ネットで買った家電の取り付け!費用と依頼方法や注意点を解説

ネットで買った家電取り付け!費用と依頼方法や注意点を解説

インターネット通販の普及により、家電製品を安価に購入できる機会が増えました。しかし、ネット購入で手に入れた洗濯機や冷蔵庫といった大型家電の設置に、頭を悩ませている方も少なくないのではないでしょうか。

特に、エアコンのような専門知識を要する製品の場合、自分でDIYで取り付ける方法には、配線ミスによるトラブルや、賃貸物件での注意点など、様々なリスクが伴います。

では、専門の業者に設置のみを依頼する場合、その費用や相場はどのくらいなのでしょうか。

また、ヤマダ電機やヨドバシ、ビックカメラといった大手家電量販店の設置サービスは利用できるのでしょうか。古い家電の引き取りや、希望する場所や時間での工事は可能なのか、疑問は尽きません。

この記事では、ネットで買った家電取り付けに関するあらゆるお悩みを解決するため、依頼の方法から料金、信頼できる業者の選び方まで、具体的な情報を網羅的に解説します。

失敗や後悔を避けるための知識を身につけ、スムーズな家電設置を実現しましょう。

記事のポイント

  • 業者に設置のみを依頼する具体的な方法
  • 家電量販店と専門業者の料金相場とサービスの違い
  • DIYで設置を行う際の具体的な注意点とリスク
  • 賃貸物件での設置トラブルを未然に防ぐためのコツ

ネットで買った家電の取り付けを依頼する先と費用

  • ネット購入品の設置のみを依頼するには?
  • 優良な専門業者を見つけるための方法
  • ヤマダ電機等の設置サービスと持ち込み可否
  • 気になる費用は?料金相場と無料の範囲
  • 自分でDIYする際の配線などの注意点

ネット購入品の設置のみを依頼するには?

ネット通販で家電を購入した場合、取り付け工事は原則として別途手配する必要があります。その主な依頼先としては、「取り付け専門業者」や「地域の電気店」、「便利屋」などが挙げられます。

最も一般的な選択肢は、エアコン工事やアンテナ工事などを専門に扱う取り付け専門業者です。

これらの業者は特定の工事に特化しているため、豊富な経験と高い技術力を持っていることが多く、安心して作業を任せられる可能性が高いと考えられます。

また、中間マージンが発生しない直接依頼のため、家電量販店などを経由するよりも費用を抑えられる傾向にあります。

一方で、業者によって技術力や料金体系、保証内容が大きく異なるため、どの業者を選ぶかが非常に大切になります。

ウェブサイトで施工実績を確認したり、複数の業者から見積もりを取ったりして、サービス内容を慎重に比較検討する手間がかかる点は、一つのデメリットと言えるかもしれません。

ネット購入品の設置のみを依頼するには?
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優良な専門業者を見つけるための方法

信頼できる専門業者を選ぶことは、家電を安全かつ長期的に使用するために不可欠です。業者選定の際には、いくつかの重要なポイントを確認する必要があります。

まず確認したいのが、必要な資格の有無です。特に、コンセントの増設や電圧の切り替えといった電気配線に関わる作業は、「電気工事士」の国家資格がなければ行うことができません。

無資格での工事は違法であるだけでなく、火災や漏電といった重大な事故につながる危険性があります。業者のウェブサイトに資格保有者や「登録電気工事業者」である旨の記載があるかを確認しましょう。

次に、見積もりの明確さも判断基準となります。優良な業者は、「工事一式」といった曖昧な表現を避け、作業項目ごとに料金が明記された詳細な見積書を提示します。

何にいくらかかるのかが事前に分かるため、後から想定外の追加料金を請求されるといったトラブルを防ぐことができます。

加えて、工事後の保証制度が整っているかも大切な要素です。万が一、施工不良が原因で製品に不具合が生じた場合に、無償で修理対応してくれるのか、保証期間や範囲を事前に書面で確認しておくと安心です。

とはいえ、数ある業者の中からこれらの条件をすべて満たす優良な一社を見つけ出すのは、時間も手間もかかります。

もし、業者選びでお悩みでしたら、当社のサービス家電設置工事もぜひご検討ください。国家資格である電気工事士が必ずお伺いし、詳細な事前見積もりで追加料金の不安を解消します。

まずはお問合せフォームよりお気軽にご相談ください。

Information

業者選びは「相見積もり」が基本です。料金やサービスを比較するため、最低でも2~3社から見積もりを取りましょう。「くらしのマーケット」のようなプラットフォームを利用すると、地域の業者の口コミや料金、サービス内容を比較しやすく便利です。

優良な専門業者を見つけるための方法
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ヤマダ電機等の設置サービスと持ち込み可否

「ネットで買った商品を、近くの大手家電量販店に持ち込んで設置してもらえないだろうか」と考える方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、多くの家電量販店では、他店で購入した商品の取り付けサービス(持ち込み設置)には対応していないのが現状です。

これは、多くの量販店が製品の販売と設置工事をセットで提供するビジネスモデルを基本としているためです。自社で販売した製品だからこそ、工事まで責任を持って対応できるという考え方が背景にあります。

各社の対応状況は以下の表の通り、方針が分かれています。

家電量販店持ち込み設置の対応主な方針・備考
ヤマダ電機原則不可公式サイトで「商品の購入がなく設置工事のみは承っておりません」と明記されています。
ビックカメラ原則不可ビックカメラ 原則不可(店舗により要相談)自社購入が前提で、外部購入品は基本的に設置対象外。例外の可否は店舗へ確認してください。
ヨドバシカメラ条件付き/不明瞭カーナビなど一部製品では持ち込み対応を明記していますが、大型白物家電については店舗への確認が推奨されます。
ケーズデンキ原則不可工事費込みの「あんしんパスポート」会員向け価格が中心のため、持ち込み設置には馴染まないビジネスモデルです。
エディオン可能(※一部地域は要確認)「お手持ち商品取り付け」メニューあり。サービス対象外地域は郵便番号検索で事前に可否確認を推奨します。
Joshin可能「どこでお買い上げの商品でも OK」と明記。ただし配送・工事可能エリアが限られるためエリア判定を行いましょう。

このように、持ち込み設置を明確に受け入れているのは一部の量販店に限られます。

そのため、ネットで購入した家電の取り付けは、前述の取り付け専門業者に依頼するのがより現実的な選択肢と言えるでしょう。

ヤマダ電機等の設置サービスと持ち込み可否
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気になる費用は?料金相場と無料の範囲

家電の取り付け費用は、「標準工事費」と「追加工事費」の二つで構成されているのが一般的です。

「工事費無料」と表示されていても、実際には①製品価格に標準工事費が含まれている場合と、②基本設置のみ無料で追加工事は別途の2パターンがあるため、契約前に工事範囲を必ず確認してください。

標準工事費は、特別な作業を必要としない、最も基本的な設置にかかる料金です。

例えばエアコンの場合、「配管用の穴が既にあり、室内機と室外機を同一階の壁を挟んで設置する」といった理想的な状況が前提となります。

しかし、実際の住環境では、多くの場合で追加工事が必要になります。

主な追加工事の費用相場(目安)

追加工事の内容費用相場(税込)備考
エアコン関連
新規専用回路の増設13,000円 ~ 28,000円分電盤からの距離で変動します。
コンクリート壁の穴あけ10,000円 ~ 70,000円コンクリート壁の穴あけ 10,000円 ~ 25,000円(一般住宅・直径65mm×1箇所)※鉄筋量が多い RC 造・厚さ 30cm 超・複数箇所など特殊条件では 3~7 万円になるケースもあるため、上限値の根拠を脚注で補足してください。
室外機の特殊設置14,000円 ~ 29,000円屋根置き、壁掛け、天吊りなど。
洗濯機関連
階段での階上げ作業1フロア 1,100円 ~エレベーターがない場合に発生します。
給水栓(蛇口)の交換3,000円 ~ 8,000円部品代+作業費。

このように、最終的な費用は建物の構造や設置環境によって大きく変動します。

そのため、標準工事費の安さだけで業者を判断するのではなく、自宅の状況でどのような追加工事が発生しうるかを事前に想定し、総額で比較することが大切です。

Information

見積もりを取る際は、この「総額」で判断することが失敗を防ぐコツです。特にエアコン工事では、建物の状況(コンセントの有無、壁の材質、室外機の設置場所など)を写真などで正確に伝えないと、当日に追加料金が発生する最大の原因になりますので注意しましょう。

気になる費用は?料金相場と無料の範囲
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自分でDIYする際の配線などの注意点

少しでも費用を抑えたいという思いから、家電の取り付けを自分でDIYできないかと考える方もいるでしょう。確かに、工具の扱いに慣れていれば、一部の家電設置は不可能ではありません。

しかし、DIYにはメリット以上に大きなリスクやデメリットが伴うことを理解しておく必要があります。

最大の注意点は、感電や火災、水漏れといった重大な事故につながる危険性です。特に、エアコンの取り付けや温水洗浄便座の設置には、電気工事や水道工事の専門知識が求められます。

中でも、中でも、コンセントの増設や分岐といった配線工事は、前述の通り「電気工事士」の国家資格を持つ人でなければ絶対に行ってはいけません。

無資格での作業は法律で禁止されており、電気工事士法違反には最大『3か月以下の懲役または30万円以下の罰金』が科される可能性があります。

また、万が一、DIYによる設置ミスが原因で家電製品が故障した場合、メーカーの保証対象外となってしまう可能性が極めて高いです。

修理に高額な費用がかかり、結果的に専門業者に依頼するよりも高くついてしまうケースも少なくありません。

これらのリスクを考慮すると、安全と確実性を優先し、専門知識を持つプロの業者に依頼することが最も賢明な選択と言えます。

自分でDIYする際の配線などの注意点
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ネットで買った家電を取り付ける際の流れと注意点

  • 洗濯機や冷蔵庫など大型家電の設置
  • 工事当日の場所や時間についての確認事項
  • 古い家電の引き取りは依頼できるのか
  • 賃貸物件でよくあるトラブルと注意点

洗濯機や冷蔵庫など大型家電の設置

洗濯機や冷蔵庫といった大型家電の設置では、購入ボタンを押す前の事前確認が非常に大切です。これらを怠ると、「商品が届いたのに家に入らない」といった最悪の事態になりかねません。

搬入経路の確認

まず、製品本体の寸法(幅・奥行き・高さ)を確認し、玄関ドアや廊下、階段、エレベーターなど、製品が通過する全ての場所の幅と高さをメジャーで正確に測定します。

特に、廊下の曲がり角や階段の踊り場は見落としがちなポイントです。搬入経路が確保できない場合、クレーンを使った吊り上げ搬入となり、高額な追加費用が発生することもあります。

設置場所の確認

洗濯機の場合は、設置スペースにある防水パンの内寸を測り、購入予定の洗濯機が収まるかを確認します。また、給水用の蛇口の高さや形状、排水口の位置も重要です。

蛇口が低すぎると洗濯機本体と干渉したり、特殊な形状でホースが接続できなかったりする場合があります。

冷蔵庫の場合は、設置スペースの寸法に加えて、放熱スペースが確保できるかを確認します。

製品の性能を維持し、電気代の無駄を防ぐため、冷蔵庫の左右や上部にメーカーが推奨する隙間を空ける必要があります。

洗濯機や冷蔵庫など大型家電の設置
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工事当日の場所や時間についての確認事項

取り付け工事をスムーズに進めるためには、当日の準備とコミュニケーションが鍵となります。

まず、工事当日は原則として立ち会いが必要です。作業員からの設置場所に関する最終確認や、予期せぬ問題が発生した際の相談に応じるため、在宅しておくようにしましょう。

作業を始める前に、作業員の方と一緒にもう一度、設置場所や配管のルートなどを打ち合わせし、認識の相違がないかを確認すると安心です。

また、作業員がスムーズに作業できるよう、設置場所の周辺を事前に片付け、十分な作業スペースを確保しておきましょう。

床や壁、近くの家具が傷つかないよう、業者が養生(保護シートでのカバー)を丁寧に行ってくれるかも確認したいポイントです。

作業時間の目安は、工事内容によって異なります。例えば、エアコンの標準的な取り付け工事であれば1時間半から2時間程度ですが、追加工事が多ければ半日以上かかることもあります。

依頼する際に、おおよその所要時間を確認しておくと、当日のスケジュールが立てやすくなります。

そして全ての作業が完了したら、必ず作業員と一緒に試運転を行い、正常に動作するかをその場で確認してください。

万が一の工事後の不具合に備え、工事業者独自の「工事保証書」や領収書は、家電本体の保証書と一緒に大切に保管しておきましょう。

工事当日の場所や時間についての確認事項
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古い家電の引き取りは依頼できるのか

新しい家電を設置する際、これまで使っていた古い家電の処分に困ることがあります。

エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機の4品目は、「家電リサイクル法」の対象となっており、法律に基づいた適切な方法で処分しなければなりません。

多くの取り付け専門業者では、新しい家電の設置と同時に、古い家電の取り外しと引き取りにも対応しています。ただし、これは有料のサービスであり、「リサイクル料金」と「収集運搬料金」の二つがかかります。

リサイクル料金は、メーカーや製品のサイズによって法律で定められた全国一律の料金です。一方、収集運搬料金は、業者が指定の引取場所まで運ぶための費用で、業者によって料金が異なります。

業者に引き取りを依頼する際は、リサイクル料金と収集運搬料金を含んだ総額がいくらになるのかを、事前に見積もりで確認しておくことが大切です。

依頼すれば、手続きに必要なリサイクル券の発行も代行してくれるため、自分で処分する手間を省くことができます。

古い家電の引き取りは依頼できるのか
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賃貸物件でよくあるトラブルと注意点

賃貸のアパートやマンションで取り付け工事を行う場合は、持ち家とは異なる特別な注意が必要です。トラブルを未然に防ぐため、必ず工事の前に大家さんや管理会社に連絡し、許可を得るようにしてください。

特に注意が必要なのが、壁に穴を開ける作業です。エアコンの配管用スリーブ(穴)がない部屋に新規で設置する場合、壁に穴を開けることになります。

これを無断で行うと、建物の構造上の問題を引き起こしたり、契約違反として修理費用を請求されたりする可能性があります。

また、高能力なエアコンを設置するために専用コンセントの増設が必要になる場合も、同様に許可が必要です。

万が一、許可なく工事を行ってしまった場合、退去時に原状回復義務を問われ、壁の修復費用や配線の撤去費用などを負担しなければならなくなるケースが少なくありません。

どのような工事が必要になるのかを事前に業者に確認し、その内容を大家さんや管理会社に正確に伝えた上で、書面などで許可を得ておくと、後のトラブルを確実に避けることができます。

賃貸物件でよくあるトラブルと注意
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ネットで買った家電の取り付けを成功させるには

  • ネット購入は価格が魅力的だが、取り付け工事は別途手配が必要
  • 取り付けは専門知識を持つプロの業者に依頼するのが最も安全で確実
  • 業者選びでは、電気工事士などの資格、詳細な見積もり、工事保証の有無を確認する
  • ヤマダ電機など多くの大手量販店では、他店購入品の持ち込み設置は原則非対応
  • 費用は「標準工事費」と、設置環境に応じた「追加工事費」で構成される
  • 複数の業者から見積もりを取り、追加工事費を含めた「総額」で比較検討することが大切
  • DIYでの設置、特に配線工事は、感電や火災のリスクがあり推奨されない
  • DIYでの故障はメーカー保証の対象外になる可能性が高い
  • 洗濯機や冷蔵庫は、購入前に搬入経路と設置場所の寸法を必ず測定する
  • 賃貸物件での工事、特に壁の穴あけは、必ず事前に大家や管理会社の許可を得る
  • 許可なく工事を行うと、退去時に原状回復費用を請求されるリスクがある
  • 工事当日は原則として立ち会い、作業開始前に設置場所などを再確認する
  • 作業スペースを確保し、業者が行う養生が適切かもチェックする
  • 古い家電の引き取りは、リサイクル料金と収集運搬料金を支払えば業者に依頼可能
  • 全ての作業が完了したら、試運転で正常な動作を確認し、保証書や領収書を必ず保管する