漏電遮断器取り付け費用はいくら?相場と業者選びの完全ガイド

最近、理由もなくブレーカーが落ちることが増えたり、エアコンやエコキュートの設置を考えたりしていませんか。そうしたタイミングで検討が必要になるのが、家庭の安全を守る「漏電遮断器」の取り付けです。

しかし、いざ設置を考えると、漏電遮断器取り付け費用は一体いくらなのか、費用相場はいくらぐらいなのか?という疑問が浮かびます。また「どこで頼めばいいですか?」と業者選びで悩む方も多いかもしれません。

この記事では、地域の電気工事店からエディオン、ケーズデンキ、ヤマダ電機といった大手家電量販店まで、依頼先の比較ポイントを解説します。

また、パナソニック製品などメーカーによる違い、マンションや賃貸物件での注意点、既存の分電盤への増設、DIYのリスク、そして設置が法律上の義務となるケースについても触れていきます。

さらに、補助金の活用など費用を抑える方法も紹介し、あなたが漏電遮断器の取り付け工事で失敗や後悔をしないよう、必要な情報を網羅的にお届けします。

記事のポイント

  • 漏電遮断器取り付けの費用相場と内訳
  • 信頼できる業者の見つけ方と依頼先の比較
  • 状況別(マンション・賃貸等)の注意点
  • 補助金の活用など費用を賢く抑える方法

漏電遮断器取り付け費用の内訳と相場

  • 費用相場はいくらですか?複数社の比較がカギ
  • 設置は法律上の義務か
  • 増設工事にかかる費用
  • パナソニック製など製品による価格の違い
  • 補助金の活用など費用を抑える方法

費用相場はいくらですか?

漏電遮断器の取り付けにかかる費用は、工事の規模や内容によって大きく変動するため、一概に「いくら」と断言することは難しいのが実情です。

具体的には、漏電遮断器単体を交換するだけの小規模な工事から、分電盤全体を新しいものに取り替える大規模な工事まで、状況に応じて費用は1万円台から10万円を超えることもあります。

費用の主な内訳は、「部品代(漏電遮断器本体や分電盤の価格)」と「工事費(技術料)」、そして業者によっては「出張費」などで構成されます。

最も費用を左右する要因は、自宅の分電盤が古いタイプか、比較的新しいタイプかという点です。

比較的新しい分電盤で、規格に合う漏電遮断器を取り付けるスペースがあれば、部品代と簡単な工事費で済みます。

一方で、築年数が経過した住宅では、分電盤自体が老朽化していたり、現代の安全基準を満たしていなかったりすることが多く、分電盤ごと交換する必要が出てきます。この場合、費用は高くなる傾向にあります。

以下に、一般的な作業内容ごとの費用相場をまとめました。

作業内容費用相場(目安)備考
漏電原因の調査5,500円~19,000円修理や交換の前に問題箇所を特定する作業です。
漏電遮断器単体の交換10,000円~30,000円部品代と工事費を含んだ概算です。
分電盤全体の交換20,000円~150,000円前後家庭の回路数や分電盤の機能によって変動します。
※上記はあくまで目安であり、実際の費用は現場の状況によって変わります。

これらのことから、正確な費用を把握するためには、1社だけの見積もりで判断するのではなく、必ず複数の業者から見積もりを取ることが鍵となります。

2社から3社を比較検討することで、地域の費用相場を理解し、不当に高額な請求を避け、適正な価格で信頼できる業者に依頼することが可能になるのです。

費用相場はいくらですか?複数社の比較がカギ
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漏電遮断器の設置は法律上の義務か

漏電遮断器の設置は、どのような住宅でも必ず行わなければならない、というわけではありませんが、特定の条件下では法律によって設置が義務付けられています。

この基準は、感電や火災のリスクが特に高い場所での安全を確保するために「電気設備技術基準」で定められています。具体的に設置が義務付けられているのは、以下のようなケースです。

設置が義務となる主な場所

主に、水気や湿気の多い場所の電気回路には、漏電遮断器の設置が必須とされています。例えば、浴室、洗面所、台所の水回り周辺、そして屋外に設置するコンセントなどがこれに該当します。

水は電気を非常に通しやすいため、万が一漏電が発生した場合、濡れた手で触れると重大な感電事故につながる可能性が極めて高くなるからです。

Information

電気設備技術基準・第333条~334条により、浴室・屋外コンセントなど“水気の多い場所に供給する回路”では30 mA/0.1 s以内動作の漏電遮断器設置が義務付けられています。その他の回路は義務ではないものの、安全対策として設置が推奨されます。

また、建物の新築時や、電気設備に関わる大規模なリフォーム・改修工事を行う際には、原則として漏電遮断器を備えた分電盤を設置することが現在の基準で求められます。

義務でなくても設置が強く推奨される理由

前述の通り、法律で定められた条件に当てはまらない場合、直ちに設置義務が生じるわけではありません。

しかし、築年数が15年以上経過している住宅では、配線の絶縁性能が経年劣化している可能性が高まります。

絶縁が劣化すると、予期せぬ場所で漏電が発生するリスクが上昇するため、法的な義務がなくとも安全対策として漏電遮断器を設置することが強く推奨されます。

ブレーカー自体の寿命も一般的に15年前後とされているため、古い分電盤を使い続けている場合は、漏電遮断器付きの新しいものへ交換を検討することが、家族の安全を守る上で非常に賢明な判断と言えます。

法律は最低限の安全基準であり、それを上回る自主的な対策が、万が一の事故を未然に防ぐことに繋がるのです。

Information

一般社団法人日本電機工業会(JEMA)は遮断器の更新推奨時期を標準使用条件でおおむね15年としています。

漏電遮断器の設置は法律上の義務か
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漏電遮断器の増設工事にかかる費用

すでに分電盤が設置されている住宅で、新たに漏電遮断器だけを増設したい場合の費用は、既存の分電盤の状況によって大きく変わってきます。

最も重要なポイントは、分電盤の内部に新しいブレーカーを取り付けるための「空きスペース(予備回路)」が存在するかどうかです。

空きスペースがある場合は、比較的簡単な工事で済むため、費用を抑えることが可能です。このケースでは、漏電遮断器の部品代と、取り付け・配線接続の技術料が主な費用となります。

業者や製品によって差はありますが、おおむね2万円から4万円程度が目安と考えられます。

一方で、分電盤に空きスペースが全くない場合、増設は簡単にはいきません。

この場合、漏電遮断器を取り付けるためには、既存の分電盤をより回路数の多い新しいものへ丸ごと交換する必要が生じます。

そうなると、工事は単なる「増設」ではなく「分電盤交換」という大規模なものになり、費用も高額になります。

前述の通り、分電盤の交換費用は、回路数に応じて5万円台から10万円を超えることも珍しくありません。

したがって、増設を検討する際は、まず自宅の分電盤を開けてみて、予備のスペースがあるかを確認することが最初のステップになります。

もし自分で判断がつかない場合は、電気工事業者に現地調査を依頼し、どのような工事が必要になるのか、そしてその費用はいくらになるのか、正確な見積もりを取ることが大切です。

漏電遮断器の増設工事にかかる費用
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パナソニック製など製品による価格の違い

漏電遮断器を選ぶ際、パナソニック、テンパール工業、三菱電機といった国内の主要メーカーから様々な製品が販売されています。

これらの製品は、メーカーや機能によって価格に違いがありますが、取り付け工事全体の費用から見れば、本体価格の差が総額に与える影響は比較的小さいと言えます。

漏電遮断器の本体価格は、一般的な住宅用モデル(定格感度電流15mAまたは30mA)であれば、おおむね3,000円から10,000円程度の範囲に収まります。

例えば、基本的な性能を満たす標準的なモデルと、高調波やサージ(異常な電圧)に対応した高性能なモデルとでは価格に差が出ます。

しかし、工事全体の費用が数万円から十数万円になることを考えると、数千円の部品代の差は決定的な要因にはなりにくいのが実情です。

むしろ、どのメーカーのどの製品を選ぶかという点については、専門家である電気工事士の判断に任せるのが最も安全で確実です。

なぜなら、最適な製品は、自宅の分電盤のメーカーや規格、配線方式(単相3線式など)、そして建物の接地(アース)の状態といった専門的な要素を考慮して選定する必要があるからです。

一般の人がカタログスペックだけを見て製品を選んでも、自宅の設備に適合しない可能性があり、かえって危険を招くことにもなりかねません。

したがって、依頼する業者に、信頼できる国内メーカーの標準的な製品で見積もりを依頼するのが一般的な流れとなります。

製品の価格差を気にするよりも、むしろ工事全体の技術料や信頼性を含めた総額で、業者を比較検討する方が賢明なアプローチと考えられるでしょう。

パナソニック製など製品による価格の違い
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補助金の活用など費用を抑える方法

漏電遮断器の取り付け費用は決して安くありませんが、いくつかのポイントを知っておくことで、出費を賢く抑えることが可能です。

主な方法として、「複数の業者から見積もりを取ること」「補助金制度を確認すること」「火災保険の適用を検討すること」の3つが挙げられます。

複数の業者から見積もりを取る(相見積もり)

これは費用を抑える上で最も基本的かつ効果的な方法です。1社だけの見積もりでは、提示された金額が適正なのか判断できません。

最低でも2~3社の電気工事業者から見積もりを取り寄せ、料金や工事内容を比較検討しましょう。

これにより、地域の費用相場が把握できるだけでなく、業者間の競争が働くことで、より良い条件での契約が期待できます。

ただし、極端に安い見積もりには注意が必要です。手抜き工事や質の低い部品の使用といったリスクが隠れている可能性もあるため、安さだけでなく、工事内容や保証の有無もしっかり確認することが大切です。

補助金制度の確認

お住まいの自治体によっては、防災対策の一環として「感震ブレーカー」の設置に補助金を出している場合があります。

感震ブレーカーは、地震の揺れを感知して自動的に電気を遮断する装置で、通電火災を防ぐ効果があります。

この感震機能が付いた分電盤に交換する際に、漏電遮断器も一緒に新しくなることが多いため、結果的に費用負担を軽減できる可能性があります。

お住まいの市区町村のホームページや防災担当課で、関連する補助金制度がないか一度確認してみることをお勧めします。

Information

神奈川県小田原市では感震ブレーカー設置に上限2,000円の補助(2025年度)が実施中です。お住まいの自治体の防災担当課を確認しましょう。

火災保険の適用検討

もし漏電の原因が「突発的かつ偶然な事故」によるものである場合、加入している火災保険の特約が使える可能性があります。

例えば、「電気的・機械的事故補償」や「破損・汚損」といった特約が付帯していれば、修理費用が補償の対象となることがあります。

ただし、経年劣化による故障は対象外となるケースがほとんどです。保険が適用できるかどうかは契約内容によって大きく異なるため、まずはご自身の保険証券を確認し、保険会社に問い合わせてみるとよいでしょう。

補助金の活用など費用を抑える方法
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ケース別・漏電遮断器取り付け費用の注意点

  • 取り付けはどこで頼めばいいですか?
  • マンション・賃貸物件での取り付け注意点
  • エアコン・エコキュート設置時の工事
  • DIYの危険性と作業における注意点
  • 漏電遮断器取り付け費用で失敗しないために

取り付けはどこで頼めばいいですか?

漏電遮断器の取り付けを考えたとき、実際にどこへ依頼すれば良いのかは、多くの方が悩むポイントです。

依頼先にはいくつかの選択肢があり、それぞれに特徴があります。主に、「地域の電気工事店」「インターネットで探せる専門業者」「大手家電量販店」の3つが挙げられま

地域の電気工事店

昔から地域に根差して営業している電気屋さんです。最大のメリットは、地域密着ならではのフットワークの軽さと、顔の見える安心感です。

急なトラブルにも迅速に対応してくれたり、今後の電気に関する相談にも乗ってくれたりする可能性があります。長く付き合える信頼関係を築きたい場合に適しています。

インターネットで探せる専門業者

現在では、インターネットを通じて多くの専門業者を探すことができます。ウェブサイト上で料金体系や施工事例を公開している業者が多く、複数の業者を比較検討しやすいのが大きな利点です。

口コミや評判を確認しながら、自分の希望に合った業者をじっくり選びたい方に向いています。見積もりもオンラインで手軽に依頼できる場合が多いです。

大手家電量販店

エディオン、ケーズデンキ、ヤマダ電機といった大手家電量販店でも、電気工事を依頼することが可能です。

エアコンなどの家電製品を購入する際に、あわせて分電盤の工事を相談できる手軽さが魅力です。また、店舗が窓口となるため安心感があり、ポイントが貯まる・使えるといったメリットもあります。

どの依頼先が最適かは、何を重視するかによって異なります。価格、対応の速さ、信頼性、手軽さなど、ご自身の優先順位を考えた上で、最適な依頼先を選ぶことが大切です。

業者選び(エディオン・ケーズデンキ・ヤマダ電機)

漏電遮断器の取り付けを依頼する業者を選ぶ際は、価格の安さだけで判断するのではなく、技術力や信頼性を総合的に見極めることが不可欠です。

ここでは、エディオン、ケーズデンキ、ヤマダ電機といった大手家電量販店に依頼する場合も含め、業者選びで失敗しないためのポイントを解説します。

大手家電量販店に依頼する場合

家電量販店に依頼するメリットは、窓口が明確で相談しやすい点や、家電購入とセットで依頼できる利便性にあります。

一方で、実際に工事を行うのは下請けの電気工事会社であることが多いという点も知っておく必要があります。

サービス品質がその下請け業者に左右される可能性があるため、保証内容やアフターサービスについて、契約前によく確認しておくことが求められます。

業者選定の重要なチェックポイント

どの依頼先を選ぶにしても、以下の点は必ず確認しましょう。

資格の有無
工事を行う作業員が「第二種電気工事士」以上の国家資格を保有しているかは、最低限の確認事項です。無資格での工事は違法であり、非常に危険です。
実績と評判
その業者が住宅の電気工事、特に分電盤関連の工事で豊富な実績を持っているかを確認します。公式サイトの施工事例や、第三者の口コミサイトなどを参考にしましょう。
現地調査の実施
正確な見積もりを出すためには、現場の状況確認が不可欠です。電話やメールだけで安易に確定料金を提示する業者は避け、契約前に必ず現地調査を行ってくれる業者を選びます。
詳細な見積書
「工事一式」ではなく、「部品代」「工事費」「出張費」など、内訳が詳細に記載された見積書を提示してくれるかを確認します。料金体系の透明性は、信頼できる業者の証です。
保証と保険
工事後の保証期間や内容、そして万が一の物損事故に備えた損害賠償責任保険への加入状況は、安心して任せられるかどうかの重要な判断材料となります。

これらのポイントを踏まえ、価格だけでなく、安全性と信頼性を含めて総合的に判断することが、後悔のない業者選びにつながります。

取り付けはどこで頼めばいいですか?
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マンション・賃貸物件での取り付け注意点

マンションやアパートなどの賃貸物件、あるいは分譲マンションにお住まいの場合、漏電遮断器の取り付けを自分の一存で進めることはできません。工事を行う前に、必ず踏むべき手順と注意点があります。

最も重要なことは、工事を依頼する前に、必ず物件の所有者である大家さん、または管理会社に連絡し、許可を得ることです。なぜなら、分電盤は個人の所有物ではなく、建物の電気設備の一部と見なされるからです。

設備の維持管理の責任は所有者(貸主や管理組合)にあるため、無断で工事を行うと、後で費用の支払いを拒否されたり、原状回復を求められたりするなど、思わぬトラブルに発展する可能性があります。

賃貸物件(アパート・マンション・戸建て)の場合

賃貸物件で漏電の疑いがある、または漏電遮断器が設置されておらず不安な場合は、まず大家さんか管理会社に相談しましょう。

設備の経年劣化が原因である場合、その修理や交換にかかる費用は、原則として貸主側が負担する義務を負っています。入居者の過失でない限り、自己負担になるケースは少ないと考えられます。

分譲マンションの場合

分譲マンションでは、どこに問題があるかで連絡先と費用負担が変わります。

自分の部屋の中にある分電盤や、そこから先のコンセント、配線などが原因であれば、それは「専有部分」にあたるため、所有者である自分自身の責任と費用で修理・交換を依頼するのが一般的です。

一方で、電柱から各戸の電気メーターまでをつなぐ配線や、建物全体の主幹ブレーカーなど、「共用部分」に不具合がある場合は、マンションの管理組合に連絡して対応を依頼する必要があります。

この場合の費用は、管理費や修繕積立金から賄われます。

いずれのケースにおいても、自己判断で業者に依頼する前に、定められたルールに従って報告・相談することが、スムーズな解決への第一歩となります。

マンション・賃貸物件での取り付け注意点
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エアコン・エコキュート設置時の工事

エアコンやエコキュート(自然冷媒ヒートポンプ給湯機)といった消費電力の大きな家電製品を新たに取り付ける際は、漏電遮断器の設置や見直しを検討する絶好の機会です。これらの機器は、安全に使用するために特別な電気配慮が必要となるからです。

専用回路の必要性

エアコン、IHクッキングヒーター、エコキュートなどは、他の家電製品とは比べ物にならないほど大きな電力を消費します。

そのため、既存のコンセントから電源を取ると、回路の許容量を超えてしまい、ブレーカーが頻繁に落ちる原因になります。それだけでなく、配線が過熱して火災につながる危険性も高まります。

このような事態を避けるため、これらの高出力な機器には、分電盤からその機器のためだけにつながる「専用回路」を設けることが、電気設備の内線規程で強く推奨されています。

Information

内線規程およびメーカー据付説明書では、エアコン(200 V機)やエコキュートは定格電流が大きいため分電盤からの専用回路敷設が推奨されています。同時に漏電遮断器付きブレーカーを設置すると工事効率が高まります。

同時工事のメリット

エアコンやエコキュートの設置に伴い、この専用回路を増設する工事が必要になった場合、分電盤の工事も同時に行うことになります。

このタイミングで、分電盤に漏電遮断器が設置されていない、あるいは古いタイプであるならば、あわせて最新のものに交換したり、増設したりするのが非常に効率的です。

工事を別々に行うと、その都度、電気工事士に出張してもらい、工事費も二重にかかってしまいます。

しかし、専用回路の増設と分電盤の工事を一度にまとめてしまえば、工事は1日で完了し、総費用も結果的に安く抑えられる可能性が高くなります。

したがって、大きな家電の設置を計画している場合は、単に製品の価格だけでなく、関連する電気工事の内容と費用も事前に確認し、安全対策として漏電遮断器の設置も視野に入れておくことが賢明です。

エアコン・エコキュート設置時の工事
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DIYの危険性と作業における注意点

漏電遮断器の取り付け費用を節約したいという思いから、自分で交換や設置(DIY)を試みようと考える方がいるかもしれません。しかし、この行為は極めて危険であり、法律でも固く禁止されています。

結論から言うと、分電盤の内部配線を触る工事は、国家資格である「電気工事士」の資格を持つ者でなければ絶対に行ってはいけません。

これは「電気工事士法」という法律で定められており、無資格者が作業を行うことは違法行為にあたります。

なぜDIYが厳禁なのか

無資格での工事が禁止されているのには、重大な理由があります。

まず、感電のリスクが非常に高いことが挙げられます。分電盤は家庭内の電気が集中する中枢部であり、作業手順を一つでも間違えれば、100Vの電圧でも死に至る可能性がある深刻な感電事故を引き起こします。

次に、火災の危険です。配線の接続が不完全だったり、ネジの締め付けが緩かったりすると、その部分が接触不良で異常発熱し、やがて発火して火災の原因となります。

これは電気火災の典型的なパターンであり、素人工事では最も起こりやすいミスの一つです。さらに、配線を誤って接続すれば、家中の高価な家電製品を一瞬で故障させてしまう恐れもあります。

Information

分電盤内部を触る工事は電気工事士法(第3条)で第二種電気工事士以上の資格者に限定されており、無資格施工は3 か月以下の懲役または30 万円以下の罰金の対象です。

自分で安全にできること

資格がない人が安全に行えるのは、漏電の原因箇所を大まかに特定する「調査」までです。もし頻繁に漏電ブレーカーが落ちる場合は、以下の手順で問題の回路を特定することができます。

  1. 分電盤の安全ブレーカー(小さいブレーカー)を全て「切」にします。
  2. アンペアブレーカー(一番大きいブレーカー)と漏電ブレーカーを「入」にします。
  3. 安全ブレーカーを一つずつ順番に「入」にしていきます。
  4. ある安全ブレーカーを「入」にした瞬間に漏電ブレーカーが落ちたら、その回路で漏電が発生している可能性が高いです。

この調査で原因の回路が特定できても、そこから先の修理や交換は絶対に自分で行わず、必ずプロの電気工事業者に依頼してください。安全は何物にも代えがたいということを忘れてはなりません。

IYの危険性と作業における注意点
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漏電遮断器取り付け費用で失敗しないために

この記事では、漏電遮断器の取り付け費用に関する様々な情報や、業者選び、注意点について解説してきました。最後に、安全と費用の両面で後悔しないために、特に重要なポイントをまとめます。

  • 漏電遮断器は感電や電気火災から命と財産を守るための不可欠な安全装置
  • 取り付け費用は工事内容により1万円台から10万円超と大きく変動する
  • 古い住宅では分電盤全体の交換が必要になり費用が高くなる傾向がある
  • 正確な費用を知るためには複数の業者から相見積もりを取ることが最も重要
  • 水回りや屋外コンセントへの設置は法律で義務付けられている
  • 築年数が古い住宅では法的な義務がなくても安全のために設置を強く推奨
  • 依頼先には地域の電気工事店、ネットの専門業者、大手家電量販店などがある
  • 業者選びは価格の安さだけでなく資格や実績、保証内容を総合的に確認する
  • マンションや賃貸物件では工事の前に必ず管理会社や大家への相談が必須
  • 無断での工事は費用トラブルや契約違反の原因になるため絶対に行わない
  • エアコンやエコキュートのような大型家電の設置は同時に工事する良い機会
  • 分電盤の内部を触る工事は電気工事士の国家資格がなければできない
  • 費用節約のためのDIYは感電や火災の危険が伴う違法行為であり厳禁
  • 自治体によっては感震ブレーカーの設置に補助金が利用できる場合がある
  • 火災保険の「電気的事故補償」特約などが適用されるケースもあるため契約内容を確認してみる