1階から2階にLANケーブルを繋ぎたい?配線方法を完全解説

1階から2階にLANケーブルを繋ぎたい?配線方法を完全解説
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「1階から2階にLANケーブルを繋ぎたいけれど、どうすれば良いか分からない」と悩んでいませんか。最近では在宅ワークやオンラインでの活動が増え、安定したインターネット環境がこれまで以上に求められています。

特に、現在契約している光回線の速度を最大限に活かすためには、Wi-Fiよりも通信が安定しやすい有線での接続が有効な場合があります。

この記事では、1階にルーターを置いて2階で有線接続を実現するための具体的な方法を解説します。

ご自身で挑戦できるDIYでのLAN配線はもちろん、ケーブルを壁に這わせる際の見た目を綺麗に保つコツ、さらにはプロの専門業者へLAN配線工事を依頼する場合のポイントまで、幅広くご紹介します。

また、どうしても工事が難しい状況のために、2階で工事なしに有線LAN中継器を使う方法や、通信環境の改善が期待できるWi-Fiルーターのおすすめタイプなど、様々な角度からあなたの悩みを解決するヒントを提供します。

この記事を読めば、失敗や後悔を避け、ご自身の環境に最適なLANケーブルの接続方法が見つかるはずです。

記事のポイント

  • DIYでLANケーブルを配線する具体的な方法
  • 専門業者に工事を依頼する場合のポイント
  • 工事が不要な代替案(中継器やPLCなど)
  • 状況に応じた最適なネットワーク環境の選び方

DIYで1階から2階にLANケーブルを繋ぎたい時の方法

  • そもそも家庭内LANの基本を知ろう
  • 安定した有線接続のメリット
  • ケーブルの選び方と注意点
  • 低コストなDIYでの配線に挑戦
  • 綺麗にケーブルを壁に這わせるコツ

そもそも家庭内LANの基本を知ろう

家庭でインターネットを利用する際、LANという言葉を耳にすることが多いですが、これは「ローカル・エリア・ネットワーク」の略称で、自宅やオフィスのような限定された範囲内でコンピューターやスマートフォンなどを相互に接続するネットワークのことを指します。

このLANには、大きく分けて「有線LAN」と「無線LAN(Wi-Fi)」の2種類が存在します。

無線LAN(Wi-Fi)は、LANケーブルを使わずに電波で機器を接続するため、配線の手間がなく、スマートフォンやタブレットなど様々なデバイスを気軽にインターネットに繋げられる手軽さが最大のメリットです。

一方で、電波を利用する特性上、壁や床などの障害物、電子レンジのような家電製品からの電波干渉によって通信が不安定になったり、速度が低下したりすることがあります。

これに対して有線LANは、ルーターとパソコンなどの機器を物理的にLANケーブルで接続する方法です。

ケーブルが必要になるため、配線の取り回しや見た目に工夫が必要になりますが、外部からの電波干渉を受けにくく、非常に安定した高速通信が期待できます。

特に階をまたいで通信する場合、Wi-Fiの電波は減衰しやすいため、有線LANの安定性がより一層その価値を発揮します。

そもそも家庭内LANの基本を知ろう
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安定した有線接続のメリット

有線接続が持つ最大のメリットは、その圧倒的な通信の安定性です。前述の通り、無線LAN(Wi-Fi)は電波で通信を行うため、物理的な障害物や他の電波を発する機器からの影響を避けられません。

しかし、有線接続はLANケーブルという物理的な線で直接機器同士を繋ぐため、外部からの干渉をほとんど受けずに済みます。

このため、通信が途切れると大きな支障が出るような場面で、有線接続は非常に頼りになります。

例えば、一瞬のラグが勝敗を分けるオンラインゲーム、重要な取引先とのビデオ会議、あるいは数ギガバイトに及ぶ大容量のデータを送受信する際など、安定した高速通信が求められる状況では、有線接続を選ぶことが賢明な判断と言えます。

また、セキュリティ面での優位性も有線接続の大きなメリットです。

Wi-Fiの電波は、パスワードを知られてしまうと第三者に傍受されるリスクがゼロではありませんが、有線接続の場合はネットワークに侵入するためにLANケーブルが接続されている場所に物理的にアクセスする必要があります。

これにより、外部からの不正アクセスのリスクを大幅に低減させることが可能です。このように、速度や安定性だけでなく、安全性の面からも有線接続には大きな利点があるのです。

安定した有線接続のメリット
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ケーブルの選び方と注意点

1階から2階へ配線するにあたり、どのLANケーブルを選ぶかは通信品質を左右する非常に大切な要素です。ケーブルには様々な規格(カテゴリ)や形状があり、用途や配線ルートに応じて最適なものを選ぶ必要があります。

通信速度を左右する「カテゴリ」

LANケーブルには「カテゴリ」という性能を示す規格があり、これは文部科学省がGIGAスクール構想の標準仕様書で示すように、数字が大きいほど高速な通信に対応できます。現在、一般的に手に入る主なカテゴリは以下の通りです。

カテゴリ最大通信速度伝送帯域主な特徴と推奨度
CAT5e1Gbps100MHz旧規格。1 Gbps 超が必要なら Cat6 以上推奨。
CAT61Gbps250MHz10 Gbps は55 m以内で可。
CAT6A10Gbps500MHz新規配線の推奨規格。
CAT7以上10Gbps以上600MHz以上主に業務用。家庭用機器で端子非対応の例が多い。
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Cat6の10Gbps対応距離について

Cat6ケーブルでも理論上10Gbps伝送は可能ですが、通信距離が37~55m以内に限られる点にご注意ください。55mを超える場合はCat6A以上を選ぶのが無難です。
また、Cat7以上のケーブルは一部でRJ45コネクタ非対応の製品もあり、機器側の端子規格との互換性を要確認です。

これから新たに配線を行うのであれば、将来的な高速化も見据えて「CAT6A」を選んでおくと安心です。

低コストなDIYでの配線に挑戦
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配線場所で使い分ける「形状」と「芯線」

ケーブルの形状や内部の芯線の構造も、使い勝手に影響します。

形状
一般的な「スタンダード(丸型)」タイプはノイズに強く丈夫ですが、硬くて取り回しにくいことがあります。カーペットの下やドアの隙間を通す場合は、薄くて柔らかい「フラット」タイプが便利です。
芯線の種類
芯線には、1本の太い銅線でできた「単線」と、複数の細い銅線を束ねた「より線」があります。壁の中を通すような長距離の固定配線には、信号の減衰が少ない「単線」が適しています。
一方、機器の周辺など、曲げ伸ばしが多い場所では、柔軟性に優れた「より線」が向いています。
屋外配線の場合
もし外壁を経由して配線する場合は、必ず紫外線や雨風に強い「屋外用(耐候性)」のLANケーブルを使用してください。屋内用ケーブルを屋外で使うと、すぐに劣化して通信不良の原因となり
Information

単線 vs. より線の挿入損失比較

  • 単線(Solid):長距離配線で信号減衰が少なく、最大限の性能を発揮します。
  • より線(Stranded):柔軟性が高く曲げに強い反面、挿入損失が20~50%程度増加するケースがあるため、長距離向きではありません。

低コストなDIYでの配線に挑戦

専門業者に依頼せず、自分でLANケーブルを配線するDIYは、コストを大幅に抑えられるという魅力があります。

業者に支払う工事費や人件費がかからず、基本的にはLANケーブルや必要な工具の材料費だけで済むため、非常に経済的です。

また、業者のスケジュールに合わせる必要がなく、自分の都合の良い時間に作業を進められる自由度の高さもメリットと言えます。

しかし、DIYにはいくつかのデメリットや注意点があることも理解しておく必要があります。まず、最も大きな懸念は失敗のリスクです。

配線ルートの選定ミスや、ケーブルを無理に曲げたり傷つけたりすることで、通信が不安定になったり、最悪の場合は断線してしまったりする可能性があります。

さらに、配線作業には想像以上の時間と労力がかかることも少なくありません。特に、壁の中にケーブルを通したり、天井裏で作業したりする場合は、専門的な知識や技術が求められます。

ペンチやドライバーといった基本的な工具に加えて、LANケーブルの先端を加工するための圧着工具や、配線をチェックするLANテスターなどの専用工具が必要になる場合もあり、これらを一から揃えるとなると追加の出費も発生します。

仕上がりの美観や安全性も課題です。ケーブルがむき出しのままでは見た目が損なわれるだけでなく、足を引っかけて転倒したり、ペットが噛んでしまったりする事故に繋がる恐れもあります。

DIYに挑戦する際は、これらのリスクを十分に理解した上で、慎重に計画を立てて進めることが大切です。

Information

工具・機材の初期投資例

  • 圧着工具:5,000~10,000円程度
  • LANケーブルテスター:3,000~5,000円程度

これらを揃えると、将来の配線メンテナンスにも使えてコスパが良いです。

低コストなDIYでの配線に挑戦
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綺麗にケーブルを壁に這わせるコツ

DIYでLANケーブルを配線する際、多くの人が悩むのが「どうすれば見た目を損なわずにスッキリと配線できるか」という点です。

ケーブルが部屋の中をだらしなく這っていると、インテリアの雰囲気を壊すだけでなく、ホコリが溜まりやすくなったり、足を引っかける危険が生じたりします。

このような問題を解決し、美観と安全性を両立させるためには、いくつかのコツがあります。最も手軽で一般的な方法は、壁や床にケーブルを固定するための「配線モール」を使用することです。

モールはプラスチック製のカバーで、中にケーブルを収納できます。壁紙の色に近い白色や木目調など様々な種類があり、設置したい場所の長さに合わせてカッターで簡単に切断可能です。

壁の角や曲がり角には専用のパーツ(マガリ、コーナーなど)を使うと、より一層綺麗に仕上げられます。

もし、ドアの隙間を通過させる必要がある場合は、紙のように薄い「フラットケーブル」を選ぶと良いでしょう。

このタイプのケーブルは厚みが1mm~2mm程度しかないため、ドアの開閉を妨げることなく配線できます。同様に、カーペットやラグの下に隠すのにも適しています。

さらに、ご自宅の設備によっては、既存の配管を利用できる場合もあります。例えば、エアコンの冷媒管を通している「エアコンダクト」の隙間や、使われていないテレビアンテナ線や電話線の配管にLANケーブルを一緒に通す方法です。

この方法であれば、ケーブルを壁の外に露出させることなく階をまたぐ配線が可能です。

ただし、作業の際は既存の配線を傷つけないよう細心の注意が必要であり、ケーブルを通した後はパテなどで隙間をしっかり塞ぎ、外気の侵入や害虫の通り道になるのを防ぐ処置が不可欠です。

綺麗にケーブルを壁に這わせるコツ
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1階から2階にLANケーブルを繋ぎたい時の解決策

  • プロに頼むLAN配線工事とは
  • 光回線の性能を最大限に引き出す
  • 1階にルーターを置いて2階で有線接続したい場合
  • 2階で工事なしに有線LAN中継器を使う方法
  • 高性能なWi-Fiルーターおすすめ3選
  • 1階から2階にLANケーブルを繋ぎたい悩みを解決

プロに頼むLAN配線工事とは

DIYでの作業に不安がある場合や、より確実で美しい仕上がりを求めるのであれば、電気工事の専門業者にLAN配線工事を依頼するのが最も賢明な選択肢です。

プロに依頼する最大のメリットは、専門的な知識と技術、そして適切な工具を用いて、安全かつ高品質な施工を行ってくれる点にあります。

業者が行う工事内容は、建物の構造や状況によって様々です。比較的新しい戸建て住宅の場合、壁の中に将来の配線増設用として「空配管(からはいかん)」が予め設置されていることがあります。

この配管を利用できれば、壁を傷つけることなく、ケーブルを外に露出させずに1階から2階へスムーズに通線できます。

空配管がない場合は、いくつかの方法が検討されます。一つは、壁の内部に新たにLANケーブルを通す「壁内隠蔽配線」です。

この方法は仕上がりが最も美しいですが、壁に穴を開ける作業が必要となります。もう一つは、建物の外壁に沿って配線する「屋外配線」です。

この場合、耐候性の高い屋外用ケーブルと保護管を使用し、ケーブルの劣化を防ぎます。

工事を依頼する際の費用は、この配管の有無や工事の難易度によって大きく変動します。一般的に、空配管を利用できるケースが最も安価で、壁内隠蔽や屋外配線など、作業の手間が増えるほど費用は高くなる傾向にあります。

信頼できる業者を選ぶためには、複数の業者から見積もりを取り、料金だけでなく、工事内容の詳細な説明や実績、施工後の保証の有無などを総合的に比較検討することが大切です。

Information

工事費用の相場例

  • 空配管利用:15,000~30,000円
  • 壁内隠蔽配線:40,000~80,000円
  • 屋外配線(耐候性ケーブル・保護管含む):50,000~100,000円

建物構造や作業内容により大きく変動しますので、複数社で見積もりを取ることが重要です。

プロに頼むLAN配線工事とは
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光回線の性能を最大限に引き出す

せっかく1階から2階まで有線LANで接続しても、大元であるインターネット回線、つまり光回線自体の速度が遅ければ、期待するような通信パフォーマンスは得られません。

ネットワーク全体の通信速度は、回線、ルーター、LANケーブル、パソコンなど、経路の中で最も性能が低い部分(ボトルネック)に引っ張られてしまうからです。

そこで、LAN配線を検討すると同時に、ご自身が契約している光回線のプラン内容を一度確認してみることをお勧めします。

契約書やプロバイダーの会員ページなどで、契約しているプランの最大通信速度(例:1Gbps、10Gbpsなど)を把握しましょう。

もし、かなり前に契約した古いプランのままであれば、現在ではより高速で安価なプランが提供されている可能性もあります。

特に、家族全員が同時に動画を視聴したり、大容量のデータを扱う機会が増えたりしているのであれば、より高速なプランへの乗り換えを検討する価値は十分にあります。

また、光回線から送られてくる信号を各機器に振り分けるルーターや、接続口を増やすためのスイッチングハブといった周辺機器のスペックも重要です。

例えば、10Gbpsの光回線を契約していても、ルーターが1Gbpsまでしか対応していなければ、通信速度は1Gbpsが上限となってしまいます。

LANケーブルを最適なものに交換するのと同様に、ルーターなどの周辺機器も、契約している光回線の速度や、使用するLANケーブルのカテゴリ(CAT6Aなど)に対応したものを選ぶことで、初めて回線本来の性能を最大限に引き出すことができるのです。

光回線の性能を最大限に引き出す
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1階にルーターを置いて2階で有線接続したい場合

1階に設置したルーターから2階の部屋まで有線でLANケーブルを繋ぐには、建物の構造や環境に応じていくつかの具体的な配線ルートが考えられます。

どの方法が最適かを知ることで、ご自宅に合った現実的なプランを立てることができます。

配線方法メリットデメリット・注意点
屋内配管(空配管)を利用ケーブルが完全に隠れ、仕上がりが最も美しい。壁を傷つける必要がない。全ての住宅に設置されているわけではない。配管が途中で詰まっている可能性もある。
外壁を利用室内の壁を大きく傷つけずに済む。空配管がない場合に有効。ケーブルや保護管が外から見える。屋外用の耐候性部材が必須。壁への穴あけが必要。
エアコンダクトを利用既存の穴を利用するため、壁に新たな穴を開けずに済む。ダクト内にスペースがない場合がある。既存の冷媒管等を傷つけないよう細心の注意が必要。

最も理想的な「屋内配管(空配管)」ルート

前述の通り、壁内に予め通されている空配管を利用する方法です。これがあれば、通線ワイヤーという道具を使って比較的簡単にケーブルを階下に通すことができます。見た目を重視する方にとっては、最も理想的な方法と言えます。

現実的な選択肢「外壁」ルート

空配管がない場合に最も一般的なのが、一度ケーブルを屋外に出し、外壁を伝って2階の目的の部屋の近くまで配線し、そこから再び屋内に引き込む方法です。

外観への影響を最小限にするため、雨樋の裏や軒下に沿わせるなどの工夫が求められます。

既存の穴を活用する「エアコンダクト」ルート

エアコン設置のために開けられている壁の穴(ダクト)の隙間を利用する方法も考えられます。新たな穴あけが不要な点は大きなメリットですが、ダクト内部はデリケートなため、作業は慎重に行う必要があります。

ケーブルを通した後は、エアコン用パテで隙間をしっかりと塞ぎ、気密性を保つことが大切です。

2階で工事なしに有線LAN中継器を使う方法

LANケーブルの配線工事が難しい、あるいは賃貸物件で壁に手を加えられないといった場合に有効な代替案の一つが「Wi-Fi中継器」の利用です。

Wi-Fi中継器は、1階にある親機ルーターのWi-Fi電波を受信し、それを増幅してより遠くまで届ける役割を持つ機器です。これにより、これまで電波が弱かった2階でもWi-Fiが快適に使えるようになる可能性があります。

多くのWi-Fi中継器にはLANポートが搭載されており、このポートにLANケーブルを接続すれば、2階のパソコンやゲーム機などを有線でインターネットに繋ぐことができます。

つまり、配線工事を一切行うことなく、擬似的に2階に有線LANの接続環境を構築できるのです。

この方法のメリットは、何よりもその手軽さとコストの低さにあります。中継器本体は数千円から購入可能で、設置もコンセントに挿して簡単な設定を行うだけです。

ただし、デメリットも存在します。中継器はあくまで親機からのWi-Fi電波を中継するだけなので、通信速度は親機と直接接続する場合に比べて低下する傾向にあります。

特に、多くの製品は電波の受信と送信を同じ周波数帯で行うため、理論上は速度が半減してしまう可能性も指摘されています。

ただし、5 GHz をバックホールに専用化した“デュアルバンド高速モード”搭載機などでは低減量を抑えられます。

また、中継器を設置する場所も重要で、親機から安定した電波を受け取れ、かつ2階の利用したい場所をカバーできる中間地点に置く必要があります。

設置場所が悪いと、十分な効果が得られないこともあるため注意が必要です。

1階にルーターを置いて2階で有線接続したい場合
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高性能なWi-Fiルーターおすすめ3選

「1階から2階へ有線LANを」と考える根本的な理由は、多くの場合「2階のWi-Fiが不安定だから」という点にあります。この問題は、LANケーブルを配線しなくても、Wi-Fi環境そのものを見直すことで解決できる可能性があります。

特に、現在使用しているWi-Fiルーターが数年前に購入した古いモデルである場合、最新の高性能なルーターに買い替えるだけで、通信状況が劇的に改善することも少なくありません。

ここでは、2階での通信環境改善に効果が期待できる、おすすめのWi-Fiルーターのタイプを3つご紹介します。

タイプ1. 家全体を網羅する「メッシュWi-Fi」

メッシュWi-Fiは、親機と複数台の子機(サテライト)が連携し、家全体に網目(メッシュ)のような単一のWi-Fiネットワークを構築するシステムです。

家の中を移動しても、自動的に最も電波状態の良い機器に接続が切り替わるため、常に安定した通信を維持できます。2階建てや3階建ての戸建てなど、複雑な間取りの家全体をカバーするのに最も適した選択肢です。

タイプ2. 電波の混雑を避ける「トライバンド対応ルーター」

一般的なルーターが2.4GHzと5GHzの2つの周波数帯(デュアルバンド)を使うのに対し、トライバンド対応ルーターは5GHz帯をもう一つ加えた、合計3つの周波数帯を同時に利用できます。

接続する機器が増えても、通信経路を分散させることで電波の混雑を避け、それぞれの機器で安定した通信を保ちやすくなります。家族が多く、同時に複数のデバイスで動画視聴やゲームをするご家庭におすすめです。

Information

バックホール設定のポイント
5GHz帯を3本のうち1本を「専用バックホール」として運用できる機種を選ぶと、子機間の中継効率が向上し、速度低下をさらに抑えられます。

タイプ3. 障害物に強い「Wi-Fi 6(または6E)対応ルーター」

「Wi-Fi 6」は比較的新しいWi-Fiの規格で、従来の規格に比べて通信速度が速いだけでなく、複数の機器を同時に接続した際の安定性が向上しています。

また、「OFDMA」という技術により、壁や床などの障害物がある環境でも効率的にデータを送信できるため、1階から2階へも電波が届きやすくなることが期待できます。

より新しい「Wi-Fi 6E」では、さらに空いている6GHz帯を利用できるため、電波干渉が少なく一層快適な通信が可能です。

Information

Wi-Fi 6/6E の“障害物耐性”について補足

  • Wi-Fi 6自体の電波到達距離はWi-Fi 5とほぼ同等で、壁や床を抜けやすいわけではありません。
  • 最大のメリットはOFDMAやMU-MIMOによる多端末接続時の効率向上です。
  • 6E(6GHz帯)は新周波数帯のため混雑は避けられますが、周波数が高いほど減衰が大きい点にご注意を。
高性能なWi-Fiルーターおすすめ3選
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1階から2階にLANケーブルを繋ぎたい悩みを解決

  • 1階から2階の安定した通信には有線LAN接続が最適
  • オンラインゲームやビデオ会議では物理的な接続が有利になる
  • 将来性も考慮すると家庭用LANケーブルはCAT6Aがおすすめ
  • DIYは費用を抑えられるが失敗のリスクと手間を考慮する
  • ケーブルを壁に這わせる際は配線モールで見栄えと安全性を確保
  • ドアの隙間やカーペット下には薄いフラットケーブルが便利
  • 専門業者への工事依頼は確実で美しい仕上がりが期待できる最も安全な方法
  • 工事費用は建物の構造や空配管の有無で大きく変動する
  • 依頼する際は複数の業者から見積もりを取り比較検討することが大切
  • 工事が難しい場合はWi-Fi中継器で擬似的な有線接続が可能
  • 中継器は手軽に導入できるが通信速度は低下する傾向に注意
  • 家全体を快適なWi-Fi環境にするならメッシュWi-Fiシステムの導入が有効
  • コンセントを利用するPLCアダプターも代替案の一つだが通信は環境に左右される
  • 使用中のルーターが古い場合は最新機種への買い替えで改善する可能性がある
  • ご自身の家の状況と求める通信品質に合わせて最適な方法を選ぶことが鍵となる