キッチンの換気扇をつけっぱなしにすると壊れる?原因・寿命・対策を解説

- 1. キッチン換気扇はつけっぱなしで壊れる?主な原因と影響
- 1.1. 壊れる原因は油汚れとホコリの蓄積
- 1.2. 交換のサインとなる寿命や故障の症状
- 1.2.1. 換気扇の法定耐用年数と実質的な寿命
- 1.2.2. 見逃してはいけない故障のサイン
- 1.3. デメリットは火事や漏電のリスク
- 1.4. 室内の空気と湿度を快適に保つ効果
- 1.5. ゴキブリの侵入を防ぐ意外な効果も
- 2. キッチン換気扇をつけっぱなしで壊れるか心配な時の対策
- 2.1. 24時間稼働させた場合の電気代
- 2.2. アパートでの使用に関する注意点
- 2.3. 騒音による苦情やうるさい時の対処法
- 2.4. 長期不在でも24時間つけたままで良いか
- 2.5. 故障時の修理は専門業者に依頼しよう
- 2.6. キッチンの換気扇をつけっぱなしで壊れるかの最終結論
キッチンの換気扇をつけっぱなしにすると壊れるのではないか、という疑問は多くの方が抱く不安です。
その原因や、実際のところ寿命にどう影響するのか、電気代はどれくらいかかるのか気になります。
特にアパートでの使用では、うるさい音による苦情も心配ですし、長期不在時に24時間つけっぱなしで良いのかも迷う点です。
また、つけっぱなしにすることのデメリットとして、火事や漏電といった深刻なリスクも考えられます。
一方で、室内の空気の湿度を調整したり、ゴキブリの侵入を防いだりする効果も見逃せません。
この記事では、換気扇の故障を示す症状から、修理を業者に依頼するタイミング、安全に使い続けるための注意点まで、あなたの疑問に総合的にお答えします。
この記事を読むことで、以下の点について理解が深まります。
記事のポイント
- 換気扇が「つけっぱなし」で壊れる本当の原因
- つけっぱなしにするメリットと、火事などのデメリット
- 24時間稼働させた場合の具体的な電気代や修理費用の目安
- 交換を考えるべき寿命のサインと、安全な使用のための注意点
キッチン換気扇はつけっぱなしで壊れる?主な原因と影響
- 壊れる原因は油汚れとホコリの蓄積
- 交換のサインとなる寿命や故障の症状
- デメリットは火事や漏電のリスク
- 室内の空気と湿度を快適に保つ効果
- ゴキブリの侵入を防ぐ意外な効果も
壊れる原因は油汚れとホコリの蓄積
キッチンの換気扇をつけっぱなしにすること自体が、直ちに故障を引き起こすわけではありません。故障に至る最も一般的な原因は、長期間にわたって蓄積された「油汚れ」と「ホコリ」にあります。
調理中に発生する油を含んだ蒸気は、換気扇の内部で冷やされて液体に戻り、ファンやその周辺に付着します。
このベタベタした油汚れが、空気中のホコリを磁石のように吸着し、時間とともに重く粘着質な塊へと成長していくのです。
この汚れの塊がファンに不均一に付着すると、回転のバランスが崩れます。バランスが悪いままファンが高速で回転し続けることで、モーターの軸に過剰な負荷がかかり、振動や異音が発生します。
この状態を放置すると、モーター自体の寿命を著しく縮め、最終的には軸の変形や焼き付きといった、回復不能な故障につながる可能性があります。
要するに、「つけっぱなし」という運転時間よりも、内部が汚れている状態で運転を続けることの方が、はるかに故障のリスクを高めるということです。

交換のサインとなる寿命や故障の症状
換気扇は、その寿命が近づくと様々な警告サインを発します。これらの症状に早く気づくことが、大きなトラブルを未然に防ぐ鍵となります。
換気扇の法定耐用年数と実質的な寿命
一般的に、換気扇の設計上の標準使用期間は10年とされており(例:富士工業など)、安全に使用できる目安の期間とされています。なお、製品の種類や使用環境によっては15年程度使用されるケースもあります。
これは、安全上支障なく使用できる期間の目安です。
税法上の法定耐用年数は「建物附属設備・電気設備」として15年とされるのが一般的ですが、ビルトインされていない場合などでは6年や13年と分類されるケースもあり、これはあくまで会計処理上の区分です。
実際の製品寿命を保証するものではありません。ません。
使用頻度やメンテナンス状況によって寿命は前後しますが、設置から10年以上が経過している場合は、不具合がなくとも交換を視野に入れ始める時期だと考えられます。
見逃してはいけない故障のサイン
以下のような症状が現れた場合、換気扇が寿命を迎えているか、重大な不具合を抱えている可能性が高いです。特に異音は、内部の状態を知るための重要な手がかりとなります。
異音の種類 | 考えられる原因 | 推奨される対処法 |
---|---|---|
「ゴー」「ブォー」 | ファンに油汚れやホコリが大量に蓄積し、回転バランスが崩れている。 | まずは徹底的な清掃を試みてください。清掃で改善しない場合は、モーターの負荷が限界に近い可能性があります。 |
「キーキー」「キュルキュル」 | モーター内部の潤滑油が切れている、または軸受け部品が摩耗している。 | 潤滑油の不足が原因の場合もありますが、多くは経年劣化のサインです。専門家による点検が望ましいです。 |
「カラカラ」「カタカタ」 | モーターの軸がズレているか、内部の部品が緩んだり破損したりしている。 | 非常に危険な状態です。直ちに使用を中止し、専門業者に連絡してください。部品が脱落する恐れがあります。 |
異音以外にも、「吸引力が著しく落ちた」「スイッチを入れてもファンが回らない時がある」「運転中の振動が大きくなった」といった症状は、交換を検討すべき明確なサインと言えます。

デメリットは火事や漏電のリスク
換気扇をつけっぱなしにすることの最も深刻なデメリットは、火災や漏電といった事故につながる可能性がゼロではない点です。ただし、これらのリスクは、適切な管理によって限りなく低くすることができます。
火災の主な原因は、前述の「油汚れとホコリ」と「経年劣化」の組み合わせです。長年掃除されずに溜まった油とホコリの塊は、それ自体が可燃物となります。
ここに、30年以上など、設計寿命を大幅に超えて使用され劣化したモーターが異常発熱したり、内部配線のショートで火花が発生したりすると、引火して火災に至るのです。
製品評価技術基盤機構(NITE)の報告でも、経年劣化した家庭用換気扇が火災事故の原因となるケースが多く発生しているとされており、注意喚起が行われています(参考PDF:家庭用換気扇の火災事故に関する注意喚起/NITE, 2023年6月)。
また、湿気の多いキッチンでは、コンセント周りに溜まったホコリが湿気を吸って電気を通しやすい状態になり、トラッキング現象による発火を引き起こす可能性もあります。
モーター内部に水やアルカリ性の強い洗剤が浸入することで、絶縁が劣化し漏電やショートを起こすケースも考えられます。
これらのリスクは決して軽視できませんが、裏を返せば「定期的な清掃」と「寿命を目安とした交換」という二つの対策を徹底することで、ほとんど防ぐことが可能なのです。

室内の空気と湿度を快適に保つ効果
ここまではリスク面に焦点を当てましたが、換気扇のつけっぱなし運転には、住環境を向上させる大きなメリットがあります。特に現代の気密性が高い住宅において、その効果は顕著です。
主なメリットの一つは、カビや結露の発生を抑制することです。料理や洗い物、人の呼吸などによって、室内には多くの水蒸気が発生します。
この湿った空気が滞留すると、温度の低い窓や壁で結露となり、カビの温床となります。換気扇を常時運転させることで、湿気を含んだ空気を効率的に屋外へ排出し、室内の湿度を適切に保つことができます。
これにより、カビの発生を防ぎ、アレルギーなどの健康リスクを低減させることにつながります。
さらに、常に空気が入れ替わることで、調理後の臭いはもちろん、ペットや生活全般から生じる様々な臭いが室内にこもるのを防ぎます。
また、建材や家具から放出される可能性のある化学物質(シックハウス症候群の原因物質)の濃度を下げる効果も期待できます。
これらの点を踏まえると、換気扇の連続運転は、家そのものと住む人の健康を守るための有効な手段と言えます。

ゴキブリの侵入を防ぐ意外な効果も
あまり知られていませんが、換気扇をつけっぱなしにしておくことには、ゴキブリなどの害虫侵入を抑制する効果も期待できます。
ゴキブリは、屋外から室内へ侵入する経路として、換気扇の排気口やそのダクトを利用することがあります。
換気扇が停止している状態では、この経路は彼らにとって格好の入り口となるのです。しかし、換気扇を常に運転させておくことで、排気口から外へ向かう空気の流れが生まれます。
この気流が物理的なバリアとなり、ゴキブリがダクトを逆流して室内に侵入するのを困難にします。
また、ゴキブリは湿気が高く暖かい場所を好む性質があります。前述の通り、換気扇の連続運転は室内の湿度を下げる効果があります。
これにより、ゴキブリにとって居心地の悪い、繁殖しにくい環境を作り出すことにもつながります。
ただし、これは完全な侵入防止策ではないため、防虫網の設置や排気口の点検など他の対策と併用することが推奨されます。

キッチン換気扇をつけっぱなしで壊れるか心配な時の対策
- 24時間稼働させた場合の電気代
- アパートでの使用に関する注意点
- 騒音による苦情やうるさい時の対処法
- 長期不在でも24時間つけたままで良いか
- 故障時の修理は専門業者に相談
- キッチンの換気扇つけっぱなしで壊れるかの最終結論
24時間稼働させた場合の電気代
「つけっぱなしにすると電気代が高くなるのでは?」という心配はもっともですが、実際の費用は想像よりもはるかに安い場合がほとんどです。
キッチンの換気扇は、その運転モードによって消費電力が大きく異なります。
一般的なレンジフードタイプの換気扇の消費電力と、それを24時間30日間つけっぱなしにした場合の電気代の目安を以下に示します。(電気料金単価を31円/kWhとして計算)
運転モード | 一般的な消費電力 | 1ヶ月あたりの電気代(目安) |
---|---|---|
常時 / 弱 | 5W ~ 15W | 約112円 ~ 約335円 |
中 | 20W〜30W程度(※旧型や大型機種では40W〜50Wに達することもあります) | 約465円〜700円程度(消費電力20〜30W想定。旧式や大風量機では1,000円前後になることもあります) |
強 | 約90W | 約2,009円 |
この表からわかるように、調理中以外の時間に「弱」や、機種によっては「常時」モードで運転した場合、月々の電気代は数百円程度に収まります。
カビや結露の防止、消臭といったメリットを考慮すると、非常に費用対効果の高い投資と考えることができます。
もちろん、常に「強」で運転し続ければ電気代はかさみますが、調理時以外は「弱」で運転するという使い方であれば、家計を圧迫するほどの負担にはならないでしょう。

アパートでの使用に関する注意点
アパートやマンションなどの集合住宅で換気扇を使用する際は、戸建て住宅とは異なるいくつかの点に注意が必要です。
最も配慮すべきは「騒音」の問題です。特に夜間、静かな環境では換気扇の運転音が隣戸や上下階の住民にとって迷惑となる可能性があります。
経年劣化によって異音が発生している場合はもちろん、正常な運転音であっても、壁の薄い建物では響いてしまうことがあります。
夜間や早朝は「弱」で運転する、あるいはタイマー機能があれば活用するなど、周囲への配聞が求められます。
また、賃貸物件の場合、換気扇は大家さんの所有物(設備)です。もし故障してしまった場合、自己判断で修理業者に依頼する前に、必ず大家さんや管理会社に連絡し、指示を仰ぐ必要があります。
経年劣化による自然故障であれば、修理費用は貸主側が負担するのが一般的ですが、掃除を怠ったことが原因と判断されると、入居者に費用負担が求められるケースも考えられます。
退去時のトラブルを避けるためにも、定期的な清掃を心がけることが、集合住宅では特に大切になります。

騒音による苦情やうるさい時の対処法
換気扇の運転音が以前よりもうるさくなったと感じる場合、それは何らかの異常を知らせるサインであり、近隣からの苦情の原因にもなりかねません。
音が大きくなる主な原因は二つ考えられます。一つは、ファンに蓄積した油汚れによる回転バランスの乱れです。この場合は、徹底的に掃除をすることで改善される可能性があります。
ファンやその周辺の頑固な汚れを取り除くことで、本来の静かな回転を取り戻すことが期待できます。
もう一つは、モーター自体の経年劣化です。内部のベアリングが摩耗したり、潤滑油が不足したりすると、「ゴー」「キーキー」といった不快な異音が発生します。この段階になると、清掃だけでの改善は困難です。
もし、ご自身で清掃しても音が改善しない場合や、明らかに金属が擦れるような異常な音がする場合は、無理に使用を続けず、速やかに専門業者に点検を依頼してください。
放置すると、騒音問題だけでなく、より深刻な故障や事故につながる危険性があります。

長期不在でも24時間つけたままで良いか
旅行や帰省などで長期間家を留守にする際に、換気扇をどうすべきか迷うことがあります。これには、一長一短があるため、状況に応じて判断することが望ましいです。
つけっぱなしにしておくメリットは、留守中の室内の空気を循環させ、湿気がこもるのを防げる点です。特に梅雨の時期や湿度の高い季節には、カビの発生を抑制する効果が期待できます。
家に戻ってきた際の、よどんだ空気やカビ臭さを軽減できるでしょう。
一方で、デメリットとしては、万が一の故障や電気系統のトラブルによる火災リスクが挙げられます。
前述の通り、適切にメンテナンスされていればリスクは非常に低いですが、長年使用している古い換気扇の場合は、不在中の連続運転に一抹の不安が残ります。また、わずかとはいえ電気代もかかります。
一つの折衷案として、タイマー付きの換気扇がある場合は、出発前に数時間だけ運転するように設定しておく方法があります。
また、24時間換気システムが備わっている住宅であれば、それは止めずにキッチンの換気扇だけを停止させて外出するという選択肢も考えられます。
特に10年以上使用している古い換気扇の場合は、安全面を優先して、外出時には停止させておく方が安心でしょう。

故障時の修理は専門業者に依頼しよう
換気扇に明らかな異常が見られた場合、自分で解決しようとせず、専門の業者に相談することが最も安全で確実な方法です。
特に、「異音がする」「振動が大きい」「スイッチを入れても動かない」「焦げ臭いにおいがする」といった症状は、モーターや電気系統の深刻なトラブルが原因である可能性が高いです。
知識がないまま分解などを試みると、感電や部品のさらなる破損、怪我につながる危険があります。
業者に連絡する際は、換気扇のメーカー名と型番を伝えると、その後の対応がスムーズに進みます。型番は、換気扇本体の側面や内側に貼られているシールに記載されていることが一般的です。
また、修理か交換かの判断も重要です。一般的に、設置から7年〜10年以上経過した換気扇が故障した場合、修理費用が高額になる傾向があります。
モーター交換などでは数万円かかることもあり、新品に交換する費用と大差ないケースも少なくありません。
古い部品を一つ修理しても、近いうちに別の部品が故障する可能性も考慮すると、長期的な視点では新しい製品に交換する方が、性能面でもコスト面でもメリットが大きいと言えます。
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キッチンの換気扇をつけっぱなしで壊れるかの最終結論
これまで解説してきた内容を踏まえ、「キッチンの換気扇をつけっぱなしにすると壊れるのか」という問いに対する重要なポイントを以下にまとめます。
- 換気扇のつけっぱなし自体が直接の故障原因ではない
- 故障の最大の原因は長年蓄積された油汚れとホコリ
- 汚れはモーターに負荷をかけ振動や異音を引き起こす
- 設計上の標準使用期間は10年から15年が目安
- 10年以上経過した換気扇は交換を検討する時期
- 「ゴー」「カラカラ」などの異音は寿命が近いサイン
- 弱運転なら24時間つけっぱなしでも電気代は月数百円程度
- つけっぱなしにはカビや結露、臭いを防ぐ大きなメリットがある
- ゴキブリなどの害虫侵入を抑制する効果も期待できる
- 火災リスクは低いが、清掃と適切な時期の交換で予防可能
- 長年掃除していない古い換気扇の連続運転は危険
- アパートでは夜間の運転音など近隣への配慮が必要
- 賃貸物件での故障はまず大家さんや管理会社に連絡する
- 異常を感じたら無理に使い続けず専門業者に相談する
- 7年以上使用した製品の故障は修理より交換が賢明な場合が多い