オール電化と都市ガスどっちが安い?光熱費比較と選び方の結論

こんにちは。横浜電気工事レスキューの主任電気工事士「天谷(あまたに)富士夫」です。
「そろそろ給湯器の寿命かな…」「新築の熱源はどちらにしよう?」と検討する中で、「オール電化と都市ガスどっちが安いんだろう?」という疑問は、家計を預かる方にとって最大の悩みどころですよね。
ネットで調べても「オール電化が得!」という意見もあれば「ガスの方が安い!」という声もあり、結局自分の家ではどうなるのかが見えにくいものです。
実は、光熱費の損得は、単なる機器の性能だけでなく、「世帯人数」「生活サイクル」そして「将来のエネルギー価格」まで見据えて判断する必要があります。
この記事では、長年現場で多くのお客様の「光熱費削減」をお手伝いしてきた経験と、最新のエネルギー事情をもとに、あなたにとってベストな選択肢を導き出します。
記事のポイント
- オール電化と都市ガスの料金差と具体的な損益分岐点
- 世帯人数(1人〜4人以上)別のリアルな光熱費シミュレーション
- メンテナンスや機器更新まで含めた15年間のトータルコスト
- あなたの生活スタイルに最適な熱源の選び方
- 1. オール電化と都市ガスではどっちが安い?徹底比較
- 1.1. 光熱費の金額比較でどちらが経済的か
- 1.1.1. プロの視点:料金連動の仕組み
- 1.2. 一人暮らしでの電気代平均とガス代
- 1.2.1. 一人暮らしの最適解
- 1.3. 賃貸物件で選ぶならどちらがいいのか
- 1.3.1. 内見時のチェックリスト
- 1.4. 切り替え費用と初期導入コストの違い
- 1.5. プロパンガス地域での料金シミュレーション
- 1.6. 今後の電気代とガス料金の価格推移
- 2. 結論:オール電化と都市ガスではどっちが安い
- 2.1. 初期費用を含めたトータルコストの比較
- 2.1.1. 都市ガスエリアの既存住宅
- 2.1.2. 新築・注文住宅
- 2.2. ライフスタイルと世帯人数別の最適解
- 2.3. メンテナンス費用と機器の耐用年数
- 2.4. 災害時の復旧速度とリスク管理の視点
- 2.5. オール電化と都市ガスではどっちが安いかのまとめ
- 2.5.1. 現在「プロパンガス」を使っている
- 2.5.2. 現在「都市ガス」で、これから「新築」または「太陽光を設置」する
- 2.5.3. 現在「都市ガス」で、機器交換(リフォーム)のみ検討中(特に少人数世帯)
オール電化と都市ガスではどっちが安い?徹底比較
まずは、皆さんが最も重視されている「金額」について徹底的に深掘りしていきます。表面的な月々の請求額だけでなく、仕組みの違いから来る「構造的な安さ」をご説明します。
光熱費の金額比較でどちらが経済的か
「電気とガス、結局どちらのコスパが良いのか」という問いに対する答えは、実は非常にシンプルで、「基本料金の圧縮」と「給湯効率」のバランスシートで決まります。
オール電化が経済的である最大の理由は、「基本料金が一本化される」という構造的メリットにあります。

通常、電気・ガス・水道というライフラインの中で、ガス契約をしている家庭は「電気の基本料金」と「ガスの基本料金」を二重に支払っています。
オール電化に切り替えると、ガス契約そのものをやめるため、ガスの基本料金が不要になります。
ただし、ガスの「基本料金」はガス会社や料金メニュー、使用量によって異なるため、一概にいくら安くなるとは言えませんが、年間で数千円から2万円前後の固定費が削減できる可能性があります。
これは、住宅ローン金利の引き下げや保険の見直しに匹敵する、有効な家計防衛策の一つと言えます。
(参考:ガス料金表(家庭用/業務用・工業用 共通)|東京ガス)
一方で、都市ガスが経済的に有利になるケースは、「大量にお湯を使う冬場」です。都市ガスは、プロパンガスに比べて従量単価が非常に安く設定されています。
ガス給湯器(エコジョーズ等)は、瞬間的に強力な火力でお湯を沸かすため、お風呂の追い焚きやシャワーをふんだんに使っても、コストの上昇が緩やかです。
対して、オール電化(エコキュート)は、タンク内のお湯を使い切ってしまうと「沸き増し」が必要になり、この際に昼間の割高な電気を使うことになると、一気にコストが跳ね上がるリスクがあります。
プロの視点:料金連動の仕組み
オール電化の節約効果を最大化する鍵は、「深夜電力プラン」の活用です。多くの電力会社には、夜間の電気代を昼間よりも割安に設定したプランがあります。
例えば東京電力の「スマートライフ」プランなどを利用し、割安な時間帯にエコキュートでお湯を作り置きすることで、都市ガス併用では難しいレベルの低コストを実現できる可能性があります。
給湯器のガスと電気のコスト比較について、さらに詳しく知りたい方は、以下の『給湯器はガスと電気どちらが安い?プロが教える維持費と選び方』の記事もぜひご覧ください。

一人暮らしでの電気代平均とガス代

一人暮らしの方が「光熱費を安くしたいからオール電化にしたい」と相談に来られることがありますが、私は正直に「今のまま都市ガスにしておいた方が良い場合が多いですよ」とお伝えしています。
なぜなら、オール電化のコストメリットは「スケールメリット」に依存しているからです。エコキュートなどの機器は、ある程度まとまった量のお湯を作ることで高効率を発揮するように設計されています。
一人暮らしで、シャワーをサッと浴びる程度、自炊もそこそこ…という生活スタイルでは、以下の「3つのコスト増要因」が節約額を上回ってしまいます。
- 初期投資の回収不能
エコキュートの導入費(数十万円)を、月数百円程度の差額で回収するには数十年かかり、寿命が先に来てしまいます。 - 基本料金の割高感
オール電化向けの電気料金プラン(例えば東京電力の「スマートライフプラン」など)は、一般的な従量電灯Bプランよりも基本料金が若干高めに設定されていることがあります。 - 放熱ロス
370Lなどの大きなタンクにお湯を貯めても、一人では使い切れず、時間が経てばお湯は冷めていきます。使わずに冷めて消えていく熱エネルギー(=電気代)が無駄になってしまいます。
一人暮らしの最適解
一人暮らしの場合、オール電化が必ずしもお得とは限りません。
物件の設備(電気温水器かエコキュートか)や電気料金プラン、在宅時間によっては、逆に割高になってしまうこともあります。
経済性を最優先するなら、「都市ガス物件」を選び、ご自身の使用量に合った電力会社やプランを比較検討することをお勧めします。
賃貸物件で選ぶならどちらがいいのか
賃貸物件を探す際、「オール電化」という条件だけで決めてしまうのは非常に危険です。賃貸における光熱費の差は、熱源の種類そのものよりも、「設置されている機器の世代(年式)」に左右されるからです。
特に注意すべきなのが、「電気温水器」が設置されているオール電化物件です。
これは電熱ヒーターで水を直接温める仕組みで、ヒートポンプ式のエコキュートに比べると効率が低く、同じ量のお湯を作る場合でも電気使用量が多くなりがちです。
「家賃が安いから決めたけど、冬場の電気代が予想以上に高かった」という失敗談は、この古い電気温水器が原因のケースも少なくありません。
(参考:家庭のエネルギー消費(従来型給湯器との比較)|ヒートポンプ・蓄熱センター)
逆に、賃貸であっても「都市ガス」物件は比較的安定しています。都市ガスの給湯器は、古い型でも新しい型でも、そこまで極端にガス代が変わることはありません。
プロパンガス物件さえ避ければ、都市ガス物件は「大外れ」がない安全な選択肢と言えます。
内見時のチェックリスト
オール電化物件を内見する際は、必ず給湯器本体を確認してください。
- 「電気温水器」(円筒形のタンクのみ)
電気代は高くなる覚悟が必要です。 - 「エコキュート」(角型のタンク+エアコンのような室外機)
光熱費は非常に安くなります。即決の価値ありです。
プロパンガス物件は、家賃が相場より5,000円安くても、ガス代が相場より5,000円高ければ意味がありませんので、慎重に判断してください。
オール電化賃貸のメリット・デメリットについてさらに詳しく知りたい方は、以下の『オール電化の賃貸はやめとけ?後悔しないための全知識』の記事もご参考ください。

切り替え費用と初期導入コストの違い

リフォームや新築でシステムを導入する際、最初のハードルとなるのが「イニシャルコスト(初期費用)」の大きな差です。
| 項目 | オール電化(エコキュート+IH) | 都市ガス併用(エコジョーズ+ガスコンロ) |
|---|---|---|
| 機器本体代 | 高価(定価で80〜100万円超も) | 安価(量産効果で非常に手頃) |
| 設置工事費 | 高額(基礎・電気配線・配管) | 低額(既存配管利用・簡易設置) |
| 実勢価格目安 | 40万円 〜 90万円 | 15万円 〜 35万円 |
ご覧の通り、オール電化の導入には、都市ガスコンビの2倍以上の費用がかかることが一般的です。これは機器そのものの価格差に加え、工事の内容が大きく異なるためです。
エコキュートを設置するには、満水時500kg近くになる重量を支えるためのしっかりとしたコンクリート基礎工事が必要です。
また、200Vの専用電気回路を分電盤から引く必要があり、場合によっては分電盤ごとの交換や、電力会社への申請費用が発生します。
対して都市ガスの給湯器は、壁掛け設置が可能なほど軽量で、工事も既存のガス管を繋ぎ直すだけで済むケースが多く、半日程度で完了します。
「初期費用をできるだけ抑えたい」という短期的な視点で見れば、都市ガスに軍配が上がります。
実際のエコキュート交換工事の流れや費用感については、以下の『横浜市神奈川区でエコキュート交換!お湯が出ない緊急事態も三菱SRT-ST376で即日解決』の記事もぜひ参考にしてください。
プロパンガス地域での料金シミュレーション
もし現在のお住まいが「プロパンガス(LPガス)」エリアなら、細かい計算は抜きにして、オール電化への切り替えを最優先で検討してください。それほどまでに、プロパンガスとオール電化の価格差は圧倒的です。
プロパンガス(LPガス)は、地域や販売店によって料金設定が大きく異なりますが、一般的に都市ガスよりも高くなる傾向があります。
もし現在、冬場のガス代が高額でお悩みなら、オール電化(エコキュート)への切り替えでランニングコストを抑えられる可能性があります。
削減幅や初期費用の回収期間は、家族構成や機器の種類によって異なりますが、数年から10年程度でメリットが出るケースも少なくありません。(参考:LPガス価格調査|資源エネルギー庁)
「都市ガスが来ていない地域=光熱費が高い」と諦めている方も多いですが、プロパンガスエリアこそが、オール電化投資の「利回り」が最も高くなる場所なのです。
今後の電気代とガス料金の価格推移

「今は電気の方が高くても、将来はわからないでしょ?」というご質問もいただきます。確かに燃料価格は水物ですが、国のエネルギー政策のベクトルは「電化」に向かっていることは間違いありません。
政府が推進する「GX(グリーントランスフォーメーション)」戦略では、家庭部門のCO2削減が必須課題です。
そのため、ガスを燃焼させてCO2を排出する機器よりも、再生可能エネルギーと親和性の高いヒートポンプ機器(エコキュート)の普及が優遇されています。
最新の補助金制度(給湯省エネ事業)を見ても、エコキュートへの補助額は手厚い一方で、従来型のガス給湯器への風当たりは強くなっています。
さらに注目すべきは「おひさまエコキュート」の登場です。これは、太陽光発電の余剰電力を使って昼間にお湯を沸かすシステムです。
もし将来、電気代がどれだけ高騰しても、自宅の屋根で作った「タダの電気」を使えば影響を受けません。ガスは輸入に頼らざるを得ませんが、電気は「自宅で自給自足できる可能性がある」唯一のエネルギーです。
将来的なエネルギーリスク(地政学リスクによる燃料高騰など)をヘッジするという意味でも、電気への一本化は理にかなった選択と言えます。(参考:給湯省エネ2026事業について|資源エネルギー庁)
結論:オール電化と都市ガスではどっちが安い
ここまでの詳細な比較を踏まえて、最終的に「あなたにとっての正解」を導き出します。損をしないための判断基準を明確にしましょう。
初期費用を含めたトータルコストの比較
機器の購入から、毎月の支払い、そして15年後の廃棄・交換までを含めた「生涯コスト(ライフサイクルコスト)」で比較すると、景色が少し変わってきます。
都市ガスエリアの既存住宅
すでに都市ガスを利用している場合、わざわざオール電化にリフォームしても、トータルでは「赤字」になる可能性が高いです。
エコキュートの導入費(約60〜80万円)を、月々の節約額(約1,500円〜3,000円)で回収するには20年以上かかり、減価償却できません。
この場合は、高効率なガス給湯器(エコジョーズ)に交換して、浮いた初期費用を別のことに使うのが賢明です。
ガス給湯器の交換やリモコン操作でお困りの方は、以下の『川崎市でガス給湯器とキッチンリモコン交換!安全・安心な施工事例』の記事もご覧ください。
新築・注文住宅
これから建てるなら、「オール電化+太陽光発電」が最強のコストパフォーマンスを誇ります。新築時なら設置工事費も割安になりますし、住宅ローンに組み込めば月々の負担感もありません。
太陽光パネルの価格も下がっているため、10年〜15年スパンで見れば、ガス併用住宅よりも数百万円単位で得をするケースもあります。

ライフスタイルと世帯人数別の最適解
| 世帯タイプ | おすすめの選択 | 理由と詳細分析 |
|---|---|---|
| 一人暮らし | 都市ガス併用 | 使用湯量が少なく、エコキュートの「深夜電力でお湯を貯める」メリットよりも、タンク内の放熱ロスや高い初期費用のデメリットが上回ります。 |
| 2人〜3人世帯 | 判断が分かれる | 日中在宅していてエアコンや家電を多く使うなら、日中の電気単価が高いオール電化プランは不利になります。共働きで夜型生活ならオール電化が有利です。 |
| 4人以上家族 | オール電化 | お湯の使用量が多いため、ガスの基本料金カット+高効率給湯のメリットが最大化されます。人数が多いほどオール電化のコストパフォーマンスは向上します。 |
| ペットがいる家庭 | オール電化 | 24時間空調が必要な場合、全館空調システムと相性の良いオール電化プランや、太陽光発電との組み合わせで電気代を大幅に抑制できます。 |
メンテナンス費用と機器の耐用年数

家計シミュレーションで見落とされがちなのが、10年後に必ずやってくる「メンテナンス費用」の壁です。
ここに関しては、残念ながら都市ガスの方が有利です。
- 都市ガス(エコジョーズ)
構造がシンプル。交換費用も工事費込みで15万〜25万円程度。故障時の部品交換も比較的安価です。 - オール電化(エコキュート)
ヒートポンプというエアコンと同じ複雑な機構を持つため、10年を超えると故障リスクが高まります。基板交換で5万円、コンプレッサー交換で15万円など、修理費が高額になりがちです。全交換となると40万〜60万円の出費が必要です。
オール電化を選ぶ場合は、「月々の電気代が安くなった分を、全部使わずに毎月3,000円は修繕積立として貯金しておく」という規律が必要です。
これを怠ると、12年後に給湯器が壊れた時、家計に大ダメージを与えることになります。
エコキュートの交換時期や故障のサインについて詳しく知りたい方は、以下の『エコキュートへの交換を豊島区の戸建住宅にて!故障前の早めの対応がおすすめ』の記事もぜひご参考ください。
災害時の復旧速度とリスク管理の視点

コスト以外の面で、オール電化を選ぶ決定的な理由となるのが「防災・レジリエンス(回復力)」です。
日本は地震大国です。ひとたび大地震が起きた際、地中に埋設されたガス管は破裂のリスクがあり、その安全確認が完了するまで供給は再開されません。
ライフラインの復旧速度は被害状況によりますが、都市ガスは安全確認に時間を要するため、復旧まで日数がかかることがあります。
電気も被害によっては時間がかかりますが、比較的復旧が早いケースが多いと言われています。
さらに、エコキュートのタンク内には常に370L〜460L(2リットルペットボトル約200本分)の水が確保されています。
飲用には適しませんが、災害時に最も困る「トイレの水」や「洗い物の水」として、コックをひねるだけで使えるのは、何物にも代えがたい安心感です。
「安さ」も重要ですが、家族の命と生活を守るための「保険」としてオール電化を選ぶという視点は、これからの時代、非常に合理的です。
エコキュートについて「やめておけばよかった」と後悔しないための選び方は、以下の『エコキュートで後悔?ブログに学ぶ失敗しない選び方』の記事で詳しく解説しています。
オール電化と都市ガスではどっちが安いかのまとめ
最後に、これまでの議論を整理して、「あなたはどうすべきか」の結論をお伝えします。
最終結論チャート
現在「プロパンガス」を使っている
即座にオール電化(エコキュート)へ切り替えるべきです。
初期費用がかかっても、劇的なランニングコスト削減効果で数年で元が取れ、その後はずっと「お得」が続きます。迷う必要はありません。
現在「都市ガス」で、これから「新築」または「太陽光を設置」する
オール電化をおすすめします。
「創エネ(太陽光)+省エネ給湯(エコキュート)」の組み合わせは、最強の家計防衛策です。将来のエネルギー価格変動にも強い家になります。
現在「都市ガス」で、機器交換(リフォーム)のみ検討中(特に少人数世帯)
無理にオール電化にせず、都市ガスのままが正解です
高効率なガス給湯器(エコジョーズ)に交換する方が、初期費用を抑えられ、トータルコストでの損失を防げます。
光熱費は、一度決める(設置する)と10年以上変えることができない、非常に重要な固定費です。
「隣の家がオール電化だから」といった理由ではなく、ご自身の家族構成、建物の条件、そして将来設計に合わせて、冷静に計算して選ぶことが大切です。
もし、「自分の家の場合は具体的にいくら下がるの?」と気になったら、ぜひ一度、信頼できる専門業者にシミュレーションを依頼してみてください。数字で見れば、迷いは晴れるはずです。
横浜・川崎・東京都南部エリアで業者をお探しの方へ
「結局、うちの場合はオール電化と都市ガスどっちがお得なの?」「エコキュートの導入費用を具体的に知りたい」「今使っている給湯器があと何年持つか診てほしい」
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