インターホンの位置を変えたい!配線不要なワイヤレスとDIYの注意点

インターホンの位置変更・完全ガイド:費用からDIYの注意点まで

こんにちは。横浜市を拠点に活動しております、横浜電気工事レスキューの主任電気工事士「天谷(あまたに)富士夫」です。

「リビングのレイアウトを変更したら、愛用のソファの真後ろにインターホンが隠れてしまって使いにくい…」「料理中に来客があると、いつもキッチンから慌てて玄関近くのモニターまで走らないといけない…」など、日々の暮らしの中でインターホンの位置に関するちょっとした不便さを感じたことはありませんか?

「もっと使いやすい場所にあればいいのに」というお悩み、実は多くの方が抱えられている切実な問題です。

いざ位置を変えたいと思っても、費用は一体どれくらいかかるのか、交換工事費の一般的な相場はいくらなのか、ヤマダ電機のような大手量販店に頼むのと、電気工事専門店では何が違うのか、気になりますよね。

また、「DIYで配線を延長できないかな?」「電気工事士の資格なしでも作業できる範囲はあるの?」といった疑問や、そもそも「面倒な配線工事なしで、壁に穴を開けないワイヤレスタイプに交換できないだろうか?」など、次から次へと考えが巡るかと思います。

そこでこの記事では、インターホンの移設に関する疑問をプロの視点でスッキリ解決します。気になる費用相場から具体的な移設方法、後悔しないための注意点まで、どこよりも分かりやすく丁寧に解説していきます。

記事のポイント

  • インターホンの移設や交換にかかる費用相場と詳細な内訳
  • DIYで位置変更する際のリスクと電気工事士資格の必要性
  • プロが教える最適なインターホン設置場所と高さの基準
  • 配線不要なワイヤレスインターホンのメリットと選び方
目次

インターホンの位置を変えたい時の方法と費用は?

賃貸・費用重視ならワイヤレス、持ち家・見た目重視ならプロ工事という分岐フローチャート

「このインターホン、もう少しこっちにあったら便利なのに…」そう感じたとき、まず頭に浮かぶのは「どうやって移動させるのか」そして「最終的にいくらかかるのか」という、方法と費用の2大テーマですよね。

ここでは、専門業者に依頼した場合の具体的な費用感から、ご自身で挑戦するDIYに伴うリスクと注意点、さらには大掛かりな工事が不要なワイヤレスという選択肢まで、考えられる全ての選択肢を一つひとつ、詳しく掘り下げていきましょう。

移設の費用相場と交換工事費

壁の中に隠す隠蔽配線と、モールで覆う露出配線の施工イメージ比較図

インターホンの移設にかかる費用は、現在のインターホンがどのように設置されているか、新しい設置場所がどこか、そして配線の状態がどうなっているかなど、現場の状況によってかなり幅広く変動するのが正直なところです。

ですから、これからお話しする金額は、あくまで一般的なケースの目安として参考にしてください。

費用は大きく分けて、作業そのものに対する「工事費」と、これを機に新しいインターホンに交換する場合の「インターホン本体の価格」という2つの要素で構成されます。

工事内容費用相場の目安備考
既存の配線を延長して移設(本体はそのまま利用)15,000円 ~ 30,000円壁の内部に配線を隠す「隠蔽配線」は高めに、壁の表面にモールを這わせる「露出配線」は安めになる傾向があります。移動距離によっても変動します。
新しいインターホンに交換して移設20,000円 ~ 40,000円 + 本体代本体代は、音声のみのシンプルなものなら数千円から、録画機能付きのカラーモニタータイプなら1.5万円~5万円以上と機能によって大きく異なります。
電源直結型からコンセント式への変更工事25,000円 ~ 45,000円電気工事士による作業が必須です。近くにコンセントがない場合は、壁内に配線を通しコンセントを増設する工事が別途必要になる場合があります。

費用の内訳を詳しく見てみましょう

  • 基本工事費
    既存インターホンの取り外し、新しい場所への取り付け、配線の接続といった、基本的な一連の作業に対する料金です。ここには技術料が含まれます。
  • 配線延長費
    移動距離が長く、既存の配線では長さが足りない場合に発生する追加費用です。使用するケーブルの種類や長さによって変動します。
  • 部材費
    延長用の配線ケーブル、配線を隠すためのモールや配管、壁内に設置するスイッチボックスといった、工事に使用する材料の実費です。
  • 出張費
    作業員が現場までお伺いするための交通費や駐車場代などですね。会社からの距離によって変動することが多いです。
  • (オプション)壁の補修費
    元のインターホンがあった場所の穴をパテで埋めてクロスを部分的に貼り直したり、新しい設置場所の壁を開口した後の仕上げを行ったりする場合の費用です。内装業者さんへの依頼となり、別途見積もりになることもあります。

特に、仕上がりの美しさを重視される方に人気の「隠蔽配線」は、壁の中に配線を通すため見た目が非常にスッキリしますが、壁に穴を開けたり、場合によっては一度壁材を剥がしたりする必要があるため、手間がかかる分、費用も高くなる傾向にあります。

反対に、壁の表面に「モール」と呼ばれる化粧カバーを使って配線を這わせる「露出配線」は、壁を大きく傷つけることなく作業できるため、比較的安価かつ短時間で済ませることが可能です。

配線をきれいに隠す方法については、以下の『壁に穴を開けない「露出配線」とモールのやり方(LAN配線工事例)』の記事も参考にしてみてください。

見積もりは必ず事前に取得しましょう

繰り返しになりますが、上記の金額はあくまで標準的なケースの目安です。

建物の構造(木造、鉄筋コンクリートなど)や壁の材質(石膏ボード、土壁、コンクリートなど)によって作業の難易度が大きく変わり、費用も変動します。

後々のトラブルを避けるためにも、必ず工事を依頼する前に複数の業者から詳細な見積もりを取り、作業内容と金額をしっかり確認するようにしてください。

ヤマダ電機など業者に頼む場合の工事費

家電量販店と電気工事専門店のメリット・デメリット比較表(ポイント付与、下請け施工など)

インターホンの移設や交換は、私たちのような地域密着の電気工事専門店だけでなく、ヤマダ電機やケーズデンキといった大手家電量販店でも依頼することができます。

それぞれに一長短がありますので、ご自身の希望や状況に合わせて選ぶのが良いかなと思います。

どちらに依頼するか迷われた際は、以下の『インターホンの交換どこに頼む?費用と依頼先の選び方』の記事も参考にしてみてください。

家電量販店に依頼する場合

最大のメリットは、新しいインターホン本体の購入と同時に工事を申し込める手軽さでしょう。たくさんの機種を実際に見て触って選べますし、購入金額に応じたポイントが付与されるのも嬉しい点ですね。

料金体系も「標準工事費込み」といった形で分かりやすくパッケージ化されていることが多いです。

一方で、知っておくべき注意点もあります。それは、実際に工事を担当するのが家電量販店の社員ではなく、提携している下請け業者であることがほとんどだということです。

そのため、お客様の細かな要望や現場の特殊な状況に対して、柔軟な対応が難しいケースが見受けられます。

「標準工事」として定められた範囲(例えば、既存配線を利用した同位置での交換など)を超える作業が発生した場合、追加料金が発生することがあります。

どこまでが標準工事に含まれるのか、事前に作業範囲と追加条件を確認しておくことが重要です。

電気工事専門店に依頼する場合

私たちのような専門店の一番の強みは、やはり専門性と対応力です。

最初の問い合わせから現場調査、見積もり、そして施工までを一貫して同じ電気工事士が担当することが多く、話がスムーズで安心感を持っていただける点にあります。

お客様が「なぜ位置を変えたいのか」「どういう使い方をしたいのか」といった背景まで細かくヒアリングし、建物の構造を理解した上で、最適な配線ルートや設置方法をご提案できます。

ちょっとした追加のご要望にも「それなら、こうしましょうか」と柔軟に対応しやすいのが特徴ですね。

費用面では、一見すると量販店のパッケージ料金より高く感じられることがあるかもしれません。

しかし、私たちは事前に現場を拝見し、追加工事の可能性も含めて見積もり内容を明確にしますので、後から「話が違う!」といった料金トラブルは起きにくくなります。

総額で比較すれば、結果的に専門店の方が安かったというケースも少なくないんですよ。

後悔しない業者選びの秘訣は「相見積もり」

私が一番おすすめする方法は、手間を惜しまずに複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」です。最低でも2~3社に声をかけてみましょう。

提示された金額を比較するだけでなく、担当者の対応の丁寧さ、質問への回答の分かりやすさ、提案内容の質などを総合的に見て、ご自身が「この人になら安心して任せられる」と思える業者を選ぶのが、何より後悔しないコツですよ。

DIYで行う注意点

「専門業者に頼むと費用がかかるし、少しでも節約したい」という思いから、ご自身でのDIYによる移設を考える方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、その考えには少し立ち止まっていただきたいです。インターホンの工事は、知識なく行うと火災や感電といった重大な事故につながる非常に危険な作業を含む場合があります。

特に注意が必要なのが、ご自宅のインターホンがどのタイプか、という点です。

資格が必要な電気工事の危険性については、以下の『無資格DIYがNGな電気工事の理由(屋外コンセント設置の事例)』の記事でも詳しく解説しています。

「電源直結型」の工事は電気工事士の業務です!

インターホン裏側の図解。電源コードがない直結型とプラグがあるコンセント式の見分け方

インターホンの室内親機の裏側を見て、電源コードが見当たらず、壁の中の電線と直接つながっている「電源直結型」というタイプがあります。

この配線を触る作業は、国家資格である「電気工事士」の資格を持つ者でなければ絶対に行ってはいけません。

これは「電気工事士法」という法律で厳しく定められており、無資格者が工事を行った場合、法律違反として罰則(3ヶ月以下の拘禁刑または3万円以下の罰金)の対象となります。

(出典:e-Gov法令検索 電気工事士法 閲覧日:2026年2月17日)

ご自身の安全と、ご家族の安全のためにも、絶対にやめてください。

一方で、親機から電源コードが伸びていて、コンセントにプラグを挿して使う「コンセント式(プラグイン式)」や、乾電池で動くタイプであれば、資格がなくても機器を取り外したり設置したりすること自体は可能です。

しかし、だからといってDIYでの移設が誰にでも簡単にできる、というわけでは決してありません。

DIYに潜む主なリスク

壁内部での配線トラブルや、ショート・発火事故の危険性を示すイラスト
  • 壁内部の損傷
    壁の中に配線を通そうとして、見えない場所にある柱や重要な筋交い、断熱材を傷つけてしまう可能性があります。最悪の場合、他の電気配線やガス管、水道管を損傷させ、大規模な修繕が必要になることもあります。
  • 機器の故障
    配線の接続方法を間違えると、インターホン本体がショートして故障する原因になります。繊細な電子機器なので、ちょっとしたミスが致命傷になることも。
  • 仕上がりの問題
    壁に開けた穴の処理がうまくいかず、パテの跡が目立ってしまったり、延長した配線を隠すモールが曲がってしまったりと、見た目が悪くなってしまうケースは非常に多いです。
  • 賃貸物件でのトラブル
    賃貸物件の場合、許可なく壁に穴を開けると、退去時に高額な原状回復費用を請求される可能性があります。必ず事前に大家さんや管理会社の許可が必要です。

正直なところ、私たちプロの目から見ても、壁の中の状況を正確に把握しながら配線を通す作業は、経験と専門知識がなければ簡単ではありません。

安全面と仕上がりの確実性を考慮すれば、たとえ資格が不要なタイプのインターホンであっても、専門の業者に依頼することを強くおすすめします。

電気工事士の資格なしで可能な配線延長

「では、資格がなくても合法的にできる作業はどこまでなのか?」という疑問が湧きますよね。これについては、基本的には「限定的で、かつ推奨はしない」というのが私の答えになります。

法律上、無資格者が扱える可能性があるのは、電鈴・インターホーン等に使用する「小型変圧器(二次電圧36V以下)」の二次側に限るなど、条件が厳しく限定されています。

たとえば、玄関子機と室内親機をつなぐ配線でも、機器の方式や電源構成によっては該当しない場合があります。

自己判断での配線延長は避け、まずは機器の仕様(電源・電圧)と建物側の配線状況を確認したうえで、必要なら電気工事士に相談してください。

実は、この一見簡単そうに見える作業にも、多くのリスクが伴います。

  • 接触不良による不具合
    配線の接続が甘かったり、不適切な方法でつないだりすると、接触不良を起こします。その結果、「音声が途切れ途切れになる」「映像にノイズが入って来客の顔が判別できない」といった不具合の直接的な原因になります。
  • 仕上がりの見た目
    延長した配線を壁の表面に固定するためには、ステップルという釘で留めたり、モールというカバーで覆ったりする必要があります。これをまっすぐ、きれいに仕上げるのは意外と難しく、いかにも「後付け」という感じが出てしまいがちです。
  • 断線させてしまうリスク
    インターホンに使われるチャイムコードは非常に細くデリケートです。作業中に強く引っ張ったり、被覆を剥く際に芯線を傷つけたりすると、簡単に断線してしまいます。そうなると、原因箇所を見つけるのが非常に困難になります。

結論として、たとえ法律上は問題ない弱電の配線作業であっても、確実な動作と美しい仕上がりを求めるのであれば、やはりプロに任せるのが一番の近道であり、最も安心できる選択肢だと私は思いますね。

穴を開けないで済むワイヤレスインターホン

工事不要だが電池交換が必要など、ワイヤレスタイプの長所と短所まとめ

「そもそも壁に穴を開けたくない」「賃貸物件だから大掛かりな工事は許可されない」といった場合には、ワイヤレスインターホンが非常に強力な選択肢になります。

その名の通り、玄関子機と室内親機との間の通信を電波で行うため、これまでお話ししてきたような面倒で費用のかかる配線工事が一切不要になるんです。

ワイヤレスインターホンの主なメリット

  • 工事不要で設置が驚くほど簡単
    玄関子機は付属のネジや強力な両面テープでドア横の壁やドア自体に固定するだけ。室内親機はコンセントに挿すか、充電式のものは好きな場所に置くだけで設置が完了します。
  • トータル費用を安く抑えられる
    DIYなら工事費が一切かからないため、必要な費用はインターホン本体の価格のみです。数万円単位での節約が見込めます。
  • 賃貸物件や仮住まいに最適
    壁や柱を一切傷つけることがないため、退去時の原状回復の心配がありません。引っ越しの際には取り外して次の住居で使うことも可能です。

導入前に知っておきたいワイヤレスインターホンのデメリット

  • 電池交換・充電の手間が発生する
    多くの製品で、玄関子機は電池式です。電池寿命は機種や設定・使用頻度で差が大きく、目安として約6か月〜24か月程度と幅があります。室内親機も充電式の場合は、定期的な充電の手間がかかります。(参考:アイホン ワイヤレステレビドアホン WL-11 閲覧日:2026年2月17日
  • 電波の安定性が環境に左右される
    最大の注意点です。鉄筋コンクリート造の建物や、金属製の断熱ドア、ガレージや他の部屋との間に多くの壁や障害物があると電波が届きにくく、映像や音声が途切れたり、応答が遅れたりすることがあります。
  • 一部の機能に制限がある
    マンション全体のオートロックシステムと連動させることはできません。また、電気錠を遠隔で解錠するといった、配線式ならではの高度な機能は使えない製品がほとんどです。

これらのメリットとデメリットをしっかりと理解した上で、ご自宅の建物の構造や使い方に合うようであれば、ワイヤレスインターホンは費用と手間を最小限に抑えつつ、「インターホンの位置を変えたい」という希望を叶えてくれる、非常に手軽で優れた解決策と言えるでしょう。

配線なしで設置できるインターホンとは

「配線なし」と一言で言っても、実はいくつか種類があります。先ほどご紹介したワイヤレスインターホンがその代表ですが、電源の取り方や機能によって特徴が異なりますので、もう少し詳しく見てみましょう。

ご自身のライフスタイルに合ったものを選ぶ参考にしてください。

1. 完全ワイヤレス(玄関子機・親機ともに乾電池式)

玄関子機だけでなく、室内の親機(モニター)も乾電池で動作するタイプです。

このタイプの最大の魅力は、室内親機の設置場所に一切の制約がないこと。コンセントの位置すら気にする必要がないため、文字通り「家の中のどこにでも」置くことができます。

キッチンカウンターの上、リビングのテーブル、寝室のベッドサイドなど、その時々の生活シーンに合わせて持ち運べる製品も多いですね。ただし、玄関子機と親機の両方の電池残量を気にかける必要があります。

2. 電源コード式ワイヤレス(親機がコンセント式)

玄関子機は乾電池式ですが、室内親機はACアダプターをコンセントに挿して電源を取るタイプです。ワイヤレスインターホンの中では最も一般的なタイプかもしれません。

親機の電池交換や充電の手間がないため、管理が楽というメリットがあります。モニター画面が大きいモデルや録画機能が充実しているモデルなど、比較的高機能な製品に多く採用されています。

設置場所はコンセントの近くに限られますが、延長コードを使えばある程度の自由度は確保できます。

3. スマートフォン連動型(スマートドアホン)

外出先からスマホで来客対応をする様子と、防犯カメラ・子供の帰宅確認への活用図
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。

近年、急速に普及しているのがこのタイプです。

玄関子機を自宅のWi-Fiネットワークに接続し、お手持ちのスマートフォンやタブレットを室内親機の代わりとして使うという、新しい発想のインターホンです。

これなら、自宅にいるときはもちろん、外出先や勤務先からでもリアルタイムで来客対応ができます。

宅配業者に再配達をお願いしたり、急な来客に事情を伝えたりできるので、共働きのご家庭や一人暮らしの方には特に便利です。

多くはカメラの映像をクラウド上に録画する機能や、人の動きを検知して通知を送る動体検知機能を備えており、簡易的な防犯カメラとしての役割も期待できます。

ただし、導入には安定したWi-Fi環境が必須であること、初期設定が少し複雑な場合があること、またスマートフォンのアプリの通知設定をオンにしておく必要があることなどは、留意しておくべきポイントです。

スマートフォンの連動や修理・交換の業者選びについては、以下の『インターホンの修理はどこに頼む?費用と業者選び』の記事もあわせてご覧ください。

Wi-Fi環境の改善方法については、以下の『Wi-Fiが不安定な原因と改善策(LAN工事で安定化した事例)』の記事もあわせてご覧ください。

後悔しない!インターホンの位置を変えたい時の注意点

せっかく時間と費用をかけてインターホンの位置を変えるのですから、「もっとこうすれば良かった…」なんて後悔はしたくないですよね。

ここでは、移設工事で失敗しないために、プロの私たちがいつも気をつけている設置場所の選び方のコツや、特にマンションにお住まいの方が知っておくべき重要な確認事項など、事前に押さえておきたいポイントを具体的にお伝えします。

おすすめの設置場所と標準の高さ

毎日の使いやすさを大きく左右するのが、設置する「場所」と「高さ」です。これは本当に重要で、私たちは工事の前に必ずお客様の普段の生活動線をお伺いし、最適な位置をご提案するようにしています。

玄関子機(屋外側)の最適な位置と高さ

玄関子機は地面から145cm、室内親機は床から130cm〜150cmの高さを推奨する図解
  • 高さ
    目安としては地面(床)から約145cmがよく用いられます。取扱説明書では「機器中心」を基準に示している例もあるため、施工前にお使いの機種の推奨高さ(中心位置の基準)を確認すると確実です。(参考:ELPA(朝日電器) DHS-SM2030 設置説明書 閲覧日:2026年2月17日
  • 場所
    当然ながら、玄関ドアの開閉の邪魔にならず、訪問者が立ったときに自然にボタンを押せる位置がベストです。それに加えて、可能であれば雨や直射日光が直接当たりにくい軒下などを選ぶと、機器の故障やレンズの劣化を防ぎ、長持ちさせることにつながります。

室内親機(モニター)の最適な位置と高さ

  • 高さ
    モニター画面の中心が、床から130cm~150cmの範囲に収まるのが一般的です。これは、立った状態で少し目線を下げるだけで自然に画面が見える高さです。ご家族の中に身長差がある場合は、皆さんにとって見やすい高さを相談して決めるのが良いでしょう。
  • 場所
    ここが一番のポイントであり、お客様が最も悩まれる部分ですね。ライフスタイルによって最適解は異なりますが、一般的に人気があり、かつ実用的なのは以下の場所です。
    • リビング・ダイニング
      やはり家族が一番長く過ごす場所ですね。ソファでくつろいでいる時や、食事中にもすぐに来客を確認し、応対できます。
    • キッチンから見える場所
      料理中や洗い物の最中は、手が濡れていたり汚れていたりして、すぐに動けないことが多いですよね。そんな時でも、パッと顔を上げるだけで誰が来たかを確認できる位置にあると、非常にストレスが減ります。
    • 生活動線上(例:廊下など)
      玄関からリビングへ向かう途中や、各部屋への分岐点となる廊下なども有力な候補です。家の中を移動する際に必ず通る場所なので、確認漏れが少なくなります。

設置高さの基準まとめ

  • 玄関子機:地面から約145cm
  • 室内親機(モニター中心):床から約130cm~150cm

これはあくまで一般的な基準です。例えば、車椅子をご利用のご家族がいらっしゃる場合は、それに合わせて親機の高さを低めに設定するなど、ご家庭の状況に応じて柔軟に調整することが何よりも大切です。

失敗しないリビングでの設置箇所

ソファ裏やテレビ横などNGな場所と、ニッチや家事動線上などOKな場所を示した間取り図

多くの方が移設先の第一候補に挙げるリビングですが、実は安易に場所を決めてしまうと後悔につながりやすい場所でもあります。よくある失敗例と、それを防ぐためのプロからのアドバイスをご紹介します。

リビングでのありがちな失敗例

  • ソファの真後ろに設置
    デザイン的には壁がスッキリ見えますが、いざソファに座ると体をひねらないとモニターが見えず、操作も非常にしにくい、という本末転倒なパターンです。
  • テレビのすぐ横
    テレビを見ているときに来客があると、画面の明るさや動きが気になってしまいます。また、テレビの光がモニターに反射して、昼間に来客の顔が見づらくなることも。
  • 日当たりの良い窓の近く
    西日などの強い直射日光が長時間当たると、モニターの液晶画面や本体のプラスチック部分が紫外線で劣化し、故障や変色の原因になります。
  • 将来の家具配置を考えずに設置
    今は何もない壁でも、将来的に背の高い本棚やキャビネットを置きたくなるかもしれません。その時にインターホンが邪魔で置けない…となると、とても残念ですよね。

リビングでの設置を成功させるポイント

もしリフォームや新築のタイミングで位置を検討できるのであれば、私の一番のおすすめは、「ニッチ」と呼ばれる壁をへこませた飾り棚のようなスペースを作って、そこに設置する方法です。

インターホンの親機だけでなく、給湯器のリモコンや照明のスイッチ類をニッチ内に集約させることで、壁面がゴチャゴチャせず非常にスッキリとした印象になり、インテリア性も格段に向上します。

すでにお住まいの場合でも、「今」のレイアウトだけでなく、数年後の家具の配置換えの可能性も少し想像しながら、生活動線を妨げない壁面を選ぶことが、長く快適に使い続けるための重要なコツになります。

マンションで移設する際の確認事項

オートロック連動型は共用部扱いであり、勝手な交換がNGであることを示すイラスト

マンションにお住まいの場合、戸建て住宅とは異なり、工事の前に必ず確認・クリアしなければならない重要な点がいくつかあります。

これを怠って自己判断で工事を進めてしまうと、後で管理組合と大きなトラブルに発展しかねません。

何よりも先に「管理規約」の確認と「管理組合」への許可申請を!

マンションのインターホン移設で最も重要な、そして最初に行うべきことは、工事を計画する前に必ずマンションの「管理規約」を熟読し、定められた手順に沿って管理組合や管理会社に許可を取ることです。

玄関ドアの外側はもちろん、室内の壁であっても、その内部にある配線やコンクリート躯体は「共用部分」と定められていることがほとんどです。共用部分に許可なく手を加えることは、規約で固く禁じられています。

(参考:マンション管理業協会 管理組合運営・管理規約等に関するQ&A Q0117 閲覧日:2026年2月17日

室内親機の位置を少しずらすだけであっても、壁の石膏ボードに穴を開けて配線を通す場合は、管理規約の対象になることがあります。

実際に、工事内容を記した申請書の提出や、管理組合・管理会社の事前承認が求められるケースも多いため、必ず管理規約と手続きを確認してから進めてください。

特に、移設先の壁の裏がコンクリート躯体であったり、お隣の住戸との境界壁(戸境壁)であったりすると、構造上の問題から配線を通すための穴あけ自体が許可されないこともあります。

「自分の部屋の中のことだから大丈夫だろう」と安易に考えず、必ず正式な手順を踏んでから計画を進めるようにしてくださいね。

オートロック連動の注意点

特に分譲マンションの場合に多いのが、お部屋のインターホンが、マンションのエントランスにある集合玄関機と連動している「オートロック連動型」のインターホンです。

このタイプのインターホンの移設や交換は、これまで解説した中で最も専門性が高く、注意を要するケースです。

オートロック連動インターホンは、単に来訪者と通話して玄関ドアの鍵を開けるだけの機械ではありません。

  • エントランスの集合玄関機からの呼び出しと通話、オートロック解錠機能
  • 各住戸に設置された火災報知器やガス漏れ警報器との連動(異常時に警報音を発したり、管理室へ自動通報したりする機能)
  • 管理員さんやコンシェルジュがいる管理室との通信機能
  • 他の住戸からの呼び出しに応答する機能(一部のマンション)

このように、マンション全体のセキュリティシステムや防災システムの中枢を担う、非常に重要な設備の一部なのです。

そのため、システムに適合しない機種に勝手に交換したり、移設の際に配線を間違えたりすると、ご自身の部屋だけでなく、最悪の場合マンション全体のシステムに深刻な不具合を生じさせてしまう危険性があります。

オートロック連動型は個人での機種選定やDIYは絶対にNG!

このタイプのインターホン工事を検討する場合は、個人で業者を探す前に、まず管理会社に連絡してください。

多くの場合、マンションのシステムを熟知した指定業者が決められています。もし指定業者がいない場合でも、必ず管理会社を通じてシステムの仕様を確認し、それに適合した機種を選定できる専門業者に依頼する必要があります。

交換できる機種も、システムに適合する後継機種などに限定されることがほとんどです。

玄関での方角と風水の考え方

これは電気工事の専門的な話からは少し離れますが、お客様との打ち合わせの中で時々ご質問をいただくのが「風水」に関する考え方です。

「家の顔」とも言われる玄関は、風水の世界では良い運気が入ってくる大切な場所とされており、インターホンの位置を気にされる方もいらっしゃるんですね。

一般的に耳にするのは、鬼門(北東)や裏鬼門(南西)と呼ばれる方角に、インターホンのような音の出るものや電子機器を設置するのは避けた方が良い、という考え方です。

また、玄関ドアを開けてすぐ正面にインターホンが「衝(しょう)」となる(ぶつかる)形で見えるのも良くない、という説もあるようです。

ただ、これはあくまで多種多様な考え方の中の一つです。私たち専門家の立場としては、やはり「毎日の使いやすさ」や「訪問者の顔をしっかり確認できる防犯性」といった機能面を最優先して場所を決めることを強くお勧めします。

例えば、風水を意識するあまり、雨風に晒されやすい場所に子機を設置してしまったり、カメラに西日が直接入って逆光になる場所に設置してしまったりしては、本末転倒ですからね。

あくまで豆知識の一つとして、設計士さんや私たち工事業者と相談する際の話題にしてみる、というくらいの距離感で捉えるのが良いかもしれません。

インターホンの位置を変えたい希望を叶えるには

現状把握、場所検討、方法選択、見積もりという手順のフローチャート

さて、ここまでインターホンの位置変更に関する様々な方法や注意点について、かなり詳しくお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか。

最後に、あなたの「インターホンの位置を変えたい」というご希望を、スムーズに、そして安全・確実に叶えるためのステップをまとめておきましょう。

  1. 現状のインターホンを把握する
    まずはご自宅のインターホンが、壁と配線が直結した「電源直結型」か、コンセントに挿す「コンセント式」かを確認しましょう。マンションの場合は「オートロック連動型」かどうかが最も重要な確認項目です。
  2. 理想の移設先を検討する
    ご家族の普段の生活動線をよく観察し、「どこにあれば一番便利か」を考え、具体的な場所と使いやすい高さをイメージします。
  3. 最適な方法を選択する
    配線工事が必要な場合は、DIYのリスクを十分に理解した上で、基本的にはプロの電気工事士に相談することを強くおすすめします。賃貸物件などで大掛かりな工事が難しい場合は、手軽なワイヤレスインターホンへの交換を検討しましょう。
  4. 業者に相談し、相見積もりを取る
    マンションの場合は管理組合への確認を絶対に忘れないでください。その上で、複数の業者から見積もりを取り、提示された料金と工事内容をしっかり比較検討し、最も納得のいくところに依頼するのが成功への一番の近道です。

横浜市・川崎市・東京都で業者をお探しの方へ

インターホンの位置がほんの少し変わるだけで、日々の暮らしの快適さは驚くほど向上します。「ちょっと不便だな」と感じる小さなストレスも、積もり積もれば大きな負担になりますからね。

もし横浜市・川崎市およびその周辺エリアでインターホンの位置変更や交換をご検討中でしたら、ぜひ私たち横浜電気工事レスキューにお気軽にご相談ください。

経験豊富なプロの電気工事士がお客様のご自宅の状況とご希望を丁寧にヒアリングし、最適なプランと正確な見積もりをご提案させていただきます。

お見積もりは無料ですので、「まずは話だけでも聞いてみたい」という段階でも大歓迎です。