古いマンションの電気温水器トラブルと交換前のサイン

古いマンションの電気温水器トラブルと交換前のサイン

こんにちは。横浜電気工事レスキューの主任電気工事士「天谷富士夫」です。

古いマンションにお住まいで、電気温水器の調子が悪くてお困りではないですか?

急にお湯が出ない、お湯がぬるい、シャワーの水圧が弱い、なんてことがあると本当に不便ですよね。

特に室内置きタイプだと、デメリットや湯切れの心配もありますし、もし水漏れでも起きたら…と不安になるかもしれません。

「もう寿命なのかな?」「交換費用はいくら?」「賃貸だけどどうしよう?」

「エコキュートへの交換はできるの?」など、古いマンションの電気温水器に関する悩みは尽きないかなと思います。

この記事では、そんな皆さんの疑問や不安について、少しでもスッキリできるようポイントを解説していきますね。

記事のポイント

  • 古い電気温水器の危険な故障サイン
  • よくある不具合の原因と対処法
  • 交換前に確認すべき管理規約や費用相場
  • エコキュートへの交換は可能か
目次

古いマンションの電気温水器、危険なサイン

まずは、お使いの電気温水器が「交換時期かも?」というサインを見逃さないことが大切です。

特に古いマンションでは、設備自体も年数が経っていますからね。どんな症状が出たら注意すべきか、見ていきましょう。

寿命10年?交換時期の目安

電気温水器も、最近多いエコキュートも、寿命は一般的に10年~15年と言われていますね。

もちろん、使い方や水質、設置環境によって変わってはきますが、やはり10年を過ぎてくる頃が一つの目安になりますね。

この時期になってくると、内蔵されている電熱ヒーターに水垢(スケール)がこびりついたり、タンク内部にサビが出始めたりと、色々なところに不具合が出やすくなってくるのは確かです。

ただ、ここで一番知っておいてほしいのは、メーカーさんが修理用に持っている「部品の保有期間」なんです。これが、だいたい製造終了から10年くらいが目安なんですね。

(参考:日本冷凍空調工業会「賢い買い替えのススメ」PDF

つまり、10年以上経ってからの故障は、たとえ「小さな部品の交換で直る」ような軽い不具合だったとしても、「部品が無いので修理できません」と言われてしまう可能性が非常に高くなるんです。

そうなると、もう本体ごと交換するしかありません。

だからこそ、10年を過ぎてからの不具合は、「まだ修理できるかな?」と考えるより、「交換」を具体的に考え始めるタイミングだ、と言えるかもしれません。

交換を検討するサイン

  • リモコンにエラー表示が頻繁に出る
  • お湯の温度が不安定になる(急にぬるい、熱すぎる)
  • 以前よりお湯が沸くのに時間がかかる(ヒーターの効率低下かも)
  • 浴槽のお湯にサビや黒い異物が混じる
  • 修理をしても、またすぐ別の場所が壊れる
  • 修理費用が高額になってきた(5万円を超えるようなら考え時かも)

修理を繰り返して費用がかさむより、早めに交換した方が結果的に安心で経済的なケースも多いですよ。

寿命10年?交換時期の目安
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お湯が出ない、ぬるい時の原因

「昨日まで普通だったのに、急にお湯が出ない!」とか「家族の最後の一人になると、いつもシャワーがぬるい…」というのは、本当に焦りますし不便ですよね。

故障を疑う前に、まずはご自身で確認できることがあります。

ステップ1:リモコンとブレーカーの確認

まず確認してほしいのは、リモコンのエラー表示です。何か番号(例:F24、E10など)が出ていませんか? もし出ていたら、その番号を控えておいてください。私たち専門業者に伝えるときに、その番号があると原因の特定が早くなります。

次に、電気温水器本体(たいていタンクの近くにあります)のカバーを開けて、「漏電遮断器(ブレーカー)」が「切」になっていないかも見てみてください。もし落ちていたら、一度「入」にしてみて、お湯が沸くか様子を見ましょう。(ただし、すぐまた落ちる場合は漏電の可能性が高いので、すぐに「切」に戻してご相談ください)

ステップ2:「湯切れ」を疑う

特に「お湯が出ない」のではなく「ぬるい水しか出ない」場合、単純な「湯切れ」かもしれません。

電気温水器は、電気代が安い深夜にまとめてお湯を沸かして、タンクに貯めておく仕組みです。そのため、タンクのお湯を使い切ってしまうと、次のお湯が沸き上がるまで(通常は次の深夜まで)お湯が出なくなってしまいます。

ご家族が入浴を終える3人目くらいでぬるくなる、という場合はこれかも。この場合は故障ではありません。夜間に沸き増しするのを待つか、リモコンの設定で「沸き増し」や「追い焚き」ができるか確認してみましょう。

その他の考えられる原因

  • 機器の故障:電熱ヒーター、温度センサー、減圧弁といった内部部品の故障。これは私たち専門業者の出番ですね。
  • 水道管のトラブル:冬場に配管が凍結したり、マンション全体で断水したりしている可能性です。この場合は水自体が出ないことが多いですね。

単純な湯切れやブレーカーの問題なら良いのですが、機器の故障が疑われる場合は、無理に触らず管理会社さんや専門業者に相談するのが一番安全です。

お湯が出ない、ぬるい時の原因
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危険な水漏れと漏電の兆候

古い電気温水器で最も注意してほしいのが「水漏れ」と「漏電」です。これはご自身の生活だけでなく、ご近所にも影響する可能性があり、本当に危険ですからね。

水漏れのサイン

タンク本体や、繋がっている配管の根元から水がポタポタ垂れていたり、タンクの下の床がいつも濡れていたりしませんか?

これは、配管の接続部分にあるパッキンの劣化や、タンク内部が腐食して穴が開き始めているサインかもしれません。

特にマンションの場合、この水漏れが階下のお部屋に被害を与えてしまうと、天井や壁紙、家具などをダメにしてしまい、高額な損害賠償問題に発展する可能性があります。

これはもう「様子を見る」段階ではなく、発見したら即、管理会社さんや専門業者に連絡が必要な緊急事態です。

漏電の兆候

漏電は目に見えないので厄介です。水と電気を扱う電気温水器は、常に漏電のリスクと隣り合わせとも言えます。以下の症状は危険なサインかもしれません。

  • 電気温水器専用の漏電ブレーカーが頻繁に落ちる
  • (専用ブレーカーがない場合)家全体のブレーカーが落ちることが増えた
  • 浴槽のお湯にサビや異物が混じる(タンク内部の腐食が漏電に繋がることも)
  • 本体に触れるとピリピリと感じる(絶対に触れないでください!)

漏電は、感電事故や火災の原因にもなる非常に危険な状態です。「あれ?」と思ったら、すぐに使用を中止して、私たちのような電気工事の専門家にご相談ください。

漏電は「なぜ、どこから漏れているか」を突き止める専門技術が必要です。漏電修理に関するご相談も受け付けています。詳しくは以下のページも参考にしてみてください。

横浜市の漏電調査・修理(出張対応)についてはこちら

室内置きのデメリットと湯切れ

古いマンションだと、電気温水器が廊下や洗面所の収納スペースに「室内置き」されていることも珍しくないですよね。

この室内置きタイプ、いくつか知っておきたいデメリットがあります。

室内置きの主なデメリット

1. スペース(圧迫感)の問題

巨大なタンクが室内の貴重な収納スペースを占領してしまいます。リノベーションを考える時も「このタンクがなければ…」とネックになりがちですね。

2. 水漏れ時の被害と対応

先ほども触れましたが、もし室内で水漏れしたら…。床が水浸しになり、床材の張り替えや、最悪の場合、階下への漏水被害に直結します。 だからこそ、万が一「あれ?」と思ったら、すぐにタンクの給水を止め(※)、管理会社さんへ通報する、という早期の対応と停止が本当に重要なんです。 (※多くの場合、タンク本体の近くに専用の「給水バルブ」があるはずです)

3.稼働音や振動

深夜の沸き上げ時など、機種によっては「ブーン」という低い稼働音や、かすかな振動が室内に響いて、寝室が近いと気になるかもしれません。

4. 周囲の温度上昇

これは、古い型式や、タンクの断熱材が劣化してくると起こりがちですね。熱がこもって周りの室温が上がることがあるようです。

最近の機種はタンクの断熱性がすごく向上しているので、そこまで心配ないとは思いますが。

こうした「音」や「熱」の問題が気になる場合は、リフォームでタンク周りの断熱材を補強したり、最新の機種に交換(更新)したりすることで、緩和できる場合もあります。

また、電気温水器は「貯湯式」なので、タンクの容量以上の熱いお湯は使えません。これが「湯切れ」ですね。

ご家族が3人、4人と増えたり、ご両親や友人が泊まりに来たりしてお湯の使用量が増えると、タンクの容量が足りず、最後の人がシャワーを浴びている途中でぬるくなってしまう…なんてことが起こりがちです。

「うちは3人家族だから370Lで大丈夫」と不動産屋さんに言われても、それはあくまで「標準的な使い方」の場合です。

ガスの給湯器と同じ感覚でシャワーを出しっぱなしにすると、あっという間に湯切れするかも。こまめにシャワーを止める習慣をつけるのが、湯切れを防ぎ、節約にも繋がりますよ。

水圧が弱いのはなぜ?

「シャワーの水圧が弱くてスッキリしない…」「キッチンとシャワーを同時に使うと、お湯がチョロチョロ…」これも電気温水器あるある、かもしれません。

ガス給湯器は、水道管の圧力をそのまま利用できる「水道直圧式」が多いので、水圧が強いんですね。

一方、電気温水器(貯湯式)は、お湯を貯めるタンクが水道の強い圧力で破損しないように、「減圧弁」という部品で水圧をわざと弱く調整しているんです。(だいたい170~190kPaくらい、と言われていますね)

だから、ガス給湯器のマンションから電気温水器のマンションに引っ越すと、「水圧が弱くなった」と感じる方が多いんですね。これは故障ではなく、仕様上ある程度仕方のない部分だと言えます。

「じゃあ、エコキュートに交換しても水圧は弱いの?」と心配になるかもしれませんが、最近は良いものが出ています。

もちろん、一般的なエコキュートも電気温水器と同じ貯湯式なので水圧は同じくらいです。

しかし、「高圧給湯タイプ」や、一部のメーカーが出している「水道直圧タイプ」のエコキュートを選べば、ガス給湯器に近い、強い水圧のシャワーが期待できます。

水圧がネックで交換を悩んでいるなら、業者さんに「高圧給湯タイプにできますか?」と相談してみる価値はあります。

ただし、「入居した時より急に水圧が弱くなった」、または「水は強いのに、お湯だけ極端に水圧が低い」という場合は、話が別です。これは点検が必要なサインかもしれません。

代表的な例としては、

  • 給水管についている「ストレーナー(フィルター)」にゴミが詰まっている
  • 減圧弁」自体が故障している
  • 目に見えない配管のどこかで水漏れ(漏水)が起きている

…といった可能性が考えられます。

もし取扱説明書を見て、ご自身で「ストレーナーの清掃」ができそうなら、まずはそれを試してみてください。

それでも改善しない場合は、無理をせず、私たちのような専門業者に点検を依頼するのが一番ですね。

ちなみに、シャワーヘッドを「低水圧用」のものに交換すると、水圧(というか肌あたりの勢い)が多少改善されることもあります。

ホームセンターなどで数千円で売っているので、試してみる価値はあるかもしれません。

水圧が弱いのはなぜ?
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賃貸の故障対応と費用負担

もしお住まいのマンションが「賃貸」の場合、話は少し違ってきます。これは入居者さんにとって大事なことですよ。

電気温水器は、エアコンなどと同じで「お部屋の設備」です。

経年劣化や自然な故障で使えなくなった場合、その修理や交換の費用は、原則として大家さん(貸主)の負担になります。

(参考:賃貸物件の修繕義務についての解説(全日本不動産協会)

入居者さんが故意に壊したり、不注意で故障させた(例えば、タンクに物をぶつけて凹ませたとか)場合でなければ、費用を請求されることはまずありません。

(ただし、ご自身の「賃貸借契約書」に、修理に関する特別な定め=「特約」がないかは、念のため確認しておくと万全ですね)

賃貸で故障したら【絶対NG】なこと

「お湯が出ない!早く直したい!」と焦って、自分で勝手に修理業者を呼んではいけません。

これをやってしまうと、本来大家さんが負担すべきだった費用を、ご自身(借主)が払うことになりかねません。「良かれと思って」やったことが、金銭的なトラブルの元になるんです。

故障かな?と思ったら、まずやることは「管理会社」か「大家さん」への連絡です。これが鉄則です。

「エラーコード〇〇が出ている」「タンクの下から水漏れしている」など、状況をできるだけ正確に伝えて、指示を仰いでください。そこから先の業者手配などは、大家さん側でやってくれるはずです。

(ただし、水漏れを発見したのに放置して被害を拡大させた、なんてことになると「善管注意義務違反」として責任を問われる可能性もゼロではないので、報告は速やかに、ですね)

賃貸の故障対応と費用負担
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古いマンションの電気温水器交換ガイド

「やっぱり交換が必要かも…」となった時、次に気になるのは「何に交換できるの?」「費用は?」といった具体的な話ですよね。

特に古いマンションでは、戸建てにはない特有のルールもあって…。交換手続きのポイントを見ていきましょう。

交換費用の相場はいくら?

さて、気になる交換費用ですが、あくまで2025年現在の目安として聞いてくださいね。

選ぶ機種の機能(給湯専用か、フルオートか)やタンクの容量、現在の設置状況、追加工事の有無によって金額は大きく変わってきます。

交換費用の目安(本体価格+標準工事費)

交換先機能・タイプ費用目安(2025年相場)
新型 電気温水器給湯専用~フルオート約16万円~35万円 程度
エコキュートフルオート(追焚き付)約40万円~75万円 程度

※上記はあくまで一般的な相場の一例です。設置状況や基礎工事の必要性、搬入難易度によって変動します。

「あれ、エコキュートが思ったより高いな?」と感じたかもしれません。

これは、昨今の物価高の影響に加え、特に古いマンションではエコキュート設置時に「分電盤増設」や「幹線張替え」等の電気工事が別途必要になる場合があるからです。

見積もりを依頼するときは、必ず現地調査をしてもらい、 「本体価格」「標準工事費」「既存の処分費」そして「追加工事費(もしあれば)」 …といった「総額でいくらかかるのか」の内訳を、しっかり確認してくださいね。

ただ、電気温水器からエコキュートへの交換は、ランニングコスト(電気代)がすごくお得になる可能性が高いんです。

というのも、エコキュートは「ヒートポンプ」という技術を使って、空気の熱を効率よく集めてお湯を沸かす仕組みなんですね。

(参考:エコキュートと今までの電気温水器との違いは何ですか。 - エコキュート|中部電力ミライズ

電熱ヒーターだけでお湯を沸かす電気温水器と比べて、お湯を沸かすための消費電力がだいたい1/3くらいになると言われています。

もちろん、ご契約の電力プランやお湯の使い方によって実際の電気代は変動しますが、長い目で見るとお得になるケースがほとんどですよ。

そして、エコキュートは国や自治体の補助金対象になることが多いです!例えば、経済産業省が主導する「給湯省エネ事業」などがあります。(出典:給湯省エネ事業 公式サイト

【ご注意】 ちなみに、この記事を書いている2025年11月8日時点での大事なお知らせですが、この「給湯省エネ事業2025」は、予算の上限がかなり近づいているようです。

公式サイトでは、「交付申請の予約」の受付が2025年11月14日で終了すると発表されています。 (※なお、古い電気温水器からの交換時にあった「撤去加算」の補助は、一足先に2025年10月29日で受付終了となっています。)

こうした補助金をうまく使えば、初期費用を抑えて高機能なエコキュートに交換できるチャンスもあります。

補助金は予算が決まっていて早い者勝ちのことが多いので、(もし利用を考えている場合は、特に)情報は早めにキャッチしたいですね。

交換費用の相場はいくら?
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管理組合への許可と手続き

戸建てと違って、マンションで設備交換する際に絶対に忘れてはいけないのが「管理組合への確認」です。

電気温水器が設置されている場所(廊下のパイプシャフトやバルコニー)は、法律上「共用部分(専用使用)」という扱いになっていることが多いんですね。

簡単に言えば、「皆さんの財産だけど、〇〇号室さんが専用で使っていい場所ですよ」となっていることが多いんです。

たとえ専有部分だとしても、交換工事では音が出たり、共用廊下を使って機器を搬入したりします。

そのため、機器の搬入経路や工事の騒音、設置後の外観(景観)といった観点からも、多くのマンションでは「工事の前に管理組合へ申請し、許可を得る」ことが管理規約で厳格に定められています。

規約で制限されているケース(要確認!)

  • 機種の指定:交換できる機種やメーカーが指定されている。
  • 容量の上限:タンクの容量(サイズ)に「460Lまで」などと上限がある。
  • エコキュート禁止:ヒートポンプユニット(室外機)の設置が、景観や騒音基準(「夜間〇〇デシベル以下」など)の問題で禁止・制限されている。
  • アンカーボルト:タンクを固定するアンカーボルトを、建物のコンクリート(スラブ)に新しく打つことが禁止されている。(これが一番のネックになることも)

「ウチは大丈夫だろう」と自己判断せず、必ず工事を契約する前に、管理規約の「専有部分の修繕」といった項目を確認するか、管理会社さんに問い合わせてください。

無断で工事を進めて規約違反になると、最悪の場合、工事の中止や原状回復(元に戻すこと)を求められる…なんていう、笑えないトラブルにもなりかねませんからね。

エコキュートへ交換できる?

「交換するなら、月々の電気代が安くなるエコキュートにしたい!」と考える方は多いと思います。

古いマンションの電気温水器からエコキュートへの交換、結論から言うと「できる場合と、物理的・規約的に難しい場合がある」ですね。

一番のハードルは、先ほども触れた「ヒートポンプユニット」の設置場所です。

エコキュートは、お湯を貯める「貯湯タンク」の他に、「ヒートポンプユニット」(エアコンの室外機みたいな機械)の2つを設置する必要があります。室内置きの電気温水器だった場合、この室外機を置くバルコニーなどが無いと、まず難しいです。

エコキュート設置の確認ポイント

1. ヒートポンプの置き場所は「規約上」大丈夫か

「バルコニーに置けそう」だとしても、管理規約で「景観」や「騒音基準(夜間はダメ、など)」が定められていないか。また、消防法で決められた「避難経路」を塞いでしまわないか、の確認が必須です。

2. タンクの「搬入経路」は確保できるか

これが意外と盲点です。大きな貯湯タンク本体が、マンションのエレベーター(使用条件や養生のルールも要確認です)や、玄関、室内の廊下を無事に通過できるか、ですね。

3. 管理規約」での細かなルールは無いか

そもそも「エコキュート設置OK」か。OKだとしても、「工事の届出様式」が決まっていたり、「設置する機種の色や外観の指定」があったりしないか、規約をしっかり確認する必要があります。

4. 電気容量(アンペア)

電気温水器からの交換なら200V電源はありますが、エコキュートも動かすとなると、ご自身の住戸の電気容量(アンペア)が足りるか。

場合によっては「分電盤(ブレーカー)の増設」や、マンションによっては「幹線(メインの電線)の張替え」といった追加工事が必要になるかもしれません。

最近は、マンションの狭いスペースにも設置しやすい「薄型」や「コンパクト」なエコキュートも増えています。まずは専門業者に現地調査をしてもらって、設置可能か相談してみるのが早いですね。

電気容量や分電盤のことでご不安があれば、こちらのページも参考にしてみてください。

資産性への影響とは

これはちょっと難しい話ですが、「古い電気温水器があること」が、マンションの資産性(売却時の価値)に少し影響する、という見方もあるようです。

理由としては、

  • ガス給湯器に比べて、交換の初期費用が高額になりがち。
  • (室内置きの場合)タンクが占有する面積の分、居住スペースや収納が狭くなり、リノベーションの自由度が下がる。
  • 「湯切れ」や「水圧の弱さ」といった使い勝手を、購入希望者が敬遠することもある。

という点が挙げられるみたいですね。

ただ、私が思うに、「古い電気温水器を故障したまま放置している」状態が一番、資産性にとってマイナスかなと思います。

「お湯がまともに使えない」「いつ水漏れするか分からない」という物件は、買う側から見たら大きな不安材料になります。

そして、購入後にすぐ数十万円の交換費用がかかると分かっていれば、その分、指値(値下げ交渉)されてしまいますよね。

将来的に売却や賃貸を考えている場合でも、きちんと新しい機器(電気温水器でもエコキュートでも)に交換・維持管理されていることの方が、買主さんや入居者さんにとっての心証がまったく違いますよね。

そうした「安心感」に繋がることが、結果として資産性を守ることになると私は思います。

資産性への影響とは
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古いマンションで電気温水器を使用する際の最適解

ここまで、古いマンションの電気温水器に関する色々なお話をしてきました。

「じゃあ、結局どうするのが一番いいの?」と思いますよね。

私の考えとしては、「安全」と「快適」を最優先に、ご自身の状況(所有か賃貸か、予算、家族構成)に合った選択をするのが最適解かなと思います。

状況別の考え方

1. 賃貸にお住まいの場合

なにはともあれ「管理会社・大家さんへ連絡」。これが全てです。費用負担の心配は無用です。絶対に自分で業者を呼ばないこと。

2. 所有物件で10年以上経過している場合

今お湯が出ていても、故障する前に、交換の検討を具体的に始めましょう。まずは管理規約の確認と、複数の業者への現地調査・見積もり依頼です。

3. 交換を具体的に進める場合
  • エコキュートへの交換が可能か(規約・場所・搬入路)をまず調査
  • 可能であれば、補助金は使えるか、を業者と相談
  • エコキュートが難しければ、ご自身の家族構成に合った容量の、高機能な新型「電気温水器」を選ぶ、という流れがスムーズですね

「お湯が出ない」「水漏れかも?」といった緊急事態は、待ったなしです。

私たち横浜電気工事レスキューは、電気温水器やエコキュートといった給湯設備の交換工事も得意としています。

漏電の調査や分電盤の交換も含め、電気や設備の「困った」があれば、お気軽にご相談ください。

最終的な判断は、ご自身のマンションの規約をよく理解し、信頼できる専門業者のアドバイスをしっかり聞いた上で決めてくださいね。

横浜・川崎・東京都南部エリアで業者をお探しの方へ

私たち「横浜電気工事レスキュー」(東京電力 指定工事店 【工事店登録番号】701-1730)も、こうした電気温水器やエコキュートの設置・交換工事を得意としています。

漏電の調査や分電盤の交換も含め、電気や設備の「困った」があれば、本当にお気軽にご相談くださいね。

この記事を書いている私(天谷)も、現場のスタッフとして皆さんの安全で快適な暮らしのお手伝いをしていますので、よかったらよろしくお願いします。

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