雨でインターホンが勝手に鳴る!原因と今すぐできる対策・修理費用をプロが解説

こんにちは。横浜電気工事レスキューのベテラン電気工事士「天谷(あまたに)富士夫」です。
雨の日に誰もいないのにインターホンが「ピンポーン」と鳴り響く…。そんな不気味で困った経験はありませんか?実はこれ、梅雨時期や台風のシーズンには本当によくあるトラブルなんです。
心霊現象やイタズラを疑って不安になる方も多いですが、現場で数多くの修理を行ってきた経験上、原因の多くは雨水の侵入・湿気による導通(漏れ電流)や、虫の侵入といった「物理的なトラブル」です。まずは落ち着いて、電気的な原因を疑うところから始めましょう。
今回は、深夜や豪雨の最中に突然鳴り出した時の「即効性のある応急処置」から、なぜそんなことが起きるのかという「技術的な理由」、さらには自分で直せる範囲とプロに任せるべき費用の目安、さらには賃貸物件での賢い立ち回り方まで、住まいの電気の専門家として徹底的に解説していきます。
記事のポイント
- 突然鳴り出したインターホンの不快な音をわずか1分で止める応急処置
- 雨水や湿気、さらには「ナメクジ」が誤作動を引き起こす驚きのメカニズム
- DIY初心者でも失敗しない!正しい防水コーキングのやり方と絶対NGな穴埋め
- 業者依頼時のリアルな費用相場と設置から10年を過ぎた時の判断基準
- 1. 雨の日にインターホンが勝手に鳴る時の緊急対策
- 1.1. 電源スイッチを切るかコンセントを抜く
- 1.1.1. 本体の電源スイッチを確実にオフにする
- 1.1.2. 電源プラグ(コンセント)を抜く手順とメリット
- 1.2. 音量設定を最小または「切」にする
- 1.3. 外部子機の水分を優しく拭き取る
- 1.3.1. 【厳禁】ドライヤーの熱風は絶対に使わないこと!
- 1.4. 雨の日に誤作動するメカニズム
- 1.5. 原因1:雨水の侵入による内部ショート
- 1.6. 原因2:虫の侵入が引き起こす導通トラブル
- 1.7. 原因3:壁内部の配線劣化や腐食
- 2. 雨でインターホンが勝手に鳴るのを防ぐための防水対策
- 2.1. 電気工事士の資格が必要な作業に注意
- 2.2. 初心者でも可能な防水コーキングの正しい手順
- 2.2.1. 【プロ推奨】準備するものリスト
- 2.2.2. 失敗しないための4ステップ
- 2.3. 重要:下部の水抜き穴は絶対に塞がない
- 2.4. プロに修理を依頼した際の費用相場
- 2.5. 故障時の修理と新品交換の判断基準
- 2.5.1. 修理よりも交換をおすすめする3つの理由
- 2.6. 賃貸物件での不具合報告と費用負担ルール
- 2.6.1. トラブルを避けるための正しい報告手順
- 2.7. インターホンが雨の影響で勝手に鳴る不安を解消する極意
- 2.7.1. 心の平穏を取り戻すためのマインドセット
- 2.7.2. 「最新の安心」へのアップデートという選択肢
- 2.7.3. プロと一緒に作る「安心な住まい」
雨の日にインターホンが勝手に鳴る時の緊急対策

「今この瞬間も鳴り続けていてパニックになっている!」「深夜で誰にも相談できず、とにかく音を消したい!」という緊急事態に直面している方もいらっしゃるでしょう。
まずは深呼吸をして、次の3つのステップを順番に試してみてください。これで物理的に音を遮断し、平穏を取り戻すことができますよ。
電源スイッチを切るかコンセントを抜く
まず最初におすすめするのが、インターホンの親機(家の中にあるモニター側)の電源を物理的に遮断することです。これが最も確実で、異常動作を即座に止めるための「基本中の基本」の手順と言えます。
原因が雨であれ虫であれ、一旦電気の流れを止めることで、システムのパニックをリセットできるからですね。
本体の電源スイッチを確実にオフにする
カラーモニター付きインターホンは、機種によって本体に電源スイッチがある場合と、電源スイッチがなく常時通電の設計のものがあります。
まずは本体の側面・底面や、カバー内部にスイッチがないか確認し、見当たらなければ次の「コンセントを抜く」または「音量設定を切にする」方法に進んでください。
一部のスタイリッシュな機種では、表面の化粧パネルを上にスライドさせて外した内部にスイッチが隠れていることもあります。
もし見つからない場合は、無理に探して本体を傷つけないよう注意しつつ、取扱説明書を確認するか、次の「コンセント」のステップに進んでくださいね。
このスイッチをオフにすれば、外の子機からの「呼出信号」を受け付けなくなるため、あの耳障りなピンポーンという音は一瞬で鳴り止みます。
設定を初期化することなく、物理的に動作を止めるだけなので、夜中のトラブル対応には一番スマートな方法ですよ。
電源プラグ(コンセント)を抜く手順とメリット
親機の下から黒や白のコードが伸びて、近くの壁コンセントに直接ささっているタイプなら、そのプラグを抜いてしまいましょう。これが最も原始的ですが、最も強力な解決策です。
プラグを抜くメリットは、音を止めるだけではありません。玄関子機側の浸水や導通不良が続くと、誤作動が長引いたり、部品が傷んで故障が拡大したりすることがあります。
親機への影響が出るケースもゼロではないため、まずは通電を止めて状況を落ち着かせるのが安全です。
雨が上がり、外側がしっかり乾くまで一時的に抜いておく分には問題になりにくいので、無理せず「強制終了」させてください。
音量設定を最小または「切」にする
「電源スイッチが見当たらない」「電源コードが壁の中に直接入っていて抜くことができない」というお宅も多いかと思います。
これがいわゆる「電源直結式」と呼ばれるタイプで、無理に外そうとすると感電の恐れがあるため、一般の方には触れないようになっています。そんな時は、液晶画面のメニュー操作で一時的に音を消す方法が有効です。
各メーカー(パナソニックやアイホンなど)によって操作は多少異なりますが、基本的にはメニューボタンから「設定」→「呼出設定」→「呼出音量」と進み、音量を「切」または一番小さいレベルに変更してください。
たとえ画面が勝手に光り続けてしまったとしても、耳を刺すようなあの「ピンポーン」という音から解放されるだけで、精神的なストレスは劇的に減るはずです。
まずは静寂を取り戻し、ゆっくり休むことを優先しましょうね。
外部子機の水分を優しく拭き取る
家の中の音が止まり、少し雨足が弱まってきたら、外にある「玄関子機」の様子を見に行ってみましょう。傘をさしながらで構いませんので、レンズの周りや呼出ボタンの隙間に水滴が溜まっていないか確認してください。
もし水滴がついているようなら、乾いた清潔なタオルやキッチンペーパーで、表面の水分を吸い取るように優しく拭いてあげてください。このとき、表面をゴシゴシと力強くこするのは厳禁です!
レンズに微細な傷が入って映像が白くぼやけてしまったり、拭く勢いで隙間の水を奥の方へ押し込んでしまい、かえって症状を悪化させてしまう可能性があるからです。
【厳禁】ドライヤーの熱風は絶対に使わないこと!

「早く乾かして直したい」という一心で、子機の隙間にドライヤーの熱風を至近距離で吹き込もうとする方がいらっしゃいますが、これは非常に危険な行為です。
近年のインターホンは精密な電子基板とプラスチックパーツの塊です。熱風によってケースが歪んだり、基板のハンダが浮いてしまったりすると、本来なら「乾けば直ったはず」の故障が、「修理不能な全損」に変わってしまいます。
もし湿気を飛ばしたいのであれば、必ず「冷風・送風」設定にし、本体から30cm以上離して優しく風を当てる程度に留めておいてくださいね。
雨の日に誤作動するメカニズム

応急処置でひとまず音が止まったら、次は「なぜ雨が降ると勝手に鳴るのか」という物理的な理由を知っておきましょう。これを知るだけで、不気味な現象への恐怖心が消え、冷静に対処できるようになりますよ。
インターホンの呼出ボタンは、ボタン押下で接点(またはセンサー)が働き、信号を親機へ送る構造です。通常は押さない限り信号は出ません。
ところが雨の日は、外壁の汚れ・埃・金属粉などが混じった水分や湿気が内部に回り込み、本来つながらない部分が「薄く導通」してしまうことがあります。これを機器側が「押された」と誤認し、勝手に鳴る原因になります。
(参考:〖玄関番〗玄関番や住まいるサポ(旧玄関番プラス)で、雨が降ると声がかすれたり、聞こえなくなったりします。故障ですか。 - 全般 - Panasonic)
この汚れを含んだ水分が、老朽化して密閉性が落ちた子機の内部基板に入り込むと、本来は離れているはずの電子部品の間に「電気の橋(ブリッジ)」を架けてしまいます。
親機の精密な制御回路は、この水を通じて流れてきたわずかな漏れ電流を「誰かがボタンを押した(抵抗値が変化した)」と誤認し、チャイムを鳴動させてしまいます。
これが、雨の日に誰もいないのにインターホンが鳴る、誤作動の物理的な正体です。
配線の接触不良により「ザーザー音」やノイズが混じる場合の対処法については、『インターホンからザーザー音?原因と修理・交換費用を解説』の記事でも詳しく解説しています。
「もしかして故障?」と不安な方は、あわせて参考にしてみてください。
原因1:雨水の侵入による内部ショート
インターホンの玄関子機は屋外設置を前提に防雨設計されていますが、防水・防雨の等級(例:IPX3/IPX4など)は機種によって異なります。
そして長年の紫外線・温度変化・雨風で、パッキンや筐体の劣化が進むと、設計どおりの防雨性能を保てなくなることがあります。
特に設置から10年を過ぎた機種では、以下のような「物理的な劣化」が水の侵入経路となってしまいます。
- パッキンの硬化・痩せ
ケース同士の密閉を保つゴムパッキンが、長年の紫外線や温度変化でカチカチに固まり、隙間が生じるようになります。 - ハウジングのひび割れ
プラスチックの筐体自体に、目に見えないほどの微細なクラック(ひび)が入り、そこから毛細管現象で雨水を吸い込んでしまいます。 - 取り付けネジ・隙間からの侵入
壁に固定するネジ穴や、外壁との接地面のコーキングが劣化して剥がれると、そこが導線をつたって水が入り込む「道」になります。
侵入した水分が基板に付着すると、意図しない導通(漏れ電流)や腐食が起き、誤作動や故障につながります。さらに一度浸水・結露が起きると、乾いた後も汚れが残って次回以降の雨で再発しやすくなることもあります。
インターホンは精密機器のため、使用環境にもよりますが、10年を超えると不具合が増えやすく、15年前後を更新の目安として検討するケースが多いです。
原因2:虫の侵入が引き起こす導通トラブル

現場でお客様が一番驚かれる(そしてちょっと嫌な顔をされる)のが、この「虫による導通トラブル」です。「雨の日だけ鳴る」と思っていたら、実は内部に入り込んだ小さな生き物たちが真犯人だった、というケースは決して珍しくありません。
雨が降り湿度が上がると、虫たちは雨宿り場所を探したり、親機から伝わるわずかな熱に誘われたりして、子機のマイクやスリットの隙間から内部へ侵入します。特にインターホンにとって最大の天敵と言えるのがナメクジです。
ナメクジの体表は導電性の高い粘液で覆われているため、これが基板の上を這い回ることで、物理的に離れているはずの電子回路同士をつないでしまう「生きた電線」のような役割を果たしてしまいます。
これが強力なショートを引き起こし、呼出ボタンが押されたのと同じ信号を出し続けてしまうわけです。
ナメクジ以外にも、クモが巣を張ることでそこに結露が溜まりやすくなったり、アリの集団が内部に営巣(えいそう)することで排出物や死骸が基板を腐食させたりすることもあります。
私が修理で子機を開けた際、中が真っ黒にすすけて独特の焦げた臭いがし、そこにはナメクジの亡骸が…といった凄惨な状況を何度も目にしてきました。
不気味に感じるかもしれませんが、これもまた立派な「物理的な故障」のひとつ。定期的な清掃や、この後ご紹介するコーキングでの侵入経路遮断が非常に重要になってくるんですよ。
原因3:壁内部の配線劣化や腐食

本体をチェックしても異常が見当たらない場合、忘れてはならないのが「壁内配線(チャイムコード)」のトラブルです。これは玄関子機と家の中の親機をつなぐ電線そのものの寿命で、実はプロでも見落としがちな盲点なんです。
築年数が経過した住宅では、壁の中を通る配線の被覆(ビニール部分)が経年劣化でカチカチに硬くなり、ひび割れを起こしていることがあります。
普段は問題なくても、雨漏りや壁内結露によってその亀裂に水分が染み込むと、内部の銅線同士が水を通じて接触し、誤作動を誘発します。
また、地中埋設ポートを通っている配線の場合、長年の雨水による浸食や、ネズミによる齧害(げがい)で被覆が剥がれ、湿った土を介して微弱な電流が漏れ出してしまう「漏電」に近い状態になることもあります。
この配線トラブルの厄介なところは、「子機本体を新品に交換しても全く直らない」という点にあります。せっかく高いお金を出して最新機種に買い替えたのに、また雨の日にピンポーンと鳴り出して愕然とするお客様もいらっしゃいます。
本体を変えても症状が改善しないときは、我々電気工事士が専用の絶縁抵抗計(通称メガー)を用いて「絶縁抵抗測定」を行い、壁のどこで線がダメになっているかを突き止めなければなりません。
古い配線をそのままにせず、しっかりとした診断を行うことが、雨の日の平穏を取り戻すための最終的な鍵になるんですよ。「自分で漏電を調べてみたい」という方もいらっしゃるかもしれませんが、正しい知識が必要です。
『その漏電の調べ方は危険?正しいテスターの知識と特定手順』の記事では、家庭用テスターとプロ用測定器の違いや、安全な調査手順について解説しています。
雨でインターホンが勝手に鳴るのを防ぐための防水対策
ピンポーン攻撃から完全に解放されるためには、根本的な対策が必要です。自分でもできる「守備」の方法をご紹介しましょう。
電気工事士の資格が必要な作業に注意

さて、ここからはいよいよ具体的な防水対策や修理の話に入りますが、その前にプロとして絶対に守っていただきたい「法律上の極めて重要なルール」をお伝えします。
インターホンの交換や内部の端子を触る作業は、その電源定格によって、自分で行えるかどうかが法律(電気工事業法および電気工事士法)で厳格に定められています。
| 施工タイプ | 資格の要否 | 判断基準 |
|---|---|---|
| 乾電池式・ワイヤレス式 | 不要(DIY可) | 100V電源に直接接続されていないもの |
| コンセントプラグ式 | 不要(DIY可) | 親機からコードが出て、壁のコンセントに差さっている |
| 電源直結式 | 必須(プロ限定) | 親機の裏から直接壁の中に線がつながっているもの |
(参考:電気工事士等資格が不要な「軽微な工事」とは|経済産業省)
特に注意が必要なのが、近年の住宅で主流となっている「電源直結式」です。「配線を2本つなぎ変えるだけでしょ?」と軽く考えられがちですが、ここには家庭用のAC100Vという高い電圧が直接かかっています。
無資格で作業を行うと、絶縁不良による感電事故だけでなく、接続不良による発熱・発火(いわゆる接触不良火災)を引き起こすリスクがあります。
これは単なるマナーではなく法的義務ですので、電源直結式の場合は、必ず我々のような第二種電気工事士以上の資格を持つプロへ依頼してくださいね。安全を金で買う、という考え方は住まいを守る上でとても大切です。
初心者でも可能な防水コーキングの正しい手順
さて、ここからは雨の侵入を根本から断つための最も効果的な予防策、「コーキング処理」について詳しく解説します。子機と外壁の隙間をきっちり埋めるだけで、インターホンの寿命は劇的に延びます。
ただし、やり方を間違えると逆に故障を早めることもあるので、プロのコツをしっかり押さえておきましょう!
【プロ推奨】準備するものリスト
ホームセンターのコーキング売り場で、以下のものを揃えてください。全部合わせても2,000円〜3,000円程度で揃います。
- 外壁用変成シリコンシーラント
通常のものではなく、塗装が乗る「変成シリコン」がおすすめです。色は外壁や子機に合わせて選びましょう。 - コーキングガン
シーラントを押し出すための専用道具です。一番安いもので十分です。 - マスキングテープ
仕上がりを左右する最重要アイテム。粘着力が強すぎない「塗装用」を選んでください。 - 仕上げ用ヘラ
指でも塗れますが、専用のヘラがあると角がピシッと決まってプロ級の仕上がりになります。
失敗しないための4ステップ

- 清掃と「完全乾燥」
古いコーキングがボロボロになって残っている場合は、カッターなどで丁寧に取り除きます。その後、汚れやカビを拭き取りますが、水分が少しでも残っているとシリコンが密着しません。必ず晴天が続いた後の、乾燥した状態で始めてくださいね。 - 養生(マスキング)の極意
子機の縁から1mmほど、そして壁側も2mmほど離してマスキングテープを貼ります。この「わずかな隙間」を作っておくことで、シリコンがしっかり食い込み、剥がれにくくなります。ここを丁寧にやるだけで、仕上がりの見た目が8割決まります。 - 充填(じゅうてん)は「下から上へ」
ノズルを隙間の幅に合わせて斜めにカットし、奥までしっかり届くようにシリコンを流し込みます。空気が入らないよう、一定のスピードで動かすのがコツです。 - 一気にならし、テープを剥がす
ヘラを一度だけ「スーッ」と動かして表面を滑らかにします。何度も触ると表面が波打って汚くなるので、一発勝負のつもりで!シリコンが固まり始める前に、テープをそっと剥がせば完成です。
重要:下部の水抜き穴は絶対に塞がない

ここが今回の記事で、私がプロとして一番強くお伝えしたい、かつ最も間違いやすいポイントです。
「雨を入れたくないから、周囲をぐるっと全部シリコンで埋めちゃおう!」というのは、インターホンの寿命を一瞬で終わらせる最大の誤解です。
玄関子機は防雨設計ですが、構造上、内部に湿気がこもったり結露が起きたりすることもあります。
機種によっては、底面などに排水・通気のための隙間(穴)や構造が設けられている場合があります。こうした部分をふさいでしまうと、かえって水分が逃げにくくなり、誤作動や腐食の原因になることがあります。
もし、この穴を「良かれと思って」コーキングで完全に塞いでしまうとどうなるか。逃げ場を失った水分は内部にどんどん溜まり続け、最悪の場合は電池や基板が水に浸かった「金魚鉢」のような状態になります。
こうなれば内部ショートどころか、電子回路が腐食してしまい、修理は一切不可能です。新品に買い替えるしかなくなってしまいます。
コーキングは「隙間を全部ふさぐ」のではなく、排水・通気の逃げ道を残すことが重要です。施工前に子機の底面や取扱説明書を確認し、ふさいではいけない部分(穴・スリット等)がある場合は必ず避けてコーキングしてください。
判断に迷う場合や、すでに誤作動が出ている場合は、無理に施工せずプロに相談するのが安全です。
プロに修理を依頼した際の費用相場
「自分でコーキングをするのはちょっと怖い」「電源直結式だから、法律上も自分では触れない」という場合は、決して無理をせず我々プロにお任せください。
参考までに、私のような業者に依頼した場合にかかる費用の目安(横浜・関東近郊の標準的な相場)をまとめました。事前にある程度の予算を知っておくことで、安心してご相談いただけるかと思います。
| 作業内容(工事内訳) | 費用目安(一例) | 詳細と備考 |
|---|---|---|
| 基本点検・原因調査費 | 3,300円〜7,700円 | なぜ鳴るのか、絶縁測定などを含めた診断料です。 |
| 子機コーキング再施工 | 5,500円〜11,000円 | 古い部材の除去、清掃、防水処理のみを行う場合の費用です。 |
| インターホン本体交換工事費 | 8,800円〜16,500円 | 既存の配線を活かして新品に付け替える標準的な工事代です。 |
| 壁内・地中配線の改修 | 16,500円〜(要見積) | 配線自体の引き直しや、ショート箇所の特定が必要な場合です。 |
故障時の修理と新品交換の判断基準

現場でお客様から「修理と交換、どっちがいいの?」と聞かれた際、私がプロとして正直にアドバイスしている基準があります。
それは、「設置から10年を過ぎているなら、迷わず新品への交換を選ぶべき」という事実です。一見、修理の方が安く済むように思えますが、中長期的な視点で見ると、実は交換の方が圧倒的にコスパが良く、安心感も違うんですよ。
修理よりも交換をおすすめする3つの理由
- 部品の供給期限
補修用性能部品(修理に必要な部品・基板など)にはメーカーごとに保有期間の目安があり、一般的なインターホンでは製造打ち切り後6〜7年程度とされることが多いです(※メーカー・機種により異なります)。設置から年数が経つほど、修理したくても「部品がなくて修理できない」リスクが上がります。 - 連鎖故障のリスク
インターホンは子機、配線、親機が連動している精密機器です。雨でショートした一箇所だけを直しても、経年劣化が進んだ他の部品が次々と壊れ、結果的に「修理のハシゴ」で高くついてしまうことがよくあります。 - 機能の劇的な進化
最新機種は「防犯性能」が10年前とは比べものになりません。夜間でも表情がくっきり見える高感度カメラや、留守中の来客を動画で残す機能など、今の時代に必須な安心が手に入ります。
例えば、今のインターホンに1.5万円かけて修理をしたとしても、翌月には別の箇所が壊れてしまうかもしれません。一方で、最新のカラーモニター付きインターホンは、本体代金1万円台から手に入ります。
工事費を合わせても、あと数千円〜1万円ほどプラスするだけで、最新のセキュリティと「今後10年以上の安心」が手に入ると考えれば、どちらが賢い選択かは一目瞭然です。
あえて「安物買いの銭失い」にならないよう、賢い判断をすることをおすすめします。また、交換を決断された際には「どこに頼むのが一番安心で安いの?」と悩まれることでしょう。
『インターホンの交換どこに頼む?費用と依頼先の選び方を解説』の記事では、依頼先ごとのメリット・デメリットや費用相場を徹底比較しています。賢い業者選びの参考にしてください。
賃貸物件での不具合報告と費用負担ルール

もしあなたが賃貸のアパートやマンションにお住まいで、雨の日のインターホントラブルに悩まされているなら、まず知っておいてほしいことがあります。
それは、「インターホンの修理費用は、原則として大家さん(貸主)の負担である」という点です。
インターホンはエアコンや給湯器と同じく、その物件の「付帯設備」とみなされます。普通に生活していて発生した故障(経年劣化など)であれば、賃貸人(大家さん)には賃貸物の使用・収益に必要な修繕をする義務があります(民法第606条第1項)。
ただし、賃借人の責めに帰すべき事由による場合は、この限りではありません(同条第1項ただし書)。
(参考:民法(賃貸人による修繕等)第606条|e-Gov法令検索)
トラブルを避けるための正しい報告手順
- 勝手に修理・交換しない
良かれと思って自分で業者を呼んだり、市販品に付け替えたりしないでください。事前の相談なしに費用を事後請求することは難しく、最悪の場合は退去時に「勝手に変えた」として原状回復費用を請求されるリスクもあります。 - 証拠を記録する
誤作動が起きている様子をスマホの動画で撮影しておきましょう。「誰もいないのに音が鳴り続けている」という客観的な証拠があれば、管理会社への説明が非常にスムーズになります。 - 管理会社・大家さんへ即連絡
動画を添えて、「雨の日になると誤作動が起きる」と早めに相談しましょう。迅速な報告は、入居者としての「善管注意義務(借りているものを大切に扱う義務)」を果たしている証明にもなります。
また、民法のルールとして、設備が故障して使えない状態が続く場合、状況に応じて賃料の減額が問題になることがあります(※故障の内容や入居者側の事情、契約内容等によって扱いは変わります)。
インターホンは防犯にも関わる重要設備なので、放置せず、まずは管理会社・大家さんへ早めに状況を共有し、修理手配を依頼するのが安心です。
インターホンが雨の影響で勝手に鳴る不安を解消する極意
「雨の日のインターホン」という、一見地味ですが切実なトラブルについて解説してきました。誰でも「家」という最も安全であるべき場所で、深夜に突然チャイムが鳴り響けば、恐怖を感じるのは当然のことです。
しかし、ここまでお話しした通り、その正体は幽霊でも犯罪者でもなく、単に機械が発している「助けて」というサインなんですね。
心の平穏を取り戻すためのマインドセット
まず大切なのは、「鳴ったらまず電源を切る」という習慣を身につけることです。「原因がわかるまで放置しなきゃ」と我慢する必要はありません。
物理的に音を止めてしまえば、それだけでパニックは収まります。落ち着いてから「明日の朝、明るくなってから確認しよう」と切り替えることが、精神的な健康を守る極意です。
もし深夜に鳴って「誰かいるかも?」と怖くなったら、無理に外を見ようとせず、玄関の鍵と窓の施錠だけ確認して、静かに朝を待ってください。
インターホンが誤作動している最中に、不用意に応答したり外に出たりすることは、防犯上もおすすめしません。安全が第一ですからね。
「最新の安心」へのアップデートという選択肢

もし、あなたの家のインターホンが設置から10年を過ぎているなら、それは「守りの要」としてのリニューアルの合図かもしれません。最新のインターホンは、単に「鳴る」だけの機械ではありません。
- 自動録画機能
不在時や夜間の不審な動きを自動で記録し、後でスマホで確認できる。 - 広角レンズ
玄関周りを死角なく映し出し、隠れている不審者を見逃さない。 - ボイスチェンジャー
一人暮らしの女性でも、男性の声で応答して相手を牽制できる。
このような機能は、雨の日の誤作動という「不快」を取り除くだけでなく、365日の「安心」を格段にレベルアップさせてくれます。
修理に何万円もかけるくらいなら、この機会に最新のセキュリティを手に入れるのが、結果的に最も賢い投資と言えるでしょう。
プロと一緒に作る「安心な住まい」
最後になりますが、電気のトラブルはお家の健康診断のようなものです。インターホンの不具合をきっかけに、外壁のクラック(ひび割れ)や配線の劣化が見つかることもよくあります。
小さな違和感を見逃さず、プロの目を入れることで、将来の大きな事故を防ぐことができるんですよ。



