レンジフードの高さ175cmは低い?失敗しない最適な位置を解説

- 1. レンジフードの175cmの悩みと法的基準
- 1.1. キッチンの平均的な高さとは?
- 1.2. 身長より低いと頭がぶつかる問題の対策
- 1.3. 165cm・170cm・180cmでの違い
- 1.4. 消防法で定めるコンロからの離隔距離
- 1.5. 建築基準法による高さの規定とは
- 2. レンジフードの高さ175cmの解決策と費用
- 2.1. 推奨される理想的な位置と計算方法
- 2.2. 高すぎ?低くするとどうなるのか
- 2.2.1. 高く設置するメリットとデメリット
- 2.2.2. 低く設置するメリットとデメリット
- 2.3. 設置後に後悔しないためのポイント
- 2.4. 高さの調整はDIYで可能か?
- 2.5. 変更・交換にかかる費用と業者の選び方
- 2.6. 最適なレンジフードの高さ175cmを選ぶ際の注意点
キッチンのレンジフードの高さで、悩んでいませんか。特に身長175cmの方にとっては、平均的な仕様が自分に合っているのか、大きな問題になります。
標準とされる床から165cm程度の高さでは、ご自身の身長より低いため、調理中に頭がぶつかるのではないかと心配になるのは当然です。170cmや180cmの方であれば、その悩みはさらに切実になるでしょう。
かといって、単純に高くすれば良いわけではありません。レンジフードを高くしすぎたり、逆に低くするとどうなるのか、換気性能とのバランスが非常に大切になります。
また、設置には消防法で定められたコンロからの離隔距離や、建築基準法による規定も守らなくてはなりません。このような制約の中で、失敗や後悔を避けるためには、どうすればよいのでしょうか?。
この記事では、レンジフードの高さに関するあらゆる疑問にお答えします。
推奨される理想の位置の計算方法から、変更や交換にかかる費用、信頼できる業者の選び方、さらにはDIYでの調整の可否と注意点まで、網羅的に解説していきます。
記事のポイント
- 身長に合ったレンジフードの理想的な高さがわかる
- 守るべき法律上の規定や基準を理解できる
- 高さ変更に伴うメリットとデメリットを把握できる
- 交換や設置にかかる費用と業者選びのポイントがわかる
レンジフードの175cmの悩みと法的基準
- キッチンの平均的な高さとは?
- 身長より低いと頭がぶつかる問題の対策
- 165cm・170cm・180cmでの違い
- 消防法で定めるコンロからの離隔距離
- 建築基準法による高さの規定とは
キッチンの平均的な高さとは?
日本のキッチンにおいて、カウンター(ワークトップ)の高さは、床から85cmが平均的な標準仕様とされています。
多くのキッチンメーカーがこの数値を基準として製品を開発しているため、建売住宅やマンションなどで最も一般的に見られる高さです。
この「85cm」という数値は、かつての日本人女性の平均身長(約158cm~160cm)を基に、作業がしやすい高さとして設定された経緯があります。
身長160cmの方が使う場合、「身長 ÷ 2 + 5cm」という快適な高さを求める計算式(160 ÷ 2 + 5 = 85cm)にも合致し、理にかなった高さと言えます。
しかし、このカウンターの高さが、レンジフードの設置高にも大きく影響を与えます。
レンジフードは火元から一定の距離を確保する必要があるため、カウンター高85cmを基準にすると、レンジフードの下端は床からおおよそ165cmの位置に来ることが多くなります。
これが、高身長の方が「低い」と感じる根本的な原因の一つになっているのです。

身長より低いと頭がぶつかる問題の対策
レンジフードの高さがご自身の身長より低い場合、調理のたびに頭をぶつけるリスクが伴います。
これは単に不快なだけでなく、集中力の低下を招いたり、熱い鍋を持っている際にぶつかれば大きな事故につながりかねない、安全上の問題です。
調理中の人の動きは、必ずしも常に意識的ではありません。
鍋の中を覗き込んだり、調味料を取ろうと体をひねったりする無意識の動作の中で、ちょうど死角に入りやすいレンジフードの角に頭をぶつけてしまうケースは後を絶ちません。
この問題への対策として最も効果的なのは、家づくりの計画段階やリフォームの際に、根本的な解決策を講じることです。具体的には、以下のような対策が考えられます。
- キッチン全体の高さを上げる: カウンターの高さを自身の身長に合わせて高く設定することで、レンジフードの位置も自然と上がります。
- 薄型(スリム型)のレンジフードを選ぶ: 従来の前方に大きく突き出たブーツ型ではなく、本体の厚みが薄い製品を選ぶことで、頭上の空間を広く確保できます。
- キッチン全体の高さを上げる
- カウンターの高さを自身の身長に合わせて高く設定することで、レンジフードの位置も自然と上がります。
- 薄型(スリム型)のレンジフードを選ぶ
- 従来の前方に大きく突き出たブーツ型ではなく、本体の厚みが薄い製品を選ぶことで、頭上の空間を広く確保できます。
すでに入居済みの場合、フードの角に市販のクッション材を貼るという対症療法もありますが、これはあくまで応急処置です。根本的なストレスを解消するためには、身長に合わせた高さの確保が鍵となります。

165cm・170cm・180cmでの違い
レンジフードの快適性は、床からの絶対的な高さだけでなく、使用する人の身長との相対的な関係で決まります。同じ高さのレンジフードであっても、身長が異なれば使い勝手の評価は大きく変わってきます。
例えば、床から170cmの高さにレンジフードの下端が設置されているキッチンを考えてみましょう。
- 身長165cmの人
- 頭上に5cmの余裕があり、調理中に頭をぶつける心配はほとんどありません。快適に作業できる高さと言えます。
- 身長170cmの人
- 身長とフードの高さが同じため、少し前かがみになるときに頭をかすめる可能性があります。圧迫感を感じ始める高さです。
- 身長180cmの人
- 身長より10cmも低いため、調理中は常に頭をかがめる必要があり、頻繁に頭をぶつけることになります。作業性が著しく悪く、非常にストレスを感じる高さです。
このように、身長とレンジフードの高さの差が、キッチンの快適性を大きく左右します。以下の表は、身長別に推奨されるレンジフード下端の理想的な高さ(床から)の目安をまとめたものです。
ご自身の身長と照らし合わせて、現在のキッチンの高さが適切かどうかの参考にしてください。
使用者の身長 | 推奨されるカウンター高さの目安 | 推奨されるレンジフード下端の高さ(床から) |
155cm | 82.5cm | 165cm |
160cm | 85.0cm | 170cm |
165cm | 87.5cm | 175cm |
170cm | 90.0cm | 180cm |
175cm | 92.5cm | 185cm |
180cm | 95.0cm | 190cm |

消防法で定めるコンロからの離隔距離
レンジフードの高さは、単に使いやすさだけで決められるものではありません。安全性を確保するための法的な規制が存在します。その一つが、消防法(および各自治体の火災予防条例)です。
多くの自治体が定める火災予防条例(消防法に基づく規定)では、ガスこんろ等の加熱機器上方に可燃物・吸込み口を設ける場合、下端まで概ね80cm以上(機種仕様で異なる場合あり)離隔を確保するよう規定・指導されています。
この規定の理由は、調理中にフライパンなどから上がった炎が、レンジフードに付着した油汚れに燃え移る「引火」を防ぐためです。
もしフードの位置が火元に近すぎると、油を含んだ高温の空気が直接フィルターに当たり、火災のリスクが著しく高まります。
この「80cm以上」という基準は、安全を確保するための絶対的な下限値です。
IHクッキングヒーターは直接炎が出ないため、この規定が緩和されると考える方もいますが、多くのメーカーや施工業者は安全マージンを考慮し、IHの場合でもガスコンロと同様の基準で設置することを推奨しています。
どのような熱源であれ、この離隔距離を守ることが安全なキッチン環境の第一歩となります。

建築基準法による高さの規定とは
安全性を規定する消防法に対し、建物の基本的な性能を定める建築基準法では、換気性能の観点からレンジフードの高さに関する規定が設けられています。
建築基準法自体には、レンジフードの高さに関する具体的な数値規定はありません。ただし、住宅性能表示制度やシステムキッチン設計指針、JIS規格、およびメーカー基準では、煙の捕集効率を保つため、コンロからフード下端までの距離を100cm以下にするのが望ましいとされています。
レンジフードの位置が高すぎると、発生した煙や蒸気が上昇する過程で周囲の空気と混ざり、拡散してしまいます。
その結果、フードが煙を捕集しきれず、室内に充満してしまうのです。これでは、本来の換気扇としての役割を十分に果たすことができません。
以上のことから、レンジフードを設置する際は、消防法が定める「80cm以上」と、建築基準法が定める「100cm以下」という二つの基準を同時に満たす必要があります。
つまり、レンジフードの高さは、コンロの天板から80cmから100cmまでの、わずか20cmの範囲内で調整することになるのです。
この法的制約を理解した上で、ご自身の身長に合った最適な位置を見つけることが求められます。

レンジフードの高さ175cmの解決策と費用
- 推奨される理想的な位置と計算方法
- 高すぎ?低くするとどうなるのか
- 設置後に後悔しないためのポイント
- 高さの調整はDIYで可能か?
- 変更・交換にかかる費用と業者の選び方
- 最適なレンジフード高さ175cmを選ぶ注意点
推奨される理想的な位置と計算方法
法的な制約の中で、身長175cmの人が最も快適に使えるレンジフードの高さは、人間工学に基づいた計算式によって導き出すことができます。
ポイントは、レンジフードの高さだけを考えるのではなく、調理作業の土台となるキッチンカウンターの高さから見直すことです。
まず、体に負担の少ない理想的なカウンターの高さを求めます。広く使われている計算式は以下の通りです。
理想のカウンター高さ = 身長(cm) ÷ 2 + 5cm
この式に身長175cmを当てはめると、「175 ÷ 2 + 5 = 92.5cm」となります。標準的な85cmや90cmのカウンターよりも少し高い、92.5cmが腰をかがめることなく自然な姿勢で作業できる高さの目安です。
次に、この理想のカウンター高を基準として、レンジフードまでの最適な距離を計算します。ここでも同様の計算式が参考になります。
コンロからフードまでの快適な高さ = 身長(cm) ÷ 2 + 5cm
身長175cmの場合、これも「92.5cm」となります。この数値は、前述の法的要件である「80cm以上100cm以下」の範囲に完全に収まっており、換気性能と安全性を両立できる適切な高さです。
以上の計算から、最終的な理想の設置高が明らかになります。
床からレンジフード下端までの理想の高さ = 92.5cm(カウンター高) + 92.5cm(フードまでの距離) = 185cm
床から185cmの高さにフードの下端が来ることで、身長175cmの方の頭上には10cmのクリアランスが確保されます。
これにより、頭をぶつけるという根本的な問題が解消され、法的にも性能的にもバランスの取れた快適なキッチン環境が実現できると考えられます。

高すぎ?低くするとどうなるのか
レンジフードの高さは、単に高ければ快適、低ければ高性能という単純なものではなく、それぞれにメリットとデメリットが存在します。
ご自身の調理スタイルやキッチンの環境に合わせて、どちらの要素を優先するかを考えることが大切です。
高く設置するメリットとデメリット
高く設置する最大のメリットは、頭をぶつける心配がなくなり、調理中の圧迫感が軽減されることです。視界が広がり、キッチン全体に開放感が生まれます。
一方で、デメリットは換気効率の低下です。コンロからフードまでの距離が離れるほど、煙や湯気、においがフードに届く前に周囲へ拡散しやすくなります。
特に、炎による上昇気流が発生しないIHクッキングヒーターの場合は、この影響をより受けやすくなる傾向があります。
また、フード本体やフィルターの掃除がしにくくなったり、操作パネルに手が届きにくくなったりする点も考慮が必要です。
低く設置するメリットとデメリット
低く設置するメリットは、なんといっても高い換気性能です。発生した煙やにおいをパワフルに捕集できるため、リビングと一体になったオープンキッチンなど、においの拡散が気になる間取りでは特に有効です。
お手入れが比較的しやすいという利点もあります。
しかし、デメリットは高身長の方にとっての使いにくさです。調理中に頭がぶつかりやすく、常に圧迫感を感じることになります。
キッチン全体が狭く見えるという視覚的な影響も無視できません。これらのことから、高さの決定は、換気性能と作業快適性のバランスをどこに置くかという、重要な選択であると言えます。

設置後に後悔しないためのポイント
レンジフードの設置は、一度決めてしまうと後から変更するのが非常に困難です。多額の費用と手間がかかるため、計画段階での入念な検討が、将来の後悔を防ぐための最も重要なポイントとなります。
まず、図面やカタログの数字だけで判断せず、可能な限りショールームなどで実物を確認することが大切です。実際にその高さのキッチンに立ってみて、調理する際の動きをシミュレーションしてみましょう。
鍋をのぞき込んだり、洗い物をしたりする一連の動作を試すことで、自分にとって本当に快適な高さが見えてきます。
次に、キッチンを使うのは誰かを考える視点も不可欠です。ご自身だけでなく、パートナーや将来大きくなるお子さんなど、家族全員の身長を考慮に入れる必要があります。
一般的には、最も身長の高い人に合わせるか、主に使用する人の快適性を優先するか、家族で話し合ってコンセンサスを形成しておくことが望ましいです。
さらに、デザインの選択も後悔を避ける上で有効な手段です。例えば、前方への出っ張りが少ないスリム型やフラット型のレンジフードを選べば、設置高を極端に上げなくても頭上の圧迫感を軽減できます。
機能性だけでなく、形状にも目を向けることで、解決策の幅が広がります。

高さの調整はDIYで可能か?
「現在のレンジフードが低くて使いづらい」と感じたとき、DIYで高さ調整ができないかと考える方もいるかもしれません。
しかし、結論から言うと、専門的な知識や技術を持たない方がレンジフードの高さ調整をDIYで行うことは、安全上の観点から極めて危険であり、推奨されません。
レンジフードの設置には、排気ダクトの適切な接続が不可欠です。接続が不十分だと排気漏れを起こし、壁内に湿気や油が溜まり、建物の劣化や悪臭の原因となります。
また、レンジフード本体はかなりの重量があるため、壁の下地が弱い場所に取り付けると、使用中に落下する重大な事故につながる恐れもあります。電気配線の工事も伴うため、感電や漏電のリスクも無視できません。
もちろん、レンジフードと天井の隙間を埋める「幕板(まくいた)」と呼ばれる化粧パネルを交換する程度の作業であれば、DIYの範囲内で行える場合もあります。
しかし、フード本体の位置を数センチでも動かすような工事は、DIYの領域を完全に超えています。
安全で確実な施工を確保し、機器の性能を最大限に引き出すためにも、高さの変更や交換は必ず信頼できる専門業者に依頼するようにしてください。

変更・交換にかかる費用と業者の選び方
レンジフードの高さ変更や交換にかかる費用は、大きく分けて「製品本体の価格」と「工事費用」の二つで構成されます。これらの合計金額は、選ぶ製品のグレードや工事の規模によって大きく変動します。
製品本体の価格は、機能によって様々です。
基本的な換気機能のみのシンプルなモデルであれば5万円前後からありますが、フィルターレスでお手入れが簡単なモデルや、自動洗浄機能付きの高機能モデルになると、15万円から20万円以上するものもあります。
工事費用は、既存のフードを取り外し、新しいものを取り付ける基本的な交換工事で3万円~5万円程度が相場です。これに加え、高さを変更する場合は追加の工事が必要になります。
工事内容 | 費用の目安 | 備考 |
製品本体価格 | 50,000円 ~ 250,000円 | 機能やデザインにより大きく変動 |
基本交換工事費 | 30,000円 ~ 50,000円 | 同一サイズへの交換の場合 |
追加工事費 | ||
├ ダクト延長・加工 | 5,000円 ~ 15,000円 | 高さを変更する際に必要 |
├ 前幕板・横幕板 | 5,000円 ~ 20,000円 | 高さに合わせた化粧パネル代 |
├ 壁の下地補強 | 10,000円 ~ | 設置場所の壁が弱い場合に必要 |
合計費用の目安 | 100,000円 ~ 300,000円以上 |
業者選びも重要なポイントです。リフォーム会社、キッチンメーカー、ガス会社、ホームセンターなど、依頼先は多岐にわたります。
それぞれに得意分野や価格設定が異なるため、必ず2~3社から相見積もりを取り、工事内容の詳細と総額をしっかりと比較検討することが、納得のいくリフォームにつながります。
横浜・川崎エリアで業者をお探しの方へ
レンジフードの交換や設置をご検討中でしたら、私たち「横浜電気工事レスキュー」もご相談を承っております。
電気工事のプロフェッショナルとして、安全・確実な施工はもちろん、お客様の身長やキッチンの状況に合わせた最適な高さのご提案も可能です。
お見積もりは無料ですので、ぜひ選択肢の一つとしてお気軽にご連絡ください。

最適なレンジフードの高さ175cmを選ぶ際の注意点
これまで解説してきた内容を踏まえ、身長175cmの方がご自身にとって最適なレンジフードを選ぶための重要なポイントを、以下にまとめます。
- 身長175cmの場合、床から185cmの高さが理想的な目安
- 理想の高さはキッチンカウンターの高さから見直すことが鍵
- カウンター高さの目安は「身長÷2+5cm」で計算できる
- 法規制によりコンロから80cm以上100cm以下の範囲で設置する
- 消防法は火災予防のため、建築基準法は換気性能のため
- 計画段階ではショールームで実際の高さを体感する
- 家族全員の身長や将来的な使い方も考慮に入れる
- レンジフードを高くすると換気効率が低下する可能性がある
- 特にIHコンロは上昇気流が弱いため高さの影響を受けやすい
- レンジフードを低くすると高身長の人は圧迫感を感じる
- 前方への出っ張りが少ないスリム型やフラット型も有効な選択肢
- DIYでの高さ調整は危険なため専門業者に依頼する
- 費用は製品代と工事費で構成され、総額は10万円以上が目安
- 業者選びでは複数社から相見積もりを取り比較検討することが大切
- 最終的な決定は、安全性、快適性、性能のバランスを総合的に判断する