしまう方も多いでしょう。連絡先は、漏電の原因や状況によって異なります。

エアコンが原因と特定できた場合

エアコン業者ブレーカー操作などで、明らかにエアコン本体や室外機が漏電の原因だとわかった場合は、エアコンの専門家に依頼するのがスムーズです。

メーカーのサポートセンター

購入したエアコンのメーカーに連絡します。保証期間内であれば、無償または割引価格で修理を受けられる可能性があります。

購入した家電量販店や工務店

エアコンを購入・設置したお店に相談します。独自の延長保証に入っている場合もあります。

地域のエアコン修理業者

インターネットなどで探せる独立系の修理業者です。メーカーや販売店よりも迅速に対応してくれる場合がありますが、技術力や料金は様々なので、慎重に選ぶ必要があります。

漏電箇所が不明・配線が原因の場合

どのブレーカーを上げても漏電ブレーカーが落ちてしまう、家全体の配線に問題がありそう、といった場合は、電力会社や電気工事業者に連絡します。

契約している電力会社

まずは契約している電力会社のカスタマーセンターに連絡し、状況を説明して指示を仰ぎましょう。地域によっては、漏電調査を無料で行ってくれる場合もあります。(ただし、修理は行いません)

電気工事業者

屋内配線やコンセント、分電盤の修理・交換が必要な場合は、電気工事の専門業者に依頼します。電気工事士の資格を持つプロが対応してくれます。

業者を探す際のポイント

インターネット検索
「地域名 エアコン 漏電修理」「電気工事 漏電調査」などのキーワードで検索します。
一括見積もりサイト
複数の業者から一度に見積もりを取れるサイトを利用すると、料金やサービスを比較しやすくなります。
口コミや評判
実際に利用した人の口コミや評判を参考に、信頼できる業者を選びましょう。
料金体系の確認
出張費、調査費、技術料、部品代など、どのような費用がかかるのか、事前に明確に説明してくれる業者を選びます。
資格の有無
電気工事を伴う場合は、必ず電気工事士の資格を持つ業 者であることを確認してください。

注意点として、賃貸住宅にお住まいの場合は、まず大家さんや管理会社に連絡するのが基本です。勝手に業者を手配すると、費用負担でトラブルになる可能性があるため、必ず指示を仰ぐようにしましょう。

漏電したらどこに連絡?業者を探す方法

エアコン修理と買い替え、費用の目安

エアコンの漏電が発覚し、修理が必要になったとき、多くの人が悩むのが「修理すべきか、それとも買い替えるべきか」という問題です。

特に、長年使用しているエアコンの場合、修理費用が高額になることもあり、判断が難しくなります。

修理費用の目安

エアコンの漏電修理にかかる費用は、故障箇所や程度によって大きく異なります。以下は一般的な目安です。

漏電調査漏電調査は4,000〜7,000円+出張費(2,000〜5,000円)が一般的です。修理を一括で依頼する場合は2万円超になるケースもあります。
コンプレッサーの修理・交換5コンプレッサー交換は部材高騰の影響で60,000〜120,000円程度が最近の相場です(機種や冷媒の種類で変動あり)。
制御基板の交換 20,000円~40,000円程度
ファンモーターの交換15,000円~30,000円程度
ガス漏れ修理・ガスチャージ20,000円~50,000円程度
屋内配線やコンセントの修理8,000円~20,000円程度
出張費・基本料金:2,000円~5,000円程度

このように、特にエアコンの心臓部であるコンプレッサーが故障している場合は、修理費用が10万円を超えることも珍しくありません。

買い替え費用の目安

新しいエアコンを購入する場合、本体価格に加えて設置工事費がかかります。

本体価格

:部屋の広さや機能によりますが、6畳用で4万円程度から、高機能モデルや広い部屋用では20万円以上するものもあります。

標準設置工事費

15,000円~25,000円程度(配管4mまで、穴あけ1箇所など)

追加工事費

配管延長、化粧カバー設置、専用コンセント増設などが必要な場合は、別途費用がかかります。

修理か買い替えかの判断基準

使用年数

一般的にエアコンの寿命(設計上の標準使用期間)は約10年です。10年以上使用しているエアコンは、修理してもすぐに別の箇所が故障するリスクが高いため、買い替えを検討するのがおすすめです。

メーカーも、製造終了後10年程度で修理部品の保有を終了することが多いです。

修理費用

見積もりを取った結果、修理費用が5万円を超えるような場合や、新しいエアコンの購入費用と大差ない場合は、買い替えの方が長期的に見てお得なことがあります。

保証期間

メーカー保証や販売店の延長保証期間内であれば、修理費用が抑えられるため、修理を選択するのが良いでしょう。

省エネ性能

古いエアコンは消費電力が大きいものが多く、最新の省エネモデルに買い替えることで、年間の電気代を大幅に節約できる場合があります。

機能

最新モデルには、AI制御や空気清浄機能など、快適性を高める機能が搭載されています。こうした機能に魅力を感じるなら、買い替えも良い選択です。

最終的には、これらの要素を総合的に考慮し、ご自身の状況に合った選択をすることが大切です。修理を依頼する際は、必ず複数の業者から見積もりを取り、内容をよく比較検討しましょう。

エアコン修理と買い替え、費用の目安

漏電の予防策!アースとコンセント確認

エアコンの漏電は、感電や火災につながる可能性のある非常に危険なトラブルです。しかし、日頃からいくつかの点に注意することで、そのリスクを大幅に減らすことができます。

特に重要なのが、「アース線の接続」と「コンセントの正しい使い方」です。

1. アース線の重要性と確認

アース線とは、緑色や黄色で覆われた細い電線のことで、電気製品から漏れた電気を安全に地面(アース)へ逃がすための「逃げ道」の役割を果たします。

なぜ必要か?
もしエアコンが漏電した場合、アース線が接続されていれば、漏れた電気は人体を通らずに地面へ流れていきます。これにより、人がエアコンに触れても感電するのを防ぐことができます。
また、アース線があることで漏電ブレーカーが正常に作動しやすくなり、事故を未然に防ぐ効果も高まります。
確認方法
エアコン専用コンセントには、通常、電源の差し込み口の下にアース線を接続するための端子が付いています。ここにアース線がしっかりと接続されているかを確認してください。
アースがない場合
古い建物などでは、コンセントにアース端子がない場合があります。また、あっても接続されていないケースも見られます。
エアコンへのアース接続は法律(内線規程)でも推奨・義務化されているため、アースがない場合は必ず電気工事業者に依頼してアース工事を行ってもらいましょう。
アース端子付きコンセントへの交換のみなら5,000円程度から、分電盤から新たに専用アース線を引く場合は1万〜3万円が目安です(建物条件で上下します)。
絶対にガス管や水道管にアース線を接続しないでください。引火や感電の危険があります。
Information

内線規程では 200 Vタイプはアース接続が義務、100 Vタイプでも浴室など湿気の多い場所では義務、それ以外の乾燥した室内では強く推奨されています。メーカーは安全性確保のため、全機種でのアース接続を推奨しています。

2. コンセントの正しい使い方と確認

エアコンは消費電力が大きいため、コンセントの使い方も安全に直結します。

プラグはしっかり差し込む
電源プラグは、根元まで確実にコンセントに差し込んでください。中途半半端な差し込み方は接触不良や発熱の原因になります。
また、プラグとコンセントの間に隙間があると、そこにホコリが溜まり、湿気を吸って電気を通す「トラッキング現象」が起き、漏電や火災につながる危険があります。
タコ足配線はNG
エアコンは必ず専用のコンセントから単独で電源を取るのが原則です。消費電力が大きいため、テーブルタップなどを使ったタコ足配線をすると、過熱して発火する恐れがあります。
延長コードは専用品を
コンセントが遠い場合でも、一般的な延長コードの使用は避けましょう。やむを得ず使用する場合は、必ずエアコンの電流容量に対応した「エアコン専用延長コード」を選んでください。
定期的な掃除と点検
コンセント周りはホコリが溜まりやすい場所です。定期的に乾いた布で掃除しましょう。
また、プラグやコードが異常に熱くなっていないか、コンセントが変色したり、ひび割れたりしていないかなども時々確認し、異常があればすぐに使用を中止して専門業者に相談してください。

これらの予防策を実践することで、エアコンをより安全に使用することができます。少しの手間を惜しまず、定期的な確認とメンテナンスを心がけましょう。

漏電の予防策!アースとコンセント確認

ブレーカーが落ちる故障、修理はどこに?

エアコンの運転中にブレーカーが落ちるという症状は、漏電だけでなく、様々な故障のサインである可能性があります。

このような場合、原因を特定し、適切な専門業者に修理を依頼することが重要です。では、具体的にどこに連絡すればよいのでしょうか。

まず、どのブレーカーが落ちるかを確認しましょう。

漏電ブレーカーが落ちる場合
これは電気が漏れているサインです。前述の通り、エアコン本体が原因なら「エアコン業者」、屋内配線やコンセントが原因なら「電気工事業者」が対応します。
判断が難しい場合は、まずどちらかに相談し、調査を依頼することになります。
安全ブレーカー(エアコン専用)が落ちる場合
これは、エアコン本体の内部でショート(短絡)が起きているか、コンプレッサーやモーターといった部品が過剰な電流を要求している(故障している)可能性が高いです。
この場合は、「エアコン業者」(メーカー、購入店、地域の修理業者など)に連絡するのが適切です。
アンペアブレーカーが落ちる場合
これは故障ではなく、家全体での電気の使いすぎが原因です。もしエアコンをつけただけで落ちる、または頻繁に落ちるようであれば、契約アンペア数が不足している可能性があります。
「電力会社」に連絡し、契約アンペアの変更を相談しましょう。場合によっては、「電気工事業者」に依頼してエアコン専用回路を増設する必要があるかもしれません。

もし、どこに連絡すれば良いか全く見当がつかない場合は、まずは「エアコン業者」か「電気工事業者」に状況を詳しく説明して相談してみるのが良いでしょう。

その際、「いつから」「どんな時に」「どのブレーカーが」「どのくらいの頻度で」落ちるのかを具体的に伝えると、原因究明がスムーズに進みます。

賃貸物件の場合は、自己判断で業者を呼ぶ前に、必ず大家さんや管理会社に連絡し、指示を仰いでください。提携している業者がいたり、費用負担のルールが決まっていたりするためです。

信頼できる業者を選ぶためには、料金体系が明確か、実績や口コミはどうか、などを確認することも忘れないようにしましょう。

メーカー保証や火災保険は使える?

エアコンの漏電や故障で高額な修理費用が発生した場合、「保証や保険でカバーできないか?」と考えるのは当然のことです。

条件によっては、メーカー保証や火災保険が適用される可能性がありますので、諦めずに確認してみましょう。

メーカー保証・販売店保証

内容
通常、エアコン本体の保証期間は購入から1年間、コンプレッサーなどの冷媒回路は5年間と設定されていることが多いです。
この期間内に、通常の使用範囲で発生した製造上の欠陥や自然故障については、無償または割引価格で修理を受けられる可能性があります。
また、家電量販店などで購入した場合、独自の延長保証に加入していれば、さらに長期間の保証が受けられます。
確認方法
まずは、エアコンの「保証書」を確認し、保証期間と保証内容をチェックします。保証期間内であれば、メーカーのサポートセンターや購入した販売店に連絡し、保証修理が可能か相談してください。
注意点
経年劣化や、天災、使用者側の過失(不適切な使用、改造など)による故障は、保証対象外となることがほとんどです。

火災保険

火災保険は、火災だけでなく、様々な自然災害や突発的な事故による損害も補償の対象としています。エアコンの故障が以下のような原因で発生した場合は、火災保険が適用される可能性があります。

落雷
雷の影響で過電流が流れ、エアコンが故障した場合。
風災・雹災・雪災
台風で室外機が倒れたり、飛来物が当たって壊れたり、雪の重みで潰れたりした場合。
水災
洪水や高潮などで室外機が水浸しになった場合。
物体の落下・飛来・衝突
家に車が突っ込んできた、隣家の瓦が飛んできたなどでエアコンが破損した場合。
破損・汚損
子どもがおもちゃをぶつけて壊してしまった、など。(契約内容によります)
確認方法
ご自身が加入している火災保険の「保険証券」を確認し、補償範囲と免責金額(自己負担額)をチェックします。
申請手順
まずは保険会社に事故の発生を連絡します。その後、修理業者から見積もりを取り、被害状況の写真などの必要書類とともに保険会社に提出し、審査を受けます。
注意点
経年劣化による故障は、火災保険の対象外です。また、保険の種類や契約内容によって補償される範囲や支払われる保険金は大きく異なります。
免責金額が設定されている場合、修理費用が免責金額以下だと保険金は支払われません。申請する際は、正直に状況を報告することが重要です。

保証や保険が使えるかどうかはケースバイケースです。まずは保証書や保険証券を確認し、不明な点はメーカーや保険会社に直接問い合わせてみましょう。

Information

火災保険は 「落雷・風災・水災など偶然かつ突発的な外部要因」 による損害のみ補償します。経年劣化や虫害は対象外なので、保険証券で補償範囲と免責金額を必ず確認しましょう。

自分でできる対処と注意点はある?

エアコンから漏電している、あるいはその疑いがある場合、慌ててしまうかもしれませんが、感電や火災といった二次災害を防ぐためには、冷静に、そして安全を最優先に行動することが何よりも重要です。

専門的な知識がない限り、自分でできる対処は限られています。以下に、ご自身でできる最低限の対処法と、絶対にやってはいけない注意点をまとめました。

自分でできる対処法(安全確保の手順)

ブレーカーを切る
漏電が疑われたら、真っ先に分電盤へ向かい、エアコン専用の安全ブレーカーを「切」にします。もし、どのブレーカーがエアコン用か分からない場合や、漏電ブレーカーがすでに落ちている場合は、漏電ブレーカーを「切」にしてください。
これにより、エアコンへの電力供給が遮断され、ひとまずの安全が確保できます。
コンセントを抜く
ブレーカーを切った後、念のため数分ほど待ってから、エアコンの電源プラグをコンセントから抜きます。この際、必ず乾いた手で行ってください。
濡れた手で触れると、万が一電気が残っていた場合に感電する危険があります。ゴム手袋などがあれば、着用するとより安全です。
アース線を外す(必要な場合)
もしアース線が接続されている場合は、コンセントプラグを抜いた後に、アース線も端子から外しておきましょう。
状況を確認し、記録する
なぜ漏電を疑ったのか(ブレーカーが落ちた、焦げ臭い匂いがした、ビリっと感じたなど)、いつ、どんな状況で発生したのか、異音や異臭はなかったか、などを落ち着いて確認し、メモなどに記録しておきます。
この情報は、後で業者に連絡する際に非常に役立ちます。
専門業者に連絡する
上記の安全確保措置を終えたら、速やかに「エアコン業者」や「電気工事業者」などの専門家に連絡し、点検と修理を依頼します。

絶対にやってはいけない注意点

濡れた手でエアコンやコンセント、ブレーカーに触れる
感電のリスクが非常に高いため、絶対に避けてください。
何度もブレーカーを「入」にする
漏電している状態で何度も電気を流そうとすると、機器がさらに損傷したり、最悪の場合は火災につながったりする可能性があります。一度落ちたら、原因が特定・解消されるまで安易に上げないでください。
自分で分解・修理しようとする
エアコン内部は複雑で、高電圧がかかっている部分もあります。専門知識や技術がないまま分解・修理を試みるのは大変危険です。
異常を放置して使い続ける
「少しビリっとするだけ」「たまにブレーカーが落ちるだけ」などと軽視せず、異常を感じたらすぐに使用を中止し、点検を依頼してください。
アース線をガス管や水道管につなぐ
これは絶対にやってはいけません。ガス爆発や感電など、重大な事故を引き起こす原因となります。

エアコンの漏電は、決して軽く見てはいけないトラブルです。ご自身での対処は安全確保にとどめ、実際の原因究明と修理は必ずプロに任せるようにしましょう。

エアコンが漏電する多様な原因と要点まとめ

  • エアコンの漏電は経年劣化による部品・絶縁体の損傷が主因である
  • 標準耐用年数約10年を超えたエアコンは漏電リスクが高い
  • 屋外の室外機は雨水浸入やケース劣化で漏電しやすい
  • 室外機のコンプレッサー周辺は特に漏電に注意が必要だ
  • 壁の配管穴の隙間から雨水やゴキブリが侵入し漏電する
  • 内部のホコリ詰まりによる結露水漏れも電気部品にかかり漏電する
  • 漏電ブレーカーが落ちるのは電気が漏れている危険なサインである
  • 分電盤のブレーカー操作で漏電箇所をある程度特定できる
  • 漏電発生時はエアコン業者か電気工事業者に連絡する
  • 賃貸物件ではまず大家か管理会社に相談することが基本である
  • 修理費用が高額な場合や古い機種は買い替えも視野に入れる
  • 漏電予防にはアース線の確実な接続が不可欠である
  • コンセントはしっかり差し込みタコ足配線を避ける
  • 落雷や風水害による故障は火災保険の対象となる場合がある
  • 漏電時は安全確保(ブレーカーOFF、コンセント抜き)を最優先し、自己修理は絶対にしない