コンセントの増設は壁の中なら配線スッキリ!費用相場とDIYの境界

こんにちは。横浜電気工事レスキューの主任電気工事士「天谷(あまたに)富士夫」です。
「この場所にコンセントがあったら、もっと暮らしが快適になるのに…」そう感じたことはありませんか?
例えば、テレワークが当たり前になった今、デスク周りの電源がごちゃごちゃしてしまったり、キッチンに新しい調理家電を置きたいけどコンセントが足りなかったり。
あるいは、模様替えをしたらテレビやオーディオの置き場所にちょうどいいコンセントがなくて、結局長い延長コードを使うことになってしまった…なんて経験、皆さんにもあるかもしれませんね。
特に、配線が壁の向こう側に見えなくなる「壁内配線(隠蔽配線)」でのコンセント増設は、お部屋がスッキリして、見た目も美しく、掃除もしやすくなるので憧れますよね。
最近はインターネットで検索すれば、コンセント増設の方法を解説したサイトや動画がたくさん見つかります。
中には「DIYでできる!」と紹介しているものもありますが、壁の中に電線を通すような本格的な工事を、本当に自分でやってしまって大丈夫なのでしょうか。
隠蔽配線の具体的なやり方や、そもそも電気工事士の資格が必要なのかどうか、もし無資格で工事をしてしまったらどんな危険があるのか…考え始めると、たくさんの疑問や不安が湧いてくると思います。
また、専門の業者さんにお願いするにしても、一体どれくらいの費用がかかるのか、家の壁の構造によっては工事を断られてしまうケースはあるのか、といった点も非常に気になるところですよね。
この記事では、そんなコンセント増設、とりわけ壁の中の配線に関する皆さんのあらゆる疑問や不安に、長年現場に携わってきた電気工事のプロとして、一つひとつ丁寧にお答えしていきますね。
記事のポイント
- 壁内配線工事に電気工事士資格が不可欠となる法的な理由と根拠
- DIYでできることと絶対にやってはいけないことの明確な境界線
- プロに依頼する際の隠蔽配線工事の方法と費用の具体的な相場目安
- 信頼できる電気工事業者を見つけるための失敗しない選び方の要点
- 1. コンセントの増設で配線は壁の中へ、DIYは可能か?
- 1.1. 壁内配線の分岐・延長やコンセント増設は、原則として無資格DIYではできません
- 1.1.1. 法律違反には厳しい罰則も
- 1.2. 資格不要でできるDIY作業の範囲とは
- 1.2.1. 資格がなくてもできる「軽微な工事」の例
- 1.3. 無資格DIYが招く火災や罰金のリスク
- 1.3.1. 最も恐ろしいのは「電気火災」
- 1.4. 壁の構造で変わる配線方法の難易度
- 1.4.1. 最も一般的な「石膏ボード」の壁
- 1.5. 隠蔽配線が不可能な壁の構造
- 1.5.1. 隠蔽配線が難しい、または不可能な壁の例
- 2. コンセントの増設で配線を壁の中に通す費用と配線方法
- 2.1. プロが行う隠蔽配線の具体的な方法
- 2.1.1. STEP1:徹底した現地調査とヒアリング
- 2.1.2. STEP2:最適な配線ルートの設計
- 2.1.3. STEP3:慎重な穴あけ(開口)作業
- 2.1.4. STEP4:専門道具を駆使した通線作業
- 2.1.5. STEP5:確実な結線とコンセントの取り付け
- 2.1.6. STEP6:入念な電圧確認と清掃・作業完了
- 2.2. 隠蔽配線の費用が高くなる理由
- 2.3. 工事内容で変わる費用の内訳と相場
- 2.3.1. 費用相場の一例(石膏ボード壁への隠蔽配線)
- 2.4. 専用回路の配線で費用が上がるケース
- 2.5. 失敗しない業者選びと費用確認のコツ
- 2.5.1. 信頼できる電気工事業者を見抜くチェックポイント
- 2.6. 現地調査で正確な費用と配線方法を知る
- 2.7. コンセントの増設で壁の中に配線を通す工事の総括
コンセントの増設で配線は壁の中へ、DIYは可能か?
さて、多くの方が真っ先に知りたいであろうこの疑問、「壁の中を通すコンセント増設って、自分でチャレンジしてもいいの?」という点から、早速切り込んでいきたいと思います。
いろいろな情報があって混乱するかもしれませんが、プロとしての私の答えは一つです。結論から申し上げますと、絶対に、絶対にやめてください。
これは単に「危ないから」というだけでなく、法律にも関わる重大な問題なんです。
ここでは、その明確な理由と、軽い気持ちのDIYにどれほど大きな危険が潜んでいるのかを、現場のリアルな視点から詳しく解説していきます。

壁内配線の分岐・延長やコンセント増設は、原則として無資格DIYではできません

「ちょっと電線をいじるくらい、バレなきゃ大丈夫でしょ?」なんて、軽い気持ちで考えてはいけません。
壁の中の電気配線を扱ったり、コンセントを増設したりする作業は、実は「電気工事士法」という法律によって厳しく規制されている行為なのです。
この法律では、感電や火災の危険性が高い電気工作物の工事は、国家資格である「電気工事士」の免状を持つ者でなければ従事してはならないと、明確に定められています。
なぜ、国がここまで厳しく法律で定めているのか。その理由は、ただ一つ。不適切な電気工事が引き起こす感電や火災といった、人の命や財産を脅かす重大な事故を未然に防ぐためです。
電気は私たちの生活に欠かせない便利なエネルギーですが、その扱いを一歩でも間違えれば、取り返しのつかない大惨事を引き起こす凶器にもなり得ます。
適切な知識と技術を持たない人が配線工事を行うことは、ご自身の安全はもちろん、大切なご家族、そして時には隣近所の方々まで危険に晒す行為にほかならないのです。
法律違反には厳しい罰則も
もし電気工事士の免状がないのに壁内配線などの電気工事を行った場合、電気工事士法に違反したとして「三月以下の拘禁刑又は三万円以下の罰金」が科せられる可能性があります。
「知らなかった」「自分だけは大丈夫だと思った」では決して済まされない、れっきとした犯罪行為であることを、どうか忘れないでください。(参考:電気工事士法|e-Gov法令検索)

資格不要でできるDIY作業の範囲とは

「それじゃあ、電気に関わる作業は何もかもDIYできないの?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんね。ご安心ください。
実は、電気工事士法の中でも、危険性が低いと判断される一部の作業は「軽微な工事」として定められており、これらは資格がなくても行うことが認められています。
では、具体的にどこまでがセーフで、どこからがアウトなのでしょうか。その境界線をしっかり理解しておくことが大切です。
(参考:電気工事士等資格が不要な「軽微な工事」とは|経済産業省(PDF))
資格がなくてもできる「軽微な工事」の例
- 電球や蛍光灯、ヒューズの交換
これは最も身近な作業ですね。照明器具のランプを取り替える行為に資格は必要ありません。 - 露出しているコンセントやスイッチのカバープレート交換
壁に埋め込まれているコンセント本体やスイッチ本体には触れず、外側のプラスチック製のカバープレートだけを交換する作業です。デザインを変えたい時などに行います。 - 電圧600V以下で使用する機器の接続(軽微な工事に該当する範囲)
具体的には、差込プラグ等の「接続器」やナイフスイッチ等の「開閉器」に、コードやキャブタイヤケーブルを接続する作業など、政令で定める範囲が対象です。- 引掛シーリング等、器具の仕様に沿った取り付け・取り外し、差込プラグで接続して使用する家電の設置(プラグの抜き差しで完結する範囲)
これらの作業に共通するポイントは、「建物の壁や天井に固定されている電線を直接触らない」ということです。
あくまで、電気の末端部分、つまり利用者が安全に触れられるように設計された部分での作業に限られているんですね。
一方で、今回テーマとなっている壁の中の電線を分岐させたり、新しいコンセント本体を設置したりする工事は、この「軽微な工事」の範囲を完全に逸脱しています。
無資格DIYが招く火災や罰金のリスク
法律違反のリスクについては先ほどお話ししましたが、無資格でのDIY工事がもたらす本当の怖さは、それだけではありません。
むしろ、技術的な不備によって引き起こされる物理的な危険の方が、はるかに深刻だと言えるでしょう。具体的にどのようなリスクがあるのか、もう少し詳しく掘り下げてみますね。
最も恐ろしいのは「電気火災」

私たちが最も懸念するのは、やはり火災のリスクです。不適切な電気工事は、様々な形で火災の原因となり得ます。
接続不良による発熱
電線同士の接続が不完全だったり、ネジの締め付けが緩かったりすると、その部分の電気抵抗が大きくなります。
電気が流れるたびにそこが発熱し、やがては電線の被覆を溶かし、周囲の木材や断熱材に着火してしまうのです。これはプロでも細心の注意を払うポイントで、素人の方の作業では特に起こりやすいトラブルです。
ショート(短絡)
電線を扱う際に被覆を傷つけてしまい、中の銅線が剥き出しになってしまうケースです。
この銅線が、壁の中にある金属部分(ビスや柱の固定金具など)に触れるとショートが発生。大きな火花が散り、一瞬で火災につながります。
過負荷(オーバーロード)
既存の配線がどのくらいの電気容量に耐えられるかを計算せずに、安易にコンセントを増設してしまうと、許容量を超える電気が流れて電線が異常発熱し、火災に至ることがあります。
こうした電気火災の恐ろしさについては、実際の事例を知ることでより深く理解できるかもしれません。
『たこ足配線によるコンセント焼損と火災リスクの施工事例』の記事では、配線トラブルが引き起こす具体的な事例を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
特に壁の中で発生した火災は、煙や炎がすぐに見えないため発見が遅れがちです。気づいた時にはもう手遅れで、壁全体に火が回ってしまっている…なんていう悲劇も決して珍しくありません。
さらに追い打ちをかけるのが、保険の問題です。もし、ご自身の無資格DIYが原因で火災が発生してしまった場合、火災保険の保険金が支払われない(または支払い対象外と判断される)可能性があります。
火災保険では、契約者・被保険者の故意、重大な過失、法令違反などによる損害は、支払い対象外とされることがあるためです。
実際の可否はご加入の保険商品・約款・事故状況で判断されるため、必ず約款や保険会社の案内でご確認ください。家という大きな財産を失った上に、再建のための資金も得られない…そんな最悪の事態を招きかねないのです。
こうした深刻なリスクを考えれば、目先の費用を節約するためのDIYが、いかに割に合わない危険な賭けであるか、お分かりいただけるかなと思います。
DIYにはDIYの楽しさや魅力がありますが、こと電気工事、特に壁の中を触るような作業に関しては、迷わず私たちプロにお任せいただくのが最も賢明な選択です。
壁の構造で変わる配線方法の難易度

さて、工事をプロに依頼すると決めたとしても、「うちの壁って、本当に隠蔽配線できるのかな?」という疑問が湧いてきますよね。
その通りで、実は、どんな壁でも簡単に隠蔽配線ができるわけではありません。壁の内部構造によって、工事の難易度、あるいはそもそも工事が可能かどうかが大きく変わってくるんです。
最も一般的な「石膏ボード」の壁
現在の日本の住宅で最も多く採用されているのが、石膏ボード(プラスターボード)でできた壁です。
この壁は、木材などで作られた柱や間柱(まばしら)の骨組みの上に石膏ボードを貼り、その上から壁紙(クロス)を貼って仕上げられています。
そのため、壁の内部には空間があることが多く、比較的、隠蔽配線がしやすい構造と言えます。
私たちプロは、壁を軽く叩いた時の音の響きや、専用の下地センサーといった道具を使って、内部にある柱や間柱の位置を探り当てます。
そして、それらの構造材を避けながら、新しくコンセントを設置する位置に四角い穴を開け、天井裏や床下、あるいは既存のコンセントの穴から「通線ワイヤー」という針金のような専門道具を巧みに操り、新しい電線を壁の中に通していくのです。
ただし、壁の中に「筋交い(すじかい)」と呼ばれる、建物の耐震性を高めるための斜めの木材が入っている場合は、それを避けて配線ルートを考えなければならず、作業の難易度は少し上がりますね。
隠蔽配線が不可能な壁の構造
一方で、残念ながら構造上、壁の中に電線を通すスペースがなく、隠蔽配線が非常に困難、あるいは物理的に不可能という壁も存在します。代表的なのは、以下の3つのケースです。
隠蔽配線が難しい、または不可能な壁の例
コンクリート壁
マンションの戸境壁(隣の住戸との間の壁)や外壁によく見られる構造です。壁そのものが構造体であり、内部に電線を通す空間は全くありません。
壁の表面を削る「はつり工事」は、建物の強度を著しく損なうため、基本的に行うことはできません。
土壁・砂壁
築年数の古い日本家屋などで見られる伝統的な壁です。竹などを格子状に組んだ「小舞(こまい)」という下地に土を塗り固めて作られており、内部に空洞がない場合が多いです。
また、非常にデリケートで崩れやすいため、穴を開けたり電線を通したりする衝撃で壁全体が損傷するリスクが高く、工事は極めて困難です。
断熱材が充填されている壁
近年の高気密・高断熱住宅では、壁の内部空間に発泡ウレタンフォームなどの断熱材が隙間なく吹き付けられていることがあります。
壁内が断熱材で埋まっていると、通線が妨げられて隠蔽配線の難易度が大きく上がります。状況によっては隠蔽配線ができない(露出配線へ切替になる)こともあるため、現地調査で可否判断が必要です。
では、こうした壁の場合はコンセントの増設を諦めなければならないのかというと、そんなことはありません。
その場合の選択肢となるのが「露出配線」という方法です。これは、壁の中に電線を隠すのではなく、壁の表面に電線を這わせ、その上から「配線モール」という樹脂製のカバーを被せて配線を保護・化粧する方法です。
仕上がりの見た目は隠蔽配線に一歩譲りますが、壁の構造に左右されずに、安全かつ確実にコンセントを増設できる非常に有効な手段なんですよ。
コンセントの増設で配線を壁の中に通す費用と配線方法
DIYの危険性や壁構造による向き不向きをご理解いただいたところで、いよいよ皆さんが最も気になっているであろう「プロに頼んだ場合、一体いくらくらいかかるの?」という費用の話に移っていきましょう。
隠蔽配線はなぜ費用がかかるのか、どんな工事内容で金額が変わってくるのか。
ここでは、私たちが普段の現場で行っている隠蔽配線の具体的な手順から、費用の内訳、そして安心して任せられる業者選びのコツまで、包み隠さずお話ししていきますね。
また、コンセント増設の全体像については、『コンセントの増やし方|DIYは可能?費用や工事の注意点を解説』の記事でも詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。
プロが行う隠蔽配線の具体的な方法

お客様からご依頼を受けて、私たちが隠蔽配線でコンセントを増設する際には、大まかに以下のようなステップで作業を進行します。一つひとつの工程に、プロならではの知識と技術が詰まっています。
STEP1:徹底した現地調査とヒアリング
まず何よりも大切なのが、お客様のご自宅へお伺いして行う現地調査です。コンセントを増設したい場所、そこで何を使いたいのか(スマホの充電なのか、消費電力の大きい家電なのか)を詳しくヒアリングします。
同時に、壁の材質を確かめ、壁を叩いたり下地センサーを使ったりして内部の構造(柱や断熱材の有無など)を予測します。
天井裏や床下の点検口から、実際の配線ルートが確保できるかどうかも、この段階でしっかり確認します。
STEP2:最適な配線ルートの設計
調査結果をもとに、電源をどこから取るか(一番近いコンセントから分岐させるか、分電盤から専用線を引くか)、そして壁の中の柱や障害物をどう避けて電線を通すか、最も効率的で安全なルートを設計します。
この設計が、工事の質と最終的な費用を大きく左右する重要なポイントです。
STEP3:慎重な穴あけ(開口)作業
設計したルートに基づき、新しいコンセントを取り付ける位置に、専用の工具(ボードカッターなど)を使って石膏ボードを四角く切り抜きます。
壁の材質や構造によっては、電線を通すための中継点として、目立たない場所に小さな穴を開けさせていただくこともあります。
STEP4:専門道具を駆使した通線作業
ここが電気工事士の腕の見せ所です。細長いFRP製の「通線ワイヤー」や、先端に磁石が付いた「ケーブルキャッチャー」といった専門の道具を使い、見えない壁の内部に手探りで電線を慎重に通していきます。
経験と勘がものを言う、非常に繊細な作業ですね。
STEP5:確実な結線とコンセントの取り付け
壁の中を通した電線を、新しいコンセント器具に正しく接続(結線)します。
電線の被覆を適切な長さで剥き、心線が抜けないように、かつ締め付けすぎて断線しないように、絶妙な力加減で端子に固定します。その後、コンセント本体とプレートを壁にしっかりと取り付けます。
STEP6:入念な電圧確認と清掃・作業完了
最後に、分電盤のブレーカーを入れ、テスターを使って新しいコンセントに正常な電圧(通常は100V)が来ているかを確認します。
問題がないことを確認したら、作業で出たゴミやホコリを綺麗に清掃し、お客様に最終確認をしていただいて、すべての作業が完了となります。
言葉で説明すると少し長くなってしまいましたが、これらの工程を安全かつスムーズに進めるのが、私たちプロの仕事というわけです。
なお、既存のスイッチ配線を利用してコンセントを増設する方法もあります。その具体的な手順や費用については、『照明スイッチからコンセント増設!費用と方法をプロが解説』の記事も参考にしてみてください。
隠蔽配線の費用が高くなる理由

お客様からお見積もりをお出しした際に、「露出配線よりも高いんだね」と言われることがあります。隠蔽配線の費用が、壁の表面にモールを這わせる露出配線に比べて高くなるのには、明確な理由があります。
それは、ここまでご説明してきた通り、作業に要する手間と時間、そして専門技術の難易度が格段に高いからです。
露出配線が壁の表面という「見える場所」での作業が中心なのに対し、隠蔽配線は壁の内部という「見えない場所」での作業がほとんどです。
壁の構造を正確に読み解く知識、障害物を避けて電線を通す高度な技術、そして予期せぬ事態に対応できる豊富な経験が不可欠となります。
こうした目に見えない技術料や、作業にかかる時間と手間が費用に反映されるため、どうしても露出配線よりは高くなってしまうんですね。
しかし、その分、配線が一切見えないスッキリとした美しい仕上がりと、足を引っ掛けたりペットがいたずらしたりする心配のない高い安全性という、大きなメリットを得ることができます。
工事内容で変わる費用の内訳と相場

では、具体的にコンセント増設の費用は、どのような項目で構成されているのでしょうか。
もちろん、現場の状況によって金額は大きく変動しますが、一般的な費用の内訳と相場観は以下のようになります。業者さんに見積もりを依頼する際の参考にしてみてください。
費用相場の一例(石膏ボード壁への隠蔽配線)
1箇所あたりの総額目安:15,000円 ~ 30,000円程度
| 項目 | 費用目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 基本工事費・出張費 | 5,000円~10,000円 | 調査費や基本的な作業料、交通費などが含まれます。業者によって設定は様々です。 |
| 配線工事費(隠蔽) | 8,000円~15,000円 | 配線する距離が長くなったり、壁の構造が複雑だったりすると加算されます。 |
| コンセント部材費 | 1,000円~3,000円 | 一般的なコンセントか、USBポート付きや防水タイプなど、機能によって価格が変わります。 |
| 開口・穴あけ費 | 2,000円~5,000円 | 壁の材質(石膏ボード、木壁など)や、開口する箇所の数によって変動します。 |
| (オプション)分電盤作業費 | 5,000円~ | 専用回路を増設する場合などに、分電盤でのブレーカー追加作業が必要になります。 |
費用を左右する大きな要因の一つが、電源をどこから取るかという点です。
近くにある既存のコンセントの裏から電気を分岐させる「わたり配線」であれば比較的安価に済みますが、分電盤から全く新しい独立した配線を引いてくる「専用回路」の増設になると、工事の規模が大きくなるため費用も上がります。
専用回路の配線で費用が上がるケース

エアコン、電子レンジ、オーブントースター、食洗機、IHクッキングヒーター、電気自動車(EV)充電器など、一度に大きな電力を消費する家電製品がありますよね。
これらの家電を使うためのコンセントを増設する場合は、機器の仕様や内線規程に基づき、専用回路(専用分岐回路)が必要になるケースがあります。
たとえばエアコンは、メーカーが内線規程に基づき「専用回路の設置」を求めています。
また、IHクッキングヒーターは機種により200Vの専用回路・専用コンセント等が必要になる旨をメーカーが案内しています。EV・PHEV充電用の電源も、設計・施工上の注意として専用分岐回路とする案内があります。
実際に専用回路が必要となるケースとして、『分電盤交換・ブレーカー増設・コンセント増設の施工事例』のように、分電盤の交換やブレーカー増設と合わせて行う工事も多くありますので、参考にしてみてください。
(参考:よくある質問(Q&A)|経済産業省(エアコン専用回路と内線規程))
先ほども少し触れましたが、「専用回路」とは、他の照明やコンセントとは完全に独立させ、分電盤からその家電のためだけに一本の電線を直接引いてくる配線方式のことです。
なぜこれが必要かというと、もし他のコンセントと同じ回路に繋いでしまうと、複数の家電を同時に使った時に回路全体の許容量を超えてしまい、頻繁にブレーカーが落ちる原因になるからです。
最悪の場合、配線が過熱して火災につながる危険性もあります。
この専用回路の増設工事は、分電盤からコンセントを設置したい場所まで、壁や天井裏を長距離にわたって配線する必要があるため、通常のコンセント増設よりも作業の手間と材料費(電線代)がかかり、費用は高くなる傾向にあります。
場合によっては、分電盤に空きスペースがなく、分電盤自体の交換や増設が必要になることも。
安全に大容量の電力を使うためには絶対に欠かせない工事ですので、もしこうした消費電力の大きな家電用のコンセント増設をお考えの場合は、必ず最初の問い合わせの段階で業者にその旨を伝えてくださいね。
失敗しない業者選びと費用確認のコツ
「コンセント増設を頼みたいけど、たくさん業者がいてどこに連絡すればいいか分からない…」これは、お客様から非常によくいただくお悩みの一つです。
大切なご自宅の工事を安心して任せられる、信頼できる業者を見つけるために、ぜひ以下のポイントをチェックしてみてください。
信頼できる電気工事業者を見抜くチェックポイント
電気工事士の資格と登録の有無を確認する
これは大前提です。会社のウェブサイトに「第一種・第二種電気工事士在籍」といった記載があるか、「登録電気工事業者」としての登録番号が明記されているかを確認しましょう。
見積書の内訳が明確か
「工事一式 〇〇円」といった大雑把な見積もりではなく、「基本工事費」「配線工事費」「部材費」「開口費」など、何にいくらかかるのかが詳細に記載されているかを確認しましょう。
不明瞭な項目があれば、遠慮なく質問することが重要です。誠実な業者であれば、丁寧に説明してくれます。
複数の業者から見積もりを取る(相見積もり)
できれば2~3社から見積もりを取ることをお勧めします。これにより、費用の適正な相場感が分かりますし、極端に安すぎたり高すぎたりする業者を避けることができます。
また、電話やメールでの応対の丁寧さ、現地調査の際の担当者の人柄などを比較検討する良い機会にもなります。
施工事例や口コミを確認する
その業者が過去にどのような工事を手がけてきたのか、ウェブサイトなどで施工事例を確認してみましょう。また、実際に利用した人の口コミや評判も、業者選びの参考になります。
現地調査で正確な費用と配線方法を知る
最終的に、あなたの家で隠蔽配線が可能かどうか、そしてそのための正確な費用を知るためには、プロによる現地調査が絶対に必要不可欠です。
電話やメールでのヒアリングだけで「隠蔽配線で〇〇円でできますよ」と安易に確定料金を提示してくる業者には、少し注意が必要かもしれません。
なぜなら、実際に現場を見てみないと分からない要素(壁の中の予期せぬ障害物など)が非常に多いからです。
私たちプロは、現地調査の際に、壁をコンコンと叩く打診、点検口からの目視、場合によっては専用のファイバースコープカメラを使って、壁の内部構造や最適な配線ルートを徹底的に調査します。
その上で、お客様のご要望を叶えるための最適な工事方法と、追加料金の発生しない正確な見積もりをご提案させていただいています。
工事を依頼するかどうかの最終的な判断は、必ず専門家の現地調査を受けた後、提示された詳細な見積書の内容にしっかり納得してから行うようにしてください。
それが、後になって「話が違う!」といったトラブルを防ぎ、費用面でも仕上がり面でも満足のいくコンセント増設を実現するための、最も確実な方法です。
コンセントの増設で壁の中に配線を通す工事の総括

今回は、コンセント増設における壁内配線(隠蔽配線)について、DIYの危険性からプロの工事内容、費用相場、そして業者選びのコツまで、かなり詳しくお話しさせていただきました。
この記事を通してお伝えしたかった最も重要なメッセージは、「壁の中の電気配線は、専門知識のない方がDIYで触ってはいけない領域である」ということです。
火災や感電という命に関わるリスク、そして法律違反となり罰則を受ける可能性があるという事実を、ぜひ心に留めておいていただければと思います。
不適切な工事は、漏電を引き起こす大きな原因ともなります。漏電は火災だけでなく、感電事故にも直結する非常に怖い現象です。
初期費用はかかりますが、長期的な安全性と、配線が露出しない美しい仕上がりを考えれば、壁内配線工事は私たち電気工事のプロフェッショナルにお任せいただくのが最善の選択だと確信しています。
横浜・川崎・東京都南部エリアで業者をお探しの方へ
横浜電気工事レスキューでは、経験豊富な電気工事士が、お客様一人ひとりのご要望や住宅の状況を丁寧にお聞きし、最適なプランをご提案させていただきます。
「うちの壁でも隠蔽配線はできるかな?」「まずは費用がどれくらいになるか知りたい」など、どんな些細な疑問やご相談でも大歓迎です。
現地調査とお見積もりは無料で行っておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。あなたの暮らしが、より快適で安全になるお手伝いができれば幸いです。


