たこ足配線によるコンセント焼損!放置の危険性と確実な交換工事の重要性〜藤沢市鵠沼松が岡の工事例から〜

私達の暮らしと電気、そしてコンセントの重要性

現代の私達の生活は、電気なしでは成り立ちません。スマートフォン、パソコン、テレビ、冷蔵庫、エアコン、照明器具…身の回りにある多くの便利な機器は電気によって動いています。そして、それらの機器に電気を供給する大切な役割を担っているのが「コンセント」です。

壁に当たり前の様に設置されているコンセントですが、その内部は複雑な配線で繋がっており、常に電気が流れています。普段あまり意識する事はありませんが、使い方を誤ったり、経年劣化したりすると、思わぬトラブルを引き起こす可能性があるのです。

今回は、神奈川県藤沢市鵠沼松が岡で実際に発生した「コンセントの焼損」という事例を通して、その原因と危険性、そして安全な対処法であるコンセント交換の重要性について、詳しく解説していきます。ご自宅の電気設備を見直すきっかけとして、ぜひ最後までお読み頂けますと幸いです。

【藤沢市での事例】たこ足配線が引き起こしたコンセント焼損トラブル

先日、藤沢市鵠沼松が岡にお住まいのお客様から、「コンセントが焦げ臭く、変色している」とのご相談を頂きました。早速、当社の経験豊富な電気工事士が現場へ急行し、状況を確認させて頂きました。

問題のコンセントを確認すると、プラグの差し込み口周辺が黒く焼け焦げ、プラスチック部分が溶けて変形している状態でした。幸い、火災には至っていませんでしたが、一歩間違えれば大変な事態になりかねない、非常に危険な状況でした。

お客様にお話を伺うと、このコンセントには日常的に複数の電気製品を接続した電源タップ、いわゆる「たこ足配線」で使用されていたとの事でした。

特に消費電力の大きい熱源機器を同時に使用する事もあったようです。これが、今回のコンセント焼損の直接的な原因である「過電流」を引き起こしたと考えられます。

なぜコンセントは焼損したのか?過電流とたこ足配線の危険性

では、なぜ「たこ足配線」がコンセント焼損につながるのでしょうか。それは「過電流」という現象が関係しています。

過電流とは?

コンセントや電気配線には、安全に使用出来る電気の量(電流)の上限、すなわち「定格容量」または「許容電流」が定められています。通常、壁のコンセント一つあたりの定格容量は15アンペア(A)まで、電力に換算すると1500ワット(W)が一般的です。(※ご家庭の配線状況により異なる場合があります)

たこ足配線で多くの電気製品を同時に使用すると、そのコンセントに接続されている配線には、個々の機器が必要とする電流の合計が流れます。この合計電流が、コンセントや配線の定格容量を超えてしまう状態を「過電流」と呼びます。

たこ足配線の落とし穴

電源タップ自体にも定格容量がありますが、壁のコンセントの容量を超える事は出来ません。例えば、定格容量1500Wの電源タップに、ドライヤー(1200W)と電気ケトル(1000W)を同時に接続して使用すると、合計で2200Wとなり、壁のコンセント(1500W)の容量を大幅に超えてしまいます。

過電流状態が続くと、電線や接続部分が異常に発熱します。電気は流れる際に抵抗があり、抵抗が大きいほど熱が発生しやすくなります。過電流によって大量の電気が狭い通路(電線)を無理やり流れようとすると、抵抗が大きくなり、ジュール熱と呼ばれる熱が大量に発生するのです。子供の靴下を大人が無理矢理履くという様な厳しい状況です。靴下が破れてしまいますね。

この熱により、電線を覆う絶縁被覆やコンセントのプラスチック部品が溶け始め、最終的には発煙・発火に至る危険性があります。これがコンセント焼損のメカニズムです。

今回の藤沢市のケースでも、複数の機器を接続したたこ足配線によって、コンセントが許容出来る電流を超えてしまい、接続部分が異常発熱し、焼損に至ったと考えられます。特にたこ足配線で電気容量が多い電熱機器(ケトルや電気ヒーター、ドライヤーなど)を2台以上同時に使用するとアウトです。

放置は絶対にダメ!コンセント焼損を放置するリスク

「少し焦げているだけだから大丈夫だろう」「まだ使えるから」と、焼損したコンセントをそのまま使い続ける事は絶対にやめて下さい。コンセント焼損を放置するには、以下のような深刻なリスクが伴います。

  1. 火災のリスク:最も恐ろしいのが火災です。焼損部分はすでにダメージを受けており、絶縁性が低下しています。そのまま使用を続けると、さらに発熱が進み、ショート(短絡)を引き起こし、周囲の可燃物に着火して大規模な火災に繋がる恐れがあります。特に、家具の裏など目の届きにくい場所のコンセントは見過ごされがちで、発見が遅れると被害が拡大しやすくなります。
  2. 感電のリスク:コンセント内部の部品が溶けたり、破損したりする事で、充電部分(電気が流れている金属部分)が露出しやすくなります。プラグを抜き差しする際や、清掃時などに誤って触れてしまうと、感電する危険性があります。感電は、体に大きなダメージを与え、場合によっては命に関わる重大な事故に繋がります。50mA以上の電流が体に流れると死に至る可能性があります。
  3. 他の電気機器への悪影響:不安定な電気供給は、接続されている他の精密な電気機器にダメージを与える可能性があります。電圧の変動などが原因で、パソコンやテレビ、その他の家電製品が故障してしまう事も考えられます。
  4. 漏電のリスク:コンセント内部の絶縁が劣化・破損すると、電気が本来の回路から漏れ出す「漏電」が発生する可能性があります。漏電は感電や火災の原因となるだけでなく、漏電ブレーカーが作動して家全体の電気が使えなくなる事もあります。

このように、コンセント焼損は見た目以上に危険な状態です。発見したらすぐに使用を中止し、専門業者による点検と交換を依頼する事が、ご自身とご家族の安全を守る為に必要不可欠です。

プロによる安全・確実なコンセント交換工事の流れ

コンセント焼損を発見した場合、決してご自身で修理しようとせず、必ず私達の様な電気工事の専門業者にご依頼下さい。電気工事には専門的な知識と技術、そして国家資格が必要です。安全かつ確実に問題を解決する為、以下の手順で作業を進めます。

  1. 状況確認と原因調査:まず、お客様から詳しく状況をお伺いし、焼損したコンセントの状態を詳細に確認します。なぜ焼損に至ったのか、たこ足配線の状況や接続されていた機器なども含めて原因を特定します。
  2. 漏電調査:コンセント交換を行なう前に、専用の測定器(メガテスターなど)を使用して漏電していないかを確認します。もし漏電が発生している場合、コンセント交換だけでは根本的な解決になりません。壁内の電線の被覆が高熱で融けて漏電している場合も多々あります。単に焦げたところだけを直せばいいという事ではなく、しっかりと漏電箇所を特定し、必要な修繕を行なう事が重要です。漏電調査は、感電や火災のリスクを防ぐ為に非常に重要な工程です。
  3. 安全確保(ブレーカー遮断):作業を行なう箇所の分電盤のブレーカーを確実に遮断し、電気が流れていない安全な状態にします。これにより、作業中の感電事故を防ぎます。
  4. 既存コンセントの撤去:焼損した古いコンセントを壁から丁寧に取り外します。壁内部の配線の状態も確認し、もし手の届く範囲で配線にも損傷が見られた場合は、その部分の修繕も行ないます。手の届かない見えない部分の電線の損傷は、簡単に直せない為お客様とご相談の上、壁を壊すか、新たに電線を引き直すかのご相談となります。
  5. 新しいコンセントの取り付け:新しいコンセントを適切に接続し、壁にしっかりと固定します。今回は、信頼性の高いパナソニック製のコスモシリーズワイド21「埋込ダブルコンセント(品番:WTP1502WKP)」を使用しました。この製品は、デザイン性も高く、安全性にも配慮された人気のモデルです。
  6. 最終確認と通電テスト:新しいコンセントが正しく設置されているか、配線に間違いがないかを目視で最終確認します。その後、ブレーカーを戻し、検電器などで正常に電気が来ているか、電圧は適切か、漏電はないかなどを入念に確認します。
  7. お客様へのご説明:作業内容、交換したコンセント、今後の安全な使用方法、たこ足配線の注意点などについて、お客様に分かり易くご説明します。今までと同じ使い方をすると、同じ問題が発生する可能性がある事もお伝えします。壁コンセントが少なく、どうしても同じ様な状況で機器を使用したい場合は、新たに分電盤から20Aのコンセントを使用出来る様にコンセントを増設するご提案をします。

今回の藤沢市のケースでは、上記の工程を経て、漏電がない事を確認した上で、新しいパナソニック製コンセントへの交換作業を無事完了しました。作業時間は、調査を含めて半日程度でした。

コンセント焼損を未然に防ぐ!今日からできる予防策

コンセント焼損の様なトラブルは、日頃の心掛けで未然に防ぐ事が可能です。以下の点に注意して、安全な電気使用を習慣づけましょう。

  1. たこ足配線の見直し:一つのコンセントから多くの電気を取り過ぎない様にしましょう。特に、ドライヤー、電子レンジ、電気ケトル、アイロン、暖房器具など、消費電力の大きな機器を同時に使用するのは避けて下さい。機器の消費電力(W)を確認し、合計がコンセントの定格容量(通常1500W)を超えない様に注意が必要です。
  2. 電源タップの定格容量を確認:使用している電源タップにも定格容量があります。タップ自体の容量を超えて使用する事も危険です。確認し、容量を超えない範囲で使用しましょう。
  3. プラグの抜き差しは根元を持つ:コードを引っ張ってプラグを抜くと、コード内部の電線が断線したり、プラグ部分が破損したりする原因となります。必ずプラグ本体を持って、まっすぐ抜き差しして下さい。
  4. プラグ周りの清掃:コンセントとプラグの間にホコリが溜まると、湿気を吸って電気を通しやすい状態になり、トラッキング現象による発火の原因となる事があります。定期的に乾いた布で清掃しましょう。
  5. コードの取り扱いに注意:コードを束ねたまま使用したり、家具の下敷きにしたり、ドアに挟んだりすると、コードが損傷したり、異常発熱したりする原因になります。コードは伸ばして使用し、無理な力が掛からない様に配慮しましょう。
  6. コンセントの異常に気付いたらすぐ連絡:コンセントやプラグが異常に熱い、変色している、焦げ臭い、プラグの抜き差しが緩いなどの異常に気付いたら、すぐに使用を中止し、電気工事の専門業者に点検を依頼して下さい。
  7. 定期的な点検:建物や電気設備も年月の経過とともに劣化します。特に異常を感じなくても、10年に一度程度は専門業者による電気設備の点検を受ける事をお勧めします。

これらの点を日頃から意識する事で、コンセント焼損のリスクを大幅に減らす事が出来ます。

まとめ

今回は、藤沢市で発生したコンセント焼損事例を元に、その原因である過電流、特にたこ足配線の危険性、放置するリスク、そして安全なコンセント交換工事の重要性について解説しました。

コンセントは私達の生活に不可欠なものですが、使い方を誤れば火災や感電といった重大な事故に繋がる可能性があります。特に、たこ足配線による過電流はコンセント焼損の一般的な原因であり、十分な注意が必要です。

もしご自宅のコンセントに焦げ付きや変色、ぐらつきなどの異常を発見した場合は、決して放置したり自分で修理しようとしたりせず、速やかに私たちのような電気工事の専門家にご相談ください。漏電調査を含めた適切な点検と、安全なコンセント交換作業により、安心してお使い頂ける状態に復旧致します。

日頃からの安全な電気の使用方法を心掛けると共に、定期的な点検も実施する事で、電気に関するトラブルを未然に防ぎ、安全で快適な暮らしを守りましょう。電気に関するお困り事が御座いましたら、いつでもお気軽にご連絡下さい。

作業・施工内容漏電調査及びコンセントの交換
施行期間半日
施工エリア神奈川県藤沢市鵠沼松が岡
機器メーカーパナソニック
機器型番WPT1502WKP

コンセントが少し焦げているのですが、まだ使えますか?

いいえ、絶対に使用しないで下さい。少しの焦げ付きでも、内部では損傷が進んでいる可能性があり、火災や感電のリスクが非常に高い状態です。すぐに使用を中止し、電気工事の専門業者に点検と交換を依頼して下さい。

コンセント交換は自分でもできますか?

コンセント交換は「電気工事士」の資格が必要な作業です。資格のない方が行なうと、配線ミスによるショート、火災、感電などの危険が伴います。法律でも禁止されていますので、必ず専門業者にご依頼下さい。

コンセント交換にはどれくらいの時間がかかりますか?費用は?

換作業自体は、1箇所あたり30分~1時間程度で完了する事が多いです。ただし、漏電調査や配線の状態によっては、もう少しお時間を頂く場合があります。費用については、コンセントの種類、個数、作業内容、出張費などによって異なりますので、まずはお気軽にお見積もりをご依頼下さい。今回の藤沢市のケースでは、調査含め半日程度の作業でした。

どんなコンセントに交換してもらえますか?

お客様のご要望や設置場所に合わせて、様々な種類のコンセントをご提案出来ます。今回使用したパナソニック製WTP1502WKPのような標準的なものから、USBポート付き、アース付き、防水タイプ、デザイン性の高いものなど、幅広く取り扱っております。お気軽にご相談下さい。

分電盤交換の際に注意すべき点はありますか?

はい、可能です。コンセントが足りない場所に、安全に配慮した上でコンセントを増設する工事も承っております。電気容量などを確認し、最適なプランをご提案致しますので、お気軽にご相談下さい。これにより、危険なたこ足配線を減らし、より安全で快適に電気をお使い頂けます。