ブレーカーの異音「ブーン」は故障?危険なジー音との違いと対策を解説

ブレーカーの異音ガイド:その「ブーン」は危険なサイン?プロが教える見分け方と対処法

こんにちは。横浜電気工事レスキューの主任電気工事士「天谷(あまたに)富士夫」です。

ご家庭の分電盤、いわゆるブレーカーから「ブーン」という異音が聞こえてくると、なんだか気持ち悪いし、「もしかして故障?」「火事になったらどうしよう…」と不安になりますよね。

特に夜、周りが静かな時に聞こえてくると、余計に気になってしまうものです。実際に、私たちプロの現場でも「ブレーカーから変な音がするんです」というご相談は、よくいただきます。

「ブーン」という音だけでなく、「ジー…」「ジジジ…」といった虫の羽音のような音や、時には「パチパチ」と火花が散るような音が聞こえることもあります。

また、「エアコンをつけた時にだけ音が大きくなる」「ブレーカーは落ちないのに音だけがする」「賃貸アパートなんだけど、誰に連絡すればいいの?」「雨の日に限って音がするのはなぜ?」「修理や交換には一体いくらかかるんだろう?」など、お客様が抱える疑問は様々です。

この記事では、そんなブレーカーの異音に関する皆さんのあらゆる不安や疑問を解消するために、長年この道一筋でやってきた私たちプロの電気工事士の視点から、その原因と危険性、そしてご家庭でできることから専門家による対処法まで、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説していきますね。

この記事を読み終える頃には、異音の正体と正しい対処法が分かり、安心して行動できるようになっているはずです。

記事のポイント

  • ブレーカーからブーンやジーと音が鳴る際の根本的な発生原因
  • 【最重要】危険な異音と比較的様子見で良い音の確実な見分け方
  • 異音発生時に自分で確認すべき項目と専門家を呼ぶべき判断基準
  • 異音を放置した際に起こりうる火災や漏電事故などの最悪の事態
  • ブレーカーや分電盤の修理・交換依頼にかかる費用の相場と目安
目次

ブレーカーの異音「ブーン」の正体と危険度

それではまず、多くの方が気にされている「ブーン」という音の正体と、その危険度について掘り下げていきましょう。

実は、聞こえてくる音の種類によって、緊急度がまったく変わってくるんですよ。音を聞き分けることが、最初の重要なステップになります。

危険な「ジー」「パチパチ」という音との違いを徹底比較

磁石(ブーン)、振動するネジ(ジー)、火花(パチパチ)の3つのアイコン比較

ブレーカーから聞こえる主な異音は、「ブーン」「ジー」「パチパチ」の3種類に大別できます。

それぞれの音が発生するメカニズムと、それに伴う危険度を正しく理解しておくだけでも、いざという時に冷静に対応できるかなと思います。まずは、以下の比較表をご覧ください。

音の種類主な原因危険度具体的な解説
ブーン内部コイルの振動(正常な動作音)低〜中
(音が大きい、熱を持つ場合は注意)
ブレーカーが正常に機能している証拠でもある音。ただし、経年劣化で音が大きくなることも。
ジー / ジジジ…部品の劣化、ネジの緩み、過負荷(オーバーロード)中〜高
(発熱や火花の可能性あり)
接触不良を起こしかけているサイン。放置すると発熱し、内部が溶け始める危険性があります。
パチパチ / バチッ!ショート(短絡)、漏電の可能性が非常に高い高(極めて危険)
(火災の危険性大!即時対応が必要)
内部でアーク放電(火花)が発生している音。いつ火災に発展してもおかしくない最も危険な状態です。

まず「ブーン」という音ですが、負荷が大きいときに、機器内部の部品が微細に振動して聞こえる“動作音”として現れることがあります

そのため、音が小さく、短時間で収まり、発熱や焦げ臭さなど他の異常がなければ、直ちに危険とは限りません。

ただし、「以前はこんな音しなかったのに、最近明らかに音が大きくなった」「ブレーカーのカバーに手をかざすと、じんわり温かい」といった変化が見られる場合は、接触不良や部品劣化などの可能性もあるため、早めに専門家への点検をおすすめします。

次に「ジー」や「ジジジ…」という音。これは少し注意レベルが上がります。この音の主な原因は、長年の使用による内部部品の劣化や、振動によるネジの緩みです。

電線の接続部分が緩むと「接触不良」という状態になり、電気がスムーズに流れなくなります。

その抵抗によって熱が発生し、「ジー」という不快なうなり音を立て始めるんですね。この状態を放置すると、熱でさらに部品が劣化し、最悪の場合は発火に至る可能性も否定できません。

そして、最も危険なのが「パチパチ」「バチッ!」という音です。これは、内部でアーク放電、つまり火花が発生している音です。

電線同士が接触しかけているショート(短絡)や、漏電が起きている可能性が極めて高い状態を示しています。

火災に直結する非常に危険なサインですので、この音が聞こえたら、直ちにその回路のコンセントから家電製品のプラグを抜き、分電盤の該当する子ブレーカーをオフにしてください。

そして、絶対に自分で解決しようとせず、すぐに私たちのような電気工事の専門家にご連絡ください。

音がする主な原因とは

異音の原因:コイルの振動、経年劣化、過負荷のイラスト

では、なぜこのような異音が発生するのでしょうか。その原因をもう少し詳しく見ていきましょう。主な原因は「コイルの振動」「部品の劣化・緩み」「過負荷」の3つです。

電磁石(コイル)の振動

ブレーカー、特に主幹ブレーカーや漏電ブレーカーには、過電流や漏電を検知するために電磁石(コイル)が内蔵されています。

日本の家庭用電源は「交流」という、電気の流れる向きが1秒間に50回または60回(東日本は50Hz、西日本は60Hz)も入れ替わる電気が使われています。

この変化に合わせて電磁石も高速で振動するため、「ブーン」という特有のうなり音が発生するのです。

これはブレーカーの構造上、ある程度は避けられない音で、特に消費電力の大きい家電を使っている時に聞こえやすくなります。

部品の劣化・緩み

ご家庭の分電盤にも、部品の経年劣化は起こります。目安として、内蔵ブレーカーは製造後約13年とされています。

(出典:Panasonic 住宅分電盤に関するQ&A 閲覧日:2026年2月12日)

長年使用していると、ブレーカー内部のプラスチック部品は熱や湿気で劣化してもろくなりますし、毎日のわずかな温度変化による金属の膨張・収縮の繰り返しで、電線を固定しているネジが少しずつ緩んできます。

こうした劣化や緩みが、もともとあった振動音を増幅させたり、「ジー」という接触不良の音を発生させたりする大きな原因になるわけですね。

過負荷(オーバーロード)

「過負荷」とは、ブレーカーが落ちる(トリップする)ほどではないものの、その回路が処理できるギリギリの量の電気が流れ続けている状態を指します。

例えば、20A(アンペア)まで使える子ブレーカーの回路で、常に18Aや19Aといった大電流を使い続けているようなケースです。

この状態が続くと、ブレーカー内部の過電流を検知する「バイメタル」という金属部品が常に熱を持ち、反り返ろうとします。

この過負荷状態が、内部部品を異常に振動させ「ジー」といううなり音の原因になったり、ブレーカー全体の温度を上昇させて部品の劣化を早めたりするのです。

タコ足配線で多くの家電を使いがちなキッチンやリビングの回路で発生しやすい現象ですね。

もし、異音だけでなく実際に「ブレーカーがすぐに落ちてしまう」という症状でお困りの場合は、『ブレーカーがすぐ落ちる原因特定と根本解決のポイント』の記事で、詳しい原因と対策を解説しています。

エアコン使用時に音が大きくなる理由

エアコン起動時に大きな電流(突入電流)が流れ、ブレーカーが振動する仕組みの図解

「普段は静かなのに、エアコンを付けると決まってブレーカーから大きな音がする」というご相談は、夏場や冬場に特に多く寄せられます。

これは、エアコンが運転を開始する瞬間に「突入電流(とつにゅうでんりゅう)」と呼ばれる、定格運転時の何倍もの非常に大きな電気が一瞬だけ流れるためです。

エアコンの心臓部であるコンプレッサー(圧縮機)のモーターは、停止状態から動き出す際に最も大きなパワーを必要とします。

この起動時の大電流がブレーカーを通過することで、内部の電磁石の振動が一時的に激しくなり、「ブーン」という音がはっきりと聞こえるようになるのです。

これはエアコンだけでなく、冷蔵庫や洗濯機など、モーターを搭載した家電製品の起動時に共通する現象です。

電子レンジも、起動時に一時的な突入電流が発生するため、同様にブレーカーの振動音が大きくなることがあります。

通常、この起動時の音はすぐに収まりますが、あまりに音が大きい場合や、運転中もずっと「ジー」という音が続く場合は、ブレーカーの容量不足や、経年劣化によって性能が低下している可能性が考えられます。

エアコンには「専用回路」を強く推奨する理由

エアコンの専用回路は国の法令として一律に義務付けられているものではありません

ただし、エアコンは始動電流が大きく、他の家電と同じ回路で併用すると過電流でブレーカーが落ちやすくなったり、出火につながるおそれがあります。

そのため、民間規格である「内線規程」では、定格電流が10Aを超える据置形の大型電気機械器具について、別に専用の分岐回路を設けることが示されています。

専用回路とは、分電盤からそのエアコンのためだけに単独で配線されたコンセントのことです。

延長コードの使用や、他の家電との併用は回路に負担がかかり、異音の原因になるだけでなく、電圧低下で性能が落ちたり、配線が過熱して火災につながる危険性もあります。

設置状況に不安がある場合は、専門家に確認してもらうことをおすすめします。

(出典:経済産業省 エアコン設置工事に関する よくある質問(Q&A) 閲覧日:2026年2月12日)

落ちないのに音だけ鳴るのはなぜ?

熱があるが立っていられる人のイラスト(ブレーカーの擬人化)

「音が鳴っていて気になるけど、ブレーカーは落ちないから大丈夫だろう」と自己判断してしまうのは、実は少し危険かもしれません。

ブレーカーが落ちないのに音が鳴っている状態は、人間で言えば「熱はないけど、なんだか体調が悪い」という未病のような状態、いわばブレーカーが発している"警告サイン"と捉えるのが適切です。

ブレーカーには、主に3つの役割があります。

  1. 安全ブレーカー(子ブレーカー)
    使いすぎ(過電流)を検知して回路を遮断する。
  2. 漏電ブレーカー
    漏電を検知して回路を遮断する。
  3. アンペアブレーカー(契約ブレーカー)
    電力会社との契約アンペア数を超えた電気の使用を検知して、家全体の電気を遮断する。(※スマートメーター導入済みの場合は、メーター側にこの機能が内蔵されていることがあります)。

音が鳴っている状態は、これらのブレーカーが作動して電気を遮断する「一歩手前」の段階である可能性が高いのです。

例えば、過負荷によって「ジー」と鳴っているのは、安全ブレーカーが「もうすぐ許容量オーバーだよ!」と警告しているようなもの。

また、部品の劣化によって音が鳴っている場合は、ブレーカー本来の安全機能が正常に働かなくなっている恐れもあります。

いざという時に正しく電気を遮断できなければ、家電の故障や火災といった、より大きなトラブルにつながりかねません。音がするのに落ちないからと安心せず、そのサインを見逃さないことが大切です。

ちなみに、もし異音の警告を超えて漏電ブレーカーが作動してしまった場合に見られる「ボタンが飛び出している」状態の対処法については、『漏電ブレーカーのボタンが飛び出す原因と安全な復旧手順』で詳しくご紹介しています。

放置すると火災や漏電の危険性が

電線の被覆が破れて火花(アーク放電)が散っている危険なイラスト

たとえ小さな「ブーン」という音でも、それが劣化のサインである場合、放置するのは非常に危険です。

特に注意すべきなのが、ネジの緩みなどによる接触不良です。接触不良が起きている箇所は、電気がスムーズに流れず、電気抵抗によってジュール熱という熱を発生させます。

最初はわずかな熱でも、放置すれば徐々に温度が上昇し、100℃を超える高温になることも珍しくありません。

ブレーカー本体や電線の被覆はプラスチック(樹脂)でできていますが、これが高温にさらされ続けると、炭化して電気を通す性質に変わってしまいます。

そして最終的には、炭化した部分から発火し、分電盤火災という最悪の事態を引き起こすのです。

分電盤は壁の中に設置されていることが多く、内部はホコリが溜まりやすいため、一度発火するとあっという間に燃え広がってしまう可能性があります。

これは限界のサイン!直ちに使用を中止してください!

焦げ臭いにおい、熱さ、変色を目・鼻・手で確認しているイラスト

以下の症状が一つでも見られたら、もはや様子を見ている段階ではありません。ご自身の安全のため、すぐに該当する回路の電気の使用を中止し、私たちのような電気工事の専門家にご連絡ください!

  • ブレーカーからプラスチックが溶けるような、焦げ臭いにおいがする
  • 「ジー」という音に加え、「パチパチ」という音が混じり始めた
  • ブレーカー本体や、その周辺の壁に手をかざすと「熱い」と感じる
  • ブレーカーのカバーやレバーの一部が茶色や黒っぽく変色したり、溶けて変形したりしている

雨の日に鳴るのは漏電の前兆かもしれない

雨が降っている屋外の給湯器や外灯から漏電し、分電盤に影響が出ている図解

「普段は全く気にならないのに、雨が降ったり、湿気が多い日になったりすると、決まってブレーカーから『ジー』という音が聞こえてくる」。

もし、このような心当たりがあれば、それは漏電を疑うべき非常に危険なサインかもしれません。

この現象の多くは、屋外に設置されている電気設備が原因です。

例えば、給湯器やエアコンの室外機、屋外コンセント、外灯など、風雨にさらされる場所にある設備の防水機能が経年劣化で低下し、内部に雨水が侵入している可能性があります。

水は電気を通しやすいため、侵入した雨水が電気回路に触れることで、本来のルートから電気が漏れ出してしまう「漏電」が発生するのです。

分電盤にある漏電ブレーカーは、漏電を検知すると電気を遮断する重要な安全装置です。

雨の日や湿気の多い日に異音が出る場合、屋外設備への浸水などが関係して漏電が発生している可能性も考えられます。

ただし、異音の原因は漏電に限らず、接触不良や部品劣化、負荷の増加など複数あり、音だけで断定はできません。

いずれにせよ、天候と連動して異音が出るのは見逃せないサインです。感電・火災リスクを避けるため、早めに専門家へ漏電調査・点検を依頼してください。

実際に、雨の日にブレーカーが落ちるトラブルで漏電調査を行い、分電盤交換で解決した事例もございます。具体的な工事の様子を知りたい方は、『雨の日にブレーカーが落ちる原因を漏電調査と分電盤交換で解決した事例』も参考にしてみてください。

漏電は、無駄な電気代がかかるだけでなく、人が触れると感電する恐れがあり、命に関わる重大な事故につながることもあります。

また、漏電箇所が発熱して火災の原因になることも。雨の日特有の異音に気づいたら、絶対に放置せず、一刻も早く専門家による漏電調査を依頼してください。

ブレーカーから異音「ブーン」が鳴った時の対処法

さて、ここまで異音の原因と危険性について詳しく解説してきましたが、ここからは、実際に異音が聞こえてきた際にどう行動すればよいのか、具体的な対処法と、皆さんが最も気にされているであろう費用についてお話ししますね。

冷静に行動すれば、何も怖いことはありません。

賃貸の場合は大家さんへ連絡

入居者から管理会社・大家さんへ連絡し、そこから業者が手配される流れの図

もしお住まいがアパートやマンション、借家などの賃貸物件の場合は、ご自身でインターネットで電気工事店を探して連絡する前に、何よりも先に、物件の大家さんか管理会社に連絡するのが鉄則です。

なぜなら、分電盤やブレーカーはお部屋の「設備」の一部であり、経年劣化など入居者の責めに帰さない原因で使用に支障が出ている場合、貸主(大家さん)側に修繕義務があるのが原則だからです。

(出典:e-Gov法令検索 民法 第606条第1項(賃貸人による修繕等) 閲覧日:2026年2月12日)

ただし、契約書の特約や、故障原因(入居者の過失・不適切な使用など)によって負担関係が変わることもあるため、まずは管理会社・大家さんに連絡して指示を仰ぎましょう。

もし、大家さんや管理会社に無断で業者を手配してしまうと、「なぜ勝手に修理したのか」とトラブルになったり、本来は大家さん負担で済んだはずの修理費用を自己負担しなければならなくなったりする可能性があります。

緊急時で焦る気持ちはよく分かりますが、まずは契約書に記載されている連絡先に電話をして、状況を正確に伝えることが重要です。

大家さん・管理会社への伝え方メモ

電話をする前に、以下の点をメモしておくと、スムーズに状況を伝えられますよ。

  • いつから
    「昨日の夜からです」「1週間前から気になっていました」など
  • どのブレーカーから
    「一番大きいメインのブレーカーです」「お風呂場の電気のブレーカーです」など
  • どんな音が
    「ブーンという低い音です」「ジーという音がずっと鳴っています」など
  • どんな時に
    「エアコンをつけた時だけです」「常に鳴っています」「雨の日になると鳴ります」など
  • その他の異常
    「少し焦げ臭い気がします」「触ると熱いです」など(危険な場合は正直に伝えましょう)

交換費用はいくらかかる?

子ブレーカー交換と分電盤全体交換の費用と作業時間の比較イラスト

持ち家にお住まいで、専門家による点検の結果、ブレーカーの交換が必要になった場合の費用についてお話ししますね。これは、どの種類のブレーカーを交換するかによって大きく変わってきます。

安全ブレーカー(子ブレーカー)1個の交換費用

各部屋や各回路(エアコン、キッチンなど)につながっている、一番小さな「安全ブレーカー(子ブレーカー)」を1つだけ交換する場合、これが最も安価なケースになります。部品自体はそれほど高価ではありません。

この場合、部品代と私たちの技術料・出張費などをすべて含めて、おおよそ10,000円〜20,000円程度が一般的な相場になるかなと思います。作業時間も比較的短く、30分〜1時間程度で完了することがほとんどです。

ただし、これはあくまで一般的な単体交換の目安です。分電盤の型式が非常に古い場合や、設置場所が特殊な場合などは、追加の作業が必要になって費用が変動することもあります。

そのため、必ず作業を開始する前に、業者から内訳が明記された正式な見積もりをもらい、内容に納得してから依頼するようにしてくださいね。

分電盤を交換する費用とその相場

もし、異音の原因となっているブレーカーだけでなく、分電盤全体が設置から13年以上経過している場合は、今後の安心と安全のために、分電盤ごと一式で交換することをおすすめしています。

古い分電盤は、現在の安全基準を満たしていないことも多く、将来的に他のブレーカーも次々と不具合を起こす可能性が高いからです。

一般的なご家庭でよく使われている4〜8回路程度の分電盤を、新しいものに丸ごと交換する場合、新しい分電盤の本体価格と交換工事費を合わせて、合計で50,000円〜100,000円程度が相場となります。

回路数が多くなればなるほど、費用は高くなる傾向があります。最近の分電盤は、単に電気を分配するだけでなく、様々な付加機能を持っています。

例えば、地震の揺れを感知して自動で電気を遮断し、通電火災を防いでくれる「感震ブレーカー」付きのタイプは非常に人気があります。

また、太陽光発電システムやオール電化に対応した高機能な分電盤もあります。

実際に、築15年以上の古い分電盤を感震機能付きの新しい分電盤へ交換した事例もあります。工事の詳細は、『築15年超の古い分電盤を感震機能付き分電盤へ交換した工事事例』をご覧ください。

分電盤の交換は、ご家庭の電気の安全性を根幹から見直す絶好の機会です。

単に費用だけで決めるのではなく、ご家庭のライフスタイルや将来の計画に合わせて、どんな機能が必要かを専門家としっかり相談して決めるのが良いでしょう。

分電盤の交換について、より詳しく知りたい方は、『分電盤取り替え費用はいくら?相場や寿命と安く抑えるコツを解説』もぜひ参考にしてくださいね。

修理代について

漏電を検知して、感電や火災から私たちを守ってくれる最も重要な安全装置、「漏電ブレーカー」から異音がする場合。

これも、基本的には部分的な修理ではなく、本体ごと交換での対応となります。安全ブレーカーよりも構造が複雑で、安全性を担保するために精密な部品が使われているため、部品代も少し高くなります。

漏電ブレーカー単体を交換する場合の費用は、工事費込みで、おおよそ15,000円〜25,000円程度を見ておくと良いかと思います。

ただし、非常に重要な点として、漏電ブレーカーが異音を立てたり、作動したりするということは、ご家庭内のどこかで実際に漏電が発生している可能性が高いということです。

その場合、単純に漏電ブレーカーを交換しただけでは根本的な解決にはなりません。

交換作業とは別に、漏電の原因となっている箇所(例えば、雨漏りしている壁の中の配線や、故障した屋外の給湯器など)を特定するための専門的な調査が必要になります。

この漏電調査には、別途調査費用がかかるのが一般的ですので、その点も念頭に置いておくと良いでしょう。実際に、雨や湿気が原因で起きた漏電トラブルを、調査によって特定し分電盤交換で解決した事例もあります。

詳しくは『雨の日・湿気の多い日に起きる漏電トラブルを漏電調査と分電盤交換で解決した事例』をご覧ください。

東京電力に修理は依頼できるのか

電柱からメーターまで(電力会社)と、分電盤から屋内(お客様・工事店)の境界線図解

「電気のトラブルだから、電力会社に連絡すればいいのでは?」というご質問はよくいただきます。ポイントは、どこまでが電力会社の設備で、どこからがご家庭(需要家)側の設備かです。

電力会社の設備(例:引込線など)に関わるトラブルは電力会社の対応範囲ですが、引込線取付点より屋内側(分電盤・ブレーカー・屋内配線など)は原則としてお客さま設備です。

そのため、分電盤やブレーカーの異音・故障の点検や交換は、基本的に電気工事店へ相談するのが一般的です。

(出典:東京電力パワーグリッド 引込線(保安責任・財産の分界点) 閲覧日:2026年2月12日)

知っておきたい!電力会社と電気工事店の役割分担

ご家庭に届くまでの電気設備は、どこから誰の持ち物(=管理責任範囲)なのかが、法律で明確に分かれています。この境界線のことを「責任分界点」と呼びます。

電柱を走る電線から、ご自宅の外壁などに接続される「引込線取付点」までが電力会社の設備です。

スマートメーター(電力メーター)は引込線取付点より屋内側に設置されますが、これは電力会社の所有物として管理されています。

しかし、メーターから先の屋内配線、分電盤、コンセント、照明器具といった屋内の電気設備は、すべてお客様側の設備という扱いになります。

したがって、分電盤のトラブルの修理や交換は、所有者であるお客様ご自身の責任において、私たちのような町の電気工事店に依頼していただく、という役割分担になっているんです。

大規模な停電や、電線が切れているといった地域全体の電気トラブルの場合は、電力会社への連絡が正しい窓口となります。

しかし、ご自宅のブレーカーの異音や頻繁にブレーカーが落ちる、といった個別のトラブルについては、お近くの信頼できる電気工事店にご相談いただくのが正解、と覚えておいてくださいね。

頻繁にブレーカーが落ちるトラブルを、漏電調査から原因を特定して解消した実際の施工事例については、『頻繁なブレーカー落ちを漏電調査から原因特定して解消した施工事例』の記事で詳しくご紹介しています。

ブレーカーから異音「ブーン」の対処法総まとめ

最後に、これまでのお話を振り返りながら、ブレーカーから異音が聞こえた時に取るべき行動を、ステップ・バイ・ステップでまとめておきますね。

いざという時に慌てないよう、この流れを頭の片隅に置いておいていただけると嬉しいです。

Step1:音の種類を冷静に確認する

まずは慌てずに、分電盤からどんな音が鳴っているか耳を澄ませてみましょう。

「ブーン」という低い音か、「ジー」という虫の羽音のような音か、それとも「パチパチ」という危険な音か。音の種類が、緊急度を判断する最初のカギになります。

Step2:五感で異常がないか確認する

次に、分電盤の周りで異常がないか確認します。

プラスチックが溶けるような「焦げ臭いにおい」はしないか?ブレーカー本体や周辺の壁が異常に熱くなっていないか?(※危険なので、直接手で触るのではなく、手のひらをかざして熱を感じる程度にしてください)。ブレーカーが変色・変形していないか、目で見て確認しましょう。

Step3:危険なサインがあれば、直ちに専門家へ連絡!

もし「ジー」「パチパチ」という音や、焦げ臭いにおい、異常な発熱など、少しでも危険なサインを感じたら、迷わず私たちのような電気工事の専門家にご連絡ください。

賃貸物件の場合でも、身の危険を感じる状況であれば、まずは安全確保を優先し、消防や電気工事店に連絡した上で、大家さん・管理会社にも報告しましょう。

Step4:賃貸の場合は大家さん・管理会社へ第一報を

特に危険な兆候がなく、「ブーン」という音が気になる、といった段階であれば、まず契約書を確認し、大家さんや管理会社へ状況を具体的に報告してください。その後の対応は、貸主側の指示に従いましょう。

Step5:持ち家の場合は、信頼できる電気工事店に見積もりを依頼

持ち家の場合は、地域の信頼できる電気工事店に点検と見積もりを依頼します。その際は、1社だけでなく、できれば2〜3社から相見積もりを取ることをおすすめします。

料金だけでなく、原因の説明が丁寧か、保証制度はしっかりしているか、といった点も比較検討すると、安心して工事を任せられる業者が見つかるはずです。

横浜・川崎・東京都南部エリアで業者をお探しの方へ

ブレーカーの異音は、私たちの生活に欠かせない「電気」が発している、見過ごしてはならない重要な安全のサインです。

「まあ、これくらいなら大丈夫だろう」と安易に自己判断せず、少しでも「いつもと違うな」「おかしいな」と感じたら、ぜひ私たちプロにご相談ください。

横浜市内やその近郊エリアであれば、診断からお見積もりまで、私が責任を持って対応させていただきますからね。

お客様の不安を安心に変えるのが、私たちの仕事です。いつでもお気軽にご連絡ください。

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