漏電ブレーカーの寿命はいつ?交換目安と危険なサイン

ご存知ですか?漏電ブレーカーの寿命と危険なサイン

こんにちは。横浜電気工事レスキューの主任電気工事士「天谷(あまたに)富士夫」です。

ご自宅の分電盤にひっそりと設置されている漏電ブレーカー。普段あまり気にすることはないかもしれませんが、実は私たちの安全な暮らしを守る、とても大切な役割を担っています。

テレビ、冷蔵庫、エアコン、スマートフォン充電…現代の生活は電気がなければ成り立ちません。その大切な電気を安全に使うための「最後の砦」とも言えるのが、この漏電ブレーカーなんです。

そんな漏電ブレーカーの寿命について、「交換の目安や費用はどれくらいかかるの?」「JEMAが示す公式な見解って何?」「法定耐用年数と実際の寿命はどう違うの?」など、気になって調べている方も多いのではないでしょうか。

特に、設置から10年、20年、30年と時間が経つにつれて、そのリスクは静かに、しかし確実に高まっていきます。いざという時に作動しなければ、漏電による火災や感電といった、取り返しのつかない事故につながる恐れもゼロではありません。

だからこそ、交換の目安となる危険なサインや、ご自身でできる簡単な動作テスト方法を知っておくことが、ご家族の安全を守る上で非常に重要になるわけです。

この記事では、日々多くのご家庭の電気設備に触れている私たちプロの電気工事士の視点から、漏電ブレーカーの寿命に関するあらゆる疑問や不安を、一つひとつ丁寧に解消していきます。

記事のポイント

  • 漏電ブレーカーの客観的な寿命の目安がわかる
  • 交換が必要な危険なサインを具体的に理解できる
  • 交換にかかる費用相場や信頼できる業者の選び方がわかる
  • ご家族の安全のために、今すぐ何をすべきか明確になる

漏電ブレーカーの寿命の目安と危険なサイン

それでは早速、一番気になる寿命の目安についてお話ししていきましょう。普段は静かに壁の中で仕事をしている漏電ブレーカーですが、実は目に見えない内部では、時間とともに少しずつ劣化が進行しています。

ここでは、公的な機関が示す交換推奨時期や、私たち電気工事のプロが現場で「これは交換した方が良いですね」と判断する危険なサインについて、その理由も含めて詳しく解説していきますね。

寿命はどのくらい?JEMAの公式見解

時計のグラフで示されたJEMA(日本電機工業会)が推奨する漏電ブレーカーの更新時期13年

漏電ブレーカーの寿命を知る上で、代表的な指標の一つとなるのが、JEMA(一般社団法人 日本電機工業会)が公表している調査報告です。住宅用分電盤内に設置されている漏電遮断器(漏電ブレーカー)について、更新推奨時期の目安を「製造後13年」として示しています。

(参考:「住宅用分電盤用遮断器の更新推奨時期に関する調査」報告書|JEMA 一般社団法人 日本電機工業会

「え、たった13年で交換推奨なの?」と、意外に短く感じる方も少なくないかもしれません。この「13年」という数字には、しっかりとした技術的な根拠があります。

なぜ「13年」が推奨されているのか?

漏電ブレーカーの内部構造図。ICチップやバネなどの部品が経年劣化する様子のイラスト
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。

漏電ブレーカーは、非常に精密な電子部品と機械部品の集合体です。

内部には、微弱な漏れ電流を検知するための電子回路(ICやコンデンサなど)や、検知した際に瞬時に電気を遮断するための機械的な機構(トリップコイルやスプリング、ラッチなど)が組み込まれています。

これらの部品は、長年の使用や環境の変化によって、どうしても性能が低下してしまうんですね。

  • 電子部品の劣化
    熱や湿気の影響で、電子部品の特性が変化し、漏電を正確に検知できなくなる可能性があります。
  • 機械部品の劣化
    可動部の潤滑油が切れたり、金属部品が摩耗したりすることで、いざという時にスムーズに作動しなくなる恐れがあります。

こうした複合的な劣化要因を考慮し、様々な使用環境下でも安全性を確保できる期間として、安全マージンを含めて設定されたのが「13年」というわけです。

もちろん、これはあくまで「推奨」の時期であり、法的な強制力はありません。しかし、ご家庭の電気の安全を守る専門家たちが定めた重要な目安であることは間違いありません。

設置されている環境、例えば湿気が多い洗面所や結露しやすい北側の部屋、あるいはホコリや油煙にさらされやすいキッチンなどでは、劣化がさらに早く進むことも考えられます。

逆に、常に乾燥していてクリーンな環境であれば13年以上問題なく機能することもありますが、一つの大きな節目として10年を過ぎたら「そろそろ交換時期を意識し始める」のが、安心して暮らすための賢明な考え方かなと私は思います。

交換の目安となる症状とテスト方法

JEMAが示す「13年」という推奨時期に加えて、漏電ブレーカー自体が発する「SOSサイン」に気づくことも非常に大切です。

ここでは、具体的にどのような症状が出たら交換を考えるべきなのか、ご家庭でも簡単にチェックできるポイントと、正常に作動するかを確認するためのテスト方法を詳しくご紹介します。

交換を検討すべき危険なサイン

ブレーカーの発熱を確認する手、焦げ臭いにおい、プラスチックのひび割れのイラスト
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。

以下に挙げるような症状が見られた場合、それは漏電ブレーカーが寿命を迎え、本来の性能を発揮できなくなっているサインかもしれません。万が一の事態を避けるためにも、放置せずに速やかに私たちのような電気工事の専門家にご相談ください。

特に電気を使いすぎていないのに、頻繁にブレーカーが落ちる

これは内部の電子回路が劣化し、漏電していないにもかかわらず過敏に反応してしまっている可能性があります。生活に支障が出るだけでなく、本当に漏電した際に原因の特定が遅れる原因にもなります。

本体が以前より熱を持っている感じがする

ブレーカー本体や周辺の配線接続部に触れてみて、じんわりと温かい、あるいは熱いと感じる場合は非常に危険です。内部の接触不良や部品の劣化によって電気抵抗が大きくなり、異常発熱している可能性があります。これは火災に直結する最も危険な兆候の一つです。

プラスチック部分が変色したり、ひび割れがあったりする

本体のプラスチックケースが茶色っぽく変色していたり、細かいひび割れが見られたりするのは、長年の熱や紫外線による材質劣化の証拠です。絶縁性能が低下している恐れがあり、見た目以上に危険な状態と言えます。

焦げ臭いような異臭がする

分電盤の周辺で、プラスチックが焼けるような、あるいは何か焦げ付いたような異臭がしたら、迷わずすぐにご連絡ください。内部でショート(短絡)や過熱が起きている可能性が極めて高く、緊急を要する状態です。

後述するテストボタンを押しても、ブレーカーが落ちない

これが最も致命的な症状です。漏電を検知しても電気を遮断する機能が完全に失われていることを意味します。いわば、警報機が鳴らないのと同じ状態。万が一漏電が発生した場合、感電や火災を防ぐ術がなくなってしまいます。

特に「異常な発熱」「焦げ臭い」「テストしても作動しない」という3つの症状は、重大な事故につながる危険性が非常に高いため、即時の対応が必要です。

ご家庭でできる!漏電ブレーカーのテスト方法

分電盤を開け、テストボタンを押し、レバーが下がるかを確認する4ステップの図解
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。

「うちのブレーカーは大丈夫かな?」と気になったら、ぜひこのテストを行ってみてください。漏電ブレーカーが、いざという時にきちんと仕事をしてくれるかを確認する、いわば「防災訓練」のようなものです。

操作はとても簡単なので、メーカーの取扱説明書等でも推奨されているとおり、月に1回程度を目安に定期的にチェックする習慣をつけていただくのが理想的ですね。

(参考:漏電遮断器 30~1200A フレーム取扱説明書|テンパール工業

テストボタンの役割や、落ちたときの切り分け手順まで確認したい方は、以下の『漏電ブレーカーが落ちたらどうする?原因と正しい戻し方を解説』の記事もぜひ参考にしてください。

分電盤の場所を確認し、フタを開けます。

多くの場合、玄関や廊下、洗面所などの壁の上部に設置されています。

漏電ブレーカーを見つけます。

通常、分電盤の左端または中央付近にあり、「漏電ブレーカ」「漏電遮断器」などと表記された、主幹(メイン)となる大きめのスイッチが漏電ブレーカーです。

漏電ブレーカーにある「テストボタン」を指でグッと押し込みます。

赤色や緑色、白色などの小さな丸いボタンです。少し力を入れて、カチッと音がするまで押し込んでみてください。

正常に作動するか確認します。

正常であれば、「ガチャン!」という少し大きめの音とともに漏電ブレーカーのスイッチ(レバー)が「切(OFF)」または「トリップ」の中間位置に倒れ、漏電ブレーカー以降の回路(多くの場合、家中のほぼすべて)の電気が一時的に消えます。これが正常に作動した証拠です。

スイッチを元に戻します。
テストが終わったら、落ちたスイッチを「入(ON)」の位置に戻せば、電気は元通り復旧します。

テストボタンを押す際の注意点

このテストを行うと、ご家庭全体が一時的に停電状態になります。そのため、いくつか注意していただきたい点があります。

  • 電化製品の電源オフ
    作業前に、パソコンやハードディスクレコーダーなど、電源が急に切れるとデータ破損の恐れがある機器は、必ず正常な手順でシャットダウンしておきましょう。
  • 医療機器への配慮
    ご家庭で在宅酸素療法などの生命維持に関わる医療機器を使用している場合は、テストを行う前に必ず主治医や医療機器メーカーに相談し、適切な手順を確認してください。
  • 異常があった場合は無理しない
    テストボタンを押してもブレーカーが落ちない、あるいはボタンが固くて押し込めない、といった場合は故障の可能性が高いです。無理に何度も押したり、強く叩いたりせず、すぐに専門業者に連絡してください。

法定耐用年数と実際の寿命の違い

ひび割れた盾(安全寿命の限界)と税務書類(法定耐用年数)の対比イメージ

お客様から、「ブレーカーの法定耐用年数は15年だと聞いたことがあるけど、それまでは大丈夫なんじゃないの?」というご質問をいただくことがあります。これは非常によくある誤解で、安全に関わる重要なポイントなので、ぜひ正しく理解していただきたいなと思います。

結論から言うと、「法定耐用年数」と「製品が安全に使える寿命」は全くの別物です。

項目法定耐用年数実際の寿命(耐用期間)
目的税法上の減価償却計算のため製品を安全に使用できる期間の目安
誰が定めているか国(法律)メーカーや業界団体(JEMAなど)
年数の根拠会計上の資産価値がゼロになるまでの期間部品の劣化や摩耗を考慮した技術的な見地
ブレーカーの場合15年(※事業用の減価償却に用いられる「建物附属設備(電気設備等)」の耐用年数の一例)製造後13年(JEMAの更新推奨目安)

このように、「法定耐用年数」はあくまで税金の計算をするための会計上のルールに過ぎません。会社の設備などを何年かけて経費として計上するか、というための年数なんですね。

一方で、私たちが考えるべき「寿命」とは、メーカーなどが製品の安全性や性能を維持できる期間として示す「耐用期間」や「設計上の標準使用期間」のことです。

(参考:主な減価償却資産の耐用年数表(建物附属設備など)|弥生(PDF)

ですから、「法定耐用年数が15年だから、あと数年は大丈夫」という考え方は非常に危険です。ご家庭の安全を考える上では、JEMAやメーカーが示す「更新推奨時期(寿命)」を目安にしていただくのが正しい判断と言えますね。

メーカーが示す更新推奨時期とは

業界団体であるJEMAだけでなく、パナソニックや三菱電機、日東工業といった分電盤を製造している各メーカーも、製品のカタログや技術資料で更新推奨時期を個別に示しています。その多くは、おおむね10年~15年の範囲で設定されていますね。

これは、製品を開発・製造したメーカー自身が、「私たちの製品を安全・快適に使い続けていただくためには、このくらいの期間で新しいものに交換していただくのがベストですよ」と、責任を持って示してくれている重要なメッセージです。

メーカーは自社製品の部品構成や材質、設計を誰よりも熟知しています。その上で、長年の使用による内部部品の摩耗や、性能の経年的な低下を科学的に予測し、この推奨時期を算出しているわけです。

いわば、食品の「賞味期限」のようなものと考えていただくと分かりやすいかもしれません。賞味期限が切れてもすぐに食べられなくなるわけではありませんが、風味や品質は落ちていきますよね。

漏電ブレーカーも同じで、推奨時期を過ぎると、万が一の際に電気を遮断するという最も重要な「性能(品質)」が保証できなくなってくる、ということです。製品のプロであるメーカーの推奨に従うことが、ご家族の安全を守る上で最も確実な方法かなと思います。

使用10年で注意すべき劣化のサイン

設置から10年というのは、漏電ブレーカーにとって大きな節目であり、人間で言えば健康診断をより意識し始める年代と言えるかもしれません。外見上は新品の時と全く変わらないように見えても、内部では確実に目に見えない劣化が始まっています。

この時期に特に注意していただきたいのは、やはり定期的なテストボタンの反応です。以前に比べて「ボタンが少し固くなった気がする」「押したときの反応が少し鈍いかな?」といった些細な変化は、内部の機械機構の潤滑が切れてきたり、部品が微妙に摩耗したりしているサインかもしれません。

また、10年も経つと分電盤の内部には、知らず知らずのうちにホコリが蓄積していきます。このホコリが、梅雨時や冬場の結露などで湿気を吸うと、非常に厄介な存在になります。

湿ったホコリが電極間に電気の通り道となる炭化導電路を形成し、そこから火花が散って発火に至る「トラッキング現象」という火災の原因になることがあるからです。

(参考:電源プラグ「トラッキング現象で発火」|NITE(製品評価技術基盤機構)

コンセントが焦げてしまった場合の対処法や修理費用については、以下の『コンセントが焦げた!修理費用と対処法〖火災保険は?〗』の記事もぜひ参考にしてください。

10年経過したらプロによる点検を

虫眼鏡で拡大された分電盤内部の端子と、蓄積したホコリによるスパーク(火花)の様子
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。

10年という節目を迎えたら、一度私たちのような専門家による詳細な点検を受けることを強くおすすめします。私たちは専用の測定器を使って、ご家庭では確認できない部分までチェックします。

  • 絶縁抵抗測定
    電路の漏電の有無を数値で正確に測定します。
  • 端子部の増し締め
    長年の振動などで緩んだ配線のネジを締め直します。緩みは異常発熱の原因になります。
  • 内部の清掃と目視確認
    ホコリの除去や、部品の変色・劣化がないかなどをプロの目で確認します。

こうした点検を行うことで、隠れた不具合を早期に発見し、安心して電気を使い続けることができますよ。

20年や30年経過した場合のリスク

もし、ご自宅の漏電ブレーカーが設置から20年、あるいは30年以上経過している場合、大変厳しい言い方になりますが、それはいつ重大なトラブルが起きても全く不思議ではない、非常に危険な状態にあると言わざるを得ません。

「今まで一度も落ちたことないし、問題なく使えているから大丈夫」というお声も時々耳にしますが、実はその「問題なく使えている」という状態こそが最も恐ろしいのです。

それは、本来作動すべき異常事態が起きていないからなのか、それとも、異常が起きても作動できないほど劣化してしまっているのか、見分けることができないからです。

【危険】長期使用の3大リスク

古くなった分電盤と、火災・感電・誤作動のリスクを示すテキスト入り画像
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。
【最も危険】漏電を検知・遮断できず、火災・感電事故に直結する

これが最大のリスクです。内部の電子回路や機械部品が完全に寿命を迎え、本来の役割を全く果たせなくなっている状態です。例えば、水濡れした家電から漏電が発生してもブレーカーが作動せず、知らずに触れてしまえば重篤な感電事故につながります。

また、壁の中の配線が劣化して漏電し続けても電気が止まらないため、やがて過熱して電気火災を引き起こす原因となります。

【生活への支障】不要なときに頻繁に誤作動(不要動作)する

劣化によって内部回路が不安定になり、漏電していないのに些細な電気の変動を漏電と誤認して、頻繁にブレーカーが落ちてしまうことがあります。真夏の夜中に突然エアコンが止まったり、大事なデータを扱っている最中にパソコンの電源が落ちたりと、生活に大きな支障をきたします。

【火災の原因】ブレーカー自体が発熱・発火する

内部の接触不良や部品の劣化が限界に達し、ブレーカー本体がジュール熱によって異常な高温になります。最終的にはプラスチックケースが溶け、発煙・発火して分電盤から火の手が上がるという、最悪の事態を招くこともあります。

安全は何物にも代えがたいものです。もしご自宅のブレーカーが20年以上経過している場合は、目立った症状が何もなくても、予防的な措置として速やかに交換することを強く、強く推奨します。事故が起きてからでは遅いのです。

漏電ブレーカーの寿命が来た時の交換費用

「うちのブレーカー、どうやら寿命みたいだ…」ということが分かったら、次に気になるのは、やはり交換にかかる費用ですよね。「一体いくらくらいかかるんだろう?」「高額な請求をされたらどうしよう…」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。

ここでは、交換費用の具体的な相場やその内訳、そして何より、安心して工事を任せられる優良な業者選びのポイントなどを、分かりやすく解説していきますね。

費用相場の内訳と追加料金の注意点

漏電ブレーカー単体を新しいものに交換する場合の費用は、新しいブレーカー本体の部品代と、私たちの作業費(技術料)、そしてご自宅まで伺うための出張費などをすべて含めて、おおよそ20,000円~40,000円(税別)くらいが一般的な相場かなと思います。

交換費用の主な内訳

部品代、技術料、出張費の内訳とトータル費用目安(2〜4万円)が記載された画像
  • 部品代(漏電ブレーカー本体)
    約5,000円~15,000円
    ご家庭の契約アンペア数や、感震機能付きなどの付加機能の有無によって価格が変動します。
  • 技術料(交換作業費)
    約8,000円~15,000円
    古いブレーカーの取り外し、新しいブレーカーの取り付け、配線の接続、絶縁抵抗測定、最終的な動作確認など、専門的な一連の作業に対する費用です。
  • 出張費
    約2,000円~5,000円
    職人が現場までお伺いするための費用です。業者からの距離によって変動することがあります。

ただし、これはあくまで標準的な工事の場合の目安です。現場の状況によっては、追加の作業が必要となり、料金が加算されるケースもあります。

追加料金が発生する可能性のあるケース

  • 分電盤のスペースの問題
    古い分電盤でスペースに余裕がなく、新しいブレーカーを設置するために加工が必要な場合。
  • 配線の劣化や不具合
    ブレーカー周辺の配線が著しく劣化しており、交換や補修が必要な場合。
  • 分電盤自体の交換が必要な場合
    分電盤の基盤(ベース)が破損しているなど、ブレーカー単体の交換では対応できない場合。

信頼できる業者であれば、必ず作業を始める前に現場の状況をしっかりと確認し、「今回はこういう理由で、この追加作業が必要になります」と、内訳が明記された正式な見積書を提示してくれます。

逆に、「やってみないと分かりません」と曖昧な説明のまま作業を始めようとする業者には注意が必要ですね。必ず見積もりの内容に納得してから、正式に依頼するようにしてください。

失敗しない優良な業者の選び方

漏電ブレーカーの交換は、感電や火災のリスクを伴うため、電気工事士等の有資格者(登録電気工事業者など)が行うべき電気工事に該当します。安全確保のためにも、必ず専門の電気工事業者に依頼してください。

大切なご自宅の電気設備を任せるわけですから、技術力があり、誠実に対応してくれる信頼できる業者をしっかりと選びたいですよね。以下のチェックリストをぜひ参考にしてみてください。

優良な電気工事業者を見極めるチェックリスト

資格の有無、明朗会計、身元保証などのチェック項目が記載されたリスト画像
「電気工事士」の国家資格を保有しているか?

これは大前提です。ウェブサイトの会社概要やスタッフ紹介ページに資格情報が明記されているか確認しましょう。無資格での工事は法律違反であり、施工不良による事故のリスクが非常に高いです。

見積もりの内容が明確で分かりやすいか?

「工事一式 〇〇円」といった大雑把な見積もりではなく、「部品代」「作業費」「出張費」など、何にいくらかかるのかを丁寧に説明してくれる業者を選びましょう。不明な点を質問した際に、誠実に答えてくれるかも重要な判断基準です。

ウェブサイトに施工事例や会社の所在地がしっかり掲載されているか?

過去の施工事例が豊富に掲載されていれば、それだけ経験と実績がある証拠になります。また、会社の住所や代表者名がきちんと公開されており、「顔の見える」業者であることも安心材料の一つです。

万が一の事故に備えて「損害賠償保険」に加入しているか?

どんなに熟練した職人でも、ミスが絶対にないとは言い切れません。誠実な業者であれば、万が一の工事中の事故(壁を傷つけてしまった等)や、施工後の不具合に備えて、事業用の損害賠償保険に加入しているはずです。

アフターフォローや保証制度は整っているか?

「工事が終わったらそれで終わり」ではなく、「施工後〇年保証」といったアフターフォロー体制が整っているかどうかも、信頼できる業者かどうかを見極める良い指標になります。

料金の安さだけで業者を選ぶのは避けた方が賢明です。これらの点を事前にしっかりと確認し、複数の業者から見積もりを取って比較検討することで、トラブルを未然に防ぎ、安心して工事を任せることができますよ。

分電盤ごとの全体交換がお得な理由

分電盤ごとの全体交換がお得な理由とスマート分電盤
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。

漏電ブレーカーの交換をご検討されているお客様に対して、私たちプロは、状況に応じて「この機会に分電盤全体を交換しませんか?」というご提案をさせていただくことがよくあります。

「え、なんで?高くならない?」と思われるかもしれませんが、これにはちゃんとした理由があるんです。

考えてみてください。漏電ブレーカーが15年、20年と経って寿命を迎えているということは、その隣に並んでいる安全ブレーカー(各部屋の回路を担当する小さなブレーカー)たちも、全く同じ年月、同じ環境に置かれてきたわけですよね。当然、同じように内部の劣化が進行している可能性が非常に高いんです。

もし今回、漏電ブレーカーだけを交換しても、来年には寝室の安全ブレーカーが、再来年にはリビングの安全ブレーカーが…というように、次々と寿命を迎えて不具合を起こす可能性があります。

その度に業者を呼んで交換工事をしていたら、出張費や作業費が何度もかかってしまい、結果的にトータルの費用が割高になってしまうケースが少なくありません。

分電盤全体交換のメリット

  • 経済的
    一度の工事で済むため、長期的に見ると工事費を安く抑えられることが多い。
  • 手間が省ける
    何度も工事に立ち会う必要がなく、一度で済みます。
  • 安全性の飛躍的向上
    すべてのブレーカーが新品になることで、ご家庭全体の電気の安全性が格段に向上します。
  • 機能性の向上
    最新の分電盤は、回路数が増えていたり、地震の揺れを感知して自動で電気を止めてくれる「感震機能」が付いていたり、デザインがスッキリしていたりと、多くのメリットがあります。

特に、設置から20年以上経過している分電盤の場合は、漏電ブレーカーだけでなく、他のブレーカーや分電盤自体の基盤も劣化が進んでいることがほとんどです。そのため、今後の安心と費用の両面から見ても、分電盤全体の交換は非常に合理的な選択肢と言えます。

分電盤の交換については、より詳しい情報をまとめた『東京電力の分電盤交換費用は?相場の内訳や注意点を解説』の記事がありますので、ぜひそちらも参考にしてみてください。

スマート分電盤への交換という選択肢

せっかく分電盤を新しくするなら、一歩進んだ最新の設備にしたい、という方には「スマート分電盤」への交換もおすすめです。

これは、HEMS(ヘムス:Home Energy Management System)というシステムと連携することで、ご家庭の電気の使用状況をスマートフォンやタブレットで「見える化」できる、次世代型の分電盤です。

スマート分電盤でできること

専用のアプリなどを使えば、「今、どの部屋で、どの家電が、どれくらい電気を使っているか」が一目でグラフなどで分かります。これにより、自然と省エネへの意識が高まり、電気代の節約につながります。

また、あらかじめ設定した電気使用量を超えそうになると通知してくれる機能や、将来的には太陽光発電システム、家庭用蓄電池、電気自動車(EV)の充電設備などを導入する際にもスムーズに連携できる拡張性も大きな魅力です。

ご家族のライフスタイルや、今後のエネルギーに対する考え方に合わせて、こうした最新の設備を選ぶのも、賢い選択の一つですね。

工事時間と停電中の冷蔵庫対策

時計(所要時間)、冷蔵庫、PCのアイコンと停電時の注意点が書かれた画像
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。

「交換工事って、どれくらい時間がかかるの?」「工事で停電する間、冷蔵庫の中身は大丈夫?」といった、工事中のご不便に関するご質問もよくお受けします。

工事にかかる時間ですが、現場の状況にもよりますが、おおよその目安は以下の通りです。

  • 漏電ブレーカー単体の交換
    30分~1時間程度
  • 分電盤全体の交換
    3時間~半日程度

工事中は、作業の安全を確保するために、ご家庭全体の電気を一時的に止めさせていただきます。この停電時間中、特に心配なのが冷蔵庫の中身ですよね。最近の冷蔵庫は断熱性能が高い傾向がありますが、停電時の庫内温度の上がり方は、周囲温度や食品量、ドア開閉の有無で変わります。

一般的に、冷蔵庫はドアを開けなければ2〜4時間程度、冷凍庫は満杯なら約48時間、半分程度なら約24時間は保冷できるとされています。

ただし室温や庫内の食品量によって変動するため、停電が2時間以上続く場合は傷みやすい食品の状態を確認し、安全側で判断してください。ご心配な場合は、以下の準備をしておくとより安心です。

停電中の冷蔵庫対策

  • 保冷剤を準備
    工事の前日までに、保冷剤をたくさん凍らせておき、停電が始まったら冷蔵庫や冷凍庫の中に入れておく。
  • ドアの開閉は最小限に
    停電中は、冷気を逃がさないように、冷蔵庫のドアの開閉をできるだけしないように心がける。
  • クーラーボックスの活用
    どうしても心配な生鮮食品やアイスクリームなどは、クーラーボックスに移しておく。

事前に担当の工事業者から、当日の作業時間や停電時間について詳しい説明があるはずですので、それに合わせて準備していただければ大丈夫です。

漏電ブレーカーの寿命を理解し安全を確保

今回は、漏電ブレーカーの寿命について、交換の目安となるサインから、交換費用、信頼できる業者の選び方まで、かなり詳しくお話ししてきました。

漏電ブレーカーは、普段はその存在を意識することさえありませんが、万が一の漏電から私たちの命や大切な財産を守ってくれる、まさに「縁の下の力持ち」です。その非常に重要な安全装置が、いざという時に「経年劣化で作動しませんでした」では、話になりませんよね。

この記事を読んで、「そういえば、うちのブレーカーってもう10年以上経ってるな…」「テストボタンなんて、一度も押したことがなかった!」と気づかれた方は、ぜひこの機会に、ご自宅の分電盤のフタを開けて、設置年やブレーカーの状態を確認してみてください。

そして、もし少しでも不安な点や、今回ご紹介したような危険なサインに思い当たる節があれば、決して「まあ、大丈夫だろう」と放置せずに、私たちのような電気のプロにご相談ください。最終的な安全の確認や、適切な交換工事は、専門的な知識と技術を持ったプロに任せるのが一番の安心につながります。

横浜・川崎・東京都南部エリアで業者をお探しの方へ

私たち横浜電気工事レスキューは、漏電ブレーカーの点検・交換から、最新の分電盤への交換工事まで、電気に関するあらゆるお困りごとに幅広く対応しています。

横浜市、川崎市、そして神奈川県全域を対応エリアとして、お客様の安全で快適な暮らしを電気の面からサポートしていますので、いつでもお気軽にご連絡いただければと思います。

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