浴室乾燥機はガスと電気どっちがお得?費用と性能を徹底比較

浴室乾燥機の導入を考えたとき、多くの方が「ガスと電気、どっちを選べばいいの?」という疑問に直面します。
快適なお風呂環境や便利な衣類乾燥を実現するために、ご家庭に合った一台を選びたいものですよね。
しかし、戸建てやマンション、あるいは賃貸といった住居形態による違い、気になるメリットやデメリットの比較、そして初期費用となる電気やガスへの交換費用から、日々の電気代やガス代まで、考慮すべき点は多岐にわたります。
特に、ガス式はいくらくらいで設置できるのか、1時間あたりの光熱費は高いのではないか、電気であれば、電気代が安くなる時間帯はあるのか、といったコストに関する悩みは尽きません。
さらに、ノーリツ、リンナイといった主要ガス機器メーカーからどれを選ぶべきか、おすすめの機種やリンナイ製浴室乾燥機の具体的なガス代など、具体的な情報も知りたいところです。
この記事では、そんな「浴室乾燥機、ガスと電気どっち?」というあなたの疑問に専門家の視点からお答えし、最適な見分け方を徹底解説します。
記事のポイント
- ガス式と電気式のメリット・デメリットがわかる
- 初期費用とランニングコストの違いが明確になる
- 戸建て・マンション・賃貸など住居に合った選び方がわかる
- 主要メーカーごとの特徴とおすすめポイントがわかる
- 1. 浴室乾燥機はガスと電気どっち?コストと性能を比較
- 1.1. メリットやデメリット・ 違いを比較
- 1.1.1. 熱源の仕組みと特徴
- 1.1.2. 性能比較の核心は「パワーとスピード」
- 1.2. ガス代 は高い?1時間あたりの料金
- 1.2.1. 1回あたりの乾燥コスト シミュレーション
- 1.2.2. 【重要】プロパンガス(LPガス)の場合はコスト構造が逆転する可能性
- 1.3. 電気代が安くなる時間帯はいつ?
- 1.3.1. 電気代を節約する3つの具体策
- 1.4. 電気とガスの交換費用の目安
- 1.4.1. 電気式とガス式の工事内容の違い
- 1.5. ガス式はいくらくらいで付く?
- 1.5.1. 最大の分岐点:既存の給湯器は「暖房対応」か?
- 1.6. 快適なお風呂を保つ乾燥機能
- 1.6.1. カビ予防と掃除の手間を削減
- 1.6.2. 冬場のヒートショック対策で家族の安全を守る
- 2. 浴室乾燥機はガスと電気どっち?状況別の選び方
- 2.1. 戸建てやマンションでの選び方
- 2.1.1. 戸建て住宅の場合:自由度の高さを活かした選択
- 2.1.1.1. 熱源機の設置が容易
- 2.1.1.2. 配管・配線工事の柔軟性
- 2.1.1.3. 選択肢の広さ
- 2.1.2. マンションの場合:制約の中での最適な選択
- 2.1.3. マンションで特に注意すべき制約
- 2.1.3.1. 共用部分の工事
- 2.1.3.2. 電源容量の制限
- 2.1.3.3. 構造上の問題
- 2.2. 賃貸での見分け方と注意点
- 2.2.1. 備え付け物件での見分け方
- 2.2.1.1. リモコンのデザイン
- 2.2.1.2. 屋外の給湯器
- 2.2.2. 後付けしたい場合の厳しい現実と注意点
- 2.2.3. 【絶対条件】後付けには書面での許可が必須
- 2.3. おすすめの主要ガス機器メーカー
- 2.3.1. リンナイ(Rinnai):多機能と先進性で快適を追求
- 2.3.2. ノーリツ(NORITZ):「おふろはノーリツ」の実績と信頼性
- 2.4. 東京ガス・リンナイ・TOTOを比較
- 2.4.1. それぞれの立ち位置のまとめ
- 2.5. 結局、浴室乾燥機はガスと電気どっち?
浴室乾燥機はガスと電気どっち?コストと性能を比較
- メリットやデメリット・ 違いを比較
- ガス代 高い?1時間あたりの料金
- 電気代が安くなる時間帯はいつ?
- 電気 ガス 交換 費用の目安
- ガス式はいくらくらいで付く?
- 快適なお風呂を保つ乾燥機能
メリットやデメリット・ 違いを比較
浴室乾燥機選びで後悔しないためには、ガス式と電気式の根本的な違いを深く理解することが不可欠です。
どちらか一方が絶対的に優れているわけではなく、それぞれの長所と短所を把握し、ご自身の価値観やライフスタイルに照らし合わせることが最適な選択に繋がります。
まず、両者の最も大きな違いは熱を生み出す仕組み、つまり熱源にあります。この熱源の違いが、乾燥スピード、パワー、そしてコストに至るまで、あらゆる側面に影響を及ぼします。
熱源の仕組みと特徴
電気式は、その名の通り電気を熱源とします。
主流はドライヤーのように電熱線で空気を直接暖める「電気ヒーター式」ですが、近年ではエアコンの室外機と同じ原理で空気中の熱を集めて効率よく温風を作り出す「ヒートポンプ式」も登場しています。
ヒートポンプ式は省エネ性能に優れますが、本体価格が高価になる傾向があります。
一方のガス式は、「ガス温水式」とも呼ばれます。
これは、屋外に設置したガス給湯器(暖房機能付きの熱源機)で約80℃のお湯を作り、そのお湯を浴室の室内機に循環させます。
そして、その熱を利用してパワフルな温風を吹き出す仕組みです。浴室側では燃焼は行わず、屋外の熱源機で作った約80℃の温水を循環させる方式のため、浴室内で直接火を使うことはありません。
これにより安全性も高く、効率的に乾燥・暖房が行えます。
性能比較の核心は「パワーとスピード」
性能面で最も体感差が大きいのは、衣類乾燥と浴室暖房のパワーとスピードです。
一般的に、大量のお湯の熱を利用するガス式の方が圧倒的にパワフルであり、暖房の立ち上がりや衣類の乾燥にかかる時間を劇的に短縮できます。
忙しい毎日の中で、家事の時短を最優先に考える方にとっては、非常に大きなメリットとなります。
以下の表で、それぞれのメリット・デメリットをより具体的に比較してみましょう。
項目 | ガス温水式 | 電気式(ヒーター式) | 電気式(ヒートポンプ式) |
---|---|---|---|
メリット | ・圧倒的なパワーで乾燥・暖房がスピーディー ・洗濯物がふんわりカラッと仕上がる ・1回あたりの光熱費が比較的安い ・ヒートショック対策の暖房機能が強力 | ・本体価格が安く、初期費用を抑えられる ・設置工事が比較的簡単 ・機種のラインナップが豊富 ・賃貸やマンションでも設置しやすい | ・ランニングコストが最も安い ・ヒーター式より乾燥時間が短い ・除湿しながら乾かすため省エネ性能が高い |
デメリット | ・本体価格や工事費など初期費用が高い ・専用の熱源機が必要 ・設置工事が大掛かりになる可能性 ・プロパンガスの場合は光熱費が割高に | ・乾燥や暖房に時間がかかる ・ガス式に比べパワーが弱い ・長時間使用すると光熱費が高くなる | ・本体価格が非常に高価 ・室外機の設置場所が必要 ・暖房の立ち上がりが遅い傾向 |
乾燥時間 (衣類2kg目安) | 約60~70分 | 約150分前後 | 約90分前後 |
1回あたりコスト (衣類2kg目安) | 約60~80円 | 約80~100円 | 約30~40円 |
このように、「多少時間がかかっても、まずは導入コストを抑えたい」という方は電気式です。
「初期費用はかかっても、日々の家事の時短や快適性、パワフルな性能を重視したい」という方はガス式が基本的な選択の軸となります。
この点を踏まえた上で、次のコスト比較に進みましょう。

ガス代 は高い?1時間あたりの料金
「ガス式のパワフルさは魅力的だけど、やっぱりガス代が心配…」という声は非常によく聞かれます。
しかし、ランニングコストを正しく評価するためには、「時間あたりの単価」だけでなく、「目的を達成するための総額」で考える視点が重要です。
確かに、単純に1時間あたりの光熱費を比較すると、ガス代が電気代を上回ることはあります。
しかし、思い出していただきたいのは、前述の圧倒的なパワーの違いです。
ガス式は電気式(ヒーター式)の半分以下の時間で乾燥を完了させることができるため、結果として、都市ガス利用かつ短時間で乾燥できる条件では、1回あたりの光熱費が電気式より安くなる場合があります。(参考:浴室暖房乾燥機のランニングコストについて知りたい。|東京ガス)
1回あたりの乾燥コスト シミュレーション
例えば、6kgの洗濯物を乾燥させるという条件で比較した場合、以下のような試算データがあります。
- 電気式(ヒーター式)
- 乾燥時間 約303分 → 約142円
- ガス式(都市ガス)
- 乾燥時間 約123分 → 約97円
この例では、1回あたり約45円の差が生まれます。毎日使うとすれば、1ヶ月で約1,350円、1年間では約16,200円もの差になる計算です。
使用頻度が高ければ高いほど、ガス式の経済的なメリットは大きくなります。
【重要】プロパンガス(LPガス)の場合はコスト構造が逆転する可能性
これまで述べてきたガス式のコストメリットは、主に都市ガスを基準にした話です。ご存知の通り、プロパンガスは原料の輸送や充填にコストがかかるため、都市ガスに比べてガス料金が大幅に割高になります。
そのため、プロパンガスをご利用のご家庭では、ガス式のランニングコストが電気式を上回ってしまう可能性が十分に考えられます。
プロパンガスをご利用の場合は、契約しているガス会社の料金単価を正確に把握し、慎重にコストシミュレーションを行うことが不可欠です。
このように、ランニングコストを判断する際は、ご自宅のエネルギーインフラ(都市ガスか、プロパンガスか)を必ず確認した上で、トータルコストで比較検討することが失敗しないための鍵となります。(参考:LPガス価格調査|資源エネルギー庁)

電気代が安くなる時間帯はいつ?
初期費用を抑えられる電気式の浴室乾燥機。そのランニングコストを賢く節約するためには、電気の使い方を工夫することが非常に効果的です。
その最も代表的な方法が、ご家庭の電気料金プランを見直し、最適なプランを活用することです。
現在の電力会社の多くは、時間帯によって電気料金の単価が変動するプランを提供しています。特に注目すべきは、深夜から早朝にかけての電気料金が割安に設定されている、いわゆる「夜間電力プラン」です。
共働きのご家庭など、日中は不在で、洗濯や入浴が夜に集中するライフスタイルの場合、この夜間プランは大きなメリットをもたらします。
例えば、東京電力エナジーパートナーでは「スマートライフS/L」など夜間割安の時間帯別プランを提供しています。(参考:スマートライフS/L|東京電力エナジーパートナー)
関西電力では「はぴeタイムR」などが該当し、夜間の電気代が安くなる仕組みがあります。ご家庭のライフスタイルに合わせて最新のプランを確認してください。(参考:はぴeタイムR|関西電力)
電気代を節約する3つの具体策
夜間電力プランへの切り替えを検討する: まずは電力会社のウェブサイトで、ご自身の電力使用状況に合ったプランがあるか確認し、料金シミュレーションをしてみましょう。
- タイマー機能をフル活用する
- 浴室乾燥機に搭載されているタイマー機能を使い、電気代が最も安い深夜帯に自動で運転が開始されるように設定します。これにより、意識せずとも節約を習慣化できます。
- フィルター掃除を徹底する
- 意外と見落としがちなのがフィルターのメンテナンスです。フィルターにホコリが詰まると空気の循環効率が著しく低下し、乾燥に余計な時間がかかり、無駄な電気代が発生します。月に一度は必ず掃除をしましょう。
もちろん、日中の在宅時間が長く、昼間の電力使用量が多いご家庭の場合、夜間プランに切り替えるとかえって電気代が高くなる可能性もあります。
ご自身のライフスタイルをしっかりと分析し、最適なプランを選択することが、電気式浴室乾燥機を経済的に運用するための重要なポイントです。

電気とガスの交換費用の目安
浴室乾燥機の導入を具体的に考え始めると、避けては通れないのが初期費用、すなわち本体価格と設置工事費を合計した「交換費用」です。
この初期費用は、電気式とガス式で大きな価格差があり、予算を組む上での重要な判断材料となります。
結論を先に述べると、ほとんどの場合、初期費用を安く抑えられるのは電気式です。その最大の理由は、設置工事のシンプルさにあります。
電気式とガス式の工事内容の違い
電気式の工事は、主に浴室の天井に室内機を設置し、そこへ電源を接続する電気配線工事が中心となります。既存の換気扇がある場合は、その開口部を流用できることも多く、比較的短時間で完了します。
ただし、パワーの強い200Vタイプの機種は、専用回路(専用ブレーカー)の設置が必須条件となる製品が多いです。分電盤に空きがない場合は、専用の回路を増設する追加工事が必要になることがあります。
一方、ガス式の工事はより複雑です。室内機の設置に加えて、屋外で温水を作るための専用の熱源機(暖房機能付き給湯器)の設置または交換が必須となります。
さらに、その熱源機と室内機を繋ぐための温水配管を壁に通す必要があり、これらが工事費を押し上げる要因です。
種類 | 費用の目安(本体+標準工事費) | 工事のポイント |
---|---|---|
電気式 | 5万円~12万円程度 | ・室内機の設置と電気配線がメイン ・工事は比較的シンプルで半日程度で完了することも |
ガス式 | 10万円~15万円以上 | ・室内機に加え、屋外に熱源機の設置が必要 ・壁への配管工事などを伴うため、作業が複雑になりがち |
上記の金額はあくまで標準的な工事の場合の目安です。浴室の構造が特殊であったり、分電盤から浴室までが遠いといったケースでは、追加費用が発生します。
後々のトラブルを避けるためにも、必ず複数の専門業者から相見積もりを取り、工事内容と費用を詳細に比較検討することを強くお勧めします。
横浜・川崎・東京都南部エリアで業者をお探しの方へ
この記事を執筆している私たち「横浜電気工事レスキュー」も、浴室乾燥機の交換・設置工事を承っております。
横浜市・川崎市や東京都内を中心に、お客様のご自宅の状況やご希望に合わせた最適な一台をご提案いたします。
「うちの場合はガスと電気、どっちがいいの?」「費用は総額でいくら?」といったご相談も大歓迎です。現地調査やお見積もりは無料ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

ガス式はいくらくらいで付く?
高性能で時短効果も高いガス式の浴室乾燥機。その導入コストについて、さらに深掘りしてみましょう。「10万円以上」という目安だけでは、なぜそれほど高くなるのか分かりにくいかもしれません。
その費用の内訳と、コストを左右する最大の要因を理解することが重要です。
ガス式の設置費用は、主に以下の3つの要素で構成されています。
- 浴室乾燥機本体の価格
- 約5万円~10万円
- 熱源機(暖房機能付き給湯器)の価格
- 約10万円~20万円以上
- 設置工事費(配管工事などを含む)
- 約5万円~10万円
ご覧の通り、費用の大部分を占めるのが「熱源機」です。
これは、お風呂やキッチンへの給湯機能に加え、浴室乾燥機や床暖房のために高温のお湯を供給する暖房機能を備えた、いわば家のエネルギー供給の心臓部です。
最大の分岐点:既存の給湯器は「暖房対応」か?
ご自宅のコストを大きく左右するのが、現在設置されている給湯器の種類です。
もし、すでに床暖房などで暖房機能付きの熱源機(TES熱源機などと呼ばれます)を利用している場合は、給湯器を交換する必要がないため、熱源機の費用(約10万円~20万円)が丸々不要になります。
この場合、浴室乾燥機の本体価格と追加の配管工事費だけで済むため、10万円前後での設置も可能になります。
しかし、暖房機能のない「給湯専用」や「追い焚き機能のみ」の給湯器が設置されている場合は、給湯器ごと熱源機に交換する必要があるため、合計で15万円~25万円、あるいはそれ以上の費用がかかることになります。
このように、ガス式の設置費用はご家庭の既存の設備に大きく依存します。
初期投資は高額になりますが、毎日のように衣類乾燥機能を使うご家庭であれば、その時短効果とランニングコストの安さから、数年で元が取れる可能性も十分にあります。
まずは専門業者に自宅の給湯器を確認してもらい、正確な見積もりを取ることから始めましょう。

快適なお風呂を保つ乾燥機能
浴室乾燥機は、雨の日の洗濯物を乾かすだけの便利な家電、というイメージが強いかもしれません。
しかし、その本質的な価値は、1年を通じてお風呂(浴室)そのものを清潔で快適な空間に維持してくれる点にあります。
日本の気候は高温多湿で、特に浴室は家の中で最もカビが繁殖しやすい場所です。
入浴後の湿気がこもった状態は、カビにとって絶好の環境。これを放置すると、タイルの目地やパッキンに黒カビが根を張り、一度生えるとなかなか落とすのが大変です。
カビ予防と掃除の手間を削減
ここで活躍するのが「浴室乾燥」機能です。入浴後にスイッチを入れるだけで、温風と換気によって壁や床、天井に残った水分を強制的に乾燥させます。
浴室全体の湿度を素早く下げることで、カビの発生そのものを強力に抑制します。これにより、これまで頭を悩ませていたカビ取り掃除の頻度と労力を削減できるのです。(参考:浴室乾燥で浮遊カビ抑制の検証(ナノイー搭載機の試験)|パナソニック)
週末の貴重な時間を、ゴシゴシとカビ掃除に費やすことがなくなるのは、本当に嬉しいポイントですよね!
冬場のヒートショック対策で家族の安全を守る
さらに、冬場に命の危険にさえ関わる「ヒートショック」の予防にも、浴室乾燥機は効果を発揮します。
入浴前に「浴室暖房」機能で浴室全体をあらかじめ暖めておけば、リビングとの温度差が小さくなり、体にかかる負担を大幅に軽減できます。これは自治体や医療機関も推奨している入浴事故対策です。
特に、パワフルなガス式であれば、スイッチを入れてからわずか数分で浴室が快適な温度に達します。これは、ご高齢のご家族がいるご家庭にとっては、何にも代えがたい安心材料と言えるでしょう。
その他にも、夏の入浴を快適にする「涼風機能」や、24時間換気で常に空気をクリーンに保つ機能など、浴室乾燥機は日々のバスタイムの質を格段に向上させてくれる頼もしい設備なのです。

浴室乾燥機はガスと電気どっち?状況別の選び方
- 戸建て マンションでの選び方
- 賃貸での見分け方と注意点
- おすすめの主要ガス機器メーカー
- 東京ガス・リンナイ・TOTOを比較
- 結局、浴室乾燥機はガスと電気どっち?
戸建てやマンションでの選び方
浴室乾燥機を設置する上で、お住まいが「戸建て」か「マンション」かという点は、選択肢の幅や工事の制約を決定づける非常に重要な要素です。
それぞれの住居形態の特性を理解し、適切な機種選びを進めましょう。
戸建て住宅の場合:自由度の高さを活かした選択
戸建て住宅の最大のメリットは、設置における自由度の高さです。建物の所有者自身が意思決定できるため、工事に関する制約が少なく、理想の浴室環境を実現しやすいと言えます。
熱源機の設置が容易
ガス式の導入に不可欠な暖房機能付き熱源機を設置するスペースを、屋外に確保しやすいのが大きな利点です。給湯器の交換も比較的スムーズに行えます。
配管・配線工事の柔軟性
壁に穴を開けて配管を通したり、分電盤から専用の電気回路を引いたりといった工事が、マンションに比べて格段に行いやすいです。
選択肢の広さ
こうした理由から、パワフルなガス式から、最新の省エネ技術を搭載した電気式(ヒートポンプ式、200Vタイプ)まで、ほぼ全ての機種を検討の土台に乗せることができます。
ご自身の予算と求める性能に最も合った一台を、妥協なく選ぶことが可能です。
将来的に床暖房の導入なども考えているなら、戸建ての場合はガス式の熱源機を先に入れておく、というのも賢い選択かもしれませんね。
マンションの場合:制約の中での最適な選択
一方、マンションは集合住宅であるため、設置にはいくつかの制約が伴います。これらを無視して進めると、後々大きなトラブルになりかねません。
最優先で確認すべきは「管理規約」です。管理規約には、リフォームに関するルールが細かく定められており、設置できる機器の種類や工事の範囲、申請手続きなどが明記されています。(参考:マンション標準管理規約[単棟型](第17条:専有部分の修繕等)|国土交通省)
工事を検討する前に、必ず管理組合や管理会社に問い合わせて内容を確認しましょう。
マンションで特に注意すべき制約
共用部分の工事
ガス式の設置には、屋外の壁に熱源機を固定したり、室内機と繋ぐための配管穴を壁に開けたりする工事が必要です。
マンションにおいて、建物の外壁や構造に関わる壁は「共用部分」と定められているため、これらの工事は個人の判断では行えません。
国土交通省のマンション標準管理規約でも、共用部分に影響を及ぼす工事には管理組合の承認が必須とされています。
承認なしに工事を進めると、規約違反として原状回復を求められるなど、重大なトラブルに発展するため、必ず事前に管理組合へ相談し、書面で承認を得てください。
電源容量の制限
建物全体の電源容量に限りがあるため、パワフルな200Vタイプの電気式を設置できない場合があります。
構造上の問題
天井裏のスペースが狭かったり、コンクリートの梁(はり)が邪魔になったりして、希望の機種が物理的に設置できないこともあります。
こうした制約から、マンションでは既存の換気扇と交換する形で設置できる電気式(100Vタイプ)が選ばれるのが一般的です。
ただし、近年では省スペース設計のガス式熱源機なども登場しています。
一概に不可能と決めつけず、まずは管理規約を確認した上で、専門の業者に現地調査を依頼し、設置可能な範囲で最善の選択肢を探ることが重要です。専門の業者に現地調査を依頼してください

賃貸での見分け方と注意点
賃貸物件にお住まいの方が、浴室乾燥機を使いたい、あるいはこれから探す物件に付いていてほしいと考える場合があります。
その場合、「すでに設備として備え付けられている場合」と「自分で後付けしたい場合」では、注意点や現実的な選択肢が全く異なります。
備え付け物件での見分け方
内見時や入居後に、設置されている浴室乾燥機がガス式か電気式かを知りたい場合、以下のポイントを確認すると簡単に見分けられます。
リモコンのデザイン
浴室の壁にある操作リモコンをチェックしましょう。液晶画面に「温水」という表示があったり、東京ガス、大阪ガスといったガス会社のロゴが入っていれば、それはガス式です。
電気メーカー(Panasonic, TOTO, MAXなど)のロゴのみであれば、電気式の可能性が高いです。
屋外の給湯器
ベランダや玄関脇に設置されている給湯器(ボイラー)を見てみましょう。通常の給湯器よりもサイズが大きく、配管が多く接続されている「暖房機能付き熱源機」が設置されていればガス式です。
賃貸物件に備え付けられている場合、その多くは設置工事が容易な電気式です。もしガス式が設置されていれば、それは物件の大きなアピールポイントと言えるでしょう。
後付けしたい場合の厳しい現実と注意点
残念ながら、入居者が賃貸物件に浴室乾燥機を後付けすることは、原則として非常に困難であり、推奨されません。
その理由は、設置工事が建物の構造に手を加える「リフォーム」にあたり、借主の義務である「原状回復義務」と抵触するためです。
天井に穴を開けたり、新たな配線・配管を通したりする行為は、退去時に元の状態に戻すことが極めて難しく、多額の修繕費用を請求されるリスクがあります。
【絶対条件】後付けには書面での許可が必須
万が一、どうしても後付けを検討したい場合は、工事前に必ず大家さん(オーナー)や管理会社に相談し、書面で許可を得る必要があります。
口約束は絶対に避けてください。許可が得られた場合でも、以下の点について明確に取り決めを結ぶことが不可欠です。
- 工事費用の負担は誰がするか(通常は全額入居者負担)
- 退去時に設置した設備をどうするか(撤去して原状回復するか、そのまま残置して良いか)
- 工事に起因する建物への損害が発生した場合の責任の所在
現実的な代替案としては、工事不要でコンセントに挿すだけで使える壁掛け式の簡易的な暖房・乾燥機などを検討する。
もしくは、物件探しの段階から「浴室乾燥機付き」を必須条件として探す方が、はるかにスムーズでトラブルもありません。(参考:「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(再改訂版)|国土交通省)

おすすめの主要ガス機器メーカー
パワフルな温風で快適なバスタイムと効率的な衣類乾燥を実現するガス式浴室乾燥機。その信頼性と性能を支えているのが、ガス機器業界をリードする2大専門メーカー、「リンナイ」と「ノーリツ」です。
どちらも長年の歴史と高い技術力を誇り、多くの家庭で愛用されています。
リンナイ(Rinnai):多機能と先進性で快適を追求
ガスコンロや給湯器で国内トップシェアを誇るリンナイは、浴室乾燥機においてもその技術力をいかんなく発揮しています。
リンナイ製品の最大の魅力は、強力な乾燥・暖房能力という基本性能の高さに加えて、暮らしを豊かにする多彩な付加価値機能にあります。
- プラズマクラスター技術
- シャープ独自のイオン技術を搭載し、浴室に浮遊するカビ菌や付着したニオイを分解・除去。洗濯物の生乾き臭も抑制し、浴室空間をクリーンに保ちます。
- 豊富なラインナップ
- シンプルな機能のベーシックモデルから、上記のような高機能モデルまで、予算やニーズに合わせて選べる幅広い製品展開も魅力です。
パワフルなだけでなく、プラスアルファの快適性を求めるなら、リンナイは非常に有力な選択肢になりますね。
ノーリツ(NORITZ):「おふろはノーリツ」の実績と信頼性
リンナイと並び、給湯器業界の巨人として知られるノーリツ。「新しい“ふつう”を、つくる」という理念のもと、高い品質と使いやすさを両立した製品を提供し続けています。
ノーリツの浴室乾燥機の強みは、ガス式ならではのパワフルな基本性能を、比較的リーズナブルな価格で実現している点にあります。
- コストパフォーマンス
- 高機能モデルももちろんありますが、特に暖房や乾燥といった基本的な機能をしっかり押さえたモデルのコストパフォーマンスに定評があります。
- シンプルな操作性
- 誰にでも直感的に使える、分かりやすいリモコンや操作パネルも特徴の一つ。日々の使いやすさを重視する方に評価されています。
- 安心の品質
- 長年の給湯器開発で培われた技術とノウハウが活かされており、耐久性や安全性においても高い信頼性を誇ります。
最終的にどちらのメーカーを選ぶかは、個人の好みや価値観によります。
「多機能性や先進性で選ぶならリンナイ」「基本性能とコストパフォーマンスで選ぶならノーリツ」という大まかな方向性で検討を始めると、製品比較がしやすくなるでしょう。

東京ガス・リンナイ・TOTOを比較
浴室乾燥機選びを進めていると、様々な企業の名前が候補に挙がります。
ここでは、それぞれ異なる立ち位置から製品やサービスを提供している「東京ガス」「リンナイ」「TOTO」の3社に焦点を当て、それぞれの特徴とどのような方におすすめかを比較・解説します。
メーカー | 主な特徴 | 得意なタイプ | おすすめな人 |
---|---|---|---|
東京ガス | ガスインフラを担うエネルギー供給会社。リンナイやノーリツ製のOEM製品(「TES」「カワック」など)を、独自のサービス網で提供。ガスとのセットプランや長期保証が魅力。 | ガス式 | 東京ガス供給エリアにお住まいで、機器の選定から工事、アフターサービスまでをワンストップで任せたい人。ガス契約とまとめて相談できる安心感を重視する人。 |
リンナイ | ガスコンロや給湯器などを製造するガス機器の専門メーカー。パワフルな性能に加え、プラズマクラスターやミストサウナなど、多機能で先進的なモデルが豊富。 | ガス式 | 乾燥スピードや暖房能力といった性能を最優先し、プラスアルファの付加価値(空気清浄、美容機能など)を求める人。家事の時短を強く意識している人。 |
TOTOおよび主要な電気式メーカー(パナソニック、MAXなど) | トイレやシステムバスで有名なTOTO「三乾王」のほか、パナソニック「バス換気乾燥機」、MAX「ドライファン」などがシェアを分け合っています。各社とも省エネ性、静音性、デザイン性に優れた製品を開発しており、独自の空気清浄技術(ナノイーなど)を搭載した機種も人気です。 | 電気式 | システムバスとのデザイン統一性を求める人(TOTOなど)。独自の付加機能(空気清浄、美容機能など)を重視する人(パナソニックなど)。静音性やメンテナンス性を重視する人など、各社の特徴を比較して選びたい人。 |
それぞれの立ち位置のまとめ
少し補足すると、この3社の関係性は「メーカー」と「販売・サービス会社」という視点で見ると分かりやすくなります。
リンナイは、製品を開発・製造する「メーカー」です。TOTOも同様に、自社製品を開発・製造する「メーカー」です。
一方、東京ガスは、自社で機器を製造しているわけではなく、リンナイやノーリツといったメーカーが製造した製品を、自社ブランド(OEM)として販売している「販売・サービス会社」の側面が強いです。
ガスを知り尽くしたプロによるコンサルティングや、信頼性の高い施工、充実したアフターサービスが最大の強みと言えます。
どの入口から選ぶにせよ、最終的にはご自身の優先順位(性能、価格、デザイン、安心感など)を明確にすることが、満足のいく選択に繋がります。

結局、浴室乾燥機はガスと電気どっち?
これまで、コスト、性能、設置環境など、様々な角度からガス式と電気式の浴室乾燥機を徹底的に比較してきました。
最後に、この記事の結論として、あなたがどちらを選ぶべきかの判断基準を明確にまとめます。結局のところ、最適な一台はあなたのライフスタイル、価値観、そして住環境によって決まります。
- 浴室乾燥機の熱源にはガス式と電気式の2種類がある
- ガス式はパワフルで乾燥や暖房がスピーディー
- 電気式は初期費用が安く設置が比較的簡単
- 1回の乾燥にかかる光熱費はガス式の方が安い傾向
- ただしプロパンガスの場合はガス代が高くなる可能性に注意
- 電気式は夜間電力プランの活用で電気代を節約できる
- 初期費用(交換費用)は電気式が5万円~、ガス式が10万円~が目安
- ガス式は専用の熱源機(給湯器)が必要なため初期費用が高くなる
- 浴室乾燥機にはカビ防止やヒートショック予防の効果もある
- 戸建ては比較的自由に選べるがマンションは管理規約の確認が必須
- 賃貸物件への後付けは大家さんや管理会社の許可がなければ基本的に不可
- ガス式の主要メーカーはリンナイとノーリツ
- 電気式ではTOTOやパナソニック、三菱電機なども人気
- 毎日使うならランニングコストが安いガス式が長期的にお得
- 使用頻度が低いなら初期費用が安い電気式が合理的