ブレーカーがすぐ落ちる対策!原因特定から根本解決まで

ブレーカーが落ちる原因と対策:安全に電気を使うためのガイド

こんにちは。横浜電気工事レスキューの主任電気工事士「天谷(あまたに)富士夫」です。

「またブレーカーが落ちた!」冬の朝や夕方の忙しい時間帯に、突然電気が使えなくなると本当に困りますよね。

エアコンや電子レンジをつけた瞬間に家が真っ暗になったり、原因がわからずブレーカーが上がらない状態になったりすると、漏電による火災の心配もあって不安になるかと思います。

特に最近はテレワークでPC作業をしている方も多く、データの消失は死活問題です。

ブレーカーから異音がする、スマートメーターの復旧方法がわからない、など具体的な悩みを抱えている方もいらっしゃるかもしれません。

この記事では、そんな「ブレーカーがすぐ落ちる」という緊急事態の対策について、原因の特定方法からご家庭でできる応急処置、そして根本的な解決策まで、これまでの経験をもとに、できるだけ分かりやすく丁寧に解説していきますね。

記事のポイント

  • ブレーカーが落ちる3つの原因とその見分け方
  • 【状況別】ご家庭でできる安全な復旧手順とNG行動
  • 電気の使いすぎを根本から解決する具体的な方法
  • 工事が必要な場合の費用相場と信頼できる業者の選び方
目次

ブレーカーがすぐ落ちる原因の特定と対策

ブレーカーがすぐ落ちるというトラブルは、日々の生活において大きなストレスになります。しかし、やみくもに対処するのは危険です。

まずは「なぜ落ちるのか?」その原因を正しく突き止めることが、安全で確実な対策への第一歩となります。

ご家庭の分電盤の中には、それぞれ役割の違うブレーカーが設置されており、どれが作動したかによって、原因はほぼ特定できます。

落ち着いて確認すれば、それが電気の使いすぎなのか、あるいはすぐに対処が必要な危険なサインなのかを見極めることができますよ。

頻繁にブレーカーが落ちるトラブルの現場で、プロがどのように解決したかについては、『町田市で頻繁なブレーカー落ちのお悩みを解消!漏電調査からブレーカー交換まで電気のプロが丁寧に対応します!』の記事でも実例をご覧いただけます。

落ちたブレーカーの種類で原因を判別

分電盤のイラスト。左からアンペアブレーカー、漏電ブレーカー、安全ブレーカーが並んでおり、それぞれのキャラクターが描かれている。

では、実際に分電盤のフタを開けて中を見てみましょう。いくつかのスイッチが並んでいると思いますが、大きく分けて3つの主役がいます。

それぞれの顔と役割を理解することが、トラブル解決の鍵を握っています。

分電盤の主なブレーカー3兄弟

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種類通称位置役割作動する原因
アンペアブレーカーサービスブレーカー左端の大きいもの家全体の電気量を管理する「大元」契約アンペアを超える電気の使いすぎ
漏電ブレーカーELCB中央(テストボタン付)電気の漏れを監視する「安全番長」漏電(感電・火災の危険あり)
安全ブレーカー配線用遮断器 / MCB右側の小さいもの複数各部屋の回路を守る「見張り役」回路ごとの使いすぎ or ショート

① アンペアブレーカー(サービスブレーカー)

左端にある大きなアンペアブレーカーのイラスト。家全体の電気量を管理する役割を示している。

分電盤の一番左に設置されている、一番大きなスイッチがこれです。電力会社との契約、例えば「30A(アンペア)」や「40A」といった、家全体で同時に使える電気量の上限を管理しています。

これが落ちたということは、家中で使っている電気の合計が契約量を超えてしまった、という非常に分かりやすい「使いすぎ」のサインです。

複数の家電を同時に使った時に落ちるのが特徴ですね。ただし、後述するスマートメーターが設置されているご家庭では、このブレーカー自体がない場合もあります。

② 漏電ブレーカー

中央にある漏電ブレーカーのイラストと、黄色い三角の警告マーク。「単なる使いすぎではありません」という注意書き。

分電盤の真ん中あたりにあり、「テスト」と書かれた赤や黄色のボタンが付いているのが目印です。その名の通り、建物内のどこかで電気が漏れている(漏電)のを検知すると作動します。

漏電は感電や火災に直結する非常に危険な状態なので、このブレーカーは私たちの命と財産を守るための、いわば「最後の砦」。

これが落ちた場合は、単なる使いすぎとは全く意味が異なり、緊急性の高いトラブルが発生していると考え、慎重に行動する必要があります。

③ 安全ブレーカー(配線用遮断器)

右端に並ぶ安全ブレーカーと、それがリビングやキッチンなどの各部屋に繋がっていることを示す図解。

分電盤の右側にズラリと並んだ小さなスイッチ群です。「台所」「居間」「エアコン」など、どの回路(部屋やコンセント)に繋がっているかが記されていることが多いですね。

このブレーカーは、担当する回路で許容量以上の電気が使われた場合や、コードの損傷などで起こる「ショート(短絡)」を検知した時に作動します。

特定の部屋の電気だけが消えた、という場合は、この安全ブレーカーが原因です。

最初のチェックポイント

  • 家中の電気が全部消えた
    アンペアブレーカーか、漏電ブレーカーが落ちています。
  • 特定の部屋やコンセントだけ電気が消えた
    落ちている安全ブレーカーを探しましょう。

この見分け方さえ覚えておけば、パニックにならず、冷静に次のステップへ進めるはずです。

「家中の電気が全部消えた?」という質問から、YESなら全体の問題、NOなら部屋の問題へと分岐するチャート図。

落ちる原因と危険性

もし落ちたのが漏電ブレーカーだったなら、それは電気の使いすぎとは次元の違う、極めて危険な状態を示唆しています。

電気が本来の通り道から逸れて、建物の金属部分や地面に漏れ出している状態。人が触れれば感電しますし、漏電箇所から火花が出て火災になることもあります。

まさに「見えない時限爆弾」のようなもので、絶対に放置してはいけません。

漏電トラブルがどのように解決されるのか、実際の施工事例として『漏電調査と分電盤交換で実現!築年数が経過した住宅の電気トラブルを解決し、安全な日常を取り戻す大和市での施工』の記事もぜひ参考にしてください。

漏電が起こる主な原因

漏電は、主に「絶縁不良」によって引き起こされます。電気を通さないためのカバー(絶縁体)が劣化したり破損したりして、中の電線が剥き出しになってしまう状態ですね。

具体的には、以下のようなケースが考えられます。

  • 経年劣化
    壁の中の配線や、長年使っている家電のコードが、時間と共に劣化・硬化してひび割れ、絶縁不良を起こす。
  • 水濡れ・湿気
    雨漏りや、お風呂場・キッチンなどの湿気が、コンセントや配線に侵入し、漏電を引き起こす。屋外の給湯器や防水コンセントのパッキン劣化も原因になりやすいです。
  • コードの損傷
    家具の下敷きになったり、ドアに挟まれたりしてコードが傷つく。また、ネズミなどの害獣が配線をかじってしまうケースも意外とあります。
  • 家電製品の故障
    家電内部の電子回路が故障し、漏電が発生する。特に、洗濯機や冷蔵庫、温水洗浄便座など水回りで使う家電は注意が必要です。

安全を確保するための漏電箇所特定手順

漏電ブレーカーが落ちると、家全体の電気が使えず非常に不便です。しかし、原因が特定できないまま無理にブレーカーを上げようとするのは絶対にやめてください。

以下の手順で、問題のある回路を特定し、それ以外の電気を安全に復旧させましょう。

漏電回路の特定と応急処置

分電盤のスイッチを操作して漏電箇所を特定する手順の図解。安全ブレーカーを一つずつ上げていき、「バチン!」と落ちる箇所を探す様子。
  1. まず、身の安全のため、分電盤の全ての安全ブレーカーを「切(OFF)」にしてください。
  2. 次に、アンペアブレーカーと漏電ブレーカーを「入(ON)」にします。この時点では、まだ漏電ブレーカーは落ちないはずです。
  3. 右側にある安全ブレーカーを、端から一つずつ、ゆっくりと「入(ON)」にしていきます。
  4. ある安全ブレーカーを入れた瞬間に、「バチン!」という音と共に漏電ブレーカーが再び落ちたら、今入れた回路が漏電している原因箇所です。
  5. 原因が特定できたら、もう一度、全ての安全ブレーカーを「切」にします。
  6. アンペアブレーカーと漏電ブレーカーを「入」にした後、原因となった安全ブレーカーだけを「切」のまま残し、それ以外の安全ブレーカーを全て「入」にします。

この手順により、漏電している危険な回路だけを切り離し、他の安全な部屋では電気を使えるようになります。ただし、これはあくまでも応急処置です。

電気工事は、電気工事士等の資格がなければ行うことができません。特定した回路は絶対に使用せず、速やかに信頼できる電気工事店に漏電調査と修理を依頼してください。

エアコン使用時に落ちる理由

止まっている車を押し出すのに大きな力が必要な様子を描いたイラスト。「動き出しが一番エネルギーを使う」という説明。

「夏場、冷房をつけた途端にブレーカーが落ちる」「冬の朝、暖房を入れると必ず落ちる」といったご相談は非常に多いです。

これは、エアコンが運転を開始する時に発生する「突入電流(とつにゅうでんりゅう)」という現象が主な原因と考えられます。

車を押す時を想像してみてください。止まっている車を最初に動かす瞬間が一番力が必要で、一度動き出せばそれほど力はいりませんよね。

エアコンの心臓部であるコンプレッサー(圧縮機)のモーターも同じで、停止状態から動き出す瞬間に、定格運転時の数倍程度(機種により異なる)の非常に大きな電流が、一瞬だけ流れます。これが突入電流の正体です。

突入電流に注意が必要な家電たち

突入電流はエアコンだけの専売特許ではありません。モーターを内蔵する家電や、電源投入時にコンデンサへ一気に充電するタイプの電子機器は、同様の現象が起こります。

  • モーター系
    冷蔵庫、洗濯機、掃除機、食洗機、乾燥機
  • ヒーター系
    レーザープリンター(定着器の加熱時)、ドライヤー
  • 電源系
    パソコン、テレビ、LED照明器具

これらの家電を使い始めるタイミングが重なると、合計電流が契約アンペアを瞬間的に超えてしまい、アンペアブレーカーが落ちやすくなります。

特に、築年数が経っている住宅で、リビングのコンセント回路とエアコンの回路が同じ安全ブレーカーに繋がっている場合、テレビを見ながらエアコンをつけると、回路の許容量(一般的に15Aまたは20A)を超えて安全ブレーカーが落ちてしまう、というケースもよくあります。

この問題に対する最も確実で安全な対策は、エアコンのためだけの独立した回路を設ける「専用回路の増設工事」です。

これにより、他の家電の使用状況を一切気にすることなく、エアコンを快適に使えるようになりますよ。

上がらない時の復旧手順

ブレーカーのスイッチを「入」にしようとしても、カチッと固定されず、すぐに「切」の位置に戻ってしまう。あるいは、一度は上がるものの、数秒でまた落ちてしまう。

これは、ブレーカーが「まだ異常が解決されていませんよ!」と教えてくれているサインです。決して、スイッチを無理やり押さえつけたり、何度も何度も素早くオンオフを繰り返したりしないでください。

ブレーカー本体の故障や、最悪の場合は過熱して火災につながる危険性があります。ブレーカーが正常に上がらない場合は、以下の手順で、もう一度原因を探ってみましょう。

  1. 全てのプラグを抜く
    まず、落ちたブレーカーが担当している回路上のコンセントから、接続されている全ての家電製品の電源プラグを抜いてください。「この家電はスイッチが切れているから大丈夫」と思っても、待機電力や内部の故障で影響している可能性があるので、面倒でも全て抜くのが確実です。
  2. ブレーカーをリセットする
    全てのプラグを抜いた状態で、もう一度ブレーカーを「入」にしてみます。この時、一度スイッチを完全に「切」側(下側)にグッと押し込んでから、「入」側(上側)に上げると、内部の機構がリセットされてスムーズに入ることがあります。
  3. 原因の家電を特定する
    上記の手順でブレーカーが上がった状態を維持できるようになったら、先ほど抜いた家電のプラグを、一つずつ、時間をあけてコンセントに差し込んでいきます。ある特定の家電を差し込んだ瞬間に再びブレーカーが落ちた場合、その家電が故障(ショートなど)している可能性が極めて高いです。

コードやプラグの焼損・変形をチェック!

原因と思われる家電が見つかったら、その電源コードやプラグ部分をよく観察してください。

プラグの根元が黒く焦げている、プラスチック部分が溶けて変形している、コードが異常に熱い、焦げ臭い匂いがする、といった症状が見られたら、それは内部でショートが起きている証拠です。

その家電は絶対に使用せず、修理に出すか、買い替えを検討してください。

もし、コンセントから全てのプラグを抜いてもブレーカーが上がらない場合は、家電ではなく、コンセント自体や壁の中の配線に問題があると考えられます。

これは専門家でなければ調査・修理ができませんので、すぐに電気工事店にご連絡ください。

スマートメーターの自動復旧と注意点

ここ数年で、ご家庭の電気メーターが「スマートメーター」に交換されたという方も多いのではないでしょうか。円盤がクルクル回る旧式のアナログメーターと違い、通信機能を備えたデジタル式のメーターのことです。

実はこのスマートメーター、従来の分電盤にあったアンペアブレーカー(サービスブレーカー)の機能を内蔵しています。

そのため、スマートメーターが設置されているご家庭では、分電盤に一番左の大きなスイッチがない、あるいは「ご契約の電力会社にお問い合わせください」といったシールが貼られて機能が停止している場合があります。

便利な自動復旧機能

スマートメーターの大きな特徴の一つが、アンペア超過時の自動復旧機能です。

家全体で電気を使いすぎて契約アンペアを超えてしまい停電した場合でも、原因となった家電の使用をやめれば、一定時間で自動的に復旧することがあります(※目安としては数十秒前後のケースが多いものの、復旧までの時間は電力会社・エリア・設備状況により異なります)。

(参考:スマートメーター展開に伴う契約アンペア容量設定の取扱いについて|東京電力

「停電した!」と思っても、慌てて分電盤を見に行く必要はありません。まずは直前に使い始めたドライヤーや電子レンジのスイッチを切って、少し待ってみてください。

この機能のおかげで、使いすぎによる停電のストレスはかなり軽減されたかなと思います。

【要注意】自動復旧のロック機能

非常に便利な自動復旧ですが、万能ではありません。短時間のうちに何度もアンペア超過を繰り返すと、安全装置が働き、自動復旧しなくなる場合があります。

一度ロックがかかってしまうと、いくら待っても電気は復旧しません。この場合は、ご契約先(または送配電事業者)の案内に従って対応してください(※停止条件は電力会社・エリアにより異なります)。

異音がする時は要注意

普段は無音のはずの分電盤から、「ジー…」「ブーン…」といった虫の羽音のような低い唸り音や、「チリチリ…」といった小さな音が聞こえてくる場合、それは分電盤が発している危険信号です。絶対に放置せず、すぐに対処を検討してください。

異音の主な原因は、ブレーカー内部の端子(電線を固定しているネジ)の緩みによる接触不良です。ネジが緩むと、電線との間にわずかな隙間ができ、そこを電気が流れようとする際に「アーク」という火花放電が発生します。このアークが異音の原因であり、同時に非常に高い熱を発生させます。

この状態を放置すると、接触不良の部分がさらに過熱し、ブレーカーの樹脂部分や周辺の配線が溶け始め、最終的には焼損、そして火災に至るという最悪のケースも考えられます。

(参考:漏電遮断器等の電線接続部からの出火防止に関する研究結果について|東京消防庁

こんな症状は特に危険!

カレンダーに「13」と書かれたイラストと、分電盤から異音や異臭がする危険な状態を示した図。
  • 分電盤のフタを開けると、焦げ臭い匂いがする。
  • 特定のブレーカーの周りが変色している、または触ると熱い。
  • 電気を使っている量に応じて、異音が大きくなったり小さくなったりする。

業界団体の資料(参考:事業計画資料内の「住宅用分電盤は13年」記載)では、住宅用分電盤について「13年」を更新の目安として示しているものがあります。

分電盤は使用環境(湿気・埃・負荷のかかり方など)で劣化の進み方が変わるため一律には言えませんが、設置から10年以上経過している、または異音・異臭・変色・発熱などの異常がある場合は、事故が起きる前に専門家による点検や更新(交換)を検討してください。

特に15年以上経過している場合は、早めの点検・更新を強くおすすめします。

もしご自宅の分電盤を15年以上交換していない、かつ異音がするような場合は、大きなトラブルが起きる前に、専門家による点検や交換を強くお勧めします。

ブレーカーがすぐ落ちる問題の根本的な対策

さて、ここまではブレーカーが落ちた際の、いわば「対症療法」について詳しく解説してきました。

しかし、毎日のように「電子レンジを使う前にエアコンを消して…」などと気にしながら生活するのは、やはり不便でストレスが溜まるものです。

ここからは、そうした日々の悩みから解放されるための、より一歩進んだ「根本的な対策」についてお話ししていきます。

初期費用がかかるものもありますが、長期的な視点で見れば、日々の快適さと何より「安全」を手に入れるための価値ある投資になるはずです。

契約アンペア変更の料金と手続き方法

家全体が停電するアンペアブレーカーが頻繁に落ちる場合、最もシンプルで直接的な解決策は、電力会社との契約アンペア数そのものを見直すことです。

家族が増えたり、消費電力の大きな家電を買い揃えたりして、気づかないうちに昔の契約のままでは容量不足になっているケースは非常に多いです。

まずは、ご自身の家庭に合ったアンペア数を知ることから始めましょう。

契約アンペア数の目安

別・契約アンペア数の目安イラスト	30A、40A、50Aそれぞれの契約に適した家族構成(1〜2人、2〜3人、3〜4人)を示したイラスト。

一概には言えませんが、一般的なご家庭での契約アンペア数の目安は以下の通りです。

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契約アンペア世帯人数の目安同時に使える家電のイメージ
30A1人~2人暮らしエアコン、テレビ、電子レンジを使うと、そろそろ限界。ドライヤーの使用は注意が必要。
40A2人~3人暮らし一般的なファミリー世帯の標準。キッチン家電とリビングの家電が同時に使える。
50A3人~4人暮らし複数の部屋で同時にエアコンを使用したり、食洗機を使ったりしても余裕がある。
60A5人以上・オール電化など消費電力の大きい家電が多いご家庭。IHクッキングヒーターなどがある場合は必須。

ご自身の検針票(電気ご使用量のお知らせ)を見れば、現在の契約アンペア数が記載されていますので、一度確認してみてください。

手続きと費用の注意点

契約アンペアの変更は、ご契約の電力会社のウェブサイトやコールセンターから申し込むことができます。

スマートメーターが設置されている場合は、遠隔で設定変更できるケースが多い一方で、設備状況や契約内容によっては訪問作業が必要になる場合もあります。手数料の有無や対応方法は、契約先の案内を必ず確認してください。

アンペア変更に伴う確認事項

  • 基本料金の変動
    例えば東京電力エリアの一部の料金メニュー(従量電灯Bなど)では、契約アンペアを上げると基本料金が段階的に上がります。金額は契約プラン・地域・改定時期で変わるため、最新の料金表で必ず確認してください(例:30A→40A、30A→50Aといった変更で月数百円程度の増加になるケースがあります)。
  • 幹線の容量不足
    非常に重要な点として、60Aなど大きなアンペア数に変更する場合、電柱から家まで電気を引き込んでいる「幹線」という電線の太さが足りず、張替え工事が必要になることがあります。この幹線張替え工事は有料(数万円~)となるため、事前に電力会社への確認が必要です。
  • 集合住宅の場合
    マンションやアパートなどの集合住宅では、建物全体の受電容量に上限があるため、管理組合や大家さんの許可がなければアンペア数を上げられない場合があります。必ず事前に相談してください。

(参考:従量電灯B・C|電気料金プラン|東京電力エナジーパートナー

エアコンの専用回路の工事費とメリット

「リビングのブレーカーだけがよく落ちる」「キッチンで電子レンジと電気ポットを同時に使うと必ず落ちる」など、家全体ではなく特定の場所で問題が起きている場合、その原因は「回路の容量不足」です。

この問題を根本的に解決するのが、消費電力の大きな家電のために独立した専用の配線とコンセントを用意する「専用回路増設工事」です。

例えるなら、混雑する一般道を走っていた車(家電)のために、目的地まで直通の高速道路(専用回路)を一本新しく作るようなイメージですね。

他の車の交通量(他の家電の使用状況)に全く影響されずに、目的地までスムーズにたどり着くことができます。

専用回路を増設する絶大なメリット

混雑した道路(一般回路)と、空いている高速道路(専用回路)を比較したイラスト。専用回路なら家電がスムーズに動くことを表現。
  • ブレーカー落ちの根本解消
    これが最大のメリットです。例えばエアコンに専用回路を設ければ、他の部屋でどんなに電気を使おうと、エアコンが原因でブレーカーが落ちることはなくなります。
  • 安全性の大幅な向上
    一つの回路に複数の高負荷な家電を接続する「タコ足配線」状態を解消できます。これにより、コンセントや配線の過熱を防ぎ、火災リスクを大幅に低減できます。
  • 家電製品の性能維持
    電圧が安定供給されるため、家電製品が本来の性能を最大限に発揮できます。電圧降下による機器の不調や寿命の短縮も防ぎます。

実は、内線規程では、定格電流が10Aを超える据置形の大型電気機械器具などは、原則として専用の分岐回路で使用する考え方が示されています。

エアコンや電子レンジ、IHクッキングヒーター、食洗機などは消費電力が大きい機種も多いため、専用回路での使用・増設を検討すると安心です(※機種の定格・設置条件により判断します)。

(参考:エアコン設置工事に関する よくある質問(専用回路・内線規程の記載)|経済産業省

工事費用と内容の目安

専用回路の増設工事にかかる費用は、分電盤からコンセントを設置したい場所までの距離や、配線の方法によって変動します(具体的な金額は現地状況で変わるため、必ず見積もりで確認してください)。

  • 露出配線(15,000円~)
    最も安価な方法です。壁の表面に、モールという樹脂製のカバーで保護しながら配線を這わせます。見た目を気にしない場所であれば、この方法がコストを抑えられます。
  • 隠蔽配線(30,000円~)
    壁の中や天井裏、床下などに配線を通すため、見た目がスッキリ仕上がります。ただし、壁に穴を開ける作業などが必要になるため、手間と費用は露出配線よりもかかります。

当サイトでも、より詳しい『エアコンのコンセント増設・専用回路工事の解説記事』をご用意していますので、ぜひ参考にしてみてください。

交換時期と費用相場

カレンダーに「13」と書かれたイラストと、分電盤から異音や異臭がする危険な状態を示した図。

ブレーカーが落ちる原因が、電気の使いすぎでも、家電の故障でもない。そんな時に考えられるのが、分電盤そのものの老朽化です。

毎日当たり前のように使っている分電盤ですが、これもまた寿命がある工業製品。内部のブレーカーや配線は、長年の使用で少しずつ劣化していきます。

先ほども触れましたが、日本配線システム工業会は分電盤の交換推奨時期を13年と定めています。もしご自宅の分電盤が、設置から15年以上経過しているなら、それはもう「交換時期」を迎えていると考えて良いでしょう。

(参考:住宅用分電盤用遮断器の更新推奨時期に関する調査報告書|日本電機工業会(JEMA)

古い分電盤を使い続けるリスクや、実際に交換を行った際の様子については、以下の『築15年の住宅で分電盤交換工事〜アンペアブレーカー故障による全体停電からの復旧事例と安全対策〜』の記事でより詳しく紹介しています。

古い機器を使い続けるリスク

  • 誤作動・不作動の危険
    経年劣化により、本来落ちるべきでない小さな負荷でブレーカーが落ちたり(誤作動)、逆に過電流やショートが起きても遮断されなかったり(不作動)する危険性が高まります。特に後者は、火災に直結する非常に怖い状態です。
  • 漏電・発熱のリスク
    分電盤内部にホコリが溜まったり湿気の影響を受けたりすると、絶縁性能が低下して漏電・発熱につながるおそれがあります。定期的な点検や、異常(焦げ臭い・変色・発熱など)がある場合の早めの対応が重要です。
  • 現代の家電に対応できない
    昔の分電盤は回路数が少なく、現代のように多くの家電を使う生活を想定して作られていません。根本的に容量が足りていない可能性があります。

費用相場とメリット

一般的なご家庭用の分電盤(8~12回路程度)の交換工事は、新しい分電盤の本体価格と工事費を合わせて、おおよそ50,000円~100,000円程度が相場となります。

ただし、回路数、感震ブレーカー等のオプション、既存配線の状態、増設工事の有無などで総額は大きく変わります。正確な費用は現地調査のうえで見積もりを取り、内訳(本体・工事・追加作業)を確認してください。

決して安い金額ではありませんが、交換することで得られるメリットは非常に大きいです。

最新の分電盤で得られる安全性と快適性

  • 安全機能の向上
    最新の分電盤は、漏電ブレーカーの感度が向上しているだけでなく、地震の揺れを感知して自動で電気を遮断し、通電火災を防ぐ「感震ブレーカー」や、落雷による家電の故障を防ぐ「避雷機能」を搭載したものもあります。
  • 回路数の増加
    回路数を増やすことで、専用回路の増設が容易になり、将来的に家電が増えても柔軟に対応できます。
  • HEMS対応
    家庭内のエネルギー使用量を「見える化」するHEMS(ヘムス)に対応した分電盤を選べば、省エネ意識の向上にも繋がります。

分電盤の交換は、電気まわりの不安を解消し、ご家族の安全を守るための最も確実な投資の一つと言えるかもしれませんね。

漏電調査の費用と信頼できる業者の選び方

漏電は、電気工事の中でも特に原因特定が難しく、高い専門知識と技術、そして専用の測定器(メガテスターなど)が必要な作業です。

そのため、漏電調査を依頼する場合は、「信頼できる業者をいかに見つけるか」が最も重要なポイントになります。

漏電調査・修理の費用構造

まず、費用の内訳を理解しておくことが大切です。一般的に、漏電修理には以下の費用がかかります。

  • 出張費
    業者が現場に来るための費用です。(3,000円~5,000円程度)
  • 基本調査費
    漏電の原因箇所を特定するまでの作業費です。この費用は、修理を依頼するか否かにかかわらず発生することが多いです。(10,000円~20,000円程度が相場、業者により異なります)
  • 修理・改修作業費
    特定された原因を直すための作業費と部品代です。コンセント交換など数千円で済む軽作業から、壁内配線の引き直しなど10万円を超える大掛かりな工事まで、原因によって費用は大きく変動します。

業者によっては「出張・見積もり無料」を謳っている場合もありますが、その分が作業費に上乗せされていないか、事前に総額の見積もりをしっかりと確認することが重要です。

特に、見積もり提出前に作業を始めようとする業者には注意が必要です。

失敗しない!信頼できる業者の見極め方

安心して任せられる優良な業者には、いくつかの共通点があります。問い合わせや見積もりの際に、以下の点をチェックしてみてください。

優良な電気工事業者のチェックリスト

  1. 資格・登録の確認ができるか?
    電気工事には「電気工事士」の国家資格が必須です。また、電力会社から認可を受けた「登録電気工事業者」であることも信用の証です。ウェブサイトに資格情報や登録番号が明記されているか、訪問時に資格証の提示を求めれば見せてくれるかを確認しましょう。
  2. 料金体系が明確で、詳細な見積もりを提示してくれるか?
    「漏電修理一式 ○○円」といった大雑把な見積もりではなく、「調査費」「部品代」「作業費」など、内訳がきちんと記載された詳細な見積書を提出してくれる業者は信頼できます。
  3. 作業内容とリスクについて、丁寧な説明があるか?
    なぜこの作業が必要なのか、他にどんな選択肢があるのか、作業に伴うリスクはないか、といったこちらの疑問に対して、専門用語を多用せず、分かりやすく説明してくれる業者は、お客様目線で考えてくれている証拠です。
  4. アフターフォローや保証制度がしっかりしているか?
    施工後に万が一不具合が再発した場合の保証期間や対応について、書面で明確に示してくれるかどうかも重要なポイントです。

また、漏電による家電や設備の損害は、ご加入の火災保険(家財保険)で補償される場合があります。

「電気的・機械的事故特約」や「破損・汚損」といった補償が付いていないか、一度ご自身の保険証券を確認してみることをお勧めします。

保険申請に慣れている業者であれば、必要な書類の作成などもサポートしてくれる場合がありますよ。

家電の使い方で落ちないようにする工夫

工事を検討する前に、まずは日々の暮らしの中でできることから試してみましょう。少しの工夫と意識で、ブレーカーが落ちる頻度を劇的に減らせる可能性は十分にあります。

その基本戦略は、ズバリ「消費電力の大きな家電を同時に使わない」、これに尽きます。

私たちの生活の中で、特に電力が集中するのは、やはり朝の支度と夕食の準備から就寝までの時間帯です。この「魔の時間帯」をどう乗り切るかがポイントになります。

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要注意な高消費電力家電(目安)消費電力アンペア換算(100V/200V)
IHクッキングヒーター(1口)1400W~3000W(100V機種)14A程度/(200V機種)7A~15A程度
電子レンジ1300W~1500W13A~15A
ドラム式洗濯乾燥機(乾燥時)約1300W約13A
食器洗い乾燥機約1300W約13A
ヘアドライヤー1200W12A
炊飯器(炊飯時)約1100W約11A
電気ケトル・ポット約1000W約10A

例えば、30A契約のご家庭で、夕食の準備中に電子レンジ(13A)と炊飯器(11A)を同時に使い、そこにリビングのエアコン(起動時10A以上)が加わると、それだけで34Aとなり契約アンペアを超えてしまいます。

これが「いつも夕方にブレーカーが落ちる」原因です。

すぐに実践できる「ピークシフト」術

電子レンジ、炊飯器、ドライヤーのアンペア数を足し算し、契約容量オーバーになる様子と、時間をずらす対策の図。

この電力消費のピークを意図的にずらす「ピークシフト」を心がけてみましょう。

  • タイマー機能の活用
    食器洗い乾燥機や洗濯乾燥機、炊飯器などは、タイマー機能を活用し、家族が寝静まった深夜や、外出している日中に運転させる。
  • 調理手順の工夫
    電子レンジでの解凍や温めは、IHクッキングヒーターや他の調理家電を使い始める前に済ませておく。
  • 「ながら使い」の見直し
    掃除機をかけながら洗濯機を回す、テレビを見ながらドライヤーをかける、といった「ながら使い」を避け、一つずつ片付ける意識を持つ。

地道な工夫ですが、家族みんなで協力すれば、かなりの効果が期待できますよ。

PC作業中のデータ消失を防ぐ対策

スマートメーターの表示画面と、停電時にPCを守るUPS(無停電電源装置)のイラスト。

近年、在宅ワークやリモート学習が普及し、ご自宅でパソコンを使って仕事をする方が格段に増えました。

そんな中でブレーカーが落ちてしまうと、単に不便なだけでなく、作成中の企画書やレポート、大切なデータが一瞬で消えてしまうという、取り返しのつかない事態になりかねません。

頻繁にブレーカーが落ちる環境で、どうしてもPC作業を続けなければならない…。そんな時に、あなたの大切なデータを守ってくれる心強い味方が「UPS(無停電電源装置)」です。

UPSとは?その仕組みと役割

UPSは、Uninterruptible Power Supplyの略で、内部にバッテリーを搭載した電源タップのような装置です。普段はコンセントからの電気をPCに供給しつつ、内蔵バッテリーを常に充電しています。

そして、停電などで電力供給が絶たれた瞬間に、即座にバッテリーからの電力供給に切り替わり、PCを動かし続けてくれるのです。

もちろん、バッテリーなので無限に電力を供給できるわけではありませんが、数分から十数分程度の時間を稼ぐことができます。その時間さえあれば、

  • 作成中のファイルを慌てずに保存する。
  • アプリケーションを正常に終了させる。
  • 安全な手順でパソコンをシャットダウンする。

といった一連の作業を、落ち着いて行うことができます。これにより、突然の電源断によるデータ破損や、ハードディスクへのダメージといった最悪の事態を防ぐことができるのです。

UPS選びのポイント

UPSは、1万円前後から購入できる個人向けの小型なものから、サーバーを守るための大型で高価なものまで様々です。

ご家庭のデスクトップPC用であれば、10,000円~20,000円程度の価格帯のもので十分な場合が多いでしょう(※価格は時期・メーカー・容量により変動します)。

選ぶ際は、お使いのPCの消費電力と、どのくらいの時間バックアップが必要かを確認して、容量に合ったモデルを選ぶことが大切です。

根本的な対策はもちろん必要ですが、緊急避難的な自衛策として、UPSの導入は非常に有効な選択肢の一つと言えます。

ブレーカーがすぐ落ちる時に最適な対策のまとめ

笑顔のブレーカーキャラクターたちが親指を立てているイラスト。「安全で快適な暮らしを取り戻そう」のメッセージ。

ここまで、ブレーカーがすぐ落ちるという一見単純なトラブルの裏に、様々な原因と対策があることをお話ししてきました。最後に、今回の内容をまとめておきたいと思います。

まず何より大切なのは、トラブルが起きた時に冷静に状況を把握すること。分電盤を確認し、落ちたのが「アンペアブレーカー」「漏電ブレーカー」「安全ブレーカー」のどれなのかを見極めることで、取るべき行動が大きく変わってきます。

電気の使いすぎ(アンペアブレーカー、安全ブレーカー)が原因であれば、まずは家電の使い方を工夫する「ピークシフト」を試してみてください。

それでも改善しない場合は、ライフスタイルに合わせた契約アンペアへの変更や、特定の家電のための専用回路増設が根本的な解決策となります。

一方で、漏電(漏電ブレーカー)が原因の場合は、話が全く別です。これは放置すると感電や火災につながる非常に危険なサイン。

ご自身で応急処置として漏電回路を特定した後は、絶対に無理をせず、私たちのような信頼できる電気工事の専門家にご相談ください。

また、分電盤からの異音や、15年以上同じ分電盤を使い続けている場合は、設備そのものの寿命が来ている可能性があります。大きな事故が起こる前に、点検や交換を検討することをお勧めします。

横浜・川崎・東京都南部エリアで業者をお探しの方へ

頻繁にブレーカーが落ちる生活は、不便なだけでなく、常にどこかで不安を感じ続けるストレスフルな状態です。

この記事が、皆さんのご家庭に合った最適な「ブレーカーがすぐ落ちる対策」を見つけ、安全で快適な電気のある暮らしを取り戻すための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。

電気のことで少しでも不安なこと、わからないことがあれば、どうぞお気軽に私たち横浜電気工事レスキューにご相談ください。

最終的な判断や工事の依頼は、複数の業者から話を聞き、ご自身が納得して信頼できる専門家にお願いすることをおすすめします。

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