ダウンライトを引っ掛けシーリングに変更!費用とDIYの注意点を解説

こんにちは。横浜電気工事レスキューの主任電気工事士「天谷(あまたに)富士夫」です。
最近、特にマンションや戸建てのリノベーションを検討されているお客様から、「部屋の雰囲気をガラリと変えたいので、固定されているダウンライトから、好きな照明を吊るせる引っ掛けシーリングに変更したい」というご相談を非常に多くいただきます。
確かにおしゃれなペンダントライトや、機能的なシーリングライトに交換できれば、お部屋の印象も生活の快適さも大きく向上しますよね。
ただ、いざ「自分でやってみようかな」とネットで検索してみると、工事費用の相場や必要な資格のこと、賃貸マンションやアパートでの契約上の制約、さらには「変換アダプターを使えば工事不要で簡単」といった甘い誘い文句まで、様々な情報が溢れていて、何が正解で何が危険なのか迷ってしまうことも多いのではないでしょうか。
特に「工事不要で後付けできますか?」というご質問は現場でも頻繁にいただきますが、安易なDIYは火災や落下事故など、取り返しのつかない事態につながることもあるため、プロとして警鐘を鳴らさざるを得ません。
この記事では、現場で数多くの照明工事を手掛けてきた私の経験に基づき、安全かつ確実にダウンライトを引っ掛けシーリングへ変更するための正しい知識をお伝えします。
記事のポイント
- 直付け照明がDIY交換できない理由と無資格工事のリスク
- 変換アダプター・ソケット後付けの危険性
- 賃貸で工事前に確認すべき契約ポイント
- 業者依頼の費用相場と信頼できる業者選び
- 1. ダウンライトを引っ掛けシーリングに変更する方法と注意点
- 1.1. 直付け照明を自分でDIY交換できない理由と資格
- 1.1.1. 電気工事士法による規制と安全上の理由
- 1.1.2. 無資格工事が招く重大なリスク
- 1.2. 変換アダプターやソケットで後付けする方法のリスク
- 1.2.1. 変換アダプター使用における3つの大きなリスク
- 1.3. 賃貸マンションやアパートで工事をやめておくべき理由
- 1.3.1. 原状回復義務と契約違反のリスク
- 1.3.2. どうしても変更したい場合の手順
- 1.4. 一体型や埋め込み式ダウンライトを変える際の手順
- 1.4.1. 1. 現場調査と養生、安全確保
- 1.4.2. 2. 既存ダウンライトの撤去
- 1.4.3. 3. 開口部の処理と下地補強(最重要工程)
- 1.4.4. 4. 結線と設置、仕上げ
- 1.5. 絶縁処理やコンセント増設が必要なケースとは
- 1.5.1. 送り配線の処理と絶縁
- 1.5.2. コンセント増設のチャンス
- 1.6. 工事の前に必ず確認してほしい「スイッチ」と「天井の形」
- 1.6.1. 1. 「調光スイッチ(ダイヤル式・スライド式)」の罠
- 1.6.2. 2. 「センサー付き」や「電子スイッチ」との相性
- 1.6.3. 3. 「傾斜天井(勾配天井)」への取り付け
- 1.6.4. 工事・購入の前にプロへ相談を
- 1.7. おしゃれなペンダントライトを取り付ける代替案
- 1.7.1. 1. コンセント式ダクトレールの活用
- 1.7.2. 2. フロアライトやテーブルランプによる多灯分散照明
- 1.7.3. 3. 突っ張り棒式の照明システム
- 2. ダウンライトから引っ掛けシーリングに変更する費用と業者
- 2.1. 専門業者に依頼した場合の取り付け費用と相場
- 2.1.1. 費用が変わるポイント
- 2.2. 電気工事の費用を安く抑える見積もりのコツ
- 2.2.1. 1. 複数箇所をまとめて依頼する
- 2.2.2. 2. 施主支給を活用する
- 2.3. 信頼できるリフォーム会社や電気屋さんの選び方
- 2.3.1. 1. ヒアリングと事前確認の「深さ」を見る
- 2.3.2. 2. 見積書の「一式」表記と「自社施工」を確認する
- 2.3.3. 3. 地域密着店ならではのアフターフォロー
- 2.4. 工事後の天井クロスの補修や跡残りの対策
- 2.4.1. リニューアルプレートの活用(コスパ重視)
- 2.4.2. クロス張り替えによる完全修復(仕上がり重視)
- 2.5. ダウンライトを引っ掛けシーリングに変更して快適な生活を
ダウンライトを引っ掛けシーリングに変更する方法と注意点
まず最初に、ダウンライトを引っ掛けシーリングに変更するための具体的な工法と、その際に絶対に知っておいていただきたい技術的・法的な注意点についてお話しします。
特に「自分でできるのか?」「YouTubeで見たら簡単そうだった」という点は一番気になるところだと思いますが、プロの視点から、安全性と法律の観点を踏まえて詳しく解説していきます。

直付け照明を自分でDIY交換できない理由と資格
ダウンライトから引っ掛けシーリングへの変更は、天井裏の配線(直結配線)に手を入れる作業になることが多く、原則として電気工事士(第二種電気工事士など)の資格者が行う必要があります。
資格が不要な「軽微な工事」は法令で範囲が限られており、引っ掛けシーリングの新設・結線を伴う工事は、一般にその範囲に入りません。(参考:電気工事士法施行令(軽微な工事の範囲)|e-Gov法令検索)
電気工事士法による規制と安全上の理由
ダウンライトの多くは、天井裏を通っているVVFケーブル(電線)と照明器具が直接つながっている「直付け照明(直結配線)」というタイプです。これを引っ掛けシーリングに交換するには、以下の作業が必須となります。
- 既存の電線を器具から取り外す、または切断する
- 電線の被覆を適切な長さに剥く
- 新しい配線器具(引っ掛けシーリングボディ)に電線を結線する
- 配線器具を天井の造営材に固定する
これらの作業はすべて「電気工事」に該当し、法律(電気工事士法)により「第二種電気工事士」以上の国家資格を有する者でなければ行ってはならないと厳格に定められています。
これは単なる形式的なルールではなく、感電や漏電、火災を防ぐための安全基準です。
無資格工事が招く重大なリスク
「YouTube動画で見たら簡単そうだったから」と見よう見まねで作業される方もいらっしゃるかもしれませんが、これは非常に危険です。
例えば、電線の被覆を剥きすぎて銅線が露出していればショート(短絡)の原因になりますし、逆に接続が緩ければ「接触不良」による異常発熱を引き起こし、最悪の場合は天井裏で火災が発生する恐れがあります。
さらに注意したいのは、無資格のDIY工事が原因で事故が起きた場合、ご加入の火災保険の約款によっては「重大な過失」や「法令違反」などを理由に、補償が制限される(免責となる)可能性がある点です。
補償の可否は契約内容によって異なるため、心配な場合は事前に保険会社へ確認しておくと安心です。
数万円の工事費を節約しようとして、家や財産、最悪の場合は命を失うリスクを負うことは絶対におすすめできません。(出典:経済産業省『電気工事の安全(資格が不要な軽微な工事の範囲等)』)
ご自身で交換できるのは、すでに天井に「角型引っ掛けシーリング」や「丸型フル引っ掛けシーリング」などの配線器具が付いていて、そこにカチッと照明器具をはめ込む場合だけです。
配線をいじる作業は、必ず私たちのような有資格者にお任せください。
電気工事士の資格や、DIYの可否についてさらに詳しく知りたい方は、『埋め込みダウンライトの交換費用やDIYの可否について』の記事も参考にしてみてください。

変換アダプターやソケットで後付けする方法のリスク
ネットショップやSNSなどで「工事不要!ダウンライトをペンダントライトに」といった謳い文句で、ダウンライトの電球ソケット(E26口金やE17口金)にねじ込んでコンセントや引っ掛けシーリングに変換する「変換アダプター(セパラボディ等)」が紹介されていることがあります。
「これなら電気工事がいらないから解決だ!」と思われるかもしれませんが、プロとしてはこの方法はあまりお勧めできません。
変換アダプター使用における3つの大きなリスク
1. 落下の危険性(耐荷重の問題)
ダウンライトの電球ソケット(レセプタクル)は、あくまで数十グラム程度の「電球」を支えるために設計されています。
そこに重いペンダントライトやシーリングライト(数キログラム)を吊り下げると、ソケットの根元や器具のバネが重さに耐えきれず、器具ごと落下する事故につながります。頭上に落ちてくれば大怪我の元です。
2. 熱による火災リスク(断熱施工の問題)
住宅用ダウンライトには、断熱材の施工方法に対応したタイプ(例:SB形/SGI形など)や、断熱施工天井での安全性を示す自主評定の表示(いわゆるSマーク)が付いた器具があります。
こうした器具は「断熱材で覆われる/近接する」ことを前提に、熱の条件まで含めて設計されています。
そのため、口金変換アダプター等でメーカーが想定しない器具を追加したり、放熱状態を変えてしまう取り付け方をすると、器具の過熱や部材劣化のリスクが高まります。
断熱施工対応(SB形・SGI形など)の器具ほど熱条件がシビアになりやすいので、取扱説明書どおりの適合器具・適合ランプ・施工方法で使用することを徹底してください。
(参考:埋込み形照明器具自主評定情報(Sマーク)|一般社団法人日本照明工業会)
3. 接触不良と破損
ダウンライトには、電球を斜めに挿入するタイプ(斜め取り付け)が多く存在します。
こうした器具に無理やりアダプターをねじ込もうとすると、反射板や縁に干渉して奥までしっかり入らず、接触不良によるスパークや発熱を引き起こす原因となります。
手軽さは魅力的ですが、安全性を犠牲にしてしまっては元も子もありません。長く安心して使うためにも、リスクのある裏技ではなく、正規の工事を行うことを強くおすすめします。
賃貸マンションやアパートで工事をやめておくべき理由
賃貸物件にお住まいの方からのご相談も非常に多いのですが、残念ながら賃貸の場合、ダウンライトの変更工事には大きなハードルがあります。
原状回復義務と契約違反のリスク
まず大前提として、賃貸物件に設置されているダウンライトは、大家さんや管理会社の所有物(建物の付帯設備)です。
これを借主が勝手に取り外したり、天井にビス穴を開けて引っ掛けシーリングに変更したりすることは、賃貸借契約における「造作の変更」にあたり、契約違反になる可能性が高いです。
また、退去時には入居時の状態に戻す「原状回復義務」が発生します。ダウンライトから引っ掛けシーリングへの変更工事では、天井の下地にビスを打ち込んだり、場合によってはクロス(壁紙)をカットしたりします。
もし無断で工事をしてしまうと、退去時にダウンライトを元に戻す電気工事費用だけでなく、天井クロスの全面張り替え費用や、ビス穴による石膏ボードの修復費用まで請求され、敷金が返ってこないどころか高額な追加出費になってしまうこともあります。
(参考:「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について|国土交通省)
どうしても変更したい場合の手順
「どうしても照明を変えたい」という場合は、独断で進めず、必ず事前に管理会社や大家さんに相談し、書面での許可を得るようにしましょう。
「古いダウンライトで部屋が暗いため、生活に支障がある」といった正当な理由があれば、オーナー負担での交換や、許可が出るケースも稀にあります。
ただし、現実的には原状回復の観点から許可が下りないケースの方が多いのが実情です。
また、もし既存の引っ掛けシーリングや配線器具にひび割れなどの劣化が見られる場合は、速やかに管理会社へ連絡する必要があります。
放置しておくと危険な状態になりかねません。
詳しくは以下の『角型引掛シーリングが割れたときの危険性と正しい交換方法』でも解説していますので、状況確認の参考にしてください。
一体型や埋め込み式ダウンライトを変える際の手順
では、持ち家などで実際にダウンライトを引っ掛けシーリングに変更する場合、私たちプロはどのような手順で工事を行うのか、現場のリアルな流れをご説明します。
これにより、なぜDIYが難しいかがより具体的にお分かりいただけるかと思います。
1. 現場調査と養生、安全確保
まず作業場所の家具や床が汚れないよう養生を行い、ブレーカーを確実に落とします。検電器を使って電気が来ていないことを確認してから作業に入ります。
2. 既存ダウンライトの撤去
埋め込まれているダウンライト本体を天井から慎重に取り外します。器具と電線が接続されている部分を取り外し(または切断し)、器具を引き抜くと、天井には直径10cm〜15cmほどの丸い大きな穴(埋込穴)が残ります。
3. 開口部の処理と下地補強(最重要工程)
ここが工事の肝です。引っ掛けシーリングは小さな部品なので、ダウンライトの大きな穴にはそのまま固定できません。また、天井材(石膏ボード)だけでは強度が足りず、照明器具を支えられません。
そのため、以下のいずれかの方法をとります。
- リニューアルプレートの使用
穴を塞ぐための専用の金属製プレートを使用し、そのプレート自体を天井裏の野縁(下地)や補強材に固定する方法です。 - 木材による下地補強
天井裏に角材などの補強材を挿入し、穴をまたぐように固定して、そこに引っ掛けシーリングを取り付けられる土台を作ります。
4. 結線と設置、仕上げ
天井裏から出ているVVFケーブルを、引っ掛けシーリングの端子に極性(接地側・非接地側)を間違えないよう確実に接続します。
その後、補強した下地やプレートにボディをしっかりとビス留めします。最後にプレートと天井の隙間がないか確認し、新しい照明器具を取り付けて点灯確認を行います。
絶縁処理やコンセント増設が必要なケースとは
ダウンライトの交換工事では、単なる交換だけでなく、配線の処理が必要になるケースが多々あります。
送り配線の処理と絶縁
ダウンライトは、1つのスイッチで複数個が同時に点灯するように配線されている(送り配線)ことが一般的です。
そのうちの1つだけを引っ掛けシーリングにして、残りのダウンライトは廃止したい(穴を埋めたい)という場合、配線を単純に切断して放置するのは危険です。
使わなくなる配線には電気が来ている可能性があるため、末端は差込形コネクタや閉端接続子(絶縁キャップ)等で確実に終端処理し、必要に応じてジョイントボックス内に収めるなど、天井裏で外れたり他の金属部に触れたりしない形で安全に処理します。
絶縁テープのみに頼る処理は避け、確実に固定・保護できる方法で施工することが重要です。
コンセント増設のチャンス
また、ダウンライトには電源が来ているため、この配線を利用して「天井付近や近くの壁にコンセントを新設したい」というご要望をいただくこともあります。
プロジェクター用の電源や、防犯カメラ用の電源として活用できるため、工事のついでに検討されるのも良いアイデアです。これらの作業も回路図を理解し、電気容量を計算できるプロならではの仕事です。
コンセントの増設に関しては、室内だけでなく屋外への設置事例もございます。配線工事の参考として、以下の『屋外コンセント設置の施工事例(防水・配線のポイント)』もご覧いただくと、工事の幅広さがお分かりいただけるかと思います。
コンセントの増設にかかる費用相場や、DIYが可能かどうかといった基本的な疑問については、以下の『コンセントの増やし方(DIY可否・費用相場・工事の注意点)』の記事でさらに詳しく掘り下げていますのであわせてご覧ください。
工事の前に必ず確認してほしい「スイッチ」と「天井の形」
ダウンライトを交換する際、天井の穴の大きさと同じくらい重要なのが、「壁のスイッチ」と「天井の傾斜」です。
これらは意外と見落とされがちですが、確認を忘れると「せっかく買った照明が使えない」「当日に工事ができない」といったトラブルの原因になります。 ご自宅の状況をチェックしてみてください。
1. 「調光スイッチ(ダイヤル式・スライド式)」の罠
壁のスイッチが、明るさを調節できる「調光機能付き」になっていませんか?
実は、LED照明への交換は、「器具(電球)が調光に対応しているか」だけでなく、「壁の調光器との相性(適合条件)」が合わなければ使用できません。
適合表にない組み合わせでは、不具合が起きるリスクが高いため注意が必要です。
何が起きる?
「調光ダイヤルをMAX(明るさ100%)にすれば使える」と誤解されがちですが、これは危険です。
調光スイッチを経由した電気は波形が特殊なため、非対応のLED器具をつなぐと「チラつき」や「不点灯」だけでなく、「寿命が縮む」「異常発熱する」といった不具合につながります。最悪の場合、故障や発煙のおそれがあるため、無理な使用は禁物です。
必要な対策
対策は大きく2つあります。
- スイッチを交換する
現在の調光スイッチをやめて、一般的な「ON/OFFスイッチ(片切スイッチ)」に交換する電気工事を行います。 - 適合する器具を選ぶ
調光スイッチを残す場合は、必ず「調光対応」と明記された照明器具を選び、メーカーが指定する「適合調光器リスト」に、ご自宅のスイッチが載っているかを確認してください。
2. 「センサー付き」や「電子スイッチ」との相性
玄関や廊下で多いのが、壁のスイッチが「人感センサー付き」や、OFFの時に緑色のランプが光る「電子スイッチ(ほたるスイッチ等)」になっているケースです。
何が起きる?
「ほたるスイッチ」などは、ランプを光らせるためにスイッチOFF時でも微弱な電流が流れています。
そのため、交換した新しいLED照明の種類によっては、「スイッチを切っているのにぼんやり光る(ゴースト点灯・微点灯)」現象が起きたり、正常に消灯しなかったりすることがあります。
また、センサー付きスイッチとの相性で動作不良が起きることもあります。
必要な対策
照明器具を選ぶ際、「ほたるスイッチ対応」「センサー付スイッチ対応」などの注意事項を確認するか、相性問題が出ないよう壁スイッチ側を通常のスイッチへ交換することを検討してください。
3. 「傾斜天井(勾配天井)」への取り付け
ダウンライトがついている天井は、床と平行な「平らな天井」でしょうか? それとも屋根の勾配に合わせて斜めになっている「傾斜天井」でしょうか?
何が起きる?
一般的な「引っ掛けシーリング」は、基本的に平らな天井への設置を前提としています。
斜めの天井にそのままペンダントライトを吊るすと、コードが根元で折れて負荷がかかり(断線リスク)、見た目も不格好になります。
また、シーリングライトは落下のリスクがあるため、指定外の取り付けはできません。
必要な対策
傾斜天井には、必ず以下の対策が必要です。
- ペンダントライトの場合
「傾斜天井用引掛シーリング」が設置されているか確認するか、市販の「傾斜天井用アダプター(フランジ)」を使用して、器具が真下に垂れるように調整してください。 - シーリングライトの場合
必ず「傾斜天井対応」と明記された専用の照明器具を選び、対応する角度の範囲内で設置してください。
工事・購入の前にプロへ相談を
これらの判断は専門的な知識が必要な場合もあります。「今のスイッチで大丈夫かな?」と不安な場合は、写真を撮って事前に工事店や電気店へ相談することをおすすめします。
おしゃれなペンダントライトを取り付ける代替案
「賃貸だから工事は無理」「費用をかけたくないけど部屋の雰囲気は変えたい」という方でも、諦めるのはまだ早いです。ダウンライトはそのままで、お部屋の照明環境をアップグレードする方法はいくつかあります。

1. コンセント式ダクトレールの活用
もしお部屋の壁コンセントが使えるなら、スタンド式のダクトレールや、壁や天井の隅に這わせるタイプのコンセント式ライティングレールを設置する方法があります。
これなら天井に穴を開けずに、お好みのペンダントライトを吊るすことが可能です。
2. フロアライトやテーブルランプによる多灯分散照明
日本の住宅は天井照明(シーリングライト)1つで部屋全体を明るくしがちですが、海外のホテルのように、フロアライトやテーブルランプを複数置く「多灯分散照明」を取り入れると、お部屋の雰囲気は劇的におしゃれになります。
ダウンライトは補助的な明かりとして使い、メインの演出を間接照明に任せるのも素敵なテクニックです。
3. 突っ張り棒式の照明システム
床と天井で突っ張るポールタイプの照明システム(ドローアラインなど)を使えば、工事不要で好きな高さにライトを設置でき、ペンダントライトのような演出も可能です。これなら賃貸でも跡を残さずに設置できます。
ダウンライトから引っ掛けシーリングに変更する費用と業者
次に、皆さんが一番気になるであろう「お金」の話と、「どこに頼めばいいか」について、現場の人間としての本音を交えてお話しします。
決して安くない工事ですから、適正価格を知り、安さだけで選んで失敗しないようにしてください。
専門業者に依頼した場合の取り付け費用と相場
ダウンライトから引っ掛けシーリングへの変更工事を検討する際、やはり一番気になるのは「結局いくらかかるの?」という点ですよね。
リフォーム工事には定価がないため、業者によって提示額に幅が出ることがあります。
照明工事全体の相場感を把握しておきたい方は、以下の『照明器具交換の費用相場(工事料金と業者選びのコツ)』もあわせてご覧ください。
他の器具と比較することで、ダウンライト工事の適正価格も見えやすくなるはずです。
しかし、私たちプロの目から見て「適正価格」といえるラインは確実に存在します。安すぎる見積もりには手抜き工事(絶縁処理の省略や補強不足)のリスクが潜み、高すぎる見積もりは過剰な利益が乗っている可能性があります。
ダウンライトの開口寸法(φ100mm〜φ150mmなど)や天井裏の状況によって多少の前後はありますが、安心して工事を任せられる標準的な費用内訳は以下の通りです。
| 費目 | 費用目安(税込) | 具体的な内容と変動要因 |
|---|---|---|
| 基本技術工事費 | 6,000円〜10,000円 | 既存ダウンライトの取り外し・撤去作業 電線の絶縁処理・結線作業 天井下地の補強および引っ掛けシーリングの固定作業 ※天井裏が狭く作業困難な場合や、配線延長が必要な場合は割増になることがあります。 |
| 部材・材料費 | 3,000円〜6,000円 | リニューアルプレート: 穴を塞ぐための化粧板(Panasonic製などのメーカー純正品を使用する場合、2,000円〜4,000円程度) 引っ掛けシーリングボディ: 角型やローゼット等の配線器具代 補強材・雑材: 固定用の木材やビス、コネクタ等 |
| 出張費・諸経費 | 3,000円〜6,000円 | 作業員の移動交通費および車両燃料費 駐車場代: 敷地内に駐車スペースがない場合、近隣コインパーキングの実費を請求されることが一般的です。 廃棄処分費: 取り外した古いダウンライトを業者が持ち帰って処分する場合の費用(産業廃棄物処理費)。 |
| 合計目安 (1箇所あたり) | 12,000円〜22,000円 | あくまで工事費のみの総額です。 新しい照明器具(シーリングライト等)の本体代金は含まれていません。 |

費用が変わるポイント
- ダウンライトの穴の大きさ
穴が大きい(φ150mm以上)と、使用するリニューアルプレートが大型化し、部材費が少し上がります。 - 天井の高さ
一般的な天井高(2.4m前後)であれば脚立で作業可能ですが、吹き抜けや階段上など高さが3mを超える場所では、足場の設置や特殊な梯子が必要となり、高所作業費(5,000円〜数万円)が別途加算されるケースが多いです。 - 地域性
都心部などでは駐車料金が高いため、諸経費が高めに設定される傾向があります。
ざっくりとした目安として、一般的なお部屋で複数箇所をまとめて依頼する場合は、工事費総額が1箇所あたり1万5千円〜2万円台に収まることが多いです。
ただし、1箇所だけの単発依頼では出張費・最低工事料金の影響が大きくなり、総額が2万円〜4万円前後になるケースも珍しくありません。
ここに、ご自身で購入される新しい照明器具(シーリングライトやペンダントライト)の代金を足した金額が、お部屋の模様替えにかかるトータルコストとなります。
「意外とかかるな」と思われるかもしれませんが、一度工事をして引っ掛けシーリングにしてしまえば、その後はご自身で何度でも好きな照明に交換できるようになるため、長期的なメリットは非常に大きいですよ。
より詳細な引っ掛けシーリングの取り付け費用については、『引っ掛けシーリングの取り付け工事費用の詳細』の記事でも解説しています。
電気工事の費用を安く抑える見積もりのコツ
工事費用は決して安くありませんが、品質を落とさずに費用を抑えるコツはいくつかあります。
1. 複数箇所をまとめて依頼する
電気工事の費用構造で意外とウェイトを占めるのが「出張費(人件費)」です。職人が現場に行く手間は、ダウンライトを1つ交換するのも、リビングの4つを全部交換するのも同じです。
そのため、1箇所だけ頼むよりも、複数箇所を同時に依頼する方が、2箇所目以降の工事費を割引してくれる業者が多く、1箇所あたりの単価を下げることができます。
2. 施主支給を活用する
照明器具本体(シーリングライトやペンダントライト)は、業者のカタログから定価に近い価格で選ぶよりも、ご自身でネット通販や家電量販店で安く購入し、工事だけを依頼する「施主支給」の方がトータルコストを抑えられる場合が多いです。
ただし、業者によっては「自社で器具を買わないと工事を受けない」「施主支給の場合は工事費が割高になる」というケースもあるので、見積もり依頼時に必ず確認しましょう。
ダウンライトとシーリングライト、どちらがトータルコストでお得か気になる方は、『ダウンライトとシーリングライトの費用比較』もご覧ください。
信頼できるリフォーム会社や電気屋さんの選び方
ダウンライトの交換工事は、決して安い買い物ではありませんし、何より天井裏の電気配線を触る工事ですから、業者の技術力が安全性を左右します。
しかし、残念ながら中には資格を持たないスタッフに作業をさせたり、現場で高額な追加請求をしたりする悪質な業者も存在するのが実情です。
失敗しない業者選びのために、私たちプロが「もし自分が客として頼むならここを見る」というポイントを本音で解説します。
1. ヒアリングと事前確認の「深さ」を見る
最初の問い合わせや現地調査の際、業者がどれだけ詳しく状況を確認しようとするかが、一番の判断基準になります。
信頼できる業者は、トラブルを未然に防ぐために以下のような質問を必ず投げかけます。
- 「ダウンライトの枠の外径(埋込穴寸法)は何センチですか?」
- 「スイッチを入れたとき、そのダウンライトだけが点きますか? それとも他と連動していますか?」
- 「天井裏の断熱材の有無はわかりますか?(または、器具に『S』などのマークはありますか?)」
これらは、適切なリニューアルプレートを選定し、安全に工事を行うために不可欠な情報です。逆に、現場の状況も聞かずに「一律〇〇円で即日工事!」と安さを強調する業者は要注意です。
当日になって「規格外だから」と高額な追加料金を請求されたり、最悪の場合、部材が合わずに工事を中断されたりするリスクがあります。
2. 見積書の「一式」表記と「自社施工」を確認する
見積書が出てきたら、金額だけでなく内訳を見てください。「照明交換工事 一式」とだけ書かれていて、何にいくらかかっているのか不明瞭な場合は危険信号です。
「部材費」「廃材処分費」「出張費」などが明確に分かれている業者の方が、誠実で明朗会計だと言えます。
また、「自社施工かどうか」も重要なポイントです。 大手リフォーム会社や家電量販店の場合、実際の工事は下請けの協力会社が行うことが多く、中間マージンが発生して費用が割高になりがちです。
また、窓口と現場の連携がうまくいかず、「聞いていた話と違う」というトラブルも起きやすいと聞きます。
その点、私たちのような「自社施工の電気工事店」であれば、中間マージンがなく適正価格で工事ができ、職人が直接お客様のご要望を伺うので、話の食い違いも起こりません。
3. 地域密着店ならではのアフターフォロー
電気工事は「工事して終わり」ではありません。数年後に「スイッチの効きが悪くなった」「別の場所も照明を変えたい」といった相談事が出てくるものです。
遠方の業者やネットだけの格安業者だと、施工後の小さな不具合で呼んでも「出張費が高額」だったり、そもそも連絡が取れなくなったりすることがあります。
地元の地域密着店であれば、何かあったときにすぐに駆けつけられますし、お客様との長いお付き合いを前提にしているため、無理な営業や手抜き工事は絶対にしません(地元の評判が悪くなると営業できなくなりますからね)。
業者に電話するときはこれを聞こう!
問い合わせの際に、以下の質問をしてみてください。
「もし工事の当日に、天井の下地補強が必要だとわかった場合、追加料金はいくらくらいかかりますか?」
この質問に対して、「その場合は+〇〇円程度です」と具体的に答えてくれる業者は経験豊富で信頼できます。「見てみないとわかりませんが、高くなるかもしれません」と曖昧にごまかす業者は、避けたほうが無難でしょう。
地元の評判やホームページの施工事例、Googleマップの口コミなども参考にしながら、値段だけでなく「安心して任せられるか」という視点で選んでみてください。
工事後の天井クロスの補修や跡残りの対策
工事を検討されている方が機能面以上に心配されるのが、「交換した後に天井の穴や汚れが見えてしまって、見栄えが悪くならないか」という点です。
照明器具が変わっても、天井に変な跡が残ってしまっては台無しですからね。
リニューアルプレートの活用(コスパ重視)
ダウンライトの穴(φ100〜φ150mm)は引っ掛けシーリングよりも大きいため、そのままでは穴が丸見えになります。そこで一般的に使用するのが、先ほども触れた「リニューアルプレート」です。
(参考:《ダウンライト》器具を外した後の穴を塞ぐプレートはありますか。 - テクニカル照明 - Panasonic)
Panasonicや東芝などの大手照明メーカーから販売されており、既存の穴をきれいに隠しながら、中央に引っ掛けシーリングを設置できる専用部材です。基本的には天井に馴染むホワイトカラーですが、最近は和室用やブラックなどデザイン性の高いものもあります。
これを使えば、内装工事なしで手軽にきれいに仕上がるため、コストパフォーマンスを重視される方には最も現実的で賢い選択肢かなと思います。
クロス張り替えによる完全修復(仕上がり重視)
一方で、「プレートの段差や存在感も許せない」「新築のように真っ平らな天井にしたい」という場合は、リニューアルプレートを使わず、以下の手順で「内装復旧工事」を行う必要があります。
- 電気工事士がダウンライトを撤去し、配線を処理する
- 大工さんが天井の石膏ボードを部分的に張り替え、穴を塞ぐ
- 内装職人がパテ埋めをして段差をなくし、天井全体のクロス(壁紙)を貼り直す
- 最後に引っ掛けシーリングを取り付ける
ここまでやると仕上がりは完璧ですが、電気工事以外に「大工工事」と「内装工事」が加わるため、費用は数万円〜十数万円単位で高額になります。
こだわり派の方へ:弊社ならワンストップで対応可能です!
「高くてもいいから、とにかく完璧に仕上げたい!」 そんなこだわり派のお客様も、ぜひ私たちにお任せください。実は、私たち横浜電気工事レスキューの母体は「総合リフォーム会社」なんです。
一般的な電気屋さんだと、「ウチは電気だけだから、クロスの張り替えは別の業者を探してください」と言われてしまい、お客様ご自身で複数の業者を手配する手間が発生しがちです。
しかし、私たちの場合は電気工事から天井の穴埋め補修、クロスの張り替えまで、すべてワンストップでお引き受けできます。
窓口が一つで済むので連絡の手間もありませんし、工事の連携もスムーズです。
「せっかくのリノベーションだから妥協したくない」という方も、電気と内装をセットでご提案させていただきますので、遠慮なくご相談ください。

ダウンライトを引っ掛けシーリングに変更して快適な生活を
今回は、固定式のダウンライトから、自由に器具を選べる引っ掛けシーリングへの変更について、DIYの危険性や具体的な工事手順、そして気になる費用の相場まで、現場の最前線にいるプロの視点で詳しくお話しさせていただきました。
記事の中でも繰り返しお伝えしましたが、照明はお部屋の印象を決定づける最も重要なインテリア要素の一つです。
ダウンライト特有の「真下しか明るくない」「電球の色が変えられない」といった不満を解消し、お気に入りの北欧風ペンダントライトの下で家族と食事を楽しんだり、最新の調光・調色機能付きシーリングライトで読書やリモートワークを快適にこなしたりすることは、間違いなく生活の質(QOL)を向上させてくれます。

また、一度工事をして引っ掛けシーリング化してしまえば、将来的に「やっぱり違うデザインの照明にしたいな」と思ったとき、ご自身で工具を使わずにカチッと交換できるようになるという自由度の高さも、非常に大きなメリットです。
しかし、その快適な生活を手に入れるためのプロセスにおいて、安全性だけは決して妥協してはいけません。
電気工事は、壁の裏や天井裏という「普段目に見えない部分」での作業だからこそ、確かな知識と技術が必要です。
「工賃を数万円節約したい」という思いで無理なDIYや危険なアダプター使用に走り、大切なご自宅を火災のリスクに晒してしまっては、元も子もありません。
私たち電気工事士は、ただ配線をつなぐだけでなく、お客様がこの先10年、20年と安心して暮らせる「安全」を提供しています。
横浜・川崎・東京都南部エリアで業者をお探しの方へ
もし横浜市やその周辺エリアでダウンライトの変更工事をご検討中でしたら、ぜひ私たち横浜電気工事レスキューにご相談ください。
「ウチの天井でも工事できる?」「まずは見積もりだけ知りたい」といった段階でも大歓迎です。
お客様のお部屋の状況に合わせた、最も安全で、費用的にもご納得いただける最適なプランをご提案させていただきます。快適で安全な明かりのある暮らし作りを、私たちが全力でサポートいたします!
また、私たち横浜電気工事レスキューでは、お部屋の模様替えだけでなく、急なトラブル対応も行っております。
実際の対応事例として、以下の『浴室照明の故障も夜間対応!迅速な器具交換の施工事例』もあわせてご覧いただくと、当店の施工品質をよりイメージしていただけるかと思います。


