ブレーカーが落ちる原因は家電の故障?対策と修理のポイント

「いつもと同じように電気を使っているだけなのに、なぜかブレーカーが急に落ちる…」「もしかして、家電の故障が原因?」と不安に感じていませんか。
電気をそんなに使ってないつもりでも、繰り返し原因不明でブレーカーが落ち、上げても落ちる・戻らない状態が続くと、本当に困ってしまいますよね。
特に、電子レンジやエアコンといった落ちやすい家電を頻繁に使うご家庭や、電気自動車を導入したオール電化の住宅では、主幹ブレーカーやアンペアブレーカーがすぐ落ちるようになった場合の対策と原因が気になるはずです。
この記事では、ブレーカーが落ちる原因と家電の故障との関連性、自分でできる漏電を調べる方法から、万が一の際の修理や保険の適用まで、網羅的に解説します。
記事のポイント
- ブレーカーが落ちる3つの主な原因
- 家電の故障や漏電を特定する安全な手順
- 頻繁に落ちる場合の根本的な対策
- 修理費用や火災保険の適用の可否
- 1. ブレーカーが落ちるのは家電の故障?考えられる原因
- 1.1. 急に落ちる時に確認したいその種類と役割
- 1.2. 主幹ブレーカーとアンペアブレーカーの違い
- 1.2.1. スマートメーターの普及と自動復旧機能
- 1.3. いつもと同じなのにブレーカーが落ちる
- 1.3.1. 考えられる3つの主な原因
- 1.3.1.1. ⒈家電の隠れた劣化
- 1.3.1.2. ⒉突入電流の影響
- 1.3.1.3. ⒊季節的な要因と外部環境
- 1.4. 電気を使ってないのに落ちるのは漏電?
- 1.4.1. 漏電の危険性 – 放置は絶対にNG
- 1.5. 特にブレーカーが落ちやすい家電の例
- 1.6. 電子レンジやエアコン、電気自動車とオール電化
- 2. 頻繁にブレーカーが落ちるのは家電の故障が原因?正しい対処法
- 2.1. 繰り返し原因不明でブレーカーが落ちる
- 2.1.1. 壁の中に潜む見えないトラブル
- 2.2. 最近すぐ落ちるようになった時の対策と原因
- 2.2.1. ステップ1:電気の使い方を「時間」で分散させる
- 2.2.2. ステップ2:電気の使い方を「場所」で分散させる
- 2.2.3. 根本的な対策:契約アンペア数の見直しを検討する
- 2.3. 上げても落ちる・戻らない時の漏電を調べる方法
- 2.3.1. 作業前の最重要注意点
- 2.3.2. 安全な漏電箇所の特定手順
- 2.3.2.1. ⒈全てのブレーカーを「切」にする
- 2.3.2.2. ⒉主幹となるブレーカーを「入」にする
- 2.3.2.3. ⒊安全ブレーカーを一つずつ「入」にしていく
- 2.3.2.4. ⒋原因となっている回路を特定する
- 2.3.3. 応急処置で電気を部分的に復旧させる
- 2.4. 修理費用は火災保険の対象になる?
- 2.4.1. 原則として「自然故障」は補償の対象外
- 2.4.2. 特約を付帯していれば補償されるケース
- 2.4.3. 賃貸物件における責任の所在
- 2.5. ブレーカが落ちる原因となる家電の故障には早めの対応を
ブレーカーが落ちるのは家電の故障?考えられる原因
- 急に落ちる時の種類と役割
- 主幹ブレーカーとアンペアブレーカーの違い
- いつもと同じなのにブレーカーが落ちる
- 電気を使ってないのに落ちるのは漏電?
- 特にブレーカーが落ちやすい家電の例
- 電子レンジやエアコン、電気自動車とオール電化
急に落ちる時に確認したいその種類と役割
ブレーカーが急に落ちるのは、決して故障ではなく、家庭内の電気を安全に使うための重要な安全装置が正常に作動している証拠です。
ブレーカーは、私たちの生活に欠かせない電気を安全に供給するための門番のような存在。
電気の使いすぎ(過電流)や漏電といった異常を瞬時に検知した際に、自動的に電気の流れを遮断し、家電製品の保護はもちろん、火災や感電といった重大な事故から私たちを守るという極めて重要な役割を担っています。
ご家庭の玄関や洗面所などに設置されている「分電盤」の内部には、主に3種類のブレーカーが設置されており、それぞれが異なる役割を持っています。
どのブレーカーが落ちたかによって、考えられる原因と取るべき対処法が大きく異なりますので、まずはその違いをしっかりと理解しておきましょう。
ブレーカーが落ちると慌ててしまいがちですが、まずは落ち着いて分電盤を確認し、どのスイッチが「切(OFF)」になっているかを見極めることが、スムーズな原因究明への第一歩になりますよ。
ブレーカーの種類 | 主な役割 | 落ちる主な原因 | 見分け方のポイント |
---|---|---|---|
アンペアブレーカー (契約ブレーカー) | 家全体の電気使用量を管理する | 契約アンペア数を超える電気の同時使用 (電気の使いすぎ) | 分電盤の左側に設置されている一番大きなスイッチ。「30A」など契約アンペア数が記載されていることが多い。 |
漏電ブレーカー (漏電遮断器) | 漏電を検知して電気を遮断する | 家電の故障や配線の劣化による漏電 | 分電盤の中央付近にあり、「テストボタン」が付いているのが特徴。 |
安全ブレーカー (配線用遮断器) | 各部屋や回路ごとの電気を管理する | 特定の回路での電気の使いすぎやショート | 分電盤の右側に複数並んでいる小さなスイッチ。「キッチン」「リビング」などと部屋の名前が書かれていることも。 |
このように、ブレーカーと一口に言っても、その役割は一つではありません。
ブレーカーが落ちた状況を正しく理解し、どのブレーカーが作動したのかを特定することで、冷静かつ的確に次の対応へ進むことができるのです。

主幹ブレーカーとアンペアブレーカーの違い
家庭の分電盤は、電気を安全かつ効率的に管理するため、主に2種類の保護装置と、契約を管理する仕組みから構成されています。
主幹ブレーカーは、分電盤の中枢を担う最も重要な安全装置です。漏電遮断器の機能を兼ね備え、家全体の配線を過電流から保護すると同時に、漏電発生時には回路を即座に遮断し、火災や感電のリスクを防ぎます。
次に、各部屋や特定の電気設備(エアコン、IHクッキングヒーターなど)へ繋がる回路を個別に保護するのが分岐ブレーカーです。これにより、一部の回路に問題が発生しても、影響を最小限に抑えることができます。
なお、かつては電力会社との契約電流を制限するアンペアブレーカー(リミッター)が分電盤内に設置されていましたが、現在はスマートメーターがその機能を代替する方式が主流です。
そのため、近年の住宅ではアンペアブレーカーは設置されないケースも一般的です。
スマートメーターの普及と自動復旧機能
近年、従来の円盤が回転する電力メーターから「スマートメーター」への交換が進んでいます。
このスマートメーターにはアンペアブレーカーの機能が内蔵されているため、比較的新しい住宅や交換済みの住宅では、分電盤に物理的なスイッチが存在しない場合があります。
この場合、電気を使いすぎると一時的に停電しますが、スマートメーターが内蔵する電流制限機能によりおおむね10秒程度で自動復旧します。(参考:スマートメーターの内蔵ブレーカー機能による自動復旧(東京電力パワーグリッド PDF))
ただし、自動復旧したからといって原因が解消されたわけではないため、使用している家電の数を減らすなどの対応が必要です。
もしアンペアブレーカーが頻繁に落ちる、あるいはスマートメーターによる自動遮断が頻発する場合があります。
その場合、ライフスタイルの変化で電気の使用量が増え、現在の契約アンペア数が生活実態に合っていない可能性が高いと言えるでしょう。

いつもと同じなのにブレーカーが落ちる
「昨日まで問題なかったのに」「いつもと同じ家電しか使っていないのに」突然ブレーカーが落ちるようになった場合、いくつかの原因が考えられます。
一見、何も変わらないように見えても、電気設備や家電製品には目に見えない変化が起きている可能性があります。
普段と変わらない生活を送っているつもりでも、ブレーカーが落ちるのには必ず理由が存在します。
考えられる3つの主な原因
⒈家電の隠れた劣化
長年使用している家電は、見た目に問題がなくても内部の部品や配線が劣化していることがあります。
絶縁性能が低下したり、モーターの効率が落ちたりすることで、本来よりも多くの電力を消費するようになり、ショート寸前の状態になっていることも。
これが、いつもと同じ使い方をしているにもかかわらず、ブレーカーが落ちる突然の引き金になるのです。
⒉突入電流の影響
エアコンや冷蔵庫、洗濯機、掃除機などのモーターを搭載した家電は、起動する瞬間に定格消費電力の数倍に相当する大きな電力(突入電流)を一時的に必要とします。
普段は問題なくても、複数の家電が偶然同じタイミングで起動してしまうと、その大きな電気が重なってしまい、契約アンペア数や回路の上限を超えてしまいます。その結果、ブレーカーが落ちてしまうのです。
⒊季節的な要因と外部環境
夏場の猛暑日にエアコンがフル稼働したり、冬場の寒い朝に複数の暖房器具を同時に使用したりするなど、季節によって特定の家電の使用頻度や負荷が大きく変動します。
いつもと同じ生活をしているつもりでも、外気温の厳しい変化によってエアコンなどの消費電力が無意識のうちに増大し、ブレーカーが落ちやすくなるケースは少なくありません。
このように、体感的な使用状況は同じでも、家電のコンディションやわずかなタイミングのずれ、外部環境の変化といった複合的な要因が重なることで、ブレーカーが落ちるという事象につながることがあるのです。

電気を使ってないのに落ちるのは漏電?
家族が寝静まった夜中や、外出中でほとんど電気を使っていないはずなのにブレーカーが落ちる場合、それは漏電を知らせる非常に危険なサインである可能性が高いです。
特に、分電盤の中央にある「漏電ブレーカー」が落ちている場合は、電気の使いすぎとは全く異なる深刻な事態と考え、決して放置してはいけません。
漏電とは、文字通り電気が本来の正しい回路から漏れ出している異常な状態を指します。
漏れ出た電気は、家電の金属製の筐体(ケース)や建物の金属部に伝わることがあり、それに人が触れると人体を介して電気が地面に流れ、感電する恐れがあります。
さらに、漏電箇所から火花が発生し、近くのホコリや可燃物に着火して火災につながることもあるため、極めて危険な状態です。
漏電の危険性 – 放置は絶対にNG
漏電ブレーカーは、感電や火災といった取り返しのつかない重大な事故を未然に防ぐための最後の安全装置です。
もし漏電ブレーカーが落ちた場合は、「またか」と安易にスイッチを入れ直すのではなく、必ず原因を特定し、適切な対処を行う必要があります。
原因がわからないまま使用を続けることは、家族を危険に晒すことになりかねません。
漏電の主な原因としては、以下のようなものが挙げられます。
- 家電製品の内部故障や劣化
- 特に水回りで使用する洗濯機や温水洗浄便座、電気ポットなどはリスクが高いです。
- 湿気やホコリによる絶縁劣化
- コンセントにたまったホコリが湿気を吸収すると、微小な放電が繰り返されて炭化し、電気が流れる道(トラッキング)ができます。
- これが発火につながる恐れがあり、消防庁なども注意を呼びかけています。使用時はプラグを抜く、定期的に清掃することが重要です。(参考:トラッキング現象とは(東京消防庁))
- 壁の中の配線の損傷
- 建物の老朽化や、ネズミなどの害獣によるケーブルの損傷も原因となり得ます
原因が特定できないまま放置することは、大きなリスクを伴うため、速やかに専門家による点検を依頼しましょう。

特にブレーカーが落ちやすい家電の例
ブレーカーが落ちる原因の多くは、消費電力の大きな家電の同時使用によるものです。
特に、「熱を発生させる家電」や「モーターを搭載した家電」は、他の家電に比べて格段に多くの電力を必要とするため、使用時には注意が必要です。
これらの高消費電力な家電を複数同時に使用すると、ご家庭で契約しているアンペア数(アンペアブレーカーの許容量)や、各部屋に電気を分配している各回路(安全ブレーカーの許容量、通常20A)を簡単に超えてしまいます。
「これくらい大丈夫だろう」と思っても、意外な組み合わせで許容量オーバーになることがあります。どの家電がどれくらいの電気を使うのか、一度ご家庭の家電をチェックしてみるのがおすすめですよ。
家電製品 | 必要アンペア数の目安 (100V換算) | 特徴・注意点 |
---|---|---|
電子レンジ | 15A (1500W) | 短時間で非常に大きな電力を消費する代表格。調理中は他の大型家電の使用を控えたい。 |
IHクッキングヒーター (卓上) | 14A (1400W) | ビルトイン型は200Vでさらに大電力。複数のコンロを同時に使うと非常に大きくなる。 |
エアコン(暖房起動時) | 約20A (2000W) | エアコンは、特に冷暖房を開始する際に大きな電力(突入電流)を必要とします。消費電力は機種や部屋の広さ、設定温度、外気温によって大きく変動しますが、大型のリビング用エアコンなどでは、起動時に一時的に20A近くに達することもあります。複数台を同時に起動させると、ブレーカーが落ちる大きな原因になります。 |
ドラム式洗濯乾燥機(乾燥時) | 約13A (1300W) | ヒーターで衣類を乾かす乾燥運転は、洗濯運転に比べて格段に電力を消費する。 |
ヘアドライヤー | 12A (1200W) | 小型で油断しがちだが、消費電力は大きい。洗面所での他の暖房器具との併用は注意。 |
電気ケトル・電気ポット | 10A~13A (1000W~1300W) | 短時間でお湯を沸かす際に大きな電力を使う。炊飯器などとの同時使用で落ちやすい。 |
食器洗い乾燥機 | 約13A (1300W) | ヒーターで洗浄水を温めたり、乾燥させたりする工程で電力を多く消費する。 |
オーブントースター | 10A~12A (1000W~1200W) | キッチンで他の調理家電と同時に使用するシーンが多く、原因になりやすい。 |
例えば、30A契約のご家庭で、エアコン(暖房起動時20A)を使いながら電子レンジ(15A)を使うと、合計で35Aとなり契約アンペア数を超えてしまうため、アンペアブレーカーが落ちます。
また、キッチンの同じ回路(安全ブレーカー)で、炊飯器(13A)と電気ケトル(13A)を同時に使うと合計26Aとなり、回路の許容量20Aを超えて安全ブレーカーが落ちてしまいます。
このように、どの家電がどれくらいの電力を消費するのかを把握し、上手に使い分けることが大切です。

電子レンジやエアコン、電気自動車とオール電化
現代の生活では、利便性の高いパワフルな家電が増えていますが、その分、電力消費も大きくなる傾向にあります。
中でも特に注意が必要なのが、電子レンジやエアコン、そして近年普及が進む電気自動車(EV)の充電です。
電子レンジやエアコンは、前述の通り特に消費電力が大きく、家庭内でブレーカーが落ちる主な原因となりやすい家電のツートップと言えます。
これらを同時に使う際は、他の消費電力が大きい家電(炊飯器、ドライヤー、食洗機など)の使用を控えるといった計画的な工夫が求められます。
また、ご家庭で電気自動車(EV)を充電する場合も、ブレーカーが落ちる新たな要因となることがあります。
家庭用の普通充電器(200V/3kW)であっても、エアコン数台分に相当する15A程度の電力を数時間連続して使用します。
そのため、夕食の支度でIHクッキングヒーターを使ったり、家族がお風呂に入る時間帯に浴室乾燥機を使ったりするなど、電力消費がピークになる時間帯にEVの充電が重なると、契約アンペア数を超過しやすくなります。
電気自動車を導入する際は、電力消費の少ない深夜時間帯に充電タイマーを設定したり、電力会社との契約プランやアンペア数そのものを見直したりすることが、快適なEVライフを送るための重要なポイントになりますね。
一方、オール電化住宅は、ガスを併用する住宅よりも高いアンペア数(一般的に60A以上)で契約しているため、ブレーカーが落ちにくいと思われがちです。
エコキュートがお湯を沸かす時間帯(主に深夜)に、複数の部屋で同時に暖房器具を使用したり、食洗機や洗濯乾燥機をタイマー運転させたりすることがあります。
そうすると、大容量の契約であってもブレーカーが落ちることがあります。
オール電化住宅のメリットを最大限に活かすためには、電力消費の大きい機器の運転時間が重ならないよう、生活スタイルに合わせて電気の使い方を計画することが、快適な暮らしの鍵となります。

頻繁にブレーカーが落ちるのは家電の故障が原因?正しい対処法
- 繰り返し原因不明でブレーカーが落ちる
- 最近すぐ落ちるようになった時の対策と原因
- 上げても落ちる・戻らない時の漏電を調べる方法
- 修理費用は火災保険の対象になる?
繰り返し原因不明でブレーカーが落ちる
電気の使いすぎに心当たりがなく、漏電チェックをしても特定の家電が原因とは考えにくいのに、繰り返し原因不明でブレーカーが落ちる…。
このような場合、問題は目に見える家電製品ではなく、ご家庭の電気設備そのものに潜んでいる可能性があります。
最も疑われるのが、分電盤やブレーカー自体の経年劣化です。ブレーカーは半永久的に使えるものではなく、安全に関わる重要な電気部品です。
その交換推奨時期は、使用環境にもよりますが、一般的に設置から13年~15年程度と言われています。
長年使用された古いブレーカーは、内部のバイメタル(温度を感知する部品)や電磁コイルといった検知機能が劣化してしまいます。
その結果、規定の電流値に達していないにもかかわらず過敏に反応して誤作動を起こしたり、逆に本当に危険な過電流やショートが発生しても作動しなくなったりする危険性があるのです。
壁の中に潜む見えないトラブル
もう一つの可能性として、私たちの目には見えない壁の中や天井裏を通っている電気配線の劣化や損傷が考えられます。
特に築年数の古い住宅では、配線の絶縁被覆が時間とともに硬化してもろくなり、ひび割れなどを起こしていることがあります。
また、過去の不適切なリフォーム工事による接続部の緩みや、ネズミなどの害獣がケーブルをかじって損傷させているケースも少なくありません。
このような壁内のトラブルは、ショートや漏電の直接的な原因となり、外から見えないため特定が非常に困難です。この場合は、専門家による詳細な調査が必要となります。
原因がはっきりしないままブレーカーが頻繁に落ちる状態を放置することは、重大な電気事故につながるリスクを高めるだけです。
生活上の不便はもちろん、安全のためにも、できるだけ早くお住まいの地域の電力会社や信頼できる電気工事店へ点検を相談することをお勧めします。
横浜・川崎・東京都南部エリアで業者をお探しの方へ
原因がはっきりしない電気のトラブルは、ご不安も大きいことと思います。
もし横浜市やその周辺地域でご相談先をお探しでしたら、東京電力 指定工事店(登録番号:701-1730)である「横浜電気工事レスキュー」にお任せください。
ブレーカーの点検・交換から契約アンペアの変更まで、電気のプロが安全かつ迅速に解決のお手伝いをいたします。まずはお気軽にご状況をお聞かせください。

最近すぐ落ちるようになった時の対策と原因
最近になって急にブレーカーがすぐ落ちるようになった場合、大きなトラブルに至る前に、まずは冷静に原因を探り、ご自身でできる対策を試してみましょう。
多くの場合、日々の電気の使い方を少し見直すことで、状況が改善される可能性があります。
ステップ1:電気の使い方を「時間」で分散させる
まず最初に試すべきなのは、消費電力の大きい家電を使う時間帯を意識的にずらすことです。
例えば、電子レンジでの調理、炊飯器の早炊き、ドライヤーの使用、洗濯乾燥機の運転などが重なりがちな朝の支度の時間帯は、電力消費が集中するピークタイムです。
これらの家電を使う時間を15分ずつでも分散させることで、一度に流れる電気の総量を抑え、アンペアブレーカーが落ちるのを防ぐことができます。
ステップ2:電気の使い方を「場所」で分散させる
特定の部屋だけでブレーカー(安全ブレーカー)が落ちる場合は、その部屋のコンセントに電気的な負荷が集中していることが原因です。
特にキッチンやリビングでは、一つのコンセントからタコ足配線で多くの家電をつなぎがちです。
可能であれば、消費電力の大きい家電は壁の異なるコンセントに接続したり、延長コードを使って別の部屋の回路から電源を取ったりするなど、コンセントの場所を分散させてみましょう。
ただし、延長コード自体にも許容量があるため、使用する家電の消費電力を確認することが重要です。
根本的な対策:契約アンペア数の見直しを検討する
これらの対策を試しても状況が改善しない場合、ご家庭の電気使用量に対して契約アンペア数が根本的に不足していることが原因かもしれません。
特に、ご家族が増えたり、エアコンや食洗機、EV充電器といった新しい大型家電を導入したりした場合は、必要な電気の量そのものが増えています。
契約アンペア数の変更は、現在契約している電力会社に連絡することで手続きが可能です。
電力会社のウェブサイトやお客様窓口で、ご家庭の状況に合ったアンペア数のシミュレーションもできますので、一度確認してみましょう。
ただし、契約アンペア数を上げると月々の電気基本料金が上がることが一般的ですので、現在の電気使用状況をよく確認してから判断することが重要です。

上げても落ちる・戻らない時の漏電を調べる方法
ブレーカーのスイッチを「入」にしても、バチンという音とともに即座にまた落ちてしまう、あるいはスイッチが固くて物理的に「入」の位置に戻らない。
これは、回路のどこかで漏電やショートといった深刻な異常が継続して発生しているサインです。
このような状態で何度も無理にブレーカーを操作し続けることは、配線が過熱して火災を引き起こしたり、他の家電製品を故障させたりする可能性があり、大変危険です。
特に漏電が疑われる場合は、以下の手順に従うことで、ご家庭のどの回路で問題が起きているのかを安全に特定することができます。
作業前の最重要注意点
この作業は電気を取り扱うため、感電の危険が伴います。作業前には必ず乾いたゴム手袋などを着用し、足元が濡れていないことを十分に確認してください。
また、分電盤の周りに水気がないかも確認しましょう。少しでも作業に不安を感じる場合は、無理をせず直ちに専門業者に連絡してください。
安全な漏電箇所の特定手順
⒈全てのブレーカーを「切」にする
まず、分電盤にある全てのブレーカー(一番左のアンペアブレーカー、中央の漏電ブレーカー、右側に並ぶ全ての安全ブレーカー)のスイッチを「切(OFF)」の位置に下げます。
⒉主幹となるブレーカーを「入」にする
次に、「アンペアブレーカー」と「漏電ブレーカー」の2つだけを「入(ON)」の位置に上げます。
もしこの時点で漏電ブレーカーが落ちてしまう場合は、分電盤自体やそこにつながる幹線に問題がある可能性が高いため、この後の作業は中止し、すぐに専門業者に連絡してください。
⒊安全ブレーカーを一つずつ「入」にしていく
右側に並んでいる「安全ブレーカー」のスイッチを、一つずつ、数秒の間隔をあけながらゆっくりと「入」にしていきます。
⒋原因となっている回路を特定する
ある特定の安全ブレーカーを「入」にした瞬間に漏電ブレーカーが落ちたら、その安全ブレーカーが担当している部屋や回路で漏電が発生しています。
応急処置で電気を部分的に復旧させる
漏電していると特定された回路の安全ブレーカーだけを「切」にしたまま、再度アンペアブレーカーと漏電ブレーカーを「入」にします。
その後、問題のない他の安全ブレーカーを全て「入」にすれば、漏電箇所を除いた他の部屋では一時的に電気を使用することができます。
原因の回路が特定できたら、その回路につながっている全ての家電製品のプラグをコンセントから抜いてください。
その後、速やかに地域の電力会社または信頼できる電気工事店に連絡し、プロによる詳細な点検と修理を依頼することが不可欠です。

修理費用は火災保険の対象になる?
ブレーカーのトラブルやそれに伴う家電の故障が発生した際、「高額になりがちな修理費用は火災保険でカバーできるのか?」という点は、多くの方が気になる非常に重要なポイントです。
結論から言うと、ケースバイケースであり、ご加入の火災保険の契約内容によって対応が大きく異なります。
原則として「自然故障」は補償の対象外
まず、基本的な火災保険の考え方として、経年劣化による家電の自然故障そのものは補償の対象外となるのが一般的です。
「長年使っていた冷蔵庫が寿命で壊れ、それが原因でブレーカーが落ちた」というようなケースでは、冷蔵庫の修理・交換費用は自己負担となります。
特約を付帯していれば補償されるケース
ただし、ご加入の火災保険に「電気的・機械的事故特約」や「破損・汚損損害等補償特約」といった特約を付帯している場合は話が別です。
これらの特約があれば、落雷以外のショートやアーク、過電流といった電気的な事故が補償の対象となります。
それにより、建物に固定された設備(エアコンやIHクッキングヒーターなど)が故障した場合に、その修理費用が補償される可能性があります。
注意点として、テレビや冷蔵庫、洗濯機といった持ち運びが可能な「家財」に分類される家電は、この特約の対象外になることが多いです。
ご自身の保険契約で「建物」と「家財」のどちらが補償対象になっているか、また特約の内容を一度保険証券で確認してみることを強くお勧めします。
賃貸物件における責任の所在
賃貸物件にお住まいの場合は、責任の所在を明確にすることが重要です。
建物にもともと備え付けの設備(備え付けエアコンや給湯器など)が、通常の使用による経年劣化で故障した場合は、原則として大家さん(貸主)の責任と負担で修理が行われます。
しかし、入居者の不注意や過失によって設備を故障させた場合や、ご自身で持ち込んだ家電製品の故障については、当然ながら入居者の負担となります。
どちらのケースか判断に迷う場合でも、まずは管理会社や大家さんに不具合の状況を速やかに報告し、指示を仰ぐことがトラブルを避けるための最善策です。

ブレーカが落ちる原因となる家電の故障には早めの対応を
この記事では、ブレーカーが落ちる様々な原因から、家電の故障との関連性、ご自身でできる安全な確認手順、そして万が一の際の費用や保険に関する知識まで、幅広く解説しました。
最後に、ご家庭の電気を安全に使い続けるための重要なポイントをリストで振り返ります。
- ブレーカーは電気の安全を守る大切な装置
- ブレーカーにはアンペア・漏電・安全の3種類がある
- アンペアブレーカーは家全体の電気の使いすぎで落ちる
- 漏電ブレーカーが落ちたら漏電の危険サイン
- 安全ブレーカーは特定の部屋や回路の異常を検知
- いつもと同じ使い方でも家電の劣化で落ちることがある
- 電気を使っていないのに落ちるならまず漏電を疑う
- 電子レンジやドライヤーなど熱を出す家電は消費電力が大きい
- 消費電力の大きい家電の同時使用は避けるのが基本
- 繰り返し落ちる場合はブレーカー本体の寿命も考慮に入れる
- 漏電の特定は定められた安全な手順で行う
- 上げてもすぐに落ちる場合は無理に操作せず専門家を呼ぶ
- 契約アンペア数の見直しも有効な対策の一つ
- 家電の修理費用は火災保険の特約でカバーできる場合がある
- 原因不明のトラブルは放置せず速やかに専門業者に相談する