IHグリルからの漏電でブレーカーが落ちる?センサーの掃除と原因を解説

- 1. IHグリルの漏電センサーを掃除する前に知るべき原因
- 1.1. ブレーカーが落ちる現象の主な原因
- 1.2. IHクッキングヒーターの寿命と故障
- 1.3. 漏電センサーの場所はどこにある?
- 1.4. 専用ブレーカーで漏電箇所を特定
- 1.5. 業者に依頼する修理の費用相場
- 2. IHグリルの漏電センサー掃除の実践と修理の判断
- 2.1. センサー掃除の正しいやり方と手順
- 2.1.1. 1. 安全の確保(電源遮断と冷却)
- 2.1.2. 2. 取り外せる部品の洗浄
- 2.1.3. 3. グリル庫内とセンサー周辺の清掃
- 2.1.4. 4. 仕上げの拭き取りと乾燥
- 2.2. 掃除で守るべき注意点と重要ポイント
- 2.3. 修理と交換どちらの対応が必要か
- 2.4. パナソニック・三菱・日立・ノーリツの特徴
- 2.4.1. パナソニック
- 2.4.2. 三菱電機
- 2.4.3. 日立
- 2.4.4. ノーリツ
- 2.5. まとめ:IHグリルの漏電センサーを掃除する際の要点
IHクッキングヒーターのグリルを使おうとした瞬間、突然専用ブレーカーが落ちてしまい、お困りではないでしょうか。
その原因は経年劣化による寿命なのか、それとも日々の汚れが関係しているのか、はっきりしないと不安になります。
IHグリルの漏電センサーに関するお悩みを抱えている方のために、この記事ではまず、ブレーカーが落ちる原因の仕組みについて解説します。
さらに、漏電センサーの場所や、ご自身でできる掃除の手順までを、わかりやすく網羅的にご紹介します。
また、業者に修理を依頼した場合の費用相場や、そもそも修理と交換どちらが本当に必要か、判断するための注意点やポイントもご紹介します。
パナソニック、三菱、日立、ノーリツといった主要メーカーごとの特徴にも触れながら、この問題を解決するための具体的な情報を分かりやすくお届けします。
記事のポイント
- IHグリルでブレーカーが落ちる主な原因
- 自分でできる漏電センサーの正しい掃除手順
- 修理と交換の判断基準と費用相場
- 安全に使い続けるための注意点とポイント
IHグリルの漏電センサーを掃除する前に知るべき原因
- ブレーカーが落ちる現象の主な原因
- IHクッキングヒーターの寿命と故障
- 漏電センサーの場所はどこにある?
- 専用ブレーカーで漏電箇所を特定
- 業者に依頼する修理の費用相場
ブレーカーが落ちる現象の主な原因
IHクッキングヒーターのグリル使用時にブレーカーが落ちる場合、その多くはグリル庫内に設置された「漏電センサーの汚れ」が原因と考えられます。
なぜなら、調理中に飛び散った油や食品カスがヒーターの熱で炭化し、センサーに付着してしまうからです。
炭化した汚れは電気を通す性質を持つため、機器が「異常な電流や温度」を検知し、安全装置として配線用遮断器を作動させます。
これは実際の漏電ではなく、汚れによるセンサーの誤作動ですが、最も頻繁に見られる現象です。
一方で、単なる汚れが原因ではないケースもあります。例えば、機器自体の経年劣化によって内部の部品が絶縁不良を起こし、本当に漏電している可能性も否定できません。
特に、トッププレートにひび割れがある場合は注意が必要です。その隙間から水分が内部に侵入し、電子基板をショートさせていることもあります。
このように、ブレーカーが落ちるといっても、原因は汚れによる軽微なものから、部品の故障という深刻なものまで様々です。

IHクッキングヒーターの寿命と故障
IHクッキングヒーターの一般的な寿命は、約10年と言われています。
毎日使用する家電製品であるため、長年の使用によってヒーター部分や電子基板、冷却ファンといった内部の部品が少しずつ劣化していくのは避けられません。
特に設置から10年以上が経過した機器でブレーカーが落ちる症状が出た場合、それは単なる汚れではなく、機器全体の寿命が近づいているサインである可能性が高いです。
また、メーカーが修理用の部品を保有している期間も、製品の生産終了後から約10年が目安となります。このため、古い機種の場合は修理したくても部品がなく、対応できないケースも出てきます。
たとえ一部分を修理して一時的に復旧したとしても、近い将来、別の部品が寿命を迎えて再び故障するリスクも考慮しなくてはなりません。
したがって、使用年数が10年を超えている場合は、修理を繰り返すよりも、最新の安全機能や省エネ性能を備えた新品への交換が、結果的に経済的で安心な選択となることが多いです。

漏電センサーの場所はどこにある?
ブレーカーが落ちる原因となる漏電センサーは、一般的にグリル庫内の奥、または側面の壁際に設置されています。
この場所は、漏電が発生しやすいヒーターからの異常をいち早く検知するために最適な位置です。しかし、同時に手が届きにくく、日常的な掃除が行き届きにくい場所でもあります。
このため、調理のたびに飛び散った油汚れが少しずつ蓄積し、やがてセンサーの誤作動を引き起こす原因となってしまいます。
具体的な位置はメーカーや機種によって異なりますが、多くの場合、グリル庫内をのぞき込んだ際に、上下にあるヒーターの周辺や、壁面に取り付けられた小さな突起物として確認できます。
掃除をする際は、このセンサー自体の位置をあらかじめ取扱説明書で確認しておくか、庫内をよく見て特定することが大切です。
このセンサーは非常にデリケートな部品であるため、場所を確認した上で、力をかけすぎないよう優しく清掃することが求められます。

専用ブレーカーで漏電箇所を特定
グリルを使うとブレーカーが落ちる場合、本当にIHクッキングヒーターが原因なのかを確かめることが重要です。もしかしたら、他の家電製品が原因となっている可能性も考えられます。
そこで、ご家庭の分電盤にある専用ブレーカーを操作することで、漏電の原因箇所を特定できます。手順は以下の通りで、誰でも簡単に行うことが可能です。
- まず、安全のため分電盤にある全ての分岐ブレーカー(個別の部屋やコンセントにつながる小さなスイッチ)を「切」にします。
- 次に、一番大きなアンペアブレーカーと、その隣にある漏電ブレーカーを「入」にします。
- その後、一つずつ分岐ブレーカーを「入」に戻していきます。
この作業の途中で漏電ブレーカーが落ちた場合、そのとき「入」にした分岐ブレーカーが担当している回路で漏電が起きていると判断できます。
もし、IHクッキングヒーターの専用ブレーカーを「入」にした瞬間に漏電ブレーカーが落ちるのであれば、原因はIHクッキングヒーター本体、もしくはそこにつながる配線にある可能性が高いと判断できます。
この方法で原因が特定できた場合は、IHクッキングヒーターの使用を中止し、専門業者に相談しましょう。

業者に依頼する修理の費用相場
ご自身での清掃でも症状が改善しない場合や、原因が部品の故障にあると判断される場合は、専門業者による修理が必要です。その際の費用は、故障箇所や交換する部品によって大きく変動します。
修理を依頼すると、まず技術者が出張して診断を行うための「出張・診断料」が発生します。これに加えて「技術料」や「部品代」が加算されるのが一般的です。
具体的な費用の目安を以下の表にまとめました。
修理内容 | 費用目安(税込) | 備考 |
---|---|---|
出張・診断料 | 6,000円 ~ | 作業を行わなくても発生することが多い基本料金です。 |
グリルヒーター交換 | 15,000円 ~ 40,000円 | ヒーター自体の劣化が原因だった場合の費用です。 |
グリルユニット全体の交換 | 20,000円 ~ 60,000円 | センサーや周辺部品を含めて交換する場合の費用です。 |
制御基板の交換 | 21,000円 ~ 50,000円 | 機器の頭脳部分の故障は高額になる傾向があります。 |
このように、修理には数万円単位の費用がかかる可能性があります。
前述の通り、使用年数が10年に近い機器の場合、この修理費用をかけても他の部品がすぐに故障するリスクを考えると、新品への交換と比較検討することが賢明な判断と言えます。

IHグリルの漏電センサー掃除の実践と修理の判断
- センサー掃除の正しいやり方と手順
- 掃除で守るべき注意点と重要ポイント
- 修理と交換どちらの対応が必要か
- パナソニック・三菱・日立・ノーリツの特徴
- まとめ:IHグリルの漏電センサー掃除の要点
センサー掃除の正しいやり方と手順
漏電センサーの掃除を行う際は、安全を最優先し、正しい手順で進めることが不可欠です。感電や火傷のリスクを避けるため、以下の手順を必ず守ってください。
1. 安全の確保(電源遮断と冷却)
掃除を始める前に、必ず分電盤にあるIHクッキングヒーターの専用ブレーカーを「切」にしてください。これは最も重要な安全対策です。
その後、調理直後で本体が熱い場合は、トッププレートやグリル庫内が完全に冷めるまで十分に時間を置きます。
2. 取り外せる部品の洗浄
グリル扉、焼き網、受け皿など、取り外しが可能な部品は全て外します。
これらの部品に付着した頑固な油汚れは、ぬるま湯にセスキ炭酸ソーダや重曹を溶かした液体に30分ほど浸け置きすると、汚れが浮き上がって落としやすくなります。
浸け置き後、台所用中性洗剤と柔らかいスポンジで優しく洗い流してください。
3. グリル庫内とセンサー周辺の清掃
いよいよ、問題の中心である庫内とセンサーを清掃します。まず、庫内の側面や底面など、手の届く範囲を中性洗剤を含ませた布で拭き上げます。
センサーが設置されている庫内の奥まった場所は、割り箸の先端にキッチンペーパーや柔らかい布を巻きつけ、輪ゴムで固定したお掃除棒を使うと便利です。
この棒の先に洗剤液を少量染み込ませ、センサー自体に強い力を加えないよう、慎重に汚れを拭き取ります。
4. 仕上げの拭き取りと乾燥
最後に、固く絞ったきれいな布で庫内全体を水拭きし、洗剤成分が残らないようにします。洗剤が残っていると、新たな汚れの原因やサビにつながる可能性があるからです。
拭き掃除が終わったら、庫内が完全に乾くまで自然乾燥させてから、取り外した部品を元に戻し、ブレーカーを「入」にして作業完了です。

掃除で守るべき注意点と重要ポイント
安全かつ効果的にIHクッキングヒーターの掃除を行うためには、いくつか守るべき注意点があります。誤った方法で掃除をすると、機器を傷つけたり、故障の原因を作ってしまったりする可能性があるためです。
まず、洗浄剤の選択には注意が必要です。ガラストッププレートに、研磨剤が多く含まれる粉末クレンザーや、金属製のたわしを使用することは絶対に避けてください。
表面に細かい傷が無数についてしまい、その傷に汚れが入り込んでかえって落としにくくなるだけでなく、見た目も損なわれます。
頑固な焦げ付きには、クリームタイプのクレンザーを丸めたラップやアルミホイルに付けて優しくこする方法が有効です。
次に、掃除の仕方です。特にグリル庫内や排気口の内部を掃除する際、洗剤を直接スプレーするのは厳禁です。
内部には精密な電子基板があり、液体が浸入するとショートや故障の直接的な原因となります。洗剤は必ず布やキッチンペーパーに一度付けてから拭くようにしてください。
また、市販されている「IH汚れ防止マット」の使用は、多くのメーカーが推奨していません。
マットを敷くことで鍋底とトッププレートの間の温度センサーが正しく機能しなくなり、過熱防止といった安全装置が働かなくなる恐れがあるからです。
最悪の場合、火災につながる危険性も報告されているため、使用は控えるのが賢明です。

修理と交換どちらの対応が必要か
ご自身で丁寧に掃除をしても症状が改善しない場合、修理か交換かという大きな決断が必要になります。この判断において最も重要な基準となるのが「使用年数」です。
もしお使いのIHクッキングヒーターが購入から7年未満であれば、修理を検討する価値は十分にあります。
この年数であれば、他の部品がすぐに連鎖して故障するリスクは比較的低く、修理することでまだ長く使える可能性が高いからです。
一方で、使用年数が10年を超えている場合は、交換を強く推奨します。
前述の通り、設計上の寿命が近づいており、仮に今回漏電の原因となっている部品を数万円かけて修理しても、すぐに別の箇所が故障する「いたちごっこ」に陥る可能性が高いと考えられます。
修理部品の供給が終了しているリスクもあります。
一つの具体的な判断ラインとして、「修理費用が、同等機能を持つ新品の本体価格の半分を超える場合」は、交換を選択するのが合理的と言えます。
長期的なコストパフォーマンスと、最新機種の安全性・利便性を考慮すると、古い機器に高額な修理費用を投じるよりも、新品に切り替える方がメリットは大きいでしょう。
とはいえ、「自分の家の場合は修理と交換どちらが最適なのか」「費用は結局いくらかかるのか」など、専門的な判断に迷うことも多いかと存じます。
横浜・川崎・東京都南部エリアで業者をお探しの方へ
もし、IHクッキングヒーターの不具合や交換工事にお困りでしたら、私たち「横浜電気工事レスキュー」でもご相談を承っております。
お客様のご状況に合わせた最適なプランをご提案いたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

パナソニック・三菱・日立・ノーリツの特徴
IHクッキングヒーターを選ぶ際、またはお手入れ方法を確認する上で、主要メーカーごとの特徴を知っておくと役立ちます。各社とも、調理性能だけでなく、清掃のしやすさにも工夫を凝らしています。
パナソニック
「ラクッキングリル」に代表されるように、グリル庫内の凹凸を減らし、フラットな設計にすることで拭き掃除の手間を大幅に軽減しているのが特徴です。
また、多くの機種に庫内の油汚れを焼き切ってくれる「お手入れ」モードが搭載されており、定期的なメンテナンスをサポートしてくれます。公式サイトでも詳細なクリーニングガイドが提供されています。
三菱電機
独自の加熱技術に定評がありますが、お手入れのしやすさも考慮されています。トッププレートの汚れが落ちやすい工夫や、分解して洗いやすいグリル部品など、日々の使い勝手に配慮した設計が見られます。
日立
「ラク旨グリル&オーブン」など、調理機能の高さが魅力ですが、お手入れに関してもユーザーフレンドリーです。
公式サイトでは、掃除方法を動画で分かりやすく解説しており、どのメーカーの利用者にとっても参考になります。
ノーリツ
ガスコンロで有名なメーカーですが、IHクッキングヒーターも展開しています。各メーカーともに、お手入れの方法は機種によって細かく異なります。
お使いの機種の取扱説明書を確認することが、最も確実で安全な方法であることは、どのメーカーにも共通しています。

まとめ:IHグリルの漏電センサーを掃除する際の要点
この記事で解説した、IHグリルの漏電とセンサー掃除に関する重要なポイントを以下にまとめます。
- グリル使用時のブレーカー落ちは漏電センサーの汚れが主な原因
- 油汚れが炭化し電気を通すことでセンサーが誤作動する
- 使用年数10年超えの場合は機器の寿命も原因として考えられる
- 漏電センサーはグリル庫内の奥や側面の壁際にある
- 掃除の前には必ず専用ブレーカーを切り本体を冷ます
- 取り外せる部品はセスキ炭酸ソーダなどで浸け置き洗いが効果的
- センサー周辺は割り箸と布を使い優しく拭き掃除する
- 金たわしや粉末クレンザーはトッププレートを傷つけるため使用しない
- 洗剤の直接スプレーは内部基盤の故障につながるため厳禁
- 市販の汚れ防止マットは火災リスクがありメーカー非推奨
- 清掃しても改善しない場合は部品の故障や本格的な漏電の可能性
- 修理か交換かの判断は使用年数が大きな基準となる
- 使用7年未満なら修理、10年以上なら交換が合理的
- 修理費用が新品価格の半分を超える場合も交換を検討
- パナソニックや日立など各社はお手入れしやすい工夫を凝らしている